たいした問題じゃないが-イギリス・コラム傑作選

たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)岩波文庫「たいした問題じゃないが-イギリス・コラム傑作選」を読む。
本書は,20世紀初頭のイギリスの新聞・雑誌で活躍した4人のコラムニスト,ガードナー,ルーカス,リンド,ミルンの代表作をあわせて32篇収録したもの。
第一次世界大戦の前後にイギリスのジャーナリズムで隆盛を極めたこれらのコラムニストは,くまのプーさんで知られるミルンのほかは本国でも過去の人となってしまったようだが,日本では旧制高校の英語のテキストや受験問題として多用されたため,彼らのコラムは本国以上に知られることとなった。そのこともあって,これらのコラムは対訳本などでいろいろ取り上げられてきたものの,本書のように作品集としてまとめて翻訳されてのは初めてだとのこと。
イギリスのコラム,エッセイといえば,ユーモアや皮肉に満ちた文章を期待するが,本書に取り上げられている作品は,決して読み手,書き手双方の品位を落としめることなく,紳士的かつ上品なものばかり。まあ,時代は異なるが,日本の新聞のコラムとは相当感触が違う。
本書を,戦前のダンヒルのパイプを銜えながらポツポツと読んでいると,自分も古き良き時代の英国紳士になったような気分で,なかなか面白い。

コメント

  1. 面白そうですね。
    手に入りそうなら読んでみます。
    そういえば、手に入った「パイプ大全」を読んでいるのですが、「やる夫」のシリーズより入り口が厳しくなさそうで、少し安心しました^^

  2. やる夫,なかなか上手くできているなぁと思いましたが,こればかりは自分で吸ってみないと何とも言えませんね。私もパイプ歴は長いものの,毎回上手くいった,いかないの連続です。でもそれが面白い,

コメントは受け付けていません。