2007年12月28日

岩波文庫の未完結本(創刊80周年版)

岩波文庫80周年にあわせて,新しい解説総目録をもとに,10年ぶりに未完結本をまとめてみました(前回のまとめはこちら)。当然ながら,この10年間に完結した書目はありません・・・。

シリーズものの文庫は文学全集と違って,廃刊にならないかぎり,未完結なのが当たり前ですから,ここでいう「未完結文庫本」というのは,(上)(中)(下),または(1)(2)(3)・・・・などと刊行が予定されていた書目が,何らかの理由で(上)のみ,あるいは(1)(2)のみで途絶し,長い期間を経ても未だ完結していない場合です。

ほかに,岩波文庫の場合,戦前に一部を刊行したまま未完結となり,戦後あらためて一から出直して完結した書目もありますので,今回はそれもあわせて未完結書目としています。

■錦里文集 全2冊 木下順庵校訳 1953 下巻未刊
■明六雑誌 全3冊 山室信一校注 1999 中巻以降未刊
■宋名臣言行録 全3冊 和田清校訂 1948 下巻未刊
■雍州府史 全2冊 黒川道祐校訂 2002 下巻未刊
■日本滞在記 全3冊 ハリス 玉城肇訳 1944 中巻以降未刊
  (坂田精一訳で1954完結)
■道具と人類の発展 全2冊 ノワレ 1954 下巻未刊
■大地と人類の進化 全2冊 フェーヴル 飯塚浩二訳 1941 下巻未刊
  (飯塚・田辺訳で1972完結)
■芸術におけるわが生涯 全3冊 スタニスラフスキー 島田謹二訳 1942 中巻以降未刊
  (藤原惟人訳で1956完結)
■意志と表象としての世界 巻数未定 ショーペンハウエル 1941 正篇第1巻のみ。以降未刊
■人間的余りに人間的 ニーチェ 全2冊 1937 下巻未刊
■言語 全2冊 イェスペルセン 1981 第2巻未刊
■化学通信 全4冊 リービッヒ 1952 第3巻以降未刊
■うつほ物語 河野多麻校訂 1957 第2巻以降未刊
■源平盛衰記 全5冊 冨倉徳次郎校訂 1944 第2巻以降未刊
■吾妻鏡 全8冊 竜粛訳注 1944 第6巻以降未刊
■嬉遊笑覧 全5冊 喜多村〓庭 2005 第5巻未刊
■甲陽軍艦 全4冊 古川哲史校訂 1950 第2巻以降未刊
■アメリカのデモクラシー 全4冊 トクヴィル 2005 第2巻上下未刊
■経済学原理 全7冊 スチュアート 1980 第4巻以降未刊
■資本論 巻数未定 マルクス 河上肇訳 1929 第1巻5分冊まで刊 以下未刊
  (向坂訳1956,1070で完結)
■「J.S.ミル経済学原理」への評解 全3冊 チェルヌィシェフスキー 1951 中巻以降未刊
■レーニン哲学ノート 巻数未定 松村一人訳 1956 第3巻以降未刊
  (同訳者にて1975全2冊完結)
■毛詩抄 全4冊 清原宣賢講述 1942 第3巻以降未刊
■中国小説史 全2冊 魯迅 1981 戦前版の改訳だが下巻未刊
■カンタベリー物語 全3冊 チョーサー 1973 中巻以降未刊
  (同訳者にて1995全3冊完結)
■ユリシーズ 全5冊 ジョイス 1958 戦前版は完結。第2巻以降未刊
■U.S.A. 全6冊 ジョン・ドン・パソス 1978 第3巻以降未刊
■ゲーテ詩集 全4冊 茅野蕭々訳 1941 第2巻以降未刊
  (片山・竹山訳1957で完結)
■断章 全3冊 ノヴァーリス 1942 下巻未刊
■ドイツ民譚集 全5冊 シュワープ 1948 第2巻以降未刊
■カサノヴァ回想録 全20冊 岸田国士訳 1956 第8巻以降未刊

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2007年12月25日

「読ミガエル名作」フェア

エンド・マークから始まる―片岡義男恋愛短編セレクション・夏 (角川文庫)紀伊國屋書店では,創業80年を記念し,長く店頭から消えている文庫の中で,「もう一度読み返したい」「店頭で販売をしたい」1冊を全スタッフに募り,その結果を元に,各出版元に重版可能なタイトルを打診,7社40タイトルの復刊を実現した。これにより紀伊國屋書店各店店頭では,12月中旬より「読ミガエル名作~紀伊國屋書店文庫復刊フェア」を順次,開催する。復刊書目は次の通り。

