第19回神保町ブックフェスティバル

新文化紙によると,第19回神保町ブックフェスティバルは,2日間で売上げ4100万円となった。
今年の「神保町ブックフェスティバル」は10月31日,11月1日の2日間,東京・神保町のすずらん通りとさくら通り、小学館・集英社前を会場に開かれた。昨年より1日少ない2日間開催となり,出展数は,出版社133社163ブース,書店関係6ブース,商店街・大活字本関連40ブース。「本の得々市」の売上げは,1日目約2500万円、2日目約1600万円。出版社ブースのほとんどが,最初から定価の半額以下で販売。「値引率は半額が基本。ここでは安さが客への訴求力」「19回目となると客もわかっており,1000円以下でないと売れない」「半額以下でももっと下げてくれという客も少なくない」「7~9割引で販売したせいか,ニンテンドーDSソフト,電子辞書は初日で完売した」「客はシビア。半額以下で,キレイな本でないと売れない。ショタレ本はダメ」との声が聞かれた。
出版社ブースの売上げベスト3は,初日が1位・早川書房(78万円),2位・大日本絵画(56万円),3位・有斐閣(50万円),2日目が1位・早川書房(50万円),2位・大日本絵画(38万円),3位・アスペクト(36万円)の順。
天気の良かった初日は例年以上の人出で賑わった。両日にわたって売上げトップとなった早川書房では,海外を含む約50人の作家1人につき30~50冊のサイン本計2200点を全点定価で販売。「初日開店前から読者が並ぶほど人気を得て,初日の売上げは過去最高となった。
主催者は,「来年は20回なので,若手へのバトンタッチを考えている。新陳代謝が必要だ。しかし,後継者がいないので悩んでいる。神保町をあげてのお祭りとして,読者への認知もできている。今後も粛々と続けていければ」と話す。
一方,出版社からは「人員を考えても2日間が限界。3日間開催は止めてほしい」「単なる値引き本販売だけでなく,フェスをやる意味を考える方が良い」との声も聞かれた。書店からは「人出も減り,だんだん縮小している。出版社が儲けようとしないで,販売は書店に任せてはどうか」との意見もあった。