桃尻娘

桃尻娘 (ポプラ文庫)
桃尻娘 (ポプラ文庫)

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橋本 治
ポプラ社
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ポプラ社には何となく似つかわしくないと思うのだが,ポプラ文庫から出ることになった「桃尻娘」(橋本治)。1977年の作品で,講談社文庫から出ていたもの。これは懐かしい。私の高校,大学時代を思い返して,その時代の雰囲気を伝える本を選べと言われたら,「なんとなくクリスタル」と「桃尻娘」は外せないと思う。「その後の現代小説の流れを変えた」というインパクトの強さは今でも感じられる。それは,それまでの青春小説には描かれたことがない女子高校生榊原玲奈の自由な生き方だけでなく,著者橋本治の衝撃的な登場にも依るわけだが。巻末に著者特別インタビュー「桃尻娘の意外なルーツ」を収録。70年代に学生時代を過ごした人と,現役高校生には,この機会に一読をお薦めしたい。