岩波文庫8月の新刊

岩波文庫8月の新刊(8月17日発売)

美しき惑いの年 (岩波文庫)
カロッサ
岩波書店
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■美しき惑いの年(カロッサ)
ギムナージウムを終えた私は大都市ミュンヒェンで医学を学びはじめる……。60歳を過ぎ、円熟味を増した老作家は、時代の子として〈危険な年齢〉を生きた40年以上も前の若き日を振り返る。青春の行路において様々な〈惑い〉に出会いながらも、質実に〈人間であること〉を目指して生きる一青年の歩みを描いた自伝的小説。

牛乳屋テヴィエ (岩波文庫)
ショレム・アレイヘム
岩波書店
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■牛乳屋テヴィエ(ショレム・アレイヘム)
ユダヤの伝統と信仰を墨守してつましく暮らす牛乳屋のテヴィエ。だが彼の娘たちは、それぞれの生き方を信じて、革命家の青年や信仰のかけ離れたロシア人など、恋をした相手のもとへ次々と去ってゆく。ユダヤ人集落(シュテートル)のしきたりを破って伝統の枠から飛び出してゆく娘たちの姿に民族離散(ディアスポラ)の主題を重ねた、イディッシュ文学の金字塔。

通過儀礼 (岩波文庫)
通過儀礼 (岩波文庫)

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ファン・ヘネップ
岩波書店
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■通過儀礼(ファン・ヘネップ)
門と敷居、歓待、養子縁組、妊娠と出産、誕生、幼年期、成熟期、イニシエーション、叙任式、戴冠式、婚約と結婚、葬儀、季節、その他の諸儀式を初めて体系的に論じた書。特に過渡期という境界状況の考察は、コミュニタス理論など後の人類学の理論的展開の基盤となった。

時と永遠 他八篇 (岩波文庫)
波多野 精一
岩波書店
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■時と永遠 他八篇(波多野精一)
波多野宗教哲学の到達点を示す代表作。無常にして不安定な現世の時間性を克服するためには、「他者」との生の共同による宗教的生によってこそ永遠性への道が開かれることを、透徹した文体により論じる。併せて講演、随想八篇を収録。

日本近代短篇小説選 昭和篇1 (岩波文庫)
岩波書店
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■日本近代短篇小説選 昭和篇1〔全6巻〕(紅野敏郎ほか編)
「死があたかも一つの季節を開いたかのようだった」(堀辰雄)――その時、溢れだした言葉、書かれずにおれなかった物語。明治・大正・昭和を短篇小説で織るシリーズ第一回刊行の本書には、井伏鱒二・横光利一・北条民雄・岡本かの子ら昭和2年から17年までの16篇を収録。