1999年4月

4月29日~5月4日

30日に引っ越し,その後の荷物整理とバタバタしていましたが,どうにかインターネットできる程度^^;;に片付いてきました。
運んできた本は,とりあえず収めた,という感じで,どこになにがあるやら見当もつかない状態ですが,ボチボチ整理していきたいと思います。
まずは,岩波文庫の蔵書チェックを早急にやらなければ….。

 

4月28日

すでにゴールデンウィークに入っている方も多いかと思いますが,私はカレンダー通り。引越の後始末もあるので,
ゆっくり休めそうにありません。あらためて引越荷物を見てみると,数が少ないとはいえ,やはり本や雑誌が,
文字通り大きなウェートを占めています。前回の引越では,蔵書を全部運んだため,手伝いにきてくれた工務店の社長から,腰が抜けました!
と言われたのですが,今回はいかに^^;;。

 

4月27日

読書とMacのページ「窈然と・
・・」
を読みました。Macのことは分からないのですが,読書のページは,興味深い文章を引用しつつ,
それから浮かぶ様々な印象を綴った一風変わった読書日記。『マルテの手記』,『月と六ペンス』,『中原中也詩集』などを取り上げています。

 

4月25~26日

今月最後の岩波文庫新刊は,ペルシャ王列伝「王書」。だいたい伝承ものは,退屈で読み進むのに難儀するのですが,この勇者の伝説は,
冒険あり,ロマンスありと,アラビアンナイト風のなかなかリアルな書きっぷり。
ペルシャの王統を知ったからどうなるものでもありませんが^^;;,楽しい読み物としてお薦めします。
絶世の美女も登場する色っぽい場面もあるのですが,これは基本的に男の物語ですな….。

 

4月24日

学生時代の教科書(とくに教師が自分の講義のために出した入門書)など,この歳になってなかなか読み返すことは少ないのですが,
いまでも時折書棚から取り出しては,こんなこともあったなぁ,と感慨に耽る^^;;数少ない本のなかに,高木貞治の数学関係の諸作,
それから朝永振一郎の「量子力学」があります。今回,岩波文庫の新刊ボーア論文集「因果性と相補性」を前に,
興味を持つことと理解することは別の次元にある,ということを思い知らされる私自身の冴えない頭に失望しつつも,
いまでは大学の新入生に当たり前のように教えられている「量子力学」を作り上げた初期の科学者たちの情熱に導かれて,
最後まで読み通すことができました。解説も充実しており,最も興味ある問題であるボーアとアインシュタインの論争に焦点をあて,
そのいきさつを詳しく述べています。たとえ高校生でも,物理に興味を持つ人であれば,一読を薦めます。

 

4月23日

新刊「文化史上より見たる日本の数学」を読みました。同じく岩波文庫に入っている「塵劫記」のような和算書と違って,
これはあくまで歴史の本。和算の流派や,その相互関係について書かれた部分は興味深く読めたのですが,より理解をすすめるために,
校註でもう少し具体的な事例を解説してくれればとも思いました。もともとそういう主旨の本ではないといえば,それまでですが。

 

4月22日

「水滸伝(8)」を読み終えました。本巻は,梁山泊の面々が政府軍を散々打ち破り,奸臣を征伐し,赦しを得て皇帝に招喚されるまで。
とにかく合戦のたびに,たくさんの将軍の出で立ちをいちいち説明するものだから,大変大変^^;;。逆にそれと漢詩の部分をかっ飛ばして,
物語の筋だけ追えば,あっという間に読み終わってしまう….。まあ,完走間近ということで,じっくり読むことにしましょう。

 

4月21日

4月から始まった新潮文庫”Yonda?CLUB”のプレゼント。今後2年間に買った新潮文庫の応募マークを集めると,
マウスパッドやレターセット,文豪リストウォッチ,文豪カップ&ソーサーなどがもれなく貰えるというもの。賞品はなかなかユニークですが,
たとえ2年間といえども,新潮文庫を100冊も買うだろうか?と考えると,ちょっと無理そうです。せいぜい5冊で貰えるカンバッジかな。
岩波文庫なら,100冊くらいいけそうですが….。応募用紙は各書店にあります。

 

