カメラは病気

赤かぶ検事の和久峻三といっても,私はよく知らないのですが,大のカメラ好き,写真好きらしい。光文社文庫新刊「カメラは病気」は,その和久邸を訪れ,膨大なカメラコレクションを見た写真家・田中長徳との書き下ろし対談集(実際は長徳氏がインタビュアーのような雰囲気)。

和久氏のカメラや写真に対するアプローチは,いわゆるカメラマニアのそれと全く違って,実利や効率を一番に求めており,あまりの割り切りぶり,徹底ぶりに,ちょっと唖然とする長徳氏。和久氏の小説をよく読んでいる人は,当たり前と思うことかもしれませんが…。長徳氏のカメラ本には食傷気味というカメラファンにも,これはお薦め。