マンガでわかる相対性理論

マンガでわかる相対性理論 (サイエンス・アイ新書)
新堂 進
ソフトバンククリエイティブ
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相対性理論をマンガでわかりやすく紹介しようとした本は、これまでにもたくさん出ているが、マンガになったからといってスッキリ理解できました!とはなかなかならないものだ。もちろん、当方のアタマの弱さが一番の原因ではあるが。

それで、その手の新刊が出たとなると、とりあえず読んでみて、モヤモヤ感を払拭できるかどうか確かめるわけだが、今回、サイエンス・アイ新書から出た「マンガでわかる相対性理論」(新堂進)は、なかなかいい線行ってるのではないかと思った。

本書のポイントを著者はこう紹介している。『相対性理論。これを伝えるうえで、大切なことは3つ。 1つ目。「わかりやすく伝えること」。本書は、ここにいちばんこだわった。どうしたらもっとわかりやすくなるか? どうしたらもっとすんなり読めるか? これで中学生にも理解できるか? それを、意識しながら書いた。2つ目。「本質を伝えること」。これは、すごく大切だ。これを知らなければ、「ただややこしいだけの理論」。そんな印象しか抱かないだろう。でも本質を知れば、こう思うはずだ。「ほかに解釈のしようがないほどシンプルな理論だ」と。そして3つ目。「常識を捨てさせること」。これが、いちばん大切だ。相対性理論を理解できずにいる人。そのほとんどが、ここでつまずいている。筆者も、かつてはそのひとりだった。』

本書の構成は、第1章 相対性理論とは? 第2章 同時刻の相対性 第3章 時間の遅れ 第4章 長さの縮み 第5章 相対性理論の本質 第6章 E=mc2 第7章 時空図 第8章 相対性理論の「その先」 第9章 パラドックス 第10章 ニュートンからアインシュタインへ、となっており、重要な考え方は繰り返し例を挙げて説明されている。たしかに中学生でも科学に関心のある人なら読み通せそうだが、アタマの固い大人にもお薦めしたい。