うつうつひでお日記(吾妻ひでお)

うつうつひでお日記
「うつうつひでお日記」(吾妻ひでお)を読む。

漫画家吾妻ひでおの絵日記。朝起きて煙草を吸い,仕事して,笑っていいともを見て,図書館行って,編集者と会って,本読んで,仕事して,寝る・・・ということの繰り返し。本が売れれば喜び,連載が打ちきりになればがっかりする。別に何の事件も起こらない。
うつ病でアル中により禁酒中である著者は,突然暗い気持ちにおそわれ,睡眠薬と安定剤を飲み,布団にもぐってボーッとする。なんだ,大したうつ病じゃないんだ,と思うかもしれないが,これで作家活動をしていなかったら辛いだろうな。私はホームレス時代を描いた「失踪日記」よりこちらの方が,日常の漠然として不安が感じられて怖い本だと思った。
ほかに「つれがうつになりまして」という新刊。自分はどうみても几帳面な男ではなく,あまり「やらなくちゃいけない」というせっぱ詰まった気持ちにはならないのだが,なんとなく今の自分と違った自分を常に求めているような気持ちがあって(著者曰く,40歳になっても,まだ大人になったら何になりたいか・・・などと考えている),そこが現実味がないというか,いい加減な人に見られる原因の一つかも,と思ったりしている。