岩波文庫の新刊「ブラウニング詩集」を読む。対訳「イギリス詩人選」の(6)。
このシリーズ,これまで,(1)シェイクスピア,(2)ジョン・ダン,(3)ワーズワス,(4)ブレイク,(5)テニスン,(7)コウルリッジ,(10)キーツが出ている。そのなかでもブラウニングは上田敏の「海潮音」ほか,文語調の「格調高い」邦訳に馴染んでいるので,現代語の訳文にははじめから違和感がある。そこには,ブラウニングに限らず,どうせ原文の調子は表現できないのだから,思い切って日本語として格好の良いものにして欲しいという・・・これは素人の読み手ならではの気持ちなのだろうが。
それはともかく,本書で面白かったのは,「ヒバが通る」という一幕劇が訳されていること。よく知られている「春の朝」はその劇中歌なのだが,劇自体は詩のイメージとは違うドラマチックな恋愛劇なのだ。いまさらブラウニングか・・・と思わずに通読してみると,新しい発見があるかも。
岩波書店によると,2005年の岩波文庫売上げベスト10は,
・『武士道』 新渡戸稲造/矢内原忠雄 訳
・『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎
・『論語』 孔子/金谷 治 訳注
・『代表的日本人』 内村鑑三/鈴木範久 訳
・『忘れられた日本人』 宮本常一
・『方法序説』 デカルト/谷川多佳子 訳
・『学問のすゝめ』 福沢諭吉
・『生物から見た世界』 ユクスキュル,クリサート
・『新版 きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記』
・『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 マックス・ヴェーバー
とのこと。
このうち,2005年に刊行されたものは,『生物から見た世界』だけですな。
ふるほん文庫やさんでは,岩波文庫など一部文庫本の価格・蔵書査定基準を変更するとのこと。
その内容がちょっと面白くて,
・岩波文庫戦前版(現行より1cm背の高い文庫)は、版型違いの為、絶版扱いとさせていただきます。現在流通している文庫も、底値を¥1,080と改正します。
・又、同じ書名の場合も、校注、訳者の違う文庫は¥1,080とします。
・岩波文庫の校注、訳者は、第一人者が多く、又、物古の方もかなりあります。若松賤子訳の『小公子』が代表的な例。訳により、別作品となっています。
・新潮、角川スタンプ文庫(カバーのない帯時代の文庫)の一部の作品も、弊社判断で、訳違い¥1,080ラインに入れさせていただきます。
・なお、総集リストの全面手直しは、不可能です。新入荷文庫の値付けから実施します。当面二重価格となります。
蔵書査定基準変更のお知らせ
・岩波、新潮・角川スタンプ、アテネ、改造、旧創元、三笠、青木、世界古典文庫等の古書文庫は、市場よりどんどん消えています。貴重な骨董文庫となりました。古書文庫に限って、蔵書印あるものも、通常買い入れの対象とさせていただきます。
ライブドアの株主総会へ行ってきた。会場の新高輪プリンスホテルへは,品川駅から長蛇の列。入り口に人だかりが・・・潜り込んでみると囲まれているのは乙部広報だ。来場者の年齢は意外に高く,年配の夫婦連れが多い。
肝心の堀江社長はというと,遠くから眺められただけ。それでも,たくさんの株主との質疑応答に一々丁寧に応じていたのは,ふつうの株主総会とはずいぶん趣が違っておもしろかった。進行も受け答えもすべて堀江社長の一人舞台であり,良くも悪くもプロの企業っぽくないところに惹かれた。
なにかバタバタしているうちに,あっという間に今年も残り少なくなりました。
12月の岩波文庫が書店にならんでいますが,今月は,
・ディドロ 絵画について(佐々木 健一 訳)
・対訳 ブラウニング詩集
・繻子の靴(下) ポール・クローデル(渡辺 守章 訳)
・アメリカのデモクラシー 第1巻(下) トクヴィル(松本 礼二 訳)
の4点。
また12月の重版再開は
・シャクンタラー姫 カーリダーサ(辻 直四郎 訳)
・海の沈黙・星への歩み ヴェルコール(河野 与一,加藤 周一 訳)
・星界の報告 他一篇 ガリレオ・ガリレイ(山田 慶児,谷 泰 訳)