4月20日

新刊「水滸伝(7)」を読み終わったところです。第7巻は,ようやく梁山泊に豪傑が勢揃いするところまで。いつもなら,
来月まで間がもたなくて困った,というところですが,今月は第8巻も一緒に出ているので,帰りにはそれを読むことにします^^。しかし,
この辺りになると人集めに急で,敵の豪傑があまりにも簡単に帰順してしまうので,なんだかなぁといった感じも^^;;。

 

4月16~19日

引越の荷造りに息子(と私)が邪魔だ!ということで,週末から実家に泊まり込んでいました。それで,岩波文庫の「銀河鉄道の夜」
(新版)をあらためて読んでみたのですが,あとがきで「旧版」に対して,原稿の順序を入れ替えたとの記述がありました。新版とはいえ,
すでに古いものなので,現在はこの「新版」で行われた改編が標準になっていると思われるのですが,
他社の文庫本など比べてみると面白そうです(というより,既に詳細な研究がなされているのでしょうが….)。原稿の欠落や順序を巡って,
いろいろ謎の多いお話ですが,そのあたりに詳しいホームページはあるかしら?

 

4月15日

Linuxブームということで,そのソフト販売を巡り,いろいろ議論がなされています。たとえば,最近発売されたredhat
Linux日本語版。Linuxとしては,メジャーなパッケージですが,これの「日本語化」や付属マニュアルがお粗末であるとの意見があり,
私自身もそれが原因で,せっかくLinuxに興味を持った人たちがガッカリして去っていく….ということにならなければよいが,
と思っています。かつて初期のパソコンを経験した人たちの中には,そもそもOSの「日本語化」なんてそんなものだ,
という気持ちもあるでしょうが,一般のWindowsやMacOSに親しんだ人が,
極めて不自由な日本語環境とネット上に流れているフリーソフトや文書をてきとうに集めただけで,1万円もする「日本語版」
として売っていいのか,と怒るのも当然ではないでしょうか。それがLinux文化だ,というのなら別ですが。

 

4月14日

久しぶりにYahoo!の書評カテゴリーに新しいサイト「わいんぶれいく」が登録されたので,
行ってみました^^。そこで,宮沢賢治と森鴎外の「秘密」というのを見ていたら,急に「銀河鉄道の夜」が読みたくなり,「青空文庫」
のエキスパンドブックでパラパラやったりしていました(賢治のテキストは,かなりオンライン化されています)。帰りに書店で,
畑山博「銀河鉄道の夜探検ブック」(文春文庫)も探してみたのですが,置いてありません(絶版になったのかな?)。

 

4月13日

また新橋駅前のバザーに文庫本が多数出品されていましたが,今回は古い文庫本にめぼしいものが無く,残念。岩波文庫も,
日本文学と人文科学系が数点のみでした。最近は駅の構内で捨てられた雑誌を集め,駅頭で再販売するという一種のリサイクルビジネス?
が盛んですが,不要な文庫本についても燃えるゴミではなく,電車の中に~そっと~置いてくれると再利用が進むのでは^^;;。そういえば,
我が地元の駅でも不要になった本を置いておくとだれか欲しい人が持っていく,というリサイクルボックスを駅に置いたことがありましたが,
いつのまにか消えてしまいました。やはり提供者がいなかったのか….。

 

4月10~12日

古書店「緑風舎」
の日記に,古本を再度売るときに値札を剥がさない方がよい,という話がありました。私自身は,
記録として古書店で買った文庫本に値札が付いている場合(鉛筆書きの方が多いけれど)は,そのままにしていますが,それを売るときには,
丁寧に剥がしていたような気がします。実際,買った店に売るということは少ないかもしれませんが,「貸本屋的感覚」というのは,
ちょっと面白いなと思いました。古書店では珍しいオリジナル書皮のことも出ているから,欲しがる人がいるんじゃないかしら^^。

 

4月9日

選挙戦も終盤となり,朝から街頭は候補者の連呼で大騒ぎ。いまも近くの駅頭で桝添要一氏が演説中です。
新橋の駅にはさまざまな候補者がやってきて,なかにはジャンピングシューズを履いたドクター中松なんていう場合もありますが,
なかなか面白い。翻って,文庫本で演説集と名の付くものがどれだけあるかというと,岩波文庫でお馴染みの「リンカーン演説集」くらいで,
意外にないようです。※ちくま学芸文庫の新刊「新訂 都名所図会」。江戸時代後期のこの本が,
いまだに京都観光のガイドブックとして使えるというのは,なんとも嬉しいことです。

