生まれ変わった岩波文庫「鶉衣」

鶉衣(上) (岩波文庫)
鶉衣(上) (岩波文庫)

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横井 也有
岩波書店
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岩波文庫の新刊「鶉衣(上)」が発売された。

鶉衣(うずらころも)は、江戸時代の俳人、横井也有による俳文集。天明7年(1787)刊。作者曰く、「あやしくはへもなききれぎれを あつめつづりたるを うずら衣とはいうなり」。鶉の羽のように、ぱっとしない文章を寄せ集めたもの…というこれは謙遜。俳諧の心を散文に生かした俳文は、本書によって完成の域に達したと言われている。日々の生活の中で感じた様々なことを、詩歌や故事を自在に駆使しつつ、平易な言葉で書き連ねている。

岩波文庫旧版は80年前の刊行という古いものだが、その後(1997)復刊されているので、目にしたことのある方は多いと思う。私の持っているのもその復刊本だが、今回の新版は、原文に詳しい注釈をつけて、大幅にボリュームアップしている。