珍奇絶倫 小沢大写真館

珍奇絶倫 小沢大写真館ちくま文庫の新刊「珍奇絶倫 小沢大写真館」(小沢昭一著)が面白い。
写真屋の息子に生まれた小沢さんが,東京の旧赤線地帯を中心に,伝統的な色町を自ら撮影し,関係者から思い出話を聞き出した記録。ときは昭和47年。東京の街にも,まだ戦前の名残があり,中年男には懐かしい風景が続く。小沢さんは,建物だけでなく変わった看板や裏町の人々もたくさん撮っており,思わず笑ってしまうようなものが多い。
登場するのは,女郎屋,ゲイボーイ,ストリッパー,レズビアン,彫師,トルコ風呂などなど。小沢さんの実体験に基づくガイドは,さすがに読ませる。なにせ時代が時代だから,インタビューに登場する20代のトルコ嬢たちも戦中派。いまのアイドル風の風俗嬢と比べると,化○物か・・・と思うかもしれないが,それが昭和40年代クォリティなのだ。