専修大学図書館(東三田)で、春の企画展「水滸伝vs八犬伝」が4月1日から27日まで開催される。
この企画展は、「水滸伝」から「八犬伝」までの読本の変遷や両作品から派生した草双紙(通俗的な絵入りの読み物)を展示するもので、浮世絵の歌川国芳の作品「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」も展示され、登場人物たちの姿を楽しめる。
明代の中国で書かれた伝奇歴史小説の大作「水滸伝」は近代初期頃に日本に伝来し、18世紀半ばに岡島冠山の通俗本「忠義水滸伝」が刊行されて以降、数多くの翻刻・翻案物が作られて戯作に多大な影響を及ぼした。そのひとつが19世紀前半、曲亭馬琴によって書かれた長編読本「南総里見八犬伝」で、「水滸伝」に構想を借りながら勧善懲悪と因果応報を思想基盤とした雄大な物語性から絶大な人気を得た。
同大学は一昨年に江戸時代の戯作の和本や草双紙を向井家和本コレクションとして収蔵。当時の資料が充実したために今回の企画展を開催することになったという。
主な展示資料は曲亭馬琴作の戯作「新編水滸画伝」や「南総里見八犬伝」など約25タイトル。浮世絵は歌川国芳画の「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」や「義勇八犬伝」など約50点。午前10時から午後5時まで。毎週日曜と4月5日は休館。無料。【タウンニュース他】