福岡に行ってきた

先週は一週間、福岡に行ってきた。ちょうど台風がきていてどうなるかと思ったけれど、大きな影響もなく無事に業務終了。せっかく福岡まできたので、田川市石炭・歴史博物館と福岡市博物館を見ていくことに。

新装版 画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録
山本 作兵衛
講談社
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9/23の朝、小倉駅からJR日田彦山線に乗り1時間ほどで田川伊田駅到着。そこから歩いてすぐのところに石炭・歴史博物館がある。ここは三井田川鉱業所伊田坑の跡地で、ちょうど館内では世界記憶遺産登録記念原画特別公開『山本作兵衛コレクション展』を開催しており、なかなか賑わっていた。山本作兵衛は、12歳の時から50年以上を炭鉱労働者として過ごし、日々の生活をたくさんの記録画に残した人。それが今年5月に日本で初めてユネスコ世界記憶遺産に登録された。

30年ほど前に北海道内の炭鉱をまわったときには、まだその荒廃ぶりが生々しかったが、いまの田川はもう落ち着いてしまっていて、この博物館にかつての炭鉱の名残を留めるのみだ。快晴の秋空のもと、駅にぽつんと1両でとまっている平成筑豊鉄道の車両を見ていると、旅行者としてはなんとものどかな気分になってくるが、田川市は最盛期10万以上あった人口が半減しており、企業や大学誘致で再生をはかっている最中だ。

時刻表2万キロ (角川文庫 (5904))
宮脇 俊三
角川書店
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30年以上前にこの地を旅した宮脇俊三の名著「時刻表二万キロ」には、炭鉱地帯の各路線に乗ると石炭産業の現況がわかって中年男には感慨深いといったことが書かれていた。ここは本書の中でも印象的なところで、これを読んだとき学生だった自分も、いまでは立派な中年男となり、きょう筑豊に立っている。宮脇氏も鬼籍に入り、ほんとに月日がたつのは早いものだ。
 
ここからは、平成筑豊鉄道で直方に向かい、そこからJRで博多駅に行く。へいちく鉄道は可愛らしい色使いの車両でワンマン運転。いくつかの駅には地元企業等がスポンサーについていて、駅名に企業名が付けられている。この辺はバス感覚だ。直方で乗り換えると、そこからはどんどん人も増えて、普通の都市の近郊電車となって博多に到着。

夕方の飛行機には十分間に合うと思っていたのだが、ここまでちょっと時間をかけすぎたので、急いであの金印を見るため福岡市立博物館に向かう。Yahooドームの近く、周辺はマンションが立ち並ぶ副都心みたいなところにあり、博多駅からバスで結構時間がかかる。それでも折角の機会なので、クジラの特別展など時間ギリギリまで見てから博多駅に戻り、福岡空港から羽田へ帰還。まあ、一週間いろいろあったが無事に終わって本当によかった。