ジャズ喫茶「ベイシー」の選択

講談社+α文庫の新刊「ジャズ喫茶「ベイシー」の選択」を読む。著者は,一関のジャズ喫茶「ベイシー」店主。日本一音の良いジャズ喫茶として,全国各地からジャズファンが訪れる聖地だ。カウント・ベイシーから名を取った店には,海外の著名なジャズプレイヤーや作家も訪れ,色川武大は「ベイシー」に惹かれて,一関に移り住んだほど。

自らジャズというよりオーディオファンだというとおり,JBLの話がもっぱらだが,元本が手に入りにくかっただけに,文庫化は嬉しい。足元にも及ばないながら,学生時代の私は,いろいろカートリッジを取り替えてはLPの音を確かめていた。いまでは,すっかり縁遠くなってしまい,シュアーV15TYPE3なんて久しぶりにきいた感じ。まあ,中央線乗っていて,オーディオテクニカの看板を見るたびに懐かしくなる,なんてこともあるが….。ちなみに,この店を舞台にしたオムニバス作品集,村松友視「「ベーシー」の客」というのもある。