2011年9月の岩波文庫復刊(9/16発売)

9月16日発売の岩波文庫新刊は次の4点です。

三十三年の夢 (岩波文庫)
宮崎 滔天 島田 虔次 近藤 秀樹
岩波書店
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■三十三年の夢(宮崎滔天,島田虔次,近藤秀樹校注)1993年5月17日発行
次兄弥蔵の中国革命論に共鳴した宮崎滔天は来日した孫文に初めて出会って以来熱烈にその支持者となり、私利私欲を度外視して中国革命支援のため東奔西走、東アジア各地を駆けめぐった。天真爛漫な明治のロマンティスト、革命家滔天の波瀾万丈の半生・33歳までを描いた自叙伝。資料を博捜、詳細で興趣溢れる注を付す。

時代閉塞の現状,食うべき詩 他10編 (岩波文庫 緑 54-5)
石川 啄木
岩波書店
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■時代閉塞の現状・ 食うべき詩 他十篇(石川啄木)1978年9月18日発行
自己の詩作を語りながら日本の現実を深く見つめた「食うべき詩」。その現実に立脚しつつ強大な「敵」に対して身構えた「時代閉塞の現状」。さらには幸徳秋水獄中で書いた「陳弁書」とクロポトキンの『一革命家の想い出』の読解から生れた‘A letter from prison’。啄木の先駆的な思想の歩みを明らかにする論集。

死霊の恋・ポンペイ夜話―他3篇 (岩波文庫)
ゴーチエ
岩波書店
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■死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇(ゴーチエ/田辺貞之助訳)1982年2月16日発行
フランス文学の魔術師テオフィル・ゴーチエの傑作短篇五篇を選び収める。ヨーロッパでもっとも傑れた吸血鬼小説の一つと賞される「死霊の恋」、青年のよせる烈しい思慕に古代ポンペイの麗人が甦える「ポンペイ夜話」など、いずれも愛と美と夢に彩られたあでやかな幻想の世界へと読者をいざなう。

梨の花 (岩波文庫)
梨の花 (岩波文庫)

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中野 重治
岩波書店
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■梨の花(中野重治)1985年4月16日発行
誰しも幼い時の記憶はある。が、作者のそれは格別のものだ。読者はその克明な描写と温もりある越前の言葉づかいによって、良平少年とともに北陸の田舎にいることに気づく。ここには、雪の中の楽しい正月があり、馬の下をこわごわくぐり抜け、おばばの話に耳をかたむける日々がある。こうして少年は成長していった。