の3点です。
最近またクラシック音楽をよく聴いているんです。って,あらためて言うほどではないのですが,ipodが予想以上に活躍しています。
私のポータブル音楽プレイヤー史を振り返ると,最初は初代ウォークマン。もちろんカセット。このカセット時期が長く続き,ウォークマンプロフェッショナルなんていうのにも手を出したりしました。その後CDウォークマンに移行し,車載用を含めソニー製を何台か買ったものの次々と壊し,現在まで生き残っているのはパナソニック製の1台のみ。今回,それにipodが加わった訳です。
ipodなんて音の悪そうなものが聴けるか・・・という気持ちで,ずっと様子見していたのですが,実際に使ってみると(少なくとも5Gは)それほど悪い音とは思えず,ヘッドフォンを選べば,結構快適であることがわかりました。
私的に相性のいいヘッドフォンとして,ゼンハイザーのPX200とエティモのER-6iをメインに使っていますが,ER-6iはあまりに遮音性がよく,かえってストレスを感じることもあり,PX200のほうが一般的な環境では使いやすいかなと。いやいやまだまだ良さそうなヘッドフォンがあるらしい・・・一気に散財しそうな自分が怖い。
そんなわけで,通勤電車で音楽を聴きながら読む本も平凡社新書の新刊「モーツァルトオペラのすべて」(堀内修)。本書は,モーツアルトのオペラ作品すべてを年代順に詳しく解説したもの。後半の楽曲の解説より,前半の「最近のモーツアルトオペラ演出の流れ」をもっといろいろ書いて欲しかったですね。
ディケンズはアメリカ滞在中にフォースター宛に沢山の手紙を書いており,「アメリカ紀行」はそれを参考にしながら書かれた。本書に付録として載っているフォースター「ディケンズ伝」には実際のディケンズの手紙がたくさん引用されているが,それを読むと,「アメリカ紀行」に書かれたものより,もっと素直な意見があって面白い。
ディケンズは単なる物見遊山ではなく,当時の新興国アメリカの福祉や教育,奴隷制度などに広く目を向けており,英国と比較して進取の精神を賞賛すると共に,アメリカ人のとくに「上流」の人々の粗野な面については厳しく非難している。
当時のアメリカでは自国の作家が育っていなかったため,もっぱらイギリスの文芸作品が読まれていた。それについて,アメリカでは未だ著作権が認められていなかったから,勝手に出版,改作などが行われており,ディケンズはこの際国際著作権の必要性を主張したが,そのため彼の地のマスコミから叩かれたとのこと。
長距離電車通勤の私としては,ipodのイヤホンとしてオーディオテクニカのCK5を使っていたわけですが,コストパフォーマンスはよいと思うものの,やはりもう一段抜けのよい音が欲しいと思い,奮発してEtymotic ResearchのER-6iを買いました。
最初は3段キノコ式のイヤーチップがうまく耳にねじ込めず,スポンジタイプのチップを使っていましたが,あるとき風呂上がりの少し耳の中が湿っている状態ではめたところ,スポッと密閉状態になりました(私は耳の穴が大きいので3段キノコの一番小さな傘を切っています)。
さすがに遮音性が高く,自転車はもとより,歩いているときでも危ない感じがして,もっぱら電車内用として使っています(私の乗る東海道線や京浜東北線では走行音と車内アナウンスがほとんど聞こえなくなるので乗り越す可能性あり)。キャラクターとしては高音強調だと思いますが,低音も引き締まった感じで悪くないです(クラシック,モダンジャズ,JPOP中心)。もっとも,イヤホンをよくすると,mp3の曲データによっては粗っぽく聞こえてしまうものも出てきますが。その点,ipodに最初からついてくるイヤホンは安っぽい造りですが,マイルドな音でその辺をごまかしてしまうので,意外に聞きやすいなと少々見直したところです。
「せどらーの集う場所」で,岩波文庫のセドリの話題が。
セドリというのは,古書店で安く仕入れた本を自分の店やほかの店に高く売って利ざやを稼ぐことですね。最近では,インターネットのオークションを利用したセドリも盛んなようです。
