2004年10月

10月27~30日

相変わらずぐずついた天気で,10月は台風と地震で終わってしまいますね。文春文庫の新刊「先崎学の浮いたり沈んだり」を読みました。
120面指し(同時に120名を相手に対局)でギネスブック申請中の人気棋士,先崎八段,相変わらず文章の方も達者で,すでに著書は十数冊。
本書は2年ほど前に出た単行本の文庫化。先崎さんは,もちろんプロでもトップクラスの棋士だが,同世代の羽生さんとはイメージが違い,
あくまで無頼派,博徒。もちろん恐ろしいものではなく,容貌も可愛いのだが,新潮新書「小博打のすすめ」
なる本も出している凝り性なところが肝心の将棋タイトルへの縁のなさにつながっているのか・・・。


新潟中越地震で被災したうさぎたちを救うプロジェクト~S.O.S.新潟うさぎ!~※

 

10月25~26日

「クック太平洋探検(1)」の続き。南米からタヒチを目指しているところですが,クック船長,船員をしょっちゅう鞭打ちしていますな。
中世の英国海軍における懲罰は,『1530年ごろへンリー8世が公布した海軍規律令によると,船内で殺人を犯した場合,
その者に偉業があっても,その者を生きたまま死体に縛って海中に投げ棄てる……船内で艦長を武器で突き刺した場合,
その者の右手を切り落とす……船内で自分の当直中に居眠りした場合,……4度目には……その者をビール1缶,
肉1片そして磨いだナイフと一緒にカゴに入れ,バウスプリット(斜檣)に吊し,そこで餓死するか,
それを切って海中に入水をするかを選ばせる……船内で酔って,船の食事を食べなかった場合……艦長は鉄製の足かせで縛って入牢させ,
その者がみずからの罪を悔いるまで放っておく……となっていた。……1731年に海軍本部規則が制定された。それは,
いままでの処罰を繰り返したものであったが,それを軽減しまたその手続きを詳細に定めた。死刑といった処罰は,次第に実行されなくなったが,
鞭打ち刑は19世紀中頃まで多くの軍艦では日常行事であった』とのこと。(海上交易の世界と歴史

 

10月25~26日

「白鯨(中)」読了。引き続き,岩波文庫の新刊「クック太平洋探検(1)第一回航海(上)」を読んでいます。
地震続きで落ち着きませんね。

 

10月22~24日

「白鯨(中)」を読んでいます。まだ「白鯨」は現れませんが,当時の遠洋捕鯨の様子がリアルに書かれていて,楽しめます。
紀伊國屋書店が「ふるほん文庫やさん」と提携し絶版・
品切文庫のネット販売
を10月22日に開始。ということで見てみましたが,なんだかよく判らないページになっていました。

 

10月21日

しかし,驚きましたな。講談社現代新書。最近のビニールテカテカの新書群(岩波新書含む)の中にあって,長く馴染んできたデザイン,
手触りとも好感を持っていただけに,今回の改装はちょいと残念。てっきり手抜きかと思ったら,『現代新書は1964年に創刊されました。
おかげさまで創刊40周年の節目を迎えることができました。40年の長きにわたりご愛読いただいていることに深く感謝いたします。
このたび,40周年を機に装幀を一新することにいたしました。現代新書が装幀を変えるのは33年ぶり2度目のことです。・・・
新書は新しい思想や文化や価値観や情報を,いち早く,わかりやすくコンパクトに提示できるメデイアです。
そういう新しい時代に向き合う姿勢を,今回の新装幀に託しました。新刊は,どれも新しい教養書と呼ぶにふさわしい内容です。また、
装幀も一冊一冊異なる色をほどこしてあります。ぜひ,手に取ってみてください。そして,今後とも,現代新書をかわいがってやってください』
とのこと。釈然とはしませんが,たしかに新書は中身が命。だけど,肝心な新刊も読みたいものが無く,インパクトに欠けると思うのですが・・・
。岩波文庫の新刊「白鯨(中)」を読んでます。

 

10月19~20日

先日,愛子様のビデオが公開された。やはりというか,『愛子さまご愛読絵本フェア』
なるものが。『もりのこえ』『ちいさなうさぎはんしろう』ほか,ビデオに登場した本を中心にご紹介とのこと。
『うずらちゃんのかくれんぼ』はなんと全国書店売り上げ第3位だ。ビデオでの浩宮様はほほえましくてよかったが,この本は,
誰が選んだのだろうか?