■角川文庫
・恋愛短篇セレクション エンド・マークから始まる(片岡義男)(2001/07/25)
・恋愛短篇セレクション 私の風がそこに吹く(片岡義男)(2001/11/25)
・恋愛短篇セレクション 私はいつも私(片岡義男)(2002/06/25)
・大義の末(城山三郎)(1984/12/01)
・オヨヨ島の冒険(小林信彦)(1996/11/25)
・地球暗黒記 1,2,3(荒俣 宏)(1988/07/25)
・ひとめあなたに…(新井素子)(1986/10/10)
・次に行く国,次にする恋(林 真理子)(1992/01/25)
・おばあさんから教わること(式田和子)(1998/12/25)
・いつかまた,プレイボール(山際淳司)(1985/11/01)
■講談社文庫
・聖職の碑(新田次郎)(1980/12/01)
・くじらの降る森(薄井ゆうじ)(1996/01/01)
・南の島の魔法の話(安房直子)(1980/06/01)
・伝説なき地(船戸与一)(1995/11/15)
・生物の世界(今西錦司)(1992/08/01)
・なにわのアホぢから(中島らも)(1995/05/15)
池袋モンパルナス―大正デモクラシーの画家たち (集英社文庫)■集英社文庫
・池袋モンパルナス(宇佐美承)(1995/01/25)
・恋愛太平記 1,2(金井美恵子)(1999/11/25)
■ちくま文庫
・サド侯爵の手紙(澁澤龍彦)(1988/01/26)
・東京ミキサー計画(赤瀬川原平)(1994/12/05)
■中公文庫
・智謀の人 毛利元就(古川 薫)(1997/06/18)
・映画千夜一夜 上,下(淀川長治)(2000/01/25)
■ハヤカワ文庫
・煮たり焼いたり炒めたり(宮脇孝雄)(1998/11/30)
・タイムクエイク(カート・ヴォネガット)(2003/02/15)
・ジェイルバード(カート・ヴォネガット)(1985/09/01)
・青ひげ(カート・ヴォネガット)(1997/09/30)
・チャンピオンたちの朝食(カート・ヴォネガット)(1989/12/15)
・ソングマスター(オーソン・スコット・カード)(1984/03/01)
・一人だけの軍隊(デーヴィッド・マレル)(1982/11/01)
・エデン(レム)(1987/11/15)
・宇宙創世記 ロボットの旅(レム)(1976/08/01)
・デリラと宇宙野郎たち(未来史シリーズ)(ロバート・A・ハイライン)(1986/06/01)
・地球の緑の丘(未来史シリーズ)(ロバート・A・ハイライン)(1986/07/31)
・動乱2100(未来史シリーズ)(ロバート・A・ハイライン)(1986/09/30)
■文春文庫
・舞え舞え蝸牛 新・落窪物語(田辺聖子)(1979/10)
・毒舌日本史(今 東光)(1996/08/10)

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2007年12月23日

「ブック・オブ・ザ・イヤー2007」6賞決まる

新文化紙などによると,オリコンほか6書店で構成する実行委員会は,6部門で受賞作を決めた。

【総合】 女性の品格
【単行本】 ホームレス中学生
【コミック】 ONE PIECE(46巻)
【タレント本】 ホームレス中学生
【写真集】 関ジャニ∞
【作家別】 佐伯泰英

これらは,1月から12月中旬まで,文教堂グループ,くまざわ書店グループ,三洋堂書店,精文館書店,明屋書店,フタバ図書の計674店での販売データに基いて決められたもの。

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2007年12月10日

ネーデルラント旅日記(デューラー)

ネーデルラント旅日記 (岩波文庫 青 571-1)かつては年末になると,婦人雑誌の新年号の分厚い付録が話題となり,我が家でも母親がその付録の家計簿に一年間まめに買い物や支払などをメモしていました。しかしながら,最近は婦人雑誌が衰退し,ウチのカミサンなど,もっぱら携帯電話を家計簿代わりに使っております。私など,もっとズボラで,カードの利用記録以外,何にも残っていません・・・。

それでも世の中には,お金の出入りをしっかり記録しておかないと気が済まない人もいるわけで,たとえば画家のデューラーは,1520年夏に途切れた年金の支給を新皇帝カロルス5世に請願すべく,妻と侍女とを伴い,ニュルンベルクからネーデルラント(現在のベルギー地方)へ長旅に出た際,宿代や交通費等を日々細大漏らさず記録しており,後生の研究者への貴重な資料となっています。それが岩波文庫の「ネーデルラント旅日記」。

もちろん,収支だけでなく,諸都市における見聞も記されており,カラーの口絵をはじめ,いくつかのスケッチと詳細な解説を含む本書は,異色の旅日記(「出納簿文学」?)として,一読の価値があります。

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2007年12月05日

岡本綺堂随筆集

岡本綺堂随筆集 (岩波文庫 緑 26-3)今年はインフルエンザが流行しそうだとのこと。

インフルエンザといえば,岩波文庫の新刊「岡本綺堂随筆集」に明治時代のインフルエンザの話があって,それによると,インフルエンザが初めて流行ったのは明治23~24年にかけて。当時はインフルエンザとは呼ばず,普通はお染風と言っていた。江戸時代にインフルエンザに似た感冒が大流行し,それに誰かがお染という名を付けたのが由来で,お染が久松に惚れたように,すぐに感染するという謎なのだ。

病がお染であるから,これに取り憑かれる患者は久松でなければならないということで,お染の乱入を防ぐために,明治23,4年の東京では,家の軒に「久松留守」との紙札を貼り付けることが流行した。なかには「お染御免」などという札もあったらしい。

本書は,このような明治末期から昭和初期における東京の日常生活のつれづれや,各地の旅の印象を,「半七捕物帳」で知られる岡本綺堂が,淡々としながらも,どこか粋で男の色気が感じられる文章で綴ったもの。さすがに巧いものだなぁと感心しつつ,楽しめる本。

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2007年12月04日

80年版  岩波文庫解説総目録

さてさて10年ぶりに出ました「80年版  岩波文庫解説総目録 ―1927~2006 ―」(岩波文庫編集部編,四六判上製函入,1280頁,定価4,200円)。80周年記念ということなんでしょうが,80年版というのは,後々わかりにくくならないですかね。

岩波文庫の既刊5400冊を20のジャンル別に収録し,解説・書誌データを付けた総目録。巻末には書名索引,著訳者別書名索引もあります。最近岩波文庫に興味を持った方はもちろん,私のように,古いところで創刊40周年記念目録や創刊50周年記念復刊あたりからのファンでありながら,岩波文庫歴30余年の割には全然身に付いていない(あるいはすでに記憶力が・・・)という方にも,なかなか役に立ちます。ちなみに10年前の解説総目録もまだ現役で販売されていますね。

