岩波文庫8月の新刊

詩本草岩波文庫8月の新刊は,「詩本草」(柏木如亭),「小説の認識」(伊藤 整),「曖昧の七つの型(下)」( ウィリアム・エンプソン),「津田左右吉歴史論集」(今井 修編)の4点。
重版再開は,「果てしなき逃走」(ヨーゼフ・ロート),「荀子(全2冊)」,「随園食単」(袁 枚),「マルクス 経済学批判」。
「詩本草」は,江戸時代の漢詩人,柏木如亭による旅とグルメのエッセイ。柏木如亭は市川寛斎門下。家業である幕府小普請方大工棟梁を嗣ぎましたが,吉原での遊蕩に家産を傾け,32歳で弟に家業を譲り,江戸を離れて遊歴詩人として各地を旅する後半生を送ることとなります。江戸のちょい悪オヤジの放浪記ですが,荷風曰く「燈下一読するに明清名家の文をよむが如し。蓋し江戸詩人詩話中の白眉なるべし」。楽しみです。岩波書店から「遊人の抒情-柏木如亭」という評伝も出ていましたが品切れのようです。 「随園食単」はこれに絡んでの重版ですね。
岩波書店によると,『来年は岩波文庫創刊80年で,その記念出版の準備を始めています。詳細は来月のホームページでお知らせします』とのこと。