岩波文庫の鏡花作品

岩波書店のサイトに鏡花忌のことが書かれていました。泉鏡花昭和14年9月7日に65歳で没。岩波文庫に収録されている作品は以下のとおりです。

鏡花短篇集 (岩波文庫)
鏡花短篇集 (岩波文庫)

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泉 鏡花
岩波書店
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■高野聖・眉かくしの霊
自由奔放な幻想の中に唯美ロマンの極致をみごとに描き出した,鏡花文学の傑作.併収の「眉かくしの霊」は木曽街道の旅話に怪談的詩境を織り込んだ作者晩年の佳作.
■夜叉ケ池・天守物語
幻想と現実が巧みに溶けあわされた『夜叉ケ池』.妖精夫人富姫の伝説に取材して卓抜なイメージを展開させた『天守物語』.鏡花の傑作戯曲二篇.
■草迷宮
毬つき唄を主軸に語りの時間・空間が重層して,鏡花ならではの物語の迷宮世界が顕現する.
■春昼・春昼後刻
あくまで明るい春の光の中,夢は夢へと重なりあって,不気味な宿命の物語が展開する.鏡花随一の傑作との呼びごえ高い連作.
■外科室・海城発電 他五篇
鏡花文学の原型をもっともよく示す「外科室」をはじめとする初期の代表作集.他に「義血侠血」(「滝の白糸」の原作)「夜行巡査」「琵琶伝」「化銀杏」「凱旋祭」を収録.
■日本橋
材を紅燈の巷にとり,自己の信ずる愛情の在り方をそこに生きる女に托して描いた本篇こそは日本的風土から生れ出た名品である.
■鴛鴦帳
この作は理想家鏡花の倫理を主題に,その理想主義のもっとも鮮明に熾烈な一篇である.8年の歳月を費やしてなった大正期の力作.
■湯島詣 他1篇
妻を捨てた梓が,彼を想うあまり狂人となった蝶吉とついに心中するという「湯島詣」と,江戸情緒豊かな「葛飾砂子」を収める.
■鏡花短篇集
現実界を超え,非在と実在が交錯しあう幻視の空間を現出させる鏡花の文学.その文章にひそむ魔力は,短篇においてこそ最もあざやかに顕現する.