※初期の解説目録については,こちらをご参照下さい。

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2007年12月03日

山海堂12月3日付で業務停止 解散へ

雑誌「オートテクニック」「F1 MODELING」などホビー,土木,工学関係の書籍で知られる山海堂(東京・本郷)は12月3日昼ごろ,全社員を集め解雇と解散する旨を伝えた。同日業務を全面的に停止し,債務整理を弁護士に一任した。信用調査機関の調べによると,平成18年2月期の時点で売上高は10億円,金融機関の借入金は10億円。負債は約17億円程度と推計される。

今後については,「現段階では未定。一両日中に方向性を決定」とのこと。社屋はロックアウトされ,社員は解雇されている現状から自己破産の手続きがとられることが濃厚とみられる。(新文化ほか)

ホームページはすでにつながらなくなっていますね。

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2007年11月20日

その後のツレがうつになりまして

その後のツレがうつになりまして。幻冬舎の新刊「その後のツレがうつになりまして」(細川貂々)を読みました。

仕事人間だった夫がうつになって会社を退職,その後の闘病生活の様子をイラストレータの妻が描いて話題になった本の続編。著者によると,刊行後,同じ悩みを抱えているたくさんの人たちと出会うことができ,世界が広がったとのこと。

本書は,次第に治癒してきて,主夫として暮らす夫との生活を,ほのぼのタッチで描いているので,あまり悲惨な感じはしません。でも,実際に自殺を考え,再発に怯える夫を,ここまで支えてきた苦労は並大抵のものでは無かったはず。いやいや,みんな他人事とは思えないから,これだけ反響があったのでしょう。

ちなみにペットはグリーンイグアナ。詳しくは,ほそかわてんてんのホームページ「とかげのしっぽ」をご覧下さい。

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2007年11月12日

タンマ君 祝1900回

タンマ君 (7)今週号の週刊文春は,東海林さだおが38年間続けてきた連載漫画「タンマ君」の1900回特集。

タンマ君の謎を解く!!と題して,名前の由来,仕事,好みの女性や食べ物など,これまでの連載中に現れたさまざまなエピソードからタンマ君の実像に迫っています。

ちなみに,東海林さん曰く,タンマ君と作者とは,「優柔不断でイジイジしているところ。それから女にモテナイところ」が似ているとのこと。いやいやポッチャリ好きの東海林さんて,決してモテナイなんてことはないらしいですけどね。

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2007年11月10日

18年ぶりの世界文学全集

国内では18年ぶりの世界文学全集が河出書房より刊行される。初版2万部で,すでに予約目標の3千セットを突破したとのこと。

世界文学全集は,1989年に河出書房と集英社から出たものが最後。今回の河出書房新社版は,作家の池澤夏樹個人選で全24巻(各2520~3360円)。初巻はケルアックの「オン・ザ・ロード」(青山南訳)。以降バルガス・リョサ「楽園への道」(田村さと子・初訳),クンデラ「存在の耐えられない軽さ」(西永良成新訳)が続く。

この時期にスタンダードな作品集を刊行することについて,池澤氏は,『今は口当たりのいい,おなかにもたれない小説を好む読者の層が膨らんでいる。だが,歯ごたえのあるものを頑張って理解した時の達成感は大きな喜びになる。そうした格闘の体験は恋愛より大切なものだ。全集体験は,読書とはその場で値打ちがわかる取引だけではないということを知るいい機会になる』,『何でもありの世界だからこそ文化的基準が求められる。10年前には古典が消えたとグチを言っていたものだが,欠落が一定レベルを超え出版人が気付いたのだろう。一時,出版点数の多さが書店の棚を圧迫し本が入手しにくくなったが,ネットで欲しい本がすぐ買えるようになり,マーケットが本来の形に戻った。書評やブログの読書日記など本を探す目安も増えた』と語っている。

ちなみに朝日新聞によると,光文社が昨年9月に創刊した「古典新訳文庫」はこれまで29冊を刊行し,創刊月に出した8点のうち6点が増刷,「カラマーゾフの兄弟」は全3巻合わせて7万8千部が出た。岩波文庫も,従来は適役の訳者が見つかった機会に訳を更新してきたが,ここ数年は,幅広く新訳をリストアップする方針に変えたという。

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2007年11月08日

エクスメディア倒産

フルカラーのPC入門書「超図解」シリーズで知られるエクスメディアが,10月31日東京地方裁判所に自己破産申請を行った。負債は11億円。三笠書房を引受先とする再建計画もあったが,不調に終わったという。

IT系書籍や雑誌は調子が悪くないと思っていたのだが,市場は冷え込んでいるという。そもそも本でPCのお勉強をしようという人が減っているわけですな。疑問点はググれば大抵分かるしね。「超図解」シリーズはわかりやすい説明で好感もっていたけれど,フルカラーで1000円程度の価格設定だったから,なかなか苦しかったのかも。

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2007年11月05日

新橋古本まつり

shimbashi200711.jpg恒例の「新橋古本まつり」が,JR新橋駅前SL広場にて5~10日まで開催中です。
雑誌,ムック,文庫・新書など白っぽいものがメインですが,お近くにお越しの際には,お立ち寄り下さい。