 

4月8日

さて,私は久しぶりに藤沢市民に復帰するわけですが,江ノ島,辻堂と聞いてもピンとこない方は,地元紹介のホームページをご覧下さい。
田舎ですが,なかなか楽しいところなんですよ^^。先の事情で,蔵書の大部分は近くの実家の書庫に置いたままとし,
新刊やレファレンスブックをこちらの書斎に置くことにします。荷風全集を揃えて置きたいとも思うのですが,
それだけで書棚がいっぱいになりそうです….。どちらにしてもサボっていた文庫本の棚卸しをしなければなりません。

 

4月7日

さて,ほぼ新築成った我が家ですが,一応小さいながら書庫があります。私のイメージとしては,壁面を本棚で埋め尽くし,
地震で本の下敷きになって成仏しても本望!という気持ちだったのですが(実家の書庫は事実そうなっています),今回の家は,カミサンの
「地中海風」?という訳の分からないコンセプトによって,狭いながらもあくまでおしゃれな書庫にしなくてはいけないという厳命があり,
書棚はあくまで小さく,椅子と机はあくまで大きく,という”岩波文庫”にはまったく似つかわしくない部屋になりつつあります。

実際,カミサンのよく読むインテリア雑誌に載っているような書庫・書斎は,本を読むというより,
親父の威厳を保つための高級な部屋というのが普通で,居眠りには向いていても,私のあこがれる古書店の倉庫風であろうはずがありません。

私自身,いわゆる実用書には本としての価値をほとんど認めたくないという気持ちですが(あくまで価値の問題で,
読まないということではありません),往々にして装飾的な書斎には実用的な本が並び,
実用的で殺風景な書斎には味のある本が並んでいるというというのも不思議なことです。

どうもこの辺の感じを,本好きな人以外に理解してもらうのは難しいようですね。

 

4月6日

「図書」4月号に「新版で読む岩波文庫(1)外国文学」というページがあり,23点が紹介されています。面白いのは,
一々旧版と新版の発行年が記してあることで,それによると旧版から新版までいちばん時間がかかっているのが「陶淵明全集」で62年,
短い方では「イソップ寓話集」が25年など。なかには「水滸伝」のように,旧版の完結まで40年以上かかり,
完結したと思ったらすぐに新版で刊行が始まったものもあります。一般に新版の方が質・量ともに充実していると思うのですが,
国文系の諸作品のように旧字体のほうがぴったりくるものもありますね。

 

4月3~5日

ようやく桜も満開,風邪も全快となり,本を読む気力が戻ってきました^^。ほかの地方では売っているかわからないのですが,有隣新書
「フランス人の幕末維新」を読みました。近くの書店で「外国人の目」と題するフェアをやっていたのですね。有隣堂は横浜という場所柄,
幕末から維新前後の外国人による日本見聞記を多く出版しており,これもそのうちの一つ。「フシギの国ニッポン」
を面白おかしく書いたものはたくさんありますが,この有隣新書シリーズには,外交官や記者より,ビジネスマンや商売人
(あるいは外交官でもあまり偉くない人)の手記が多いせいもあり,日常生活における彼我の生活の違いを興味深く,
かつ詳細に観察しているものが多く,いつも感心しながら読んでいます。※
あしたからNHKで始まる高木ブーのウクレレ教室の教本もついでに買ってしまった^^;;。

 

4月2日

新しい「図書」が届いたので見てみたら,今月の新刊に水滸伝が2点ありました。
次が待ちきれない私のためにサービスしてくれたのかも知れませんが,嬉しいことです^^。ほかにボーアの量子力学に関する論文集,
日本数学史,古代ペルシア伝説「王書」(抄訳らしい)が載っていました。物理学科劣等生としては,
畏れ多いけどボーアをじっくり読ませていただきましょう。重版再開にも「長谷川如是閑評論集」,ゾラの「テレーズ・ラカン」,「オランダ・
ベルギー絵画紀行」など楽しい読み物があります。

 

4月1日

Linux Magazine見たのですが,ちょっと期待はずれ。これだけnet上に情報があると,紙媒体の雑誌は,
かなり濃く整理されたものじゃないと,わざわざ買う気がしませんね。正文堂のホームページで古書相場のデータベースが検索できるというので見てきました。
う~ん,これはヒットするような書名を見つけるのに知識がいりそうですね^^;;。