賃貸宇宙UNIVERSE for RENT

賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈上〉以前から気になって書店でパラパラ見ているうちに,だんだん見かけなくなってきてので,これはいけないと買いました。「TOKYO STYLE」に続く,ちくま文庫版 都築響一写真集「賃貸宇宙UNIVERSE for RENT」(全2冊)。分厚いけれど合わせて3570円はちょっと痛い(元本は2001年12月刊で1万円ほど)。ちなみに箱入りセットもあるらしいです。
1993年から2001年まで,300人ほどのふつうの人たちの賃貸住宅におけるライフスタイルを撮り続けたもの。とにかく雑然としていたり整然としていたり乙女チックだったりと,個性的な部屋を覗き見できるのが楽しい。文庫版は写真が小さいので,本に顔をくっつけたり離したりして,電車の中で怪しい人になってしまいますが,それぞれの部屋のディテールにおもしろさが詰まっています。
私のように何十年ものローンに縛られている人間からすると,このお気楽さが羨ましいと思う反面,個性的であるはずの各部屋が,結局みんな同じに見えてしまい,意外に閉じた世界だなぁという感じ。中身だけでなく外見もいじれる自分の家の方が楽しいかな,と思ったりもしました。負け惜しみかしら。