12月26~31日
映画「ラスト・サムライ」。面白いとの話なので,休み中に見に行けたらと思っているのですが,この映画の役づくりのためにトム・ クルーズも読んだという新渡戸稲造「武士道」がよく読まれている,と岩波書店が言っています。他社だったら, すぐに写真つき帯で宣伝しているでしょうけれど・・・。2003年もいよいよ終わりです。1年間お付き合い頂きましたみなさま, ありがとうございました。来年も良い年でありますように!
12月24~5日
皆さん,今年のクリスマスはいかがでしたか? 私は,相変わらず仕事で午前様。子供のプレゼント袋に,
オモチャを詰めたくらい。そんな中,赤坂のファミレスに行ったんですよ。一人で。そこの女の子が,メニュー持って来ながら
「このクリスマスディナーがお薦めです・・・でも男性一人のお客さんに勧めるのは酷ですね,スイマセン」だと・・・。
ホントに済まんぞ。そこで,角川文庫の新刊「インド怪人紀行」(ゲッツ板谷,西原理恵子,鴨志田 穣)を読む。今回は
「インドにハマる者は,インドの何にハマるのか?」を体感するための旅。既刊のベトナム,タイと比べても,断然ハードで下品。
駄目駄目男4人連れというのも,滅茶苦茶というだけで,最後まで意図不明。しかし,
この独特のキャラクターには憎めないところあり。面白い。元本はOZマガジンなどでおなじみ,スターツ出版刊。
12月23日
昨日は息子の誕生日パーティがあり,学校の友達がたくさん来て賑やかだったそう。私の子供のとき
(昭和40年頃)は,お誕生会なるものがようやく始まった時期?で,
何となく子供ながら畏まってケーキなど食べていたような気がします。年賀状も作らなければと思いつつ,全然進捗していないので,
例年通り,元旦に届くのは望み薄の状況です。岩波文庫今月の新刊の最後,「一茶 七番日記(下)」を読んでいます。
この一茶の日記には,ご承知の通り,ユニークな点があり,これについてはここに詳しく書かれています。
12月22日
岩波文庫の新刊「日本近代文学評論選 明治・大正篇」を読む。
明治から大正期の主要な文学評論や文学論争のもととなった諸作37篇を収録。逍遥,四迷,花袋,与謝野晶子,菊池 寛,
江戸川乱歩など,学生時代,教科書で習ったような有名な評論をまとめて読むことができるというのは便利ではある。私自身は,
本書の意義は認めつつ,雑駁な感じを受けて,読み流してしまったので,もっと文学論争に的を絞ったものが読みたいなと思った。
昭和篇は3月刊とのこと。
12月19~21日
岩波文庫の新刊「新版 第2集 きけ わだつみのこえ-日本戦没学生の手記」(わだつみ会編集)を読む。
太平洋戦争の後期,学徒動員された学生たちが,戦地で綴った手紙や日記を集めたもの。今回,学徒出陣60年を期して,
旧版を増補し,新たに寄せられた遺稿も収録。本書の「あとがき」で触れられているように,第1集と第2集では,
編集方針に違いがあり,第1集では「過激な日本精神主義的な,ある時には戦争謳歌にも近いような若干の短文までをも,
全部採録するのが公正であると主張したのであるが,現下の社会情勢その他に,
すこしでも悪い影響を与えるようなことがあってはならぬ」という編集方針のもとに収録を見送った手記も,
この第2集では戦争の実相を伝えるということで収録されている。
12月18日
ベーコン晩年の作,岩波文庫「ニュー・アトランティス」を読了。60ページ程度の物語だが,「私」
が漂着した高度な文明を持つ島,そこには優れた倫理観を持つ住民と,王が設立した科学研究機関「ソロモンの家」がある
(ソロモン学院,ソロモン学寮など諸訳があるが,ソロモンの家というのは,ちょっとイメージが湧きにくい)。「ソロモンの家」
