5月29~31日
書庫を改造すべく,本棚のカタログなど見ながら思案中です。ほんとは,文庫本専用の薄いものがよいのですが,
残念ながら壁の空き面積が少ないので,標準的な棚を入れて,また隙間無く詰め込む格好悪いものになりそうです^^;;。
我が家に,新しい電話機がやってきた。今度のは,コードレススキャナーというのが付いていて,なかなか便利。さっそく,
近くのバス停に時刻表をスキャンしに行こうとしたら,カミサンがみっともないからヤメロ!と….。
5月28日
サンリオギフトブックの『夢みたものは・・・』立原道造詩集は,21篇の詩を収めているのですが,いちばん有名な(と思う)
「のちのおもひに」(夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に・・・)は,入っていないのです。また,いかにも可愛らしい
「麦藁帽子」も….。でも,全集本や岩波文庫で読むのとは違った楽しさがありますね。
今年は立原が24歳で夭折してから60年目にあたります。
5月27日
急に「一房の葡萄」が読みたくなって本棚を探したら,岩波文庫「日本児童文学名作集(下)」がまず見つかったので,
今朝はそれを読みながら来ました。この本には,芥川の「蜘蛛の糸」も収めてあり,そんなのは,
芥川の短篇集で読めばいいじゃないかと思うでしょうが,この「名作集」所収の「蜘蛛の糸」は,鈴木三重吉が手を入れた『赤い鳥』
版なのですね。
5月26日
別に危ない人になったわけでもないと思うのですが,最近「独り言」をよく喋っているようで,今朝もバスが揺れたとき
「あぶないですよ~」とボソッ。前の人が怪訝な顔をして振り向いた。聞こえていたのか….^^;;。
ここのところ何回か「週刊アスキー」の”カオスだもんね!”で取り上げられている,書店でのサイン会の話が面白い。
私はサイン会というのに,あまり関心がないのですが,先日地元にオープンしたさる書店に,
名前を聞いたことのないような数人の作家のサイン本が積まれているのを見ました。売れるのかしらね? 荷風のサイン本や献呈本なら
(買えないけど)欲しい….。
5月25日
千葉のみなさん,申し訳ない。Chiba Walkerという雑誌はできないだろう….などと言ったのですが,
6月8日に創刊だそうです^^;;。ちなみに”夏だ!!千葉だ!!”創刊号の特集は,柏市….。
とりあえず記念に一冊買ってしまいそうです。
5月22~24日
土日は暑かったですね。湘南海岸は,水着で日焼けする人たちでいっぱい。子供と砂遊びをしていたのですが,お尻が熱くて,
早々に引き上げてきました。
岩波文庫新刊「明六雑誌」(上)を読みました。個々の論説については,断片的に読んだこともあるのですが,
今回は全文収録ということで,最初から通して読んでみました。よく知られている通り,政教分離,国字改革,
米国を初めとする海外事情の紹介など,当時の知識人動向を知るための基本文献ですが,読みにくいものではないので,馴染みの無かった方には,
一読をお薦めします。(サンリオの立原がさっそく届きました。葉祥明画による,懐かしい「詩とメルヘン」
を文庫化したようなかわいい本でした)
5月21日
ふるほん文庫やさんにずいぶん前に頼んでいた『夢みたものは・・・』立原道造詩集(サンリオギフトブック)
が入荷したとの連絡がありました。こういうのでも出てくるのですね….。ところで,とある大学生の方から,難しい質問が来たので,
このように答えてみました。いかがでしょうか?
☆図書館へ行くと岩波文庫の本を目にすることはあっても借りたことはないのが現状で、
岩波文庫を読んだことのある大学生は少ないのではないかと思います。
★同感です。大学生に限らず,岩波書店の本を読んでいる人は 少ないと思います。岩波書店自体,歴史ある出版社ですが 出版業界では,
「大」出版社ではありませんね。出版点数も 講談社や角川などとは比較になりません。
☆岩波文庫は大学生にどのような価値があると思われますか?
★一つは原典の供給です。大学でたとえば資本論や純粋理性批判を 学んだとして,そのテキストをどこで手に入れればよいでしょうか?
