宮沢賢治「銀河鉄道の夜」精読

子供の頃から読み返し続けてきたもので,ずっと変わらぬ楽しみを与えてくれる本がある。また,読み返すたびに新たな発見があり,感動を深められる本もある。「銀河鉄道の夜」は,もう何度読んだであろうか。はじめは幻想的な宇宙の美しさに惹きつけられ,次に家族の絆を想い,いまは永遠の孤独に涙する。
岩波現代文庫の新刊「宮沢賢治「銀河鉄道の夜」精読」(鎌田東二)は,ただ一人の神道ソングライターたる著者の宗教者としてのアプローチだ。本書の後半には,「銀河鉄道の夜」第1稿~第4稿の全文が掲載されているので,異稿に興味がある方にはお薦め。