ポール・クローデル「繻子の靴(上)」

繻子の靴 (上) (岩波文庫)
ポール・クローデル
岩波書店
売り上げランキング: 401762

岩波文庫の新刊,ポール・クローデル「繻子の靴(上)」を読みましたが,難関でした。

劇詩人クローデルは,マラルメの弟子,彫刻家カミーユの弟であり,駐日大使も務めた外交官。「繻子の靴」は,当初上演不可能と言われた大作。

日本語として上演を意識したものなのか,原文がこのような言い回しなのかは分かりませんが,体裁が読みにくいということもあり,文章ではなかなかすんなりと頭に入ってきません。分厚い本書の半分は訳注・解説・年譜が占めており,それを読むだけでも一苦労。もちろん,じっくり読み込みたい人には,待望の訳ということなのでしょうが。

訳者渡辺守章先生は演出家としても有名ですが,演劇の人ってなんで難しい方へ行っちゃうんでしょうかね。