岩波文庫3月の新刊

岩波文庫3月の新刊は以下の5点。3月15日発売

愛されたもの (岩波文庫)
イーヴリン・ウォー
岩波書店
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■愛されたもの イーヴリン・ウォー(中村健二,出淵 博訳)
高度な遺体修復術にどんな死に方でもお任せください。ハリウッドの葬儀産業を舞台に詩人の卵・遺体化粧師・修復師が繰り広げる愛の物語。「神経のタフな読者へ」とウォーが贈る「死を忘ることなかれ(メメント・モリ)」は、暗喩と引用を巧みに織り込み、鋭いユーモアの奥に深い余韻を残す。

かくれんぼ・毒の園 他五篇 (岩波文庫)
ソログープ
岩波書店
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■かくれんぼ・毒の園 他五篇 ソログープ(中山省三郎,昇 曙夢訳)
ロシア前期象徴主義を代表する詩人・作家ソログープ(1863―1927)。影絵やかくれんぼに夢中になる少年少女たち……。汚濁に染まらない子供たちは美しいまま醜い現実によって死んでいく。夢と現実の交錯、美と醜、生と死の対立の中に、妖しくもにぶい光が立ちのぼる。表題作の他に、「白い母」「光と影」「死の勝利」等を収録。

ケネー 経済表 (岩波文庫)
ケネー
岩波書店
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■ケネー 経済表(平田清明,井上泰夫訳)
フランソワ・ケネー(1694―1774)は、一国の諸階級間の所得の流通と収入の源泉を、簡潔な線と数字で図式化して、社会的富の再生産過程を解明した。国家の富の源泉を農業において社会経済の再生産構造を考察した卓見は、マルクスの再生産表式やレオンチェフの産業連関表へと受け継がれる。経済学の成立を意味する不朽の古典。(改版)

上宮聖徳法王帝説 (岩波文庫)
岩波書店
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■上宮聖徳法王帝説(東野治之校注)
聖徳太子(厩戸皇子)についての現存最古の伝記。太子の出生と一族の情報、仏教興隆や冠位十二階など太子の政治上の事績、蘇我氏や物部氏にまつわる関係情報、欽明天皇から推古天皇にいたる五代の系譜などを記す。引用された「天寿国繍帳」の銘文も含め、いずれも日本古代史の第一級の史料を読み解く、詳しい注を付す。(改版)

新島襄自伝――手記・紀行文・日記 (岩波文庫)
岩波書店
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■新島襄自伝(同志社編)
教育者として、キリスト教伝道者として――日本初の私立大学設立を目指した新島襄(1843―90)は、青年時代に鎖国令を犯して函館から密出国し、19世紀後半のアメリカを中心に異文化の清新な空気にふれて、文明開化期の日本に帰国した。その後、病気と闘いながら、教育とキリスト教伝道を通じて日本の近代化に挺身した新島の波瀾に富んだ生涯を、残された自筆の記録により跡づける。