私など,岩波文庫の定期的な復刊を地道に集めておいて売りさばけば,ある程度の利益は上がるんじゃないかなと思うのですが,これは素人考えなんでしょうね。・・・と思ったら「新刊せどり」に書いてありました。
でも,問題はやはり岩波文庫の古本が安すぎる,ということに尽きますね。私の学生時代と比べて,岩波文庫の新刊は高くなっているのに古本は安くなっています。需要がなくなったといえばそれまでですが,これちょっと最近見かけないタイトルだな・・・と思っても800円とか1000円しかつかないのだから,寂しくなります。
今月の岩波文庫はヘヴィーなものが多く,なかなか捗っていませんが,まず「心変わり」(ミシェル・ビュトール)を読みました。
この小説,「きみは・・・」という二人称で書かれています。「きみ」というのは,もちろん主人公であって読者ではないのですが,パリの妻子とローマの不倫相手のあいだで揺れる45歳中年男の心情は,まったく異なる時代,世界に生きる同年代の中年男(私のこと)にも意外と共感するところがありました。
時間が頻繁に前後するストーリーは,閉塞感や倦怠感に覆われており,決して楽しいお話ではありません。それが日々の生活に漠然とした不安を感じている中年男には響くのでしょう。少々辛い本ですね。
筑摩書房では,ちくま文庫創刊20周年を記念して,どこにも売っていない「限定版ちくま文庫」を応募者全員にプレゼント中。
『文庫のうしろには大抵ついている「解説」。少ないページ数のなかで,工夫を凝らした力作がそろっています。書店さんでどの文庫を買おうかと選ぶとき、巻末の「解説」を参考にする人も多いはず。・・・でも「解説」だけを読む機会というのはほとんどありません。どの文庫に誰がどんな「解説」を寄せているかもわかりません。せっかくの傑作・力作なのにもったいないかぎりです。 』
『そこで筑摩書房ではちくま文庫創刊20周年を記念して,これまでに出したちくま文庫からお奨めの「解説」をセレクトして,それだけで1冊の本にすることにしました。』
ということで,関心のある方は,ちくま文庫・ちくま学芸文庫の2005年11月~2006年1月の新刊とフェア対象商品の帯についている専用応募券2枚を1口として官製葉書に貼り,2006年1月31日までに応募してください。
本作は,「一寸法師」の連載終了後,1年半にわたり世から隠れて休筆していた乱歩にとって復活宣言となったもの。当時から世評が高く,これまで舞台や映画・ドラマでもしばしば取り上げられている。今回,久しぶりに読み直し,乱歩らしい淫靡な世界と本格的なトリックとの組み合わせの妙があり,やはり乱歩の傑作の名に恥じない作品だと感じた。
乱歩自身は「陰獣」という言葉について,『元来は 「陰気なけだもの」 という意味だったのが,セクシュアルな連想から 「淫獣」 というような語感を持ちはじめ,変態的な犯罪があると,新聞の見出しに 「陰獣」 という大活字が屡々現われるようになった』といっている。
ほかに収録された作品は,毒草,覆面の舞踏者,灰神楽,モノグラムなど休筆前のもの。こちらも乱歩版ショートショート集といった感じで楽しめる。
仕事帰りに秋葉原のヨドバシに行って,ipod 5Gを買いました。30Gと60Gどちらにしようかなと悩んだのですが,折角のビデオ機能付きなので,60Gを。(SONYの新しいA型は,質感こそ悪くないのですが,20Gでは足りないのと,ぱっと見て液晶が見づらい感じだったので)
さっそく,手持ちの音楽ファイルを2000曲ほど突っ込んでみましたが,なかなか快調。itunesの操作性もいいです。付属のヘッドフォンだけはちょっと薄めな音に感じたので,もう何年もCDプレーヤーで使っていたSONYのMDR-E888LP を差してみたら,抜けの良いさわやかな音になってGOOD。ついでに,通勤電車用のカナルタイプのオーディオテクニカATH-CK5に替えてみると,音が詰まった感じになるが,まあVocalならいいかな,といったところ。遮音性はもちろんMDR-E888LPよりいいので,外に持ち出すときはこれですね。
なぜいまさら「ボッコちゃん」なのかというと,子供に読んであげようと思い,我が家の書棚をあさったが見つからないので,買ってきたのだ。
