失敗する蔵書目録の作り方

みなさんは家にパソコンがやってきてからこれまでに,「蔵書目録を作ろう」と思い,実際にフォームを作り,
何冊かのデータを打ち込んで,そのままになってしまったという苦い経験はないでしょうか?

かくいう私のハードディスクには,無念にも敗れ去ったデータベース・フォームの残骸が累々と積み重なり,
目録墓場と化しています^^;;。

私の「蔵書目録の歴史」は….最初ワープロ(書院)
の表計算ソフトを使いましたが,画面が小さく入力が面倒,印刷が遅い,フロッピーしか使えない,などの理由で放棄。
パソコンにかわってからは,ロータス123,dBase,TheCARDなどに次々手を出し,
結局フォームを作っただけで満足し,入力した冊数は両手で数えられるほど….という状況です。

岩波文庫に限っていえば,当初より「著者番号」
をもとにした一覧表
をレポート用紙で作り,解説目録などを参考にリストを埋めていき,
購入したものについてはチェックマークを付けていく,という方法をとっていました。
これは簡単確実なやり方だったので長続きしました。

☆現代日本文学のリスト(例)

 

仮名垣魯文 西洋道中膝栗毛(上) 西洋道中膝栗毛(下)    
矢野龍渓 経国美談(上) 経国美談(下)    

著者番号がついていない古い岩波文庫はどうするのか? これはやむを得ないので,ファイルの最後に「古い文庫」
とでも題して,一覧表を作っておきます。そして復刊されたときに(著者番号が付く),
あらためて本表の方に移すようにします。

ただ,ここでも問題があり,復刊文庫の著者番号が「図書」を見ても出ていないのです。買えばわかるのですが,
すでに持っている書目が何番になるのか,あらためて調べなくてはなりません。大きな書店が近くにあれば,
復刊文庫がずらりと並んでいるでしょうから,お目当ての本を探し,ちょこちょことメモするという,
あまり格好のよくない方法をとることができます(数が多いと大変ですが)。それもダメな場合は,想像をたくましくして,
パズルのつもりで埋めていくことにします^^。そんな予想ができたのは,
岩波文庫の著者番号が著者の年代順にとられていたからです。

岩波文庫が著者番号に移行したとき,著者番号は原則として分野別の年代順に付けられたため,
将来のために確保されている空き番号がありました。そこで,品切れ一覧などを頼りに,ここには誰が入るのだろう?
と予想してみたのですが,その年代順という基準が厳密なものでなかったせいもあり,これはあまり当たりませんでした。

そして最近の新刊では,新しい著者が登場すると,新しい著者番号を順番に割り当てているので,
年代と番号の順序はまったく関係がなくなってしまいました。著者番号がバラバラになってきたことから,かつて星番号
(約100頁を星一つと数え,分野に関わらず刊行順に通し番号をとっていた)から著者番号に移行したように,
今後新しい基準による番号付けをして整理する必要が出てくるかもしれません。

もちろんこれら番号に頼らない整理の方法もあるわけで,創刊60周年に出た 「総目録」
や70周年の「解説総目録」を利用して,
購入書目を消しこんでいけばよいのです。その場合,岩波文庫は同じタイトルで判型,校訂者,
訳者などを変えて何度も刊行されているものがあるので,正確にはそれらが網羅されている「総目録」
でチェックしなければならないのです。完全な収集を目指すならば….ということですが。