江戸川乱歩「地獄の道化師」

光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「地獄の道化師」を読む。
昭和14年,だんだんと出版に関する締め付けが厳しくなり,乱歩も「芋虫」が全編削除になるなど,将来に対する不安が高まってきた時期の作品を集めている。明智小五郎としても戦前最後の活躍だ。暗い気分に覆われてはいるものの,意表をついた犯人の創造という乱歩の意図がよく伝わり,力のこもった作品ばかりで,引き込まれるように読んだ。
このシリーズ,9月末日締め切りで,完全復刻少年探偵団B.D.バッジをプレゼントとのこと。