近所の本屋にあったものだが,星新一の文庫本はどうみても売れ残りの風情で,少々寂しい気がした。いまの中学生や高校生は,こういうのを読まないのかな? 埃っぽい本を手にして思ったのは,ストーリーに盛られたアイデアは古くさくならなくても,紙面から感じられる時代は,紛れもない昭和40年代のもので,その時代特有の垢抜けなさ,埃っぽさが若い人にはなじめなくなっているのかもしれないということ。
同時に読んでいる江戸川乱歩の短編のように,思いっきり古ければ,最初から時代劇感覚なので,かえって違和感を感じないで済むのだが。
もう一冊,エイ文庫の新刊「ローライフレックスの時間」(藤田一咲)を読む。
このシリーズおなじみの脱力写真家・藤田一咲氏が,二眼レフカメラ,ローライフレックスを使って,身近な風景や人々を撮る。デジカメとは違った,おおらかな雰囲気が心地よい。子供の頃の私は,古い二眼レフ(ローライではない)をおもちゃにして遊んでいたし,二眼レフで撮られた正方形写真も多い。現役カメラでありながら,やはり郷愁を感じさせるおじいちゃんのカメラだ。
作品以外に,ローライフレックスの使い方や,各モデルを詳解したローライフレックス図鑑もついているので,ローライフレックス(二眼レフ)とは何だ?という若い方にお薦め。
エイ文庫の新刊「デザイン馬鹿」(ヒラヤマユウジ)は,ちょっと変わった本だ。
ヒラヤマユウジ氏は,1966年生まれ。イラストレーションやマンガ,デザイン,写真,アートディレクターとして活躍中。本書は,その作品集であり,デザイン一筋「デザイン馬鹿」の世界への道しるべでもある。
デザイン馬鹿のアイデアはどこから生まれてくるのか,創作環境や生活スタイル,デジタルカメラとアナログカメラの魅力,コンピュータやインターネットの活用術,そして,デザイン馬鹿の生き方。
文章はほとんどないし,イラストやマンガは文庫本サイズでは読みにくいが,めがねを外して(40過ぎて少々老眼なんです)細かいところに見入ってしまう。モデルの女の子も,ちょっとカワイイ。ただし,表紙にだまされないように。建築デザインやインテリアデザインの本ではありません。
土・日は久しぶりにボウリングに行ったんです。
小学3年の息子もキッズレーン(ガーターにならないようにサイドにバンパーが出るレーンですね)を脱して,ようやく「玉転がし」らしくなってきました。すぐに100くらいは出そうな感じですが,ストライクが出たあとにガーターを連発してホントに大泣き・・・。まあ,その悔しさを乗り越えてこそ男だ! と偉そうに言っている私はというと160ショボショボでした・・・お疲れさまです。
小田原コロナキャットボウルは,新しくて投げやすく,なかなか結構でした。温泉(スーパー銭湯にようなもの)や10スクリーンもあるシネマ,カラオケ,ゲームセンターなどがくっついているので,いちにち遊べます。
AZ::Blog はんなり、あずき色のウェブログ☆さんのところで,「文庫本をハードカバーに!」という技を紹介しています。
文庫本(岩波文庫「カフカ短篇集」)を和紙で改装してハードカバー風にしているのですが,なかなか凝っていて見事な仕上がりです。
私自身は,歳をとるにつれて面倒くさがりとなり,なんでも着せるよりも剥がすことに喜びを感じるようになってしまいましたが,文庫本のようにあまり愛想のない本を特装本にするというのは楽しそうで,器用な人が羨ましいです。
先日,仕事帰りに東京駅近くの丸善にモンブランの新色インク,レーシンググリーンとセピアを買いにいった。ついでに,手帳売り場で来年のシステム手帳のレフィルなどを眺め,話題になっていた本「みんなの手帳」(手帳愛好家委員会編 大和書房)を買ってきた。
さっそく電車で読みながら帰ろうと思ったが,さすがに大判ピンクの女性誌のような装丁では読みづらく,帰宅してからじっくりと。
本書は,女流作家やビジネスウーマン(言い方が古いな)が日常使いしている手帳を紹介したもの。それぞれ個性的な手帳スタイルがうかがい知れて面白い。もっとも,写真が小さいので,中身はあまり読めないけれど。
有名無名にかかわらず,他人の手帳を覗く機会などあまりないし,相手がオシャレな革手帳など持っていても,それ見せてくださいとは言いにくい。それが女性であったらなおさら。私も自慢の手帳を見せびらかすことは吝かでないが,中身を見られたら,すぐに仕事の薄っぺらさがばれてしまうので,恥ずかしい。
