岩波文庫2月の新刊

岩波文庫2月の新刊(2月16日発売)

丘 (岩波文庫)
丘 (岩波文庫)

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ジャン・ジオノ
岩波書店
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■丘(ジャン・ジオノ)
舞台は、美しくも厳しい自然と対峙するフランス高地プロヴァンスの小さな集落。死の床についている長老ジャネはうわごとのように呪詛のことばを繰り返す。自然の異変を感じ取る村人たち。山火事が起こるに及んで、その原因をジャネにもとめるが……。『木を植えた男』で知られるジャン・ジオノの処女作。

三人の乙女たち (岩波文庫)
フランシス・ジャム
岩波書店
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■三人の乙女たち(フランシス・ジャム)
信心ぶかくて清らかなクララ・デレブーズ。情熱的でまっすぐなアルマイード・デートルモン。愛らしくて傷つきやすいポム・ダニス。三者三様に純潔で可憐な乙女たち。「処女のゆらめく美しさをわたしほどに感じとった者が今までいたとは思えない」とジャムは言った。自然と愛の詩人が描く、散文詩のように美しい三つの物語。

日本倫理思想史(四) (岩波文庫)
和辻 哲郎
岩波書店
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■日本倫理思想史(四)(和辻哲郎)
古代から近代に至る倫理思想の展開を描く和辻の主著。最終巻の射程は江戸中期から明治期。白石・徂徠・真淵・宣長等が推し進めた史学・儒学・国学の潮流、尊皇から倒幕へと転じる幕末の過程、福沢諭吉に代表される西洋との出会い、そして国民道徳論の錯誤を指弾して壮大な思想史は幕を閉じる。人名・書名索引を付す。

フランス・プロテスタントの反乱――カミザール戦争の記録 (岩波文庫)
カヴァリエ
岩波書店
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■フランス・プロテスタントの反乱(カヴァリエ)
カミザール戦争とは、ルイ14世治世の18世紀初頭、南フランスのセヴェンヌでプロテスタントの農民が信教の自由を要求して蜂起し、国王軍と戦った反乱である。本書は、その指揮官カヴァリエが遺した回想記。わずか2000人の農民が25000を超える正規軍を敵にまわして、2年余いかに戦ったかを生きいきと伝える。本邦初訳。

流刑 (岩波文庫)
流刑 (岩波文庫)

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パヴェーゼ
岩波書店
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■流刑(パヴェーゼ)
反ファシズム活動の理由で逮捕されたパヴェーゼ(1908-50)が南イタリアの僻村に流刑されたときの体験を色濃く映した自伝的小説。背後に峨々たる山々が聳え立ち、眼前には渺々たるイオニア海が広がる逃げ道なしの自然の牢獄。その中で築かれた村びとたちとの静かで穏やかな交流の日々を背景に、流刑囚の孤独な暗い心の裡を描き出す。