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2007年10月29日

岩波文庫の重版

岩波文庫では,創刊80年を記念して,本年4月にロングセラー13点19冊を,活字を大きくし,字詰め行間を改め,より読みやすくして,一括重版しました.これに続き,10月4日に以下の7点10冊が同様に重版されました。今後も基本書目を随時見直し,刊行していきたいとのことです。
・日本民謡集(町田嘉章,浅野建二編)
・カルメン(メリメ/杉 捷夫訳)
・赤と黒(全2冊)(スタンダール/桑原武夫,生島遼一訳)
・エミール(全3冊)(ルソー/今野一雄訳)
・遠野物語・山の人生(柳田国男)
・言語(上)(イェスペルセン/三宅 鴻訳)
・音楽と音楽家(シューマン/吉田秀和訳)
ちなみに,「言語(上)」は1985年以来の重版で,下巻は近々刊行の予定。

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2007年10月17日

疾風怒濤のJAZZオーディオ放蕩生活(寺島靖国)

疾風怒濤のJAZZオーディオ放蕩生活少々遅くなりましたが,寺島靖国の新刊「疾風怒濤のJAZZオーディオ放蕩生活」(河出書房)を読みました。

久しぶりに読んだ寺島さんのオーディオ本ですが,えーと,基本的にはいままでの本と一緒です,書いてあることは。寺島さん自身,さるオーディオ評論家から『あなたの本が面白いという人がいたら,それは我々がずっと前から悪戦苦闘してきたことを,さも新しい発見のように書いているから・・・』などと言われたらしいですが,寺島さんのはJAZZ喫茶という商売も含めて,自分自身の経験をリアルに書いているから面白い。体験記,あるいは実験レポートであって評論じゃないんです。だから,オーディオファンじゃなくても,こんな痛快な,お馬鹿なオヤジがいるんだぁというところで楽しめます。

本書では,オーディオ専用の電源を確保すべく,東電に頼んで庭に個人専用の電柱を建て,マイ・トランスから電気を引くという快挙にでたものの,結果は・・・ショボーン。しかしそれにもめげず,次々と機材を入れ替え,再度孤高の音作りに励んでいきます。ご当人は,売ったり買ったりの繰り返しですよ,というものの,これだけの時間とお金をつぎ込めるというのは,羨ましいかぎり。

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2007年10月16日

ペン!!ペン!ペン!ファウンテンペン!

ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!―私が選んだ一本の万年筆「ペン!!ペン!ペン!ファウンテンペン!ー私が選んだ一本の万年筆」を読む。

南雲堂フェニックス刊,277ページ。本書にはたくさんの万年筆が登場する。しかし,カタログ本ではなく,万年筆ファン一人一人が,愛着のある自分の万年筆を紹介し,その思い入れを語っている。掲載された写真(これが精細で綺麗)も,実際にそれぞれの筆者が使っているもので,かなり年季が入っていたり,イニシャルが刻まれていたりする。どんな人にも,万年筆にも,歴史があるのだ。

私自身も,万年筆やインクにはいろいろ手を出してきたものの,結局普段デスクの上にあるのは,ロイヤルブルーを入れたモンブラン146。腰の強さや握り心地など,いろいろな理由はあるけれど,やはり安定したフローと書き味がポイント。もう1本選ぶとすれば,久保製作所で調整したパーカーのデュオフォールド。いずれも親子代々受け継ぐだけの耐久性があることは間違いないが,我が息子がオヤジになる時代に万年筆はどんな扱いを受けているのだろうか。

本書にはほかに,モンブラン149ユーザの座談会などもあり,中身は盛りだくさん。いかにも地道に手をかけて作られた本で,3150円という価格だが,本の造りも立派。文房具ファンにはお薦め。

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2007年10月14日

ゴマ文庫創刊

ゴマブックスから11月7日に「ゴマ文庫」が創刊される。

自社書籍や書下ろしを中心に,初回12点。12月,来年1月には各10点を刊行予定。以後毎月7~10点を刊行し,年間100点を目指す。

初回刊行分は,「アホでマヌケなアメリカ白人」(マイケル・ムーア),「眺めのいい人」(伊集院静),「90日で幸せな小金持ちになるワークブック」(本田 健),「一生の幸せにつながる一日の過ごし方」(船井幸雄),「幸せな奇跡を起こす本」(佳川奈未),「彼があなたとセックスしない理由」(中村うさぎ),「図解 起業力のつくり方」(内田雅章),「クロスロード―あの日の約束」(泉 忠司・晴香葉子),「彼女たちの日々と底上げブラ1」(キャシー・ホプキンス),「セレブな犬のしつけ方」(タマー・ゲラー),「体験コミック ご出産1」(まついなつき),「人生を変えたイイ言葉」(萩本欽一)。

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ウェッジ文庫創刊

東京駅はこうして誕生した (ウェッジ選書 24)新幹線内などで見かけるビジネス誌「Wedge」。その出版元ウェッジ(JR東海の子会社)より,ウェッジ文庫が10月22日に創刊される。

初回は,「日本人の忘れものI」(中西進),「清朝十四王女-川島芳子の生涯」(林えり子),「変化の時代と人間の力-福原義春講演集」,「余はいかにして鉄道愛好者となりしか」(小池滋)。キヨスクの販売力に期待するとのこと。

ちなみに,ウェッジではこれまで,「東京駅はこうして誕生した」,「東海道の旅」,「折れたレール」(英国鉄道民営化ドキュメント),「満鉄と東インド会社,その産声」,「車窓発見101番勝負」などJRらしい単行本を出しており,ほとんどが入手困難となっているので,文庫での出版を望みたいところ。

