動物農場(オーウェル)

動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)
岩波文庫「動物農場」(オーウェル)を読む。本書は,第二次世界大戦中に,オーウェルが旧ソ連の政治体制を,とある農園に住む動物たちの社会に置き換えて批判した寓話。「荘園農場」の農場主を追い出して,自分たちの国「動物農場」を作ろうとした動物たち。豚2頭が指導者となり,自主,自治,平等・・・理想の社会を目指すが,次第に仲間内の争いが激しくなり,独裁者と化した指導者の豚による粛正が始まる。結局,農場には人間に支配されていたとき以上の恐怖と混乱がもたらされる。
第二次世界大戦中に同盟国であったソ連と米英。その頃本書を書き上げたオーウェルはいくつかの出版社に原稿を持ち込むがいずれも断られる。しかし,終戦とともに東西の冷戦が始まり,本書は出版されるとすぐ,米英でベストセラーとなった。もちろん,オーウェル自身が,本書の着想を得たのは,スペイン内戦に参加したときで,冷戦の時流に乗って書かれたわけではない。
文庫版としては,ほかに「動物農場」(高畠文夫訳,角川文庫1995年)がある。

コメント

  1. そうなんですね とてもわかりやすい話なのですが,もう冷戦時代は遠くなってきたので,もっと若い人たちにはピンとくるかな?というところもあります。

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