よって本書は,誰にでもある覗き趣味を多少は満足させてくれるということで,売れそうだ。
早川書房の新刊「文房具を楽しく使う 筆記具篇」(和田哲哉)を読みました。
昨年出た「ノート・手帳篇」に続くもので,ボールペンやシャープペンシル,万年筆など,筆記具の基礎知識,筆記具の使い分けやこだわり活用法,ノートや手帳との連携など,よく整理されており,カラー写真もふんだんに入っているので,文房具好きには嬉しい本です。
私は普段,仕事でも複写伝票を書くなどやむを得ない場合にボールペンを使う以外は,メモでも手帳でも手紙でも,すべて万年筆を使っています。一つには,悪筆なので,ボールペンやシャープペンシルでは字が汚くて読めないということもありますが。
万年筆の傷など気にしないで,というよりむしろ傷も味のうちと考え,ペンケースやカバンに無造作に放り込んでいる人間からすると,著者は随分丁寧で几帳面な方だと思います。本書も几帳面すぎる感はありますが,若いステーショナリーファンにはとくにお薦めします。
著者のbolg - LowPowerStation
岩波文庫の新刊,ポール・クローデル「繻子の靴(上)」を読みましたが,難関でした。
劇詩人クローデルは,マラルメの弟子,彫刻家カミーユの弟であり,駐日大使も務めた外交官。「繻子の靴」は,当初上演不可能と言われた大作。
日本語として上演を意識したものなのか,原文がこのような言い回しなのかは分かりませんが,体裁が読みにくいということもあり,文章ではなかなかすんなりと頭に入ってきません。分厚い本書の半分は訳注・解説・年譜が占めており,それを読むだけでも一苦労。もちろん,じっくり読み込みたい人には,待望の訳ということなのでしょうが。
訳者渡辺守章先生は演出家としても有名ですが,演劇の人ってなんで難しい方へ行っちゃうんでしょうかね。
私はMac使いじゃないんですが,Mac関連の本に素敵なものが多いことは認めます。
新旧Macの綺麗な写真に惹かれて,「Macintosh museum(マッキントッシュ ミュージアム)」(アスキー)を購入しました。1年ほど前に出た本ですが,最初のAppleからPowerMacまで歴代のMacのスペックやダイヤグラムを詳しく紹介。開発者へのインタビューが面白く,見ても読んでも楽しい本です。造りも,3000円出してもいいかと思えるもの。
最近でこそiBook「でも」買ってみようか・・・などと言っているわけですが,私が学生時代は文字通り高値?の花,そのあとのパフォーマでさえ結局買えませんでした。もしあのとき,Macを買っていれば,私のパソコン人生も大きく変わっていたことは想像に難くありません。
しかし,今となってはしょうがありません。こういう本で往時をしのぶ縁としましょう。
集英社新書の新刊「ショートショートの世界」(高井 信)を読む。
本書は,ショートショートの定義,歴史と主な作家,ショートショートの書き方を紹介。個々の作品のストーリーにはほとんど触れていないが,アンソロジーの類も含めて主立った本は紹介されているから,興味があれば古書店で探してください,といったところ。当然古めの本ばかりで,手に入れるのは難しそうな物も多そうだ。
最近はショートショートという言葉自体あまり聞かなくなったし,星新一さえ,ほとんど読んだことのない人には入門編として向いているが,目新しいところはないので,ショートショート好きの人には物足りないだろう。
岩波文庫では50年ほど前に出た「新島襄書簡集」が馴染み深く,私の書架にもかなりくたびれた姿で並んでいる。旧版は事実上個人編集で恣意的な削除があったので,それを批判検討して,新たにセレクトした96通により本書を構成したとのこと。最近の新島研究の進歩といわれてもよくわからないが,少なくとも大変読みやすくは,なっている。
幕末1864年に密出国し渡米した新島襄の手紙が,日本の家族にどのように届けられたのか不思議に思えるが,その内容は新しい文明国米国での見聞を生き生きと伝えていて面白い。米国遊学中,ホストファミリーだった家族に宛てた英文の手紙も訳されており,当時の学生生活の一片を知ることができる。