 

10月18日

光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「月と手袋」を読んでいますが,鼻炎で苦しいため捗らず。本巻には「月と手袋」,「影男」,
「灰色の巨人」,「黄金の虎」を収録。新橋駅前では恒例の大古本市を開催中。覗いてみたが,古い文庫本は全然無かった。
台風は近づいているし,最近の大古本市はホント天候に恵まれませんな。

 

10月13~17日

風邪気味なのに忙しかったのと,読みたい本が出なかったため,先週は本棚から古い本を引っ張り出して読んでいました。そのうちに,
Dr.スランプの文庫版がドサッと出てきて,最近テレビの再放送を見ている息子が,次々と読破中。今月の岩波文庫は,クックの「太平洋探検
(1)」,や先月読んだ「白鯨」の続き,改版された二葉亭四迷の「浮雲」,それから「浄瑠璃素人講釈(上)」と,なかなか楽しそう。「浮雲」
は旧版で読んでいますが,今回は語注が詳しいとのことで,もう一度読み直そうかと思っています。

 

10月7~12日

連休中は台風で大変でしたね。我が家でも庭木が倒れたり,若干の被害が。角川文庫「添乗員狂騒曲」(岡崎大五)を読みました。
修学旅行や熟年ツアー,代議士後援会の視察など,海外旅行のフリー添乗員である主人公が,
旅先で出会う数々のアクシデントを乗り切っていくお話。業界裏話や各国事情も少々ありますが,結局,魅力ある添乗員には,
臨機応変な決断力と厚い人情が必要ということですな。ここのところ添乗員とは縁のない私ですが,これを読むと団体旅行の面白さ,
難しさというのがよく判ります。

 

10月5~6日

ちくま文庫「鉄道廃墟」(丸田祥三)を読む。鉄道廃墟というのは,廃線になったり,
未開通のままうち捨てられた鉄道構造物や車両のこと。私より年下の著者は写真家だが,文中しばしば戦争にまつわる話が出てくる。
社会派風切り口なのだが,所詮,和光育ちのお坊ちゃん鉄道マニアという感じになってしまっている。もう少し淡々とした語り口にしてくれたら,
物寂しくも美しい写真が活きてくるのに,と残念。

 

10月4日

岩波文庫からヴェブレン「有閑階級の理論」が重版された。随分前に読んだものだが,なかなか息の続かない白帯の中で,
とくに興味を持てたものの1つ。「資本主義の独占化に伴なう貸付資本の形成の中に現代の有閑階級出現の理由を見出し,
彼らの心理風俗を克明に分析していく」ということで,要は,たいして働きもしないでブラブラ遊んでばかりいるのに,
なぜあの人はお金持なのか? また,これまで何で女性は男性の持ち物(失礼)のように扱われてきたのか?など,
いろいろ面白い考察がなされている。やっぱり「有閑・・・」という言葉には惹かれますな。

 

10月1~3日

週末は小学校の運動会。新興住宅地でもないのに,息子の小学校はここのところ生徒数が増加し,1000名を突破。
冷暖房付きのプレハブ校舎を増築し,急場をしのいでいる。40年近く前,2000名を超えていた我が母校に比べれば寂しい・・・
とはいうものの,生徒たちは元気よく頑張っていました。ちなみに,私が小学校の時,徒競走ではゴム底の地下足袋を履いていましたが,
3つ違いのカミサンは運動靴だったとのこと。給食が脱脂粉乳だったことも含め,
我が世代は戦後の復興期から高度成長時代への移行期だったとあらためて感じた次第。