2000年11月30日

2000年11月

11月30日

花村萬月「愛の風俗街道」(光文社新書)と荒木経惟「温泉ロマンス」(知恵の森文庫)など読んでいました。荒木さんのは, 旧作のリメイクだと思っていたのですが,湯河原温泉編は撮り下ろしのようです。まあ,読むというより眺める本ですが。

 

11月29日

我が家の本棚の整理が進んでいる....といっても,やっているのはカミサンで,私は整理された本棚を眺めて,こんな本があったのか, と嬉しがる役である。そこで,今朝は「ライカ同盟」なる本を見つけて,久しぶりに読んでみた。おなじみ赤瀬川原平またの名を尾辻克彦さんが, ライカ病に初期感染した頃のことを綴った楽しい本で,出てくるのはライカを初めとする中古カメラばかり。なかでも面白いのは, 早田カメラでコンチュラやアンスコを修理してもらう下り。お客の前で勘と経験を駆使し, いまは亡きそれらのカメラの設計者との真剣勝負に臨む修理人の姿が見事に描かれている。尾辻さんの集めるカメラは, あくまで写真を撮るためのものであり,お飾りになっていないのも嬉しい。

 

11月28日

ドリトル先生といえば,最近出た文春新書「ドリトル先生の英国」(南条竹則)がなかなか面白かった。 ドリトル先生シリーズの時代設定や,それにときどき入り込む執筆当時の時代背景(シリーズは第一次大戦で書き始められ, 第二次大戦まで続いた)が,わかりやすく説明されている。物語自体の引用は少ないので,かつてドリトル先生を読んだことのある人なら, なるほど!と思うことがいろいろあるが,まだ読んでいない人は,まずお話を読んでから....が良いだろう。 シリーズの訳者井伏鱒二のエピソードにも若干触れている。

 

11月27日

早々と職場の忘年会が築地でありました。この時期,通勤電車も暖房がよく効くので, ついウトウトして乗り過ごしてしまうことがあります。今朝も,新橋を通り越して,有楽町で目が覚め,また折り返しの山手線で戻ってきた次第。 帰りだと,結構遠くまで連れて行かれてしまうことも。

日本語.comドメインは,相変わらず先行き不透明ですが,日本語対応WHOISはうまく動いているようです。 名前や地名を入れて検索してみると,誰が所持しているのかわかって面白いですよ。 その名前に関わりのある人が登録している場合は納得しますが,実際には,組織的にあたり構わず取得している場合が多いわけです。ちなみに, 文庫.comは横浜の金沢区ネットワークサービス,読書.comはインターネットアカデミーというインターネット教育の会社, 岩波.comはisinternational.comという組織的....なクチ,岩波文庫.comはMieko ICHIKAWAさんというロサンジェルスの人(ただし,登録開始日から数日残っていた)に決まりました!

 

11月23~26日

週末は良い天気でしたね。新宿のカメラ屋へ行ったり,公園で遊んだりと,のんびりしていました。改装された岩波少年文庫で, ドリトル先生のシリーズが揃いつつあります。私としては物心ついたときから,体裁が変わるたびに買って読み込んできたシリーズなので, 今回もちょっと誘惑されます^^;;。シリーズ中,一番面白いのは,やはり「航海記」だと思うのですが, これを読んでしまうとプロローグである「アフリカへゆく」が,後回しになってしまうんですね。 動物語をしゃべれない獣医というのはナンセンスだと言い,動物や子供に優しく,太った体で世界中を旅する(ときには巨大な貝に運ばれて) 大忙しのドリトル先生は,動物大好き少年のあこがれの的です。 英語版では絵入りのシリーズがAmazon.comで探すとたくさんあるようですので,クリスマスプレゼントにいいかも。 誰かくれないかな^^。

 

11月22日

クリスマスシーズンというのが毎年早くなって,ディズニーランドなどでは11月初めからずっとイベントをやっているわけですが, さて我が書棚の中で,クリスマスに相応しい本があるか?と思い出してみると,例の「賢者の贈り物」,「クリスマスキャロル」 などの文庫本に混じって,村上春樹「羊男のクリスマス」(講談社)がありました。もう15年も前の絵本ですが,調べてみると, いまでも初めに出たときのままで売れているんですね。山下達郎みたいなものかしら。

 

11月21日

オンライン書店の利用方法や比較などをまとめたサイト「本屋のリンク」にリンクしていただきました。主催の石塚さん, ありがとうございました。

 

11月16~20日

土~月と3連休。日曜日は東京ディズニーランドがクリスマス前の大騒ぎとのことで,またまた行ってきました。いやぁ,すごい人。 プーさんのハニーハントは,待ち時間4時間半。昼を食べるのにも1時間待ち。で,カミサンは怒って先に帰ってしまいました^^;;。 私と子供は,再会されたウェスタンリバー鉄道など無難なところに乗って,夜のパレード前に脱出。なんか,年々混み方が凄くなっていて, 始発電車で行って,ものすごいダッシュしなければショーも見られない。休日に子供連れで行けるようなところではなくなってきているのが残念。

