韓国の「昭和」を歩く(鄭銀淑)

韓国の「昭和」を歩く日韓併合から95年。韓国には今でも日本統治時代の建物が残っている。終戦と共に破壊されたものも多いが,米軍を通じて払い下げられ,普通の韓国人が生活の場としているところも少なくない。
日本が韓国に残したのは,建物だけではなく,地下鉄,街路,港などいろいろあり,もちろん年配の人は,子供の頃,日本語での教育を受けている。
祥伝社新書「韓国の「昭和」を歩く」(鄭 銀淑)は,若い韓国人の著者が,これら残された「昭和」(明治,大正も含まれるが)を求めて,各地を巡り,地元の人々の思い出話を聞いたもの。
日韓の歴史に突っ込んだ話ではなく,ガイドブックとして使えるほど地理的に詳しいものでもないので,やや中途半端な感じはするが,戦後生まれの日本人にとって「未知の世界」を知る手がかりにはなる。