Book Review

1 マクベス(シェイクスピア)
改版。—-マクベス早わかり—-17世紀スコットランドの勇敢な武将マクベスは, 魔女の暗示にかかり王ダンカンを殺し,悪夢の世界へ引きずり込まれてゆく。シェイクスピア最盛期の作品。 シェイクスピアの四大悲劇とは,これと「ハムレット」「オセロ」「リヤ王」。「ロミオとジュリエット」は違うよ。
2 ゴリオ爺さん(バルザック)
改版。—-ゴリオ爺さん早わかり—-夢をいだいて王政復古時代のパリに出てきたラスティニャックは, 社交界に出入りし,立身出世をはかる。一方,二人の娘を上流階級に嫁がせたゴリオは, 娘たちに裏切られて貧窮のうちに死去し,ラスティニャック青年は,ゴリオの死を通じてパリの残酷な現実を発見する。 どうもこの作品,昔から「ゴリオ爺さん」という題名で損をしているような気が^^;;。波瀾万丈の物語なのに, のんびりした印象があるから….。
3 近世風俗志(2)(宇田川守貞)
江戸時代の髪型,入れ墨,櫛,お歯黒,男の服装(袴,浴衣など)について図解する江戸時代風俗百科。ポイントは, 江戸,京都,大阪の風俗を比較しているところ。江戸時代版三都物語。
4 幕末明治 女百話(下)(篠田鉱造)
これ,紀田順一郎氏が解説を書いているんですね。 インターネットで探してもミステリー作家としてしか氏の名前は出てきませんが,かつて「黄金時代の読書術」 など多くの若い読書家予備軍におくる啓蒙書に勇気づけられた私としては,もっと「読書論」や「書誌」 で仕事をしていただきたいと思うこのごろ。映画フィルムコレクターでもあり,早くから執筆にパソコンを導入していました。