今月の岩波文庫新刊は,「鴎外随筆集」,「おもろさうし 下〔全2冊〕」,「紋切型辞典」(フローベール),「ロシア革命史 3 〔全5冊〕」(トロツキー)の4点。「紋切辞典」は身近な事柄を1000ほど集め,『当時流布していた偏見や言葉の惰性, 硬直した紋切型の表現を揶揄し,諷刺してみせた』もの。「悪魔の辞典」ほど,露悪的ではない。いままでに,1966年筑摩書房, 1978年青銅社,1998年平凡社(青銅社と同じもの)から出ている。海外のサイトでは, Dictionary of Received Ideas Dictionary of Received Ideasなどが参考になる。

 

11月15日

青弓社など14社が,25%の低正味,買切の自由価格販売「謝恩価格本フェア」をスタート。ということで,青弓社のホームページにそのことがいろいろ書かれています。 それからこんなニュースも....「ハリー・ポッター」初版本に約77万円の高値-英国のスウィンドンで15日開催のドミニク・ ウィンター社のオークションに出品される「ハリー・ポッターと賢者の石」の初版本が,3年前に出たばかりの本としては異例の5000ポンド (約77万5000円)もの高値をつけそうだとのこと。初版本の発行は500部のみ,ハードカバー本は300部と少部数だった上, 日本を含む世界各国で訳され大ベストセラーとなっているため。私は読んでいないのですが,そんなに面白い? ついでに, 紀田順一郎さんの古書ミステリ最新作「神保町の怪人」(創元クライム・クラブ)が出ました。 本と古本を巡る奇々怪々な人々を巻き込んで起こる様々な事件。「展覧会の客」,「「憂鬱な愛人」事件」,「電網恢々事件」の3編を収録。

 

11月14日

岩波文庫の希少書。アーノルド「亜細亜の光」。戦時中に出したものの,戦後は省みられなくなり,いまどき復刊の見込みもないし, 古書価は高い。ところで,アーノルドって誰だ?

エドウィン・アーノルド(Sir Edwin Arnold)は1832年に英国Gravesendで生まれ, オクスフォードで学んだ後,ジャーナリストとして活躍。1861年にはデイリーテレグラフ主筆となった。 彼は優秀なジャーナリストであったが,詩人として世に出る野望を持ち,1879年にブッダの生涯を描いた詩集「亜細亜の光」を発表。 その後何の作品も出版していないにもかかわらず,今では詩人としてのみ名を残している。当時「亜細亜の光」は, そのエキゾチックな雰囲気や不思議な言葉(サンスクリット用語)で,評判を得た。ブッダのモラル主義は西洋によく知られていたが, その実際の生活,背景となるインドの風景は目新しく感じられたのだ。出版されるとすぐにヨーロッパ各国で翻訳され, アメリカやイギリスでは数十版を重ねる人気を得た。しかし,今日ではそれらの国でもすっかり読まれなくなっている。 ....これじゃ読む気にならないけど,海外のサイトでは結構取り上げられていますね。

 

11月13日

全国書店ネットワーク「イーホン」 がOPEN。オンラインで注文でき,手数料無料。本は,近くの書店で受け取るという仕組み。ここの文庫の分類がちょっと面白い。 SF・推理(ハヤカワ文庫・創元推理文庫などSF・ミステリーのシリーズ),文庫一般(角川書店・講談社・新潮社・ 文藝春秋など一般的な文庫はすべてここです),学術・教養(岩波書店・筑摩書房・講談社学術文庫など,学術的なものや教養が深まる文庫です) ,雑学文庫(三笠書房・PHPなどビジネスマン向けから生活実用まで,知識を得たい方はこちら),歴史(山岡壮八・ 吉川英治など著名な歴史時代小説はこちらです),ティーンズ・少女(集英社コバルト・講談社X・角川ルビーなど少女向けの文庫です), ティーンズ・ファンタジー(富士見ファンタジー・角川スニーカーなどファンタジーをテーマにしている文庫です),レディース文庫 (大人の女性のためのロマンス小説),コミック文庫(文庫サイズのコミック。あの名作が文庫として再登場),官能文庫(オトナの為の文庫)。 これは,いまの書店側の感覚なんでしょうね。私は使いそうもないな....。

 

11月9~12日

10日は,日本語.comの登録開始日。どこのレジストラも午前中は大混雑で,登録画面が先に進まない状態。 午後になって若干改善され,国外のレジストラは比較的順調に登録作業が進むようになりましたが,国内はずっと混雑が続いていたようです。 ちなみに文庫.com,文庫本.com,読書.comなどは,即登録されたようです。 まだ本当に使えるかどうかもよくわからない状態での先取り競争。今後どうなることやら....。

土曜日は,本棚を買い足しに家具屋へ。ごく普通の天井近くまである木製の本棚で,文庫本専用というわけではないから, なにやらグチャグチャになっていて,整理する気もなくなっているこの頃。昔から?揃った本は人を誘う,という言葉もあるようですが, 分冊文庫本さえ,あちこちに散らばっているようじゃ,読書欲が減退するのも当然か。

