カテゴリー: 2004年

堀越捜査一課長殿

光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「堀越捜査一課長殿」を読み始める。まず, 表題作と妖人ゴング。ある日,堀越捜査一課長のもとへ,一通の手紙が届く。それは, かつて迷宮入りとなった現金強奪事件の犯人からの告白状であった。最初からトリックは見え見えではあるが, 犯人とその妻とのやりとりには少し味がある。妖人…

旅はゲストルーム

光文社知恵の森文庫の新刊「旅はゲストルーム」(浦 一也)を読む。建築家である著者が, 世界各地で訪れたホテルの客室を採寸し,詳細な平面図を書き上げてレポートしたもの。当然, 妹尾河童氏の同じような客室俯瞰図を思い浮かべるが,あちらは舞台装置屋,こちらは商業建築屋ということで,自ずから違いがある。 絵…

日本一の昆虫屋

近所のショッピングセンターのゲームコーナーにいくと,子供たちが列をなしているところがある。ムシキングというバーチャルな甲虫バトルゲームらしい。子供なら,野原で本物の昆虫を追いかけなさい・・・というのは簡単だが,実際にはさてどうやったら昆虫採集が出来るのか,大人でも判らない人が多くなってしまった。かく…

浄瑠璃素人講釈(下)

岩波文庫の新刊 「浄瑠璃素人講釈(下)」を読む。相変わらず痛快な本である。と書いて岩波のページを見たら, やはり『摂津大掾・大隅太夫・絃阿弥らの描写は誠に巧みで,文章は痛快です』とある。気が合うな。 著者は,普段稽古をつけて貰っている当代の名人に対して,言いたい放題,叱り放題である。 これは素人(し…

田中正造文集(一) 鉱毒と政治

週末は鎌倉での宮本文昭さんのコンサートと, 横浜でのラビットショーに行ってきました。その間,岩波文庫の新刊 「田中正造文集(一)鉱毒と政治」を読み, その足尾銅山鉱毒事件を始め様々な社会問題に対する姿勢, 使命感に燃えた姿に感銘を受けました。本書には,書簡,日記,建白書, 「明治天皇への直訴状」など…

余白の美 酒井田柿右衛門

集英社新書の新刊「余白の美 酒井田柿右衛門」 は面白かった。十四代柿右衛門が語る祖父,父から受けついだ伝統芸, 柿右衛門窯の成り立ちや職人たちの技。 色絵磁器の製作工程についても丁寧に説明されており,柿右衛門とは, 単なる1人の作家の名ではなく, 多くの職人を抱える工房の師匠でありプロデューサーであ…

クック 太平洋探検(2)

岩波文庫の新刊「クック 太平洋探検(2) 第1回航海(下) 」を読みました。ニュージーランド,オーストラリア, ニュー・ギニアを経て,帰国するまでの記録。 座礁による船の損傷や食人種を含む住民との戦いとともに, 熱病により多くの船員を失ってしまいますが, ニュージーランドの海岸線を明らかにして領有…

誰だってズルしたい!

続いて東海林さだお氏の新刊「誰だってズルしたい!」 を読みました。「オール讀物」連載のシリーズ「男の分別学」の単行本化。 世の中にはさまざまなズルがある・・・ということで,化粧,寄せブラ, イケメンなどを糾弾する一方,ニューヨークへの松井選手観戦ツアー参加記, 居酒屋メニューを英語で説明,老人の主張…

パンの耳の丸かじり

東海林さだお氏の新刊「パンの耳の丸かじり」を読みました。ワンパターンと思いながらも,東海林さんの本は癒し効果満点です。今回のお題は,1万円のカレー,カップめんの正しい食べ方,懐かしの都こんぶ,わたくしタマネギのファンです,カニの人柄などなど・・・食を愛し,数々の難問?に果敢に挑むショージ氏。その筆運…

2004年11月

浄瑠璃素人講釈(下) 岩波文庫の新刊「浄瑠璃素人講釈(下)」を読む。相変わらず痛快な本である。と書いて岩波のページを見たら,やはり『摂津大掾・大隅太夫・絃阿弥らの描写は誠に巧みで,文章は痛快です』とある。気が合うな。著者は,普段稽古をつけて貰っている当代の名人に対して,言いたい放題,叱り放題である。…

2004年10月

先崎学の浮いたり沈んだり 相変わらずぐずついた天気で,10月は台風と地震で終わってしまいますね。文春文庫の新刊「先崎学の浮いたり沈んだり」を読みました。120面指し(同時に120名を相手に対局)でギネスブック申請中の人気棋士,先崎八段,相変わらず文章の方も達者で,すでに著書は十数冊。本書は2年ほど前…