第11回「小学館文庫小説賞」受賞作決定

小学館は5月7日,小学館文庫小説賞の最終選考会で,永井紗耶子「絡繰り心中」を受賞作に決めたと発表した。同賞は2008年10月から09年9月末日まで作品を募集,応募総数は447篇だったとのこと。賞金100万円。贈呈式は5月14日正午から,東京・一ツ橋の如水会館で開かれる。また。受賞作は近日中に小学館から刊行される予定。
永井紗耶子さんは,1977年横浜市生まれ。2000年慶応義塾大学文学部卒業。新聞記者を経て,フリーランスのライターに。現在,新聞や雑誌の記事,ラジオドラマの脚本などを執筆。佛教大学大学院にて仏教文化修士号も修得。
今回の受賞について,「記者として,新聞,雑誌で数多くの方々に取材,インタビューをさせていただく中で,少しずつ「現代」という時代を見てまいりました。凄まじい速さで変化していく現代社会においても「人間は,それほど変わっていない」というお話をうかがうことも多く,実感することも多々ありました。今回,江戸時代を舞台に小説を書かせていただきましたが,ここに登場する人物の大半は,現代に今,生きている人々をモデルにさせていただいております。・・・情報を発信する立場の人間として,現代という時代と社会から決して目を反らさずに,その中から取り出したエッセンスをエンタテインメントの形で表現し,何よりもまず,読者の方に楽しんでいただける作
品をつくれるよう邁進していきたいと切に願っております。」と語っている。(新文化紙ほか)