「ふるほん文庫やさん」が,絶版・品切れ文庫の価格を変更した。
弊社価格帯は¥1,280,¥1,080,¥880,¥680,¥480が基本です。このラインは不動です。今迄この価格帯に入れてない文庫は,出版された時の価格で値付けしていました。¥510,¥520,¥530,¥560,¥580等です。弊社は紀伊国屋書店始め,全国9つの新刊書店のミニ店舗への卸し,紀伊国屋書店でのフェアも開催しています。最近,¥700,¥800,¥900台の文庫も増え一冊,一冊の文庫の値付けがすべて違う場合,新刊書店への伝票枚数も膨大なものになります。
今後,出版されたときの価格値付けの文庫は,すべて未尾に¥80を付ける事に統一させていただきます。¥500台→¥580,¥700台→¥780,¥900台→¥980,¥1,100台→¥1,180,¥1,300台→¥1,380となります。なお,総集目録の価格変更の訂正は,大作業となり,不可能です。総集目録価格は,従来通り,その価格で出荷します。とのこと。
小倉での店舗販売も再開している。
モンブランから新色インクとして,レーシンググリーンとセピアが出ているらしい・・・というのは,ここのところ万年筆売り場にご無沙汰しているからなのだが。レーシンググリーンは落ち着いた色のようなので,ぜひ使ってみたいと思う。
エイ出版社の新刊「趣味の文具箱 Vol.4」を読む。文具箱と題しているとおり,これは万年筆を始めとする筆記具と手帳,関連グッズを紹介したもの。
今回は,ファーバーカステル社とミニペンの特集。基本的にカタログ本なので,書店での1500円のお支払いはやや躊躇するところだが,取りあえず出ているのを知ってしまったら買わざるを得ないというのは悲しいサガ。悔しいが,カメラ,自転車,カバンに家!まで,エイ出版社の思うつぼだ。
岩波文庫の新刊,ディケンズ「アメリカ紀行 上」を読む。どこかで読んだような気がするフレーズもあったのだが,本邦初訳とのことで,気のせいか?
ピクウィック・ペイパーズやオリバー・ツイストで人気作家となったディケンズは,夫人と共に1842年アメリカを訪れた。ボストン,ニューヨークなど,新興都市の生き生きとした様子を,単に物見遊山ではなく,英国と比較したアメリカの社会システムの特徴に触れながらユーモアや皮肉を交えつつ描いている。
アメリカでは大歓迎を受けたディケンズであったが,当初の大きな期待と希望に比してかなり幻滅を感じたことも多かったようで,帰国後に書かれた「マーティン・チャズルウィット」(ちくま文庫にあり)ではアメリカ人を散々こき下ろした。それゆえ,アメリカでは悪評だったとのこと。
ディケンズの紀行には「Pictures from Italy」というのもあるが,こちらも邦訳は未だない。
ワールドムックの新刊「万年筆スタイル2」を読む,というより眺める。
1年ぶりの続編。今回は,万年筆悩み相談室,地球文字探検家が語る,続・子供に残したい万年筆,35歳の文房具,紀田順一郎さんの万年筆を嫌った作家たち・・・といった内容。もちろん各社最新モデルの紹介もある。
あまり面白い企画がなく残念だが(それは興味を惹かれる新作がでないせいもあるのだが),年に1回のカタログ本と考えて,万年筆好きの方にはお薦め。
私自身は,モンブランの146とパーカーデュオフォールド,ウォーターマンクルトゥールを相変わらず普段使いしている。クルトゥールは個体差が大きいようで,3本のうちずっと快調なのは1本。あとの2本は乾燥しやすくインクが切れやすいので,休業状態。切り割り調整しても駄目だった。これはコンバーターを使っているせいかもしれず,確認中。
すでに書店でご覧になった方も多いでしょうが,今月PHPから文庫判雑誌「文蔵」(ふみくら,じゃなくて,ぶんぞうと読む)が出ました。
創刊号特集は,「ブレイク寸前!おすすめ感動小説」と題して,恩田陸とソニンのインタビュー,書店員が大予測 明日の「感動小説ベストセラー」はコレだ!!,映画でも楽しめる感動小説を一挙紹介!,書評家が語る「ジャンル別<泣ける!!>小説」,あの名作を手がけた編集者に聞く「この秋いち押しの感動作家」などなど・・・やたら!!が多いですな。