では,高度な科学の研究が行われており,その目的とするところは,「事物の諸原因と密かな運動に関する知識であり,
人間帝国の領域を拡大して,可能なあらゆることを成就すること」だという。
このような科学主導の理想的な社会を描き出そうとしたベーコンだが,技術に関する予見的なアイデアは,
アイテムが並べられているだけで,未完のまま終わってしまった。
12月17日
下戸でも酒の本は好き,ということで,光文社新書の新刊「カラー版極上の純米酒ガイド」(上原 浩)
を楽しく読んだ。長年酒造りの指導を行い80歳になった著者は,「良い酒は造り手の覇気から生まれる」といい,
万人受けする酒よりも「どんな酒をつくりたいのか」が飲み手に伝わる酒を愛し,
ここで個性的な日本酒66銘柄176本を選んでいる。著者が純米酒にこだわるわけは,前書「純米酒を極める」に詳しい。
岩波文庫新刊の「ニュー・アトランティス」を読み始める。
12月15~16日
ハルキ文庫の新刊「立原道造詩集」が書店で山積みになっていた。いまどき,この詩集を新たに読む人がそんなにいるのかと不思議に思う (ここを参照) 。私は学生時代に買った全集を大事に抱えているが・・・。乱歩の「悪魔の紋章」を読了。光文社文庫版は,戦前版を底本としているので, 戦後伏字・削除となっていた箇所を読むことが出来る。乱歩曰く,確たる構想もなく1年にわたって連載されていたものなので, かなり行き当たりばったりの感はあるが,おどろおどろしい描写には事欠かず,乱歩らしさ満載で面白く読んだ。
12月13~14日
カミサンの母校へ,演奏会を聴きに行ってきました。音楽大学らしく,
中庭では楽器を抱えた学生がそこここに談笑しているという小綺麗な雰囲気で,私の殺伐とした母校とはえらい違い。
小学1年の子供連れでの演奏会は初めてだったので,演奏中のマナーについて,事前によく言い聞かせておいたのですが,
それは杞憂に終わりました。演奏中ずっと静かに寝ていましたから。この間,江戸川乱歩全集の新刊「悪魔の紋章」を読みました。
収録作品は,少年探偵団,妖怪博士,悪魔の紋章ということで,怪人二十面相がメイン。私も,少年探偵団世代からは,
ずっと遅れてきた乱歩ファンなわけですが,若い人はこのレトロな語り口に新鮮な魅力を感じるのではないでしょうか。
12月10~12日
忘年会やらなにやらで,忙しくなってしまい,岩波文庫の新刊「幕末政治家」や光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊
「悪魔の紋章」(分厚いですな)も積ん読状態が続いています。Yahooで見た西原氏のインタビュー。「出産後は,
とにかく描く時間がなくなってしまって。思うように描けないから,前より落ち込むようになりました。
24時間子どもに拘束されていますからね。トイレに行っただけで「お母さんがいない」と泣き出すような状況で,
子どもを抱えながら描かなきゃいけなかったり,(執筆に没頭している時に)泣かれるとものすごくイライラしたり。
それで"恐いお母さん"になっちゃって,そのたびに反省して……。いつもひどい寝不足で,ごはんを食べると余計に眠くなるから,
朝は飴だけで血糖値を上げる。今もそんな感じでやっています。でも,子どもがいないより,いるほうが全然いい。
漫画描いてるだけじゃ,きっと10年20年あっという間に過ぎちゃうでしょう。残ったのが漫画だけ,
というんじゃ私自身がつまらないですから。だから,子どもがいる分描けなくても仕方がないなあ,と思う。落ち込んだ時には,
よく自分に言い聞かせるんです。「欲しいものは全部手に入れてるじゃないか」。仕事もあるし,子どもも健康だし,
こんないい人生ないじゃん,って。来世に生まれ変わっても,やっぱり女がいい。女は何かをやったら絶対男には負けないし。
