岩波書店の著者検印


本の奥付に押された著者検印。著者や書店が,”この本の中身は保証しますよ!”といった感じで,本好きにとっては好ましいものだったのですが,最近めったに見かけなくなりました。

そもそもこの検印とは,著者が発行部数を確認するために押す印のことで,ふつうは奥付に,版権所有の文字とともに,著者名または出版社名の朱印が押されていました。岩波書店では当初,著者と岩波の印をともに押していましたが,1938年よりそのいずれかのみとなり,次第に岩波印のみのものが増えてきて,1959年に検印制度自体が廃止されました。

写真はいずれも岩波書店の刊行書に押された検印(大正3年~昭和12年)。