パイプの本

パイプ本をもう一冊。ダンヒル著「パイプの本」(梅田晴夫訳)。
本訳書は71年(昭和46年)に読売新聞社から出たが,原著初版は1924年だから,ダンヒルが1907年にロンドンに煙草店を開き,高級煙草店として名声を得た時期だ。本書はハウツー本ではなく,もちろんダンヒルブランドのカタログでもなく,世界各地のパイプ(およびそれに類似した喫煙方法)の歴史を詳細に記述した研究書で,古代のパイプからインディアンパイプ,アジアのパイプ,アフリカのパイプ,そして現代のヨーロッパのブライヤーパイプまで,豊富な図面を用いてわかりやすく解説している。
まあ,世間一般とは逆かもしれないが,パイプ好きにとっては,ダンヒルと言えばまずパイプ煙草のブランドで,ついでそもそもの馬具屋,最後にファションブランドとしてのダンヒルということになるわけ。私はひねくれ者かつ貧乏なので,ダンヒルのパイプは敬して遠ざけるというスタンスだが,ダンヒルブランドの煙草そのものは常喫しているので,本書は一種のバイブルとして大事にしている。
シリウスたばこ店にも紹介があります。