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2007年10月12日

本のためのトートバッグ BUN -SHIN TOTE BAG

dfs-abc_bag_image.gif青山ブックセンターでは,アートディレクター秋山具義によるトートバッグとオリジナルグッズのお店DAIRY FRESH STOREと,青山ブックセンターとのコラボレーションによる本のためのトートバッグを発売中。

『分厚い本を入れても丈夫な帆布のトートに“文庫&新書”がすっぽり入るポケットがついています。本をちらりとポケットから見せることで、知的さをアピール!もちろん、携帯やメモを入れたり使い方は自由です。青山ブックセンターとDAIRY FRESH STOREのみでの販売です!』

「本のためのバッグ【BUN -SHIN TOTE BAG】仕様」
H350×W350×D120mm,帆布100% 価格:3800円

<DAIRY FRESH STORE>
アートディレクター秋山具義によるトートバッグとノートを中心にしたオリジナルグッズのお店。素材やサイズにこだわって作られた,使っているだけで毎日が楽しくなるグッズ,使っているとみんなが気になるグッズを製造・販売。http://www.d-fresh.com http://dairyfresh.exblog.jp

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2007年10月08日

海底二万里(下)(ヴェルヌ)

岩波文庫の海底二万里(下)を読む。

読み終わって,やれやれという感じなのだが,それは本書が,詳細に記述された海中の科学的な興味より,ノーチラス号の中に自分の世界を作り上げようとしたネモ船長の薄気味悪さが先に立ち,ヴェルヌの他の多く作品のように気楽に読むことはできないからだ。子供の頃,ヴェルヌのシリーズを読んだ中で,本書の記憶が薄いのは,子供心にその辺りが馴染めなかったせいかと思う。

読みやすく訳されているが,解説が硬くてあまり読書欲をそそるようなものでないのが残念。

ちなみに岩波文庫のヴェルヌ作品は以下の通り。
赤569-1 十五少年(森田思軒訳)1938年刊品切
赤569-2 地底旅行(朝比奈弘治訳)1997年重版中
赤569-3 八十日間世界一周(鈴木啓二訳)2001年
赤569-4 海底二万里(上)(朝比奈美知子訳)2007年
赤569-5 海底二万里(下)(朝比奈美知子訳)2007年

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2007年10月03日

けものたち・死者の時(ピエール・ガスカール)

仕事がテンパっているので,少々めげ気味ですが,そんな気分をますます鬱々とさせる岩波文庫の新刊「けものたち・死者の時」(ピエール・ガスカール)を読みました。

本書は1953年に出版されてすぐ,55年に岩波書店から翻訳が出ていますから,そちらで親しんだ方も多いかと思いますが,私は初めて。暗いなぁ・・・と思いながらも,その陰鬱な世界にひきこまれてしまい,止めることができない,悔しいけれど。

短篇集「けものたち」は,ふつうの動物物語と全く違い,人間と動物との惨めな戦いを描いていますが,そこでは人間も一つのけものであり,他の動物を虐待することで,自ら辱められていく存在だと感じさせられます。ただ,人間にはそこに強烈な苦悩があるんですな。

また,中篇「死者の時」は,作者の捕虜経験に基づく自伝的作品で,第2次大戦でドイツ軍の捕虜となり懲罰収容所で墓堀に従事した日々を描いたもの。こちらも当然ながら絶望的な気分に充ち満ちています。

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2007年09月24日

海底二万里(上)(ヴェルヌ)

海底二万里 上 (1) (岩波文庫 赤 569-4)岩波文庫「海底二万里(上)」(ヴェルヌ,朝比奈美知子訳)を読む。

岩波少年文庫,創元推理文庫,集英社文庫,角川文庫など昔から多くの邦訳が出ているが,本書はネルヴァルの研究・翻訳などを手がけてきた訳者による新訳。

おなじみネモ船長と潜水艦ノーチラス号による海洋冒険譚。私の場合,子供の頃から愛読していた「気球に乗って五週間」,「地底探検」,「月世界旅行」などと比べて,化学的に発生させた電気を動力源にしたり,博物学的な記述が続いたりと,理屈っぽい感じがして馴染めなかったのか,本書の印象は薄く,今回じっくり読んで,こんな場面があったのかとあらためて気づいたところも多かった。

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2007年09月19日

120%オートハーフを楽しむ本(Ryu Itsuki)

120%オートハーフを楽しむ本 (えい文庫 154)エイ文庫の新刊「120%オートハーフを楽しむ本」(Ryu Itsuki)を読みました。

そろそろデジタルカメラしか知らない世代が出てきそうな時代に,オートハーフとは・・・懐かしいですな。我が家にも1台残っていますし,ジーコジーコゼンマイを巻いてみたら,ちゃんと動くようです。いまでもモダンなスタイルに見えるオートハーフは時代を超えてカワイイヤツです。

そんな35mmフィルム1コマの半分を使うハーフカメラのロングセラー,リコーオートハーフは1962年生まれ。私の子供の頃は全盛期でした。なんといっても1本のフィルムでたくさん撮れるのが利点ですが,当時はまだフィルムが貴重だった時代の名残で,今のように高速連写などというわけにはいかず,72枚撮り終わる頃には1年経っていました,なんてことも。

本書は,オートハーフの歴史を中心に,開発者へのインタビュー,バリエーション紹介,取説の復刻,分解メンテナンスの手順,オリジナルな外装製作など,さまざまな楽しみ方を紹介しています。著者の作例も豊富に載っており,最近のフィルムを使った意外にシャープで鮮やかな写真を見ると,自分でももう一度撮ってみたいと思わされます。

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2007年09月18日

いまニッポンの文庫はどうなっているのか!

