ローマ建国史(上)(リーウィウス)

ローマ建国史 上 (1)刊行が遅れていた(4月26日発売)の岩波文庫「ローマ建国史(上)」(リーウィウス)を読む。
リーウィウス(紀元前59年頃~17年)は,古代ローマの歴史家。『ローマ建国史』は,とくに文学的に評価が高く,本書に取材し,いくつかのシェイクスピア史劇が書かれている。
ルクレーティアの陵辱(タルクィニウスに陵辱され自害し,それが王族の追放,ローマ共和への切っ掛けとなった)やコリオラーヌスのローマ進撃を諫めた母親の嘆き(ベートーヴェンのコリオランですな)など,さまざまなエピソードが鏤められている本書は,他の通史と同様,多くの登場人物にとまどうものの,大変読みやすい訳で電車読書でも興味が途切れず捗った。
しかしながら,訳者鈴木一州先生は,未完成のまま今年1月に逝去されたので,今後の刊行が危ぶまれるとのこと。ぜひこの調子で全3巻をどうにか完結させて欲しい。

コメント

  1. 鈴木先生の消息をご存知でしたら教えていただきたいのですが。高校時代の恩師で、消息を是非知りたいと思ってました。よろしくお願いします。

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