プロヴァンスの少女

mistral.gif岩波文庫「プロヴァンスの少女(ミレイユ)」(ミストラル)が復刊されます。これは,私が学生時代に出たもので,岩波文庫を読み始めるきっかけとなった懐かしい作品の一つです。
15世紀以来,フランスの南部プロヴァンス地方はフランス王国の勢力に押されて,16世紀半ばからは,フランス語の使用が義務付けられたため,古来のプロヴァンス語は19世紀になるまで一般に書き言葉として使用されることはありませんでした。しかし革命以降,各地に文芸復興運動が興ったのをうけ,プロヴァンス地方でもプロヴァンス語による文学作品が作られるようになり,その代表的な作品として,本書があります(1904年ノーベル文学賞を受賞)。
岩波文庫版は,杉冨士雄氏による,このプロヴァンス語からの直接訳です。