日曜日は,ズーラシア(横浜動物園)へ行ってきました。有名なオカピーなど,いろいろ見られてよかったのですが, 広すぎて動物を探すのが一苦労でした。もっとも子供は動物より山あり谷ありの園内を走り回ることに熱心でした。

 

11月8日

出たばかりの岩波文庫新刊「唐詩選(上)」が版元品切れだという。まあ,増刷待ちということなんだろうが,売れていることは確か。 私など,上中下と同時に出ていたら,たとえ,上巻の半分までもよまないだろうな・・・と思っても,当然全部買ってしまう。 そもそも3巻合わせて1冊の書なわけだし。何より揃っていないのは気持ちが悪い。実際,分冊ものは, 後に行けば行くほど極端に販売部数が落ちるということだから,世の中「お試し買い」という人も結構いるんだろうね。

 

11月7日

岩波文庫の新刊,ジェーン・オースティンの「エマ」を読みました。41歳で亡くなったオースティンが,エマを書いたのは39歳のとき。 オースティン家は旧家ではあるが,格別裕福というわけではなく,ジェーンが若い頃から書きためてはいたものをもとに,35歳で「分別と多感」 を自費出版し評判となってから,「高慢と偏見」や「説得」,「マンスフィールドパーク」など主要な作品を出版した時期は, 4~5年に過ぎなかったのですね。主人公エマは,地方の名家であるウッドハウス家の若い娘。ウッドハウス家は,「高慢と偏見」 のベネット家より,ちょっとばかし裕福だけど,姉が嫁ぎ,早くになくなった母代わりの家庭教師も結婚して出ていってしまうと, 老いた父親との二人暮らしはやはり寂しい。もっとも人の良いウッドハウス氏とエマのおかげで,お客は絶えず, その人たちの噂話で独り者の男女が出てくると,エマはそれ自分の出番,とばかり,本人たちの気持ちは思案の外, 恋のキューピッド役をかって出るわけ。エマの理解者で,最後には結ばれるナイトリーが, あなたは干渉することで彼らに利益をもたらすより自分を傷つけたんじゃないかな,と言うように, そのお節介にはちょっと独りよがりのところがあるものの,なかなか憎めない人。わたしは,フォスターの眺めのいい部屋なんてが好きだから, イギリスものではブロンテ姉妹よりも,オースティンの方が好きかな。

オースティンに関しては,http://www.pemberley.com/janeinfo/janeinfo.htmlに詳しい情報とオリジナルテキストがあります。 エマについては,"Emma, published in 1815, has been described as a "mystery story without a murder". The eponymous heroine is the charming (but perhaps too clever for her own good) Emma Woodhouse, who manages to deceive herself in a number of ways (including as to who is really the object of her own affections), even though she (and the reader) are often in possession of evidence pointing toward the truth. Like Catherine Morland in Northanger Abbey, Marianne Dashwood in Sense and Sensibility, and Elizabeth Bennet in Pride and Prejudice, she overcomes self-delusion during the course of her novel. The book describes a year in the life of the village of Highbury and its vicinity, portraying many of the various inhabitants. Emma was dedicated to the dissolute Prince Regent (George Augustus Frederick), at his request; he was the uncle of Victoria, and was Prince Regent from 1811-1820 and later king George IV (1820-1830). Jane Austen was apparently not especially pleased by this honour (see her letter on the infidelities of the Prince and his wife). "と巧く書かれています。

 

11月6日

サーバー業者より,お詫びで期限一ヶ月延長との連絡があり,メールは復旧しました。青弓社「絶版文庫三重奏」を読んでいます。 講談社文庫版のドリトル先生は,私も持っているのですが,絶版になっているのですね。子供の頃は岩波の単行本,少年文庫,講談社文庫と, 出るたびに買っていた(訳者,中身は同じです)ファンとしては,ちょっと残念。本書には,マンスフィールドの園遊会,ゲーテのミニヨンなど, 親しみやすい作品ばかり取り上げられているので,マニアな人でなくても楽しめます。もちろん,絶版文庫に関する蘊蓄もいろいろ。※ SuperTag32という新しいHTML作成フリーソフトを使い始めたのですが,なかなか使いやすいですね。 ちょっとツールボタンが直観的にわかりにくいのが難だけれど。

 

11月1~5日

連休中はみなさん楽しく過ごされたでしょうか? 我が家は私とカミサンが風邪でダウンし, 5日になってようやく近所の大学の大学祭を見に行ったり,江ノ島へ散歩に出かけたりした程度。療養生活を送っていました。その間, 「文庫パノラマ館」を眺めていたわけですが,さすがにレアな文庫本ばかりで感心いたしました。矢口さんも言われていたように, 明治から戦前にかけてのマイナーな文庫は,正確な目録,発行状況を調べることが極めて困難であり, いちいち実物にあたってみるほかないところも多いのですね。古い文庫本に興味をお持ちの方には,とても楽しく,かつ励みになる本です。

なお,現在メールサーバー不具合により,メールが受け取れない状況です。メールをお送りいただいている方, お返事はしばらくお待ち下さい。

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