「本の雑誌」10月号の特集は,「いまニッポンの文庫はどうなっているのか!」。

各文庫の創刊広告総覧,過去のある時期に発刊された文庫が現在どれだけ生き残っているかを各社で比較する「文庫生存率比べ」,文庫解説目録読み比べなどなど,なかなか面白い。

本書によると,ハヤカワ・ミステリ文庫が生存率No.1とのことだが,岩波文庫も意外に検討していて,各時代を通じて40%程度はキープしているようである。もっとも岩波文庫の場合,ロングセラーが多いので,生鮮食料品的な作品が多い他社文庫に比べれば,当たり前なことかもしれないが。

WEB本の雑誌

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2007年秋 岩波文庫一括重版

2007年11月の岩波文庫秋の一括重版予定書目です。かなり地味な感じは否めませんが,読み物としては幕末の役人のさまざまな裏話を記録した「旧事諮問録」(1999年秋にも復刊されています)や,意外に下世話な当時の楽壇のゴシップを書いていて面白い「ドビュッシー音楽論集」などお薦め。

■岡正雄論文集 異人その他 他十二篇(大林太良編) (1994年11月16日発行)
■植木枝盛選集(家永三郎編)(1974年7月16日発行)
■内村鑑三所感集(鈴木俊郎編)(1973年12月17日発行)
■学問芸術論(ルソー)(1968年12月16日発行)
■河上肇評論集(河上 肇,杉原四郎編)(1987年6月16日発行)
■感情教育 全2冊(フローベール)(1971年3月16日発行)
■旧事諮問録 全2冊(旧事諮問会編)(1986年1月16日発行)
■ギリシア宗教発展の五段階(ギルバァト・マレー)(1971年9月16日発行)
■基督教の起源 他一篇(波多野精一)(1979年6月18日発行)
■経済学および 課税の原理 全2冊(リカードウ)(1987年5月18日発行)
■ルソー 告白 全3冊(桑原武夫訳)(1965年3月16日発行)
■古代国語の 音韻に就いて 他二篇(橋本進吉)(1980年6月16日発行)
■産業革命(アシュトン)(1973年7月16日発行)
■青年と学問(柳田国男)(1976年3月16日発行)
■大乗起信論(宇井伯寿,高崎直道訳注)(1994年1月17日発行)
■中国文学における孤独感(斯波六郎)(1990年9月17日発行)
■哲学史序論(ヘーゲル)(1967年5月16日発行)
■天台小止観(天台大師)(1974年4月16日発行)
■藤村随筆集(十川信介編)(1989年3月16日発行)
■徳川家康 全2冊(山路愛山)(1988年1月18日発行)
■徳川時代の文学に 見えたる私法(中田 薫)(1984年3月16日発行)
■ドビュッシー音楽論集(平島正郎訳)(1996年1月16日発行)
■豊臣秀吉 〔全2冊〕(山路愛山)(1996年2月16日発行)
■日本語の系統(服部四郎)(1999年3月16日発行)
■ヒュースケン 日本日記(ヒュースケン)(1989年7月17日発行)
■人間(カッシーラー)(1997年6月16日発行)
■バッハの生涯と芸術(フォルケル)(1988年1月18日発行)
■花田清輝評論集(粉川哲夫編)(1993年10月18日発行)
■微生物の狩人 全2冊(ポール・ド・クライフ)(1980年11月16日発行)
■福沢諭吉教育論集(山住正己編)(1991年3月18日発行)
■法華義疏 全2冊(聖徳太子)(1975年4月16日発行)
■ヨオロッパの世紀末(吉田健一)(1994年10月17日発行)
■ローマ皇帝伝 全2冊(スエトニウス)(1986年8月18日発行)
以上

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2007年09月15日

桃園書房・司書房、自己破産へ

9月13日付け「新文化」によると。9月5日,東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。破産管財人は杉本進介弁護士,債権届出期間は10月10日まで,財産状況報告集会は12月11日に開かれるとのこと。

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2007年09月12日

「床下仙人」5千部が6万5千に

床下仙人祥伝社文庫「床下仙人」5千部が6万5千に。POPの力,絶版から復活(文化通信)。

平成13年に初版が出て,絶版間近だった文庫本。ところが,「これが面白くなくて何が面白い」というPOPで人気沸騰,大増刷というお話し。

著者の原宏一氏は1954年生まれ。主な著書に「かつどん協議会」,「こたつ」,「姥捨てバス」,「極楽カンパニー」などがある。私ははじめて読みましたが,我々のような世代のサラリーマンには,ニヤリとするところも多い。中年向け星新一か?とも思ったが,この手の本を読み慣れないせいもあり,ちょっとPOPは誇張かなという印象。

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2007年09月08日

オルメードの騎士(ロペ・デ・ベガ)

オルメードの騎士 (岩波文庫 赤 734-1)スペイン16世紀の劇作家ロペ・デ・ベガは,1日1篇の戯曲を書き,生涯に1800篇のコメディアと400篇の聖体劇を書いたといわれています(現在残されているものだけでも400篇)。同時代のセルバンテスは劇作家の道を目指しながら,ベガの才能に圧倒され,筆を折らざるを得なかったという話も。

ベガの創作の原動力だったのか,派手な恋愛遍歴も知られていて,不倫の末に投獄,追放刑を受けたり,旦那のいる女優とスペイン各地を逃避行。正妻との間に3人,愛人との間に5人の子供がいました。

本書「オルメードの騎士」は,ベガの最高傑作で,50歳代半ばの1620年頃に書かれたもの。一人の美女をめぐる二人の騎士の恋の駆け引きと不幸な結末が描かれていて,これは当時よく知られた実際の事件をもとにしているとのこと。

