ペルシア人の手紙

ペルシア人の手紙(岩波文庫)は,パリへやってきたペルシアの2紳士が,故郷との往復書簡のなかで,当時のフランスの風俗社会を批判するという書簡体の風刺小説。 モンテスキューが若き日に匿名で出版し,1721年,発行とともに,当時のアジア本の流行にものって,偽版も出るほどの大評判となった。 思想の上では,『…

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岩波文庫戦時コレクション-慰問袋の中身

世に推薦図書はいろいろあるが,たいていはブックフェアなどのために出版社が毎年,自社のラインナップから代わりばえのしない作品を選んだり,あるいは読書感想文のために児童文学者(ってなんであんなに胡散臭いんだろう)が,聞いたこともない著者の本を選んだりして,あまり真面目に読んでいこう!という気にはならない…

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サンリオSF文庫

一時期,あれだけ書店の棚を賑わせていたサンリオSF文庫が廃刊となって,早くも10年が過ぎました。 1978年,それまでの文庫とは一線を画した綺麗な表紙と洒落たデザインで登場したSF文庫は,ハヤカワや創元とはひと味違う,目新しい作品を数多く収録し,注目を集めました。 本邦初訳も多かったせいか,一時は…

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旧掲示板3

文庫本大好き-掲示板No.3 すずき – 98/01/12 20:11:39 電子メールアドレス:hachikochan@hi-ho.ne.jp コメント: 富田さん こんにちは。都内にお勤めだったんですね。よかった。私は八丁堀の職場から20分歩いていっているんですよー!書き忘れましたが、教文館の岩…

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カフカを好きな方へ

“好きな作家は?”と訊ねられてカフカと答える人は多いだろう。岩波文庫にもカフカが3点収録されており,主だった作品を読むことができる。 変身(断食芸人),審判,短篇集(掟の門,判決,田舎医者,雑種,流刑地にて,父の気がかり,狩人グラフス,火夫,夢,バケツの騎士,夜に,中年のひとり者ブルームフェルト,…

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1998年1月

Book Review January 1998 カフカ寓話集 迷路のような巣穴を掘りつづけ,なお不安に苛まれる大モグラ.学会へやってきて,自分の来し方を報告する猿….死の直前の作「歌姫ヨゼフィーネ」まで,カフカ(1883-1924)は憑かれたように奇妙な動物たちの話を書きつづけた.多かれ少なかれ,…

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