愛することと愛されることが,すごく上手。男ってそういうことが下手な生き物ですよね。どんくさくて折れやすくて,
そのくせエバらなきゃいけないし(笑)。女のほうが人生絶対楽しいと思う。だから次も絶対女に生まれたい」
12月9日
もういい加減にやめよう!と思いつつ買ってしまう西原理恵子の新刊「できるかなV3」。今回は,
脱税とキャバレーのホステスに挑戦。高須クリニックの克弥院長も大暴走。というわけで,なかなか楽しめましたが,
あの原色本を電車の中で読むのは,ちと恥ずかしかった(でも離婚しちゃったんだな・・・いま発売中の新潮45+に,
柳美里との離婚対談あり。2人が出会った鳥頭紀行-ジャングル編など読み返すと,泣けるかも)。ついでに,「放浪レディ」
(国井律子)を再読。
12月8日
ちくま文庫の新刊「ホームタウン東京 どこにもない故郷を探す」(片岡義男)を読む。雑誌「Free
& Easy」に連載中の「東京縦画面」をまとめたもの。ここに選ばれた写真は,電信柱と電線と原色の看板が渦巻く,
ありふれた東京の風景が多いのだが,「なぜこれを撮ったのか」を著者は一つ一つ解説してゆく。2枚の写真を見開きで対比させ,
一種の組写真として見せているのも面白い。この2枚の写真は,同時に撮られたものもあるし,
まったく関係のない状況で撮られたものだったりする。その2枚に関する説明文が,写真より先に出てくる構成だから,
読者はまず説明文を読んで,どんな写真だろうとイメージを膨らませてから実際の写真を見ることになる。なかなか巧いやり方だ。
12月4~7日
宮崎へ出張のため,間が空いてしまいました。今回は,2001年に倒産してから,
米国資本を投入して再建が進んでいるシーガイヤの視察。立派なリゾート施設と,
かつての新婚旅行先No.1だった宮崎のレトロな史跡や風景(これはなかなか味がある)とのミスマッチが面白いといえば面白いが,
東京から高額の飛行機代をかけて,果たして観光客が来るのだろうか?人ごとながら心配。我が家の近く,江ノ島・
湘南という人であふれる観光地でも昨年,一番のリゾートホテルが撤退してしまったし,
こんな巨大なリゾート開発など想像するのも難しい。私には場違いな,
サミット首脳会議のためにつくられた豪華な会議室で説明を受けながら,首を捻ることしきり。旅行中,えい文庫
「アタシはバイクで旅に出る」の1と2を再読。
12月3日
いささか古い本だが,新潮文庫「大阪学」(大谷晃一)を読む。
電車に乗る間際,どうしても読む本が欲しかったので,あまり期待せずにあわてて購入。その後,
シリーズ化される大阪学ものの最初の1冊です。いまでは,吉本やタイガースを通じて,
大阪の情報が東京にもかなり入ってくるようになりましたが,本書は,なぜ現在のようなキャラクターの大阪&
大阪人が生まれたのかを歴史的に解こうとしており,なかなか勉強になりました。不法駐車,お笑い,きつねうどん,スーパー,
好っきゃねん,古代ベイエリア,中世の近代人,都市の誕生,大阪人写実,実証といった内容で,
大阪に縁のある作家も取り上げられています。
12月1~2日
えい文庫の新刊「アタシはバイクで旅に出る 3」(国井律子)を読む。
ハーレーダビッドソンを駆る日本でいま一番有名なバイク乗り?クニイ嬢のツーリングエッセイ第3弾。酒と温泉と出会いを求めて,
今回は,山形,房総,日光,沖縄,浜松,白馬,そしてハーレーの故郷シカゴ&ミルウォーキーに向かう。
ハーレーに乗るようになってから,周りの世界が一変した,という著者によるこの雑誌連載シリーズは,バイクエッセイ,
あるいは旅行記,いずれにしても食い足りない感じはあるけれど,そのノホホンとした持ち味で,読み手をもほのぼのさせる効能あり。