専門家であれば,マルクスやカントの全集,外国語の原典に当たる のでしょうが,学生には岩波文庫が役立つと思います。
経済学や哲学に限らずとも,たとえばドストエフスキーやスタンダールを 読もうとしたとき,他社の文庫はあてになりません(岩波も最近
絶版が多くて役に立たないことが多いですが)。
もう一つは大学生らしい見栄のためです。往時の学生は,岩波文庫を ミカン箱に何箱もっているか!を競ったそうです。いまでも,程度は
ともかく,大学生は基本的にインテリ層と思われています。 インテリであることを示すには,マンガではいけません。いや,
マンガしか読まないことが格好悪いのであって,バッグの中に 岩波文庫が一冊でも入っていれば,あなたの印象はかなり変わるでしょう。
それが持っているただ1冊の岩波文庫であるとしても,です。
☆現代、岩波文庫はどのような読者層を抱えていらっしゃるのですか? また、現在岩波文庫ではその内容を知らせるような宣伝や
広告活動を行っていたら、それがどんなものが教えてください。
★はっきりとは分かりませんが,機関誌「図書」などを見ると若い人は 少ないようですね。ときどき「若い人に勧める100冊」
みたいな 企画をやっていますが,気づいたことがありますか? わたしは全然 効果が上がっていないと思っています。
せいぜい学校図書館で参考にする 程度でしょう。
想像ですが,若い人で岩波文庫に興味を持っている人は,読書家というより, 文庫本コレクターが多いのではないでしょうか?
インターネットであちこち ウロウロしているとそう感じます。
5月20日
今日は30度近くまで気温が上がり,すっかり初夏の陽気になりました。足尾銅山による鉱毒被害で,村ごと強制収用となり,
遊水池に沈んだ村の悲惨な実体を明らかにし,腐敗した明治政府を徹底的に糾弾した岩波文庫の新刊「谷中村滅亡史」を読みました。
本書は荒畑寒村二十歳の時の著作で,公刊後すぐに発禁となりましたが,その迫力ある筆致は,当時の農民の置かれた厳しい状況と,
政府財閥が一体となった弾圧ぶりを余すところ無く伝えています。現在では,足尾銅山跡を使った観光コースもあるのですが,
そこでは鉱毒事件の歴史には一切ふれられていません。この問題は,立松和平「毒-風聞・田中正造」にも詳しく描かれています。
公害問題の原点と言われる谷中村については,多くの資料がありますが,足尾銅山,
谷中村遺跡発掘,
田中正造などが参考になります。
5月19日
ライコスジャパンで,「芸術と人文科学>文学」
カテゴリのお薦めサイトとして,紹介していただきました。ここでは,「ペンネーム図鑑」
というページを見つけ,なかなか勉強かつ笑わせていただきました^^。
5月18日
「NHKおかあさんといっしょ」コンサートのビデオを一日何回も見せられるので,つい一人のときでも「公園へ行きましょう!Hi!」
などと口ずさんでしまうこの頃….。今朝は,水口画伯の「カオスだもんねVol.4」
を再読しつつ通勤。とくに面白いのは,パソコンのある家に押しかけ家庭訪問し,妹尾河童ばり^^;;の俯瞰図でレポートする
「パソ家庭訪問」(先週の週刊アスキーでも福岡編集長の部屋をやってましたな)。実際,私は読書関係の雑誌でも,「××氏の本棚」
とか書斎特集など,覗き趣味を満足させる企画が好きなんですね^^。覗いているばかりでは申し訳ないから,私の第一書斎,
第二書斎も近日公開予定です。
5月14~17日
香川の矢木さんから
「文庫本で読む文学賞作品」 というホームページの案内をいただきました。さすがにメジャーな文学賞を受賞した作品は,
多くが文庫本化されているようです。あまり読んだ作品はないのですが….^^;;。
今朝は,岩波文庫「ヨーロッパのキリスト教美術-12世紀から18世紀まで(下)」を読みながらきました。キリスト教関係の彫刻,
絵画に現れたイエス,聖母,聖人らの姿の変遷を辿りながら,それぞれの時代における意味を分かりやすく解説したもので,
図や写真がもう少し欲しいものの,楽しく読むことができました。
5月13日
Azusaさんより,「国富論」の訳者は水田洋ではないか,とのご指摘がありました。
確かに岩波文庫のリヴァイアサンを訳した水田洋氏のようです。ありがとうございました。引越のおかげで,