韻文で書かれた400年前の作品ですから,いくら恋愛スキャンダルものとはいっても,あぁそういう話だったのね・・・といった感じで読み終わってしまいます。まず丁寧な解説を読んで,文学史的な興味がわいてから読み始めたほうがよいかも。

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2007年09月05日

桃園書房営業停止

九州平戸殺人事件 (桃園文庫)桃園書房(とうえんしょぼう)が,業績低迷による資金繰りの悪化で,8月31日に営業停止となりました。

同社は,つりMagazine,月刊へら,問題実話,小説CLUBロマン,コミックジャンボなど,アダルト,つり,クイズなどの雑誌を刊行するほか,アダルト・エンターテイメント系の桃園文庫でおなじみ。

同じグループの老舗,司書房についても,以前から社内のゴタゴタによる未払い,刊行遅延などが噂になっており,書店からの引き上げも始まっていたようですが,正式な発表は未だ無いようです。

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日本の酒(坂口謹一郎)

日本の酒 (岩波文庫 青 945-1)昭和40年代に「世界の酒」とともに岩波新書(青版)で出ていた「日本の酒」(坂口謹一郎)が,このたび岩波文庫に入りました。

日本酒にはあまり強くない私ですが,本書は微生物学者である著者が,酒造りの歴史やメカニズム,流通,味覚の秘密などを科学的な視点を交えて語っており,大変楽しく読むことができました。

とくに酒造りのプロセスについては,豊富な写真とともに詳しく書かれているほか,酒造りに果たすカビや火入れの役割など,専門家の立場からのわかりやすい解説もあり,単なる蘊蓄本とは違って勉強になります。なお,基本的には新書のままですが,一部のデータはアップデートされています。

ちなみに著者は歌人としても知られ,上越市には『香り高き楽縫庵と酒づくりの里「坂口記念館」』があります。「うま酒は  うましともなく飲むうちに 酔ひてののちも 口のさやけき」 なるほど,後味すっきりですね。

※なんか,最近岩波のサイトの新刊紹介文がヘンですね。

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2007年09月03日

2ちゃんねる新書発刊

恥ずかしくて死ぬかと思った体験 (2ちゃんねる新書)アキバBlogによると,2ちゃんねる新書が発売になり,秋葉原では店頭に並んでいたとのこと。発売元は,ぶんか社。

キャッチフレーズは『毎月読める,1000万人の本音』,『残しておきたいスレもある』。今回発売されたのは,「恥ずかしくて死ぬかと思った体験」,「自分がスケベだと思う瞬間」,「朝勃ち時の排尿方法」,「嗚咽」,「アツアツご飯に何を乗っけて「わしわし」する?」の5冊。

ぶんか社によると,今後毎月発売されるらしいが,これらのスレをそのまま転載したような本の著作権について,2ちゃんねるでは投稿する際に「著作権をすべて譲渡する」という了解を得ているとの説明。だが,そもそも著作権者たる2ちゃんねるの実体とは何なのか,個人?法人?あるいは・・・一投稿者たる私には,どうもハッキリしない。

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伽藍が白かったとき(コルビュジェ)

伽藍が白かったとき (岩波文庫 (33-570-1))もう9月。学生の時は夏休みが終わることが悲しかったけれど,いまでも夏の終わりには一抹の寂しさが。ウチの小さなウサギもしばらくブラッシングしていなかったので,コロコロですーっと毛を撫でたらボサッボサッと抜ける抜ける。クッションができるんじゃないかと思うほど。最後には少々みすぼらしいマダラウサギとなってしまい,本人相当頭にきたようでぶーぶー怒っておりました。。

そんな中,岩波文庫「伽藍が白かったとき」(コルビュジェ)を読みました。コルビュジェといえば,著名なフランス人建築家という知識しかない私。大成建設のル・コルビュジェ アーカイブであらためて勉強。

本書は1936年,アメリカから帰国したコルビュジェが,「臆病人国」アメリカの建築,文化をフランスのそれと対比させて語っています。題材はニューヨークの摩天楼,鉄道,広告など幅広く,コルビュジェって誰?という読者でも,戦前のヨーロッパ人によるアメリカ見聞録として楽しむことができます。

ちなみに本書は1957年岩波刊の単行本を一部改訂したものです。

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2007年08月31日

酒井古書店

古い文庫本メインの酒井古書店。岩波文庫(戦前版)の値段はそれなりに高いのですが,「印あり」ばかりということは,一カ所から出たのでしょうかね。

もっとも,昔の人は文庫本にも丁寧に印を押している人が多いので,神保町で古い岩波文庫を探していると,同じ蔵書印によく出会います。私は,古い文庫本の場合は,書き込みや蔵書印がある方が好きで,すでにもっている本でも変わった蔵書印や書き込みがあると,つい買ってしまいますね。

蔵書印は通常,石材や木材でできていますが,最近ではゴムでそれ風の印を作るところもあるようです。「現代の名工 はんこや昭ちゃん」では,『蔵書印の雰囲気を損なわずに,かつ安価なお値段で提供出来るよう文字のデザインを工夫』しています。書店で売っている既製のものではちょっと物足りない・・・という方には5800円ですがいかがですか。ちなみに石材だと28000円とのこと。

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2007年08月30日

ダンヒルたばこ紳士

昼休みに新橋大古書市をぶらぶらと。古い文庫本にめぼしいものが無かったので,前から気になっていた「ダンヒルたばこ紳士」(アルフレッド・H・ダンヒル,団伊玖磨訳)を800円ほどで購入。40年以上前の本で,背は焼けていますが,中身は綺麗。最近は,タバコ関連の本がほとんど出ていないので,こういった古本に頼らざるを得ないのですね。

