古書ミステリー倶楽部(光文社文庫)

古書ミステリー倶楽部 (光文社文庫)
光文社 (2013-10-08)
売り上げランキング: 27,653

江戸川乱歩の名作「D坂の殺人事件」は古本屋の女房殺しを描いたものである。これは乱歩が本郷団子坂で古書店を営んでいた経験が執筆の契機だった。新刊書と違い、複数の人の手を経た本には、持ち主の書き込みや挟み込みがあったり、本自体の来歴にも謎めいた要素が尽きない。そんなミステリアスな古書を題材に、斯界の名手たちが腕をふるった12篇を集めた傑作アンソロジー! 知人が遺した古書から、ある家族の因縁が浮かび上がる「二冊の同じ本」(松本清張)、女性ばかりが集う文芸同人誌を指導する新進男性作家の身に起きた事件とは「献本」(石沢英太郎)ほか。