古い文庫本がいろいろ目に付くようになり,今朝も「泉麻人の大宴会」を読みながらきました。で,改めてあとがきを読むと,
本書が最初ムックとして88年に出たときには,まったく売れなかったという下りがありました。文庫本になってからは,新刊書店・
古書店でよく見かけるので,結構売れているのだと思いますが,それは,本書に生き生きと描かれているジュリアナ・
フィーバーをはじめとするバブル期のハチャメチャぶりを知っている世代が,あのころはホント馬鹿馬鹿しいことやってたな,と思いながらも,
最近,詰まらなくなっちゃったな….と感じているせいかも。
5月11~12日
私の家の周りでは,書店のおやじさんが,定期購読している家へ婦人月刊誌や少年誌を配達する姿,見かけなくなりました。
私自身も定期購読している雑誌はあるのですが,版元から郵送されてくるものばかりです。だいたい持ちくたびれるような分厚い総合誌・
婦人誌というのが,無くなってきましたし。
ところで,私がずっと買い続けている雑誌に,「Yokohama Walker」があります。これは同体裁の「Tokyo
Walker」の神奈川版なのですが,なんとなく,これはYokohamaだからできる雑誌で,同じ東京周辺の大都市,
UrawaとかChibaではできないんじゃないかなと思うのです。というのは,
神奈川県民というのは一般に横浜を文化の中心だと思っているからで,交通にしても買い物にしても,まず横浜が核にあって,
湘南方面では鎌倉や藤沢,横須賀。県央では相模原がぶら下がっているというイメージ….。東京はあくまで横浜の延長線上にあるのですね。
これが埼玉や千葉だと,浦和市や千葉市をそれほど重視せずに,東京志向が強いのではないでしょうか。
生まれ育った神奈川県をこよなく愛する私としては,東京の電車の中で「Yokohama Walker」を読むのが誇らしいのですよ,
ホント^^。
5月10日
土屋繁子氏が,「外国文学の翻訳では,新しいものほど原作よりになる。子供の頃に読んだ『ああ無情』では,
コゼットが小雪という名前に変えられていた。・・・最近では翻訳者と読者の間にさほど知識の量の差はなく,
読者も外国事情を承知しているので,原作寄りに訳しても支障がないようである」と言っていました。岩波文庫でも,明治,
大正期に訳されたようなものの中には,今ではかなり不思議な感じを受ける訳文がかなりあります。一例として,今月重版される「小公子」
(若松賤子訳)などはいかが。
5月7~9日
引っ越しにより,通勤電車の時間が変わり,ホームでの待ち時間が長くなってしまいました(座って行こうとしているので^^)。「図書」
に,岩波文庫「国富論」の翻訳中だった杉浦忠平氏逝去のお知らせが出ていました。そのあとは永田洋氏が引き継ぐとのこと。
長編の刊行途中で訳者逝去による交替,というのはときどきありますが,この「国富論」は未完(本年中に刊行予定)。先が長くなりそうです。
もうひとつ「図書」で,岩波新書「言葉の道草」に誤りがあったとのこと。「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」の説明に,
「火の用心や娘への親心はいまでも変わらないが・・・」とあるのに対し,「お仙は,娘ではなく,本田成重の幼名 仙千代である」
との指摘が何件かあったようです。
5月6日
岩波文庫5月の新刊は,「北原白秋歌集」,「銀の匙」,「渋江抽斎」,「にごりえ・たけくらべ」という有名どころが改版されるほか,
別冊として,「近代日本思想案内」,「近代日本文学のすすめ」。加えて,森有礼,福沢諭吉らにより発行された明治初期の雑誌「明六雑誌」,
荒畑寒村による足尾鉱毒事件に関わるルポ「上谷中村滅亡史」という,読みごたえのありそうな8点。改版される4点は,
すでに読んだものばかりですが,20年以上前,創刊50周年記念復刊で囓っただけの抽斎については,
もう一度じっくり読んでみようかと思っています。
5月5日
岩波文庫に関する新しいページができました。“Dear Mr. Iwanami…”で,
私のページと違って,お洒落。読書記も丁寧な造りで素敵です。岩波文庫については最近,単行本もいろいろ出てきて,嬉しいですね。・・・
家の中は,ようやく段ボールが消えてきた感じです。