開館のご挨拶

学生時代,オレンジ帯の岩波文庫50周年記念復刊セットをたまたま購入したことで,古い文庫本にはおもしろいものがあるなぁと感じ,文庫本を集めるようになりました。その頃にはまだ,新刊書店でも現在の著者番号ではなく,★番号のついた岩波文庫がならんでいて,今では絶版(正しくは品切れか)になっている本を,いろいろ手に入れることができました。

しかしながら,近所の古書店では,手に入る絶版文庫が少なかったこともあって,当時絶版岩波文庫の販売で有名だった神田の山陽堂書店に注文を出すようになり,ラマルク「動物哲学」やゲーテ「色彩論」,ラスキンやスティブンソンなど,おもしろそうな本を取り寄せては読んでいました。

岩波文庫は現在,毎月の「重版開始」と,年2回の「復刊」で品切れ書目を復刊しています。これらの復刊で買わなければならない書目が無くなってきたことは嬉しいことであるとともに,ちょっと寂しい気持ちもします(古書店で買ったボロボロのものを持っているので,綺麗なものに買い換える,という場合は結構あります。これなど大いなる無駄ではありますね)。今後も面白い文庫本,ユニークな文庫本を探していきたいと思います。