しっぽと肉球

最後に野良犬を見たのはいつだっただろうか?
 少なくとも我が町内から野良犬がいなくなって何年(10年以上)は経っているはずだ。芸文社の新刊「しっぽと肉球」(福井若恵)
は,愛犬家のイラストレーターによる雑誌の連載エッセイをまとめたもの。「イラスト&エッセイでつづるおもしろ犬世界観察記」
とあるが,タイやハワイなど海外イヌ事情も描かれているものの,もっぱら登場するのはイヌ雑誌編集部の面々やイヌ好きの読者など。
身近な「イヌの世界」。ほのぼのタッチの絵で,「私はいかにイヌに癒されたか」という微笑ましい話のなか,
昭和40年代の野良犬事情など,著者と同世代の私には懐かしい話も多い。