海底二万里(下)(ヴェルヌ)

岩波文庫の海底二万里(下)を読む。
読み終わって,やれやれという感じなのだが,それは本書が,詳細に記述された海中の科学的な興味より,ノーチラス号の中に自分の世界を作り上げようとしたネモ船長の薄気味悪さが先に立ち,ヴェルヌの他の多く作品のように気楽に読むことはできないからだ。子供の頃,ヴェルヌのシリーズを読んだ中で,本書の記憶が薄いのは,子供心にその辺りが馴染めなかったせいかと思う。
読みやすく訳されているが,解説が硬くてあまり読書欲をそそるようなものでないのが残念。
ちなみに岩波文庫のヴェルヌ作品は以下の通り。
赤569-1 十五少年(森田思軒訳)1938年刊品切
赤569-2 地底旅行(朝比奈弘治訳)1997年重版中
赤569-3 八十日間世界一周(鈴木啓二訳)2001年
赤569-4 海底二万里(上)(朝比奈美知子訳)2007年
赤569-5 海底二万里(下)(朝比奈美知子訳)2007年