内容は,タバコの歴史,製造法,喫煙具など「パイプスモーカーズバイブル」と呼ばれるのに相応しい充実したもの。タバコを吸わない人には,ダンヒルといえば洋服や紳士小物だと思いますが,パイプ愛好家にとっては,高級パイプ,ライター,パイプ用タバコとして親しみがあるブランド。私もジェントルマンからはほど遠い風体ながら,マイ・ミクスチャー965やアーリーモーニングなど,よくふかしています。

そういえば,団伊玖磨さんの「パイプのけむり」。教科書にも載っているエッセイ集だけど,最近はどうなんでしょう。タバコに関することは何でもNGらしいから,このような好ましからぬタイトルの本は,とうに学校から排斥されているのでしょうか。

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2007年08月29日

丸善とハヤシライス

11KOHLxeE4L.jpg丸善とアマゾンジャパンの共同ストアがオープンした。

丸善オンラインストア」は,アマゾンジャパンが扱う商品のほか,丸善オリジナル商品「丸善セレクション」を販売。現在,ハヤシライスなどの缶詰「新厨房楽」シリーズ,筆記具,地球儀,科学模型などを扱っている。

ちなみに,なぜ丸善でハヤシライスなんて売っているのかというと,洋食の人気メニュー・ハヤシライスの生みの親は,丸善(株)の創業者の早矢仕有的(はやし・ゆうてき)という説があるから。『丸善百年史』によると,「幕末か明治のことであろう。友人が訪問すると,有的は台所に有合せた肉類や野菜類をゴッタ煮にして,飯を添えて饗応するのが常であった。そこから人々はこの料理をハヤシライスといい,ついにはレストランのメニューにまで書かれるようになったという」。

新厨房楽シリーズ「ハヤシポーク」「ハヤシビーフ」は,このエピソードに基づき生まれた。ほかに,カレーポーク,カレービーフ,ビーフシチューもあり。

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2007年08月28日

新橋大古本市

20070827.jpg残暑厳しい中,恒例の大古本市がJR新橋駅前SL広場にて9月1日まで開催中です。文庫,新書ほか,雑誌,実用書など,あまり古いものは出ていませんが,にぎわっていますので,お近くの方は覗いてみてください。

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2007年08月27日

北海道旅行

先週一週間,夏休みをとって北海道に行ってきました。今回は,富良野と札幌に滞在。

20数年前には札幌に住んでいましたし,今でもときどき仕事で行く機会もあるのですが,富良野を訪れたのは今回が初めて。今年は例年になく暑いとはいうものの,富良野の朝夕は肌寒い位。きれいな空気と木々に囲まれ,久しぶりにのんびりとさせて貰いました。

富良野といえば「北の国から」ですが,あまりそちらには関心がない我が家は,もっぱら川下りや熱気球,チーズやバターづくりなどを体験し,旭山動物園やラベンダー畑(シーズンは終わっていましたけれど)にも足をのばしました。旭山動物園は,噂通りの混雑で,アザラシやシロクマを見る行列ができていましたが,なるほど面白く見せるための工夫がいろいろとされており,感心しました。

最後は札幌で,藻岩山や大倉山から180万都市となった札幌の夜景など眺め,お決まりのラーメンを食べて帰ってきましたが,東京は相変わらずの猛暑でウンザリしているところです。

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2007年08月16日

スコットランド紀行(エドウィン・ミュア)

スコットランド紀行 (岩波文庫 赤 296-1)今週はお盆休みで通勤電車は空いているものの,猛暑続きで外へ出るのも勘弁といった状況。35度なんてもう驚きませんね。新橋界隈など熱風が吹き回り体感温度40度以上じゃないでしょうか。

私も来週は休みを取って北海道へ旅する予定。学生時代は札幌に住んでいたし,その後も仕事でちょくちょく行っていますが,今年は北海道も猛暑のようで,避暑になるかどうか・・・

そんな中,岩波文庫の新刊で本邦初訳「スコットランド紀行」(エドウィン・ミュア)を読みました。著者は,1887年生まれのスコットランドの詩人。1934年にスコットランド各地をクルマで旅したときの記録で,スコットランドとイングランドは違うとよく言われますが,同じスコットランドの中でも土地土地によってずいぶん気質や環境が違い,こだわりがあることがわかります。

当時のスコットランドは,世界恐慌のあおりを受け,不況の真っ只中。労働者と資本家の対立が激化しており,牧歌的な風景の中にも,厳しい社会情勢が描かれています。

ちなみに,著者は夫人と共に,カフカの英語圏における紹介者としても知られています。

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2007年07月31日

お散歩写真のススメ(原康)

お散歩写真のススメ (えい文庫 150)エイ文庫の新刊「お散歩写真のススメ」(原康)を読む。

著者は,懐かしい下町風景との出会い(「角を曲がって」)や山村の小さな小学校の記録(「がっこう」)など自然体の写真で知られているが,本書も散歩しながら,商店街や横町,風呂屋など日常の風景をコンパクトカメラで撮ろうという気楽な撮影スタイルの提案。

以前,伊集院光がラジオで,写真を撮りながら都内を歩き回っているが,いつその日の撮影を終わりにするのか決めるのが難しい・・・といったことを喋っていた。たしかに自然体のお散歩写真では,その終わりかたにこだわる必要があるかもしれない。

そこで本書には「お散歩写真の終わり方」という一章がある。「僕のお散歩カメラ紹介」とあわせて,これでお散歩写真教程は完成だ。

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2007年07月28日