フレア文庫

 

中学生たちにもう一度,本を読む喜びを知ってほしいー。子供の読書離れが言われる中で,東京の小出版社「フレア」
が埋もれた内外の少年少女文学名作の文庫化を始めた。昨年12月に川端康成の作品など4点を出版,
9月には第二弾としてロシアの作品など2点を刊行する。

「最近の中学生は,いじめとか,孤独とか,厳しい状況に置かれていると思う。そんな子供たちの心の支えになるような本があってもよい」
と,フレアの鳥田みきさん。フリーの編集者を経て昨年1月,姉らとフレアを創立したが,「子供のころ読んだ少年少女向け文学全集には,
良い作品がたくさん含まれていた。それらに再び光を当てたい」と,考見ていたと言う。

単なる復刻版ではなく,文庫にしたのは,「価格抑え,できるだけ多くの子供たちに読んでほしい」という気持ちから。「万葉姉妹・
こまどり温泉」(川端康成),「イングランド童話集」(福原麟太郎訳),「なぞ物語」(W・デ・ラ・メア),「世界童謡集」(西條八十,
野上 彰ほか編)の既刊4点点は,520~670円の価格設定だ。

コミックスや学習参考書に押されて児童書が書店で占めるスペースは減りつつあるが,評価の定まった名作はいつでも手に入る。
「子どもと本の出会いの会」事済局長の小西正保さんは「昭和30年代半ばから50年代初めにかけて盛んだった創作児童文学が,
子供の活字離れや少子化の影響などで力を失い,発行点数が減っている」とした上で,「埋もれた名作を出版する意味はあるだろう」と話す。
フレア文庫は大手取り次ぎの扱いではないため,今のところ置かれているのは,東京と名古屋の一部の書店。それでも,「イングランド童話集」
などが好評で,年配の読者を中心に手紙や電話で「次が出たらぜひ教えて」などの反響や励ましがあったという。

同文庫を入手したい場合は,書店で「地方・小出版流通センター扱い」と言うか,直接,フレア(電話03-5245-2671)
へ注文する。

(以上,神奈川新聞1997年8月5日付)

「フレア文庫」への1件の返信

  1. フレア文庫の件、取り寄せたいけれど、書店からは入手できず。アマゾンあたりだと異常な価格になっていて創始者の意図が叶わなくなっている。是非、入手可能になってほしい。
     一部手に入れたフレア文庫のファンより

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