サン・テグジュペリ「星の王子さま」

サン・テグジュペリ「星の王子さま」。著作権・翻訳出版権切れのため,今年続々と新訳が出ている。
 「星の王子さま」は1943年に出版され,53年内藤濯訳が岩波少年文庫に入り親しまれてきた。すでに日本での著作権保護期間50年を経過しているが,第2次世界大戦中に著作権が機能しなかった期間が「戦時加算」として加わるなどして10年以上延びたとのこと。
新訳は,6月の論創社,宝島社,中央公論新社に続いて,8月には集英社が出版予定。
問題は,いずれの新訳も題名に「星の王子さま」を使っていること。これは,故内藤氏のアイデアだと岩波書店や内藤さんの長男初穂さんが反発しているのだ。
朝日新聞によると,岩波書店は新訳本を出した論創社に対し,本の扉裏やあとがきに「星の王子さま」の書名は岩波版の翻訳者の内藤濯氏の考案であることを,重版分から明示することなどを求める要望書を出したとのこと。
ちなみに著作権法によると,タイトル(題号)は「思想又は感情の創作的表現」である「著作物」にはあたらないため,著作権による保護は与えられないと考えられている。よって岩波書店の主張も法的なものというより先人の功績に敬意を表して欲しいということなのだろうが,そうであるなら,古くから邦訳のある著名な翻訳書の大部分がそれにあたりそうだ。

コメント

  1. 星の王子さま

    キツネがいいました。
    「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」
    あの有名なサン=テグジュペリの「星の王子さま」の一節で…

  2. 『星の王子さま』

    「星の王子さま」
     サン=テグジュペリ 著 内藤 濯 訳 岩波書店(オリジナル版) 1000円+税 2000年
    「トゥルー・ストーリーズ」に「星の王子さま」の記述があった。

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