山本一力,宗田理,川上健一,神田昌典,北方謙三といった面々の連載小説もあります。『連載では前号までのあらすじをわかりやすく紹介し,途中からでも自然にストーリーに入れるようにします。また親切編集をモットーとし,見やすい本文デザイン,難しい漢字へのルビなどによって読みやすく工夫します』とのこと。
個人的には,この手の雑誌?,タダでくれてもよいような感じで,どういう人が買っているんだろうと思うのですが,他社のものが意外に続いていることを考えると,それなりにファンがつくのでしょうね。
しかし,勝村建設の株価はどうなっているんでしょう。横で見ている分には面白くてたまりませんが,来週悲惨なことにならなければいいが・・・と人ごとながら心配ですね。
「株のデイトレ革命で給料以上儲ける!-超簡単・迷える子羊式」(扶桑社文庫)を読みましたが,子羊式というのは,チャート分析じゃなくて,その日のお祭り株を捕まえて短時間でウリ抜けるというやり方。新興株で値動きの読みやすいものをウォッチし,板の動きのみを注目する。それは納得できるのですが,本書はなぜか途中からチャートの学習法なる一般的な株本になってしまい,主張に一貫性が無いのはおかしい。
個人的には,勇気が無く塩漬けしやすい性格なので,少々反省しつつ,来週はがんばるぞ。
第26回配本。いよいよ残り少なくなってきた。書店で見たときは,文庫本によくあるイベントとのタイアップの帯が巻かれているのしか気づかなかったのだが,それを外してみると,ご丁寧にいつもの帯も巻かれているという二重帯構造。よくわからないが,さすが乱歩。
乱歩は,作品を書くときの恥ずかしがり屋で小心者の自分と,目立ちたがりで社交的な自分とが常に自らの中にあるという作家としての二重人格性を盛んに言っている。自己弁護なのだが,嫌みにならないところが大人ということか。本書は,「何の因果か,私は人並以上に,泥棒や人殺しの話が好きなのです」という乱歩の曰く「雑文集」。探偵趣味,作家交流,同性愛嗜好,作品の一言解説,身辺雑記など,すでにお馴染みの内容も多いが,気楽にぽつりぽつり読むことが出来る。
著者は,「働きすぎのアメリカ人」や「『窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人」などの訳書もある経済学者。
『アマゾンの巨大な物流センターでは,時給900円で注文された本を「1分に3冊」のノルマでひたすら探し回るという新聞記事を探し出した。翌日曜未明,アマゾンに先の記事に出ていた本を注文した。すると「24時間以内に配達する」という触れ込みどおり、月曜の午前中には家に届いた。送り元は千葉県,家は大阪府。この間600キロを宅配便はひたすら走ったのだろうか』
たしかに,深夜営業や宅配便の利便性の裏に,従業員の過重労働があることは想像できる。また,電子メールやインターネットが導入されたことで,仕事のスピードは上がったが,その分仕事量が増えて,一層忙しくなったと感じている人は多いはず。家庭も出先もメールチェックをしなければならない人もいるだろうし,結果として,労働時間や残業の意味が変わってしまった。
職場にも,フリーター・アルバイトなどパートタイム労働者が増えて,給与の削減にはなったかもしれないが,その分人員削減された残り少ない社員は労働時間が増え続けている。一時期減り続けてきた労働時間が増加に転じているのは世界的傾向とのこと。
本書では,過重労働の実態を調査し,働きすぎの原因をわかりやすく示している。職場にいれば,こんなことは分かってるんだ,だからどうしろと・・・と思うかもしれないが,オレだけではないと確認することで,多少は癒されるかも。
文春文庫の新刊「ヘンな事ばかり考える男 ヘンな事は考えない女」(東海林 さだお)を読む。
初出は『オール読物』連載の「男の分別学」。単行本(2002年)の文庫化。いちいち確認しなければ買い間違えてしまうほど,次から次へと出てくる東海林さんのシリーズ。今回は,麻布十番温泉,グランドキャバレー,浅草食い倒れなど東京ディープスポット案内。
食べ物では無敵のショージ君だが,それ以外はちょっと温めなのが残念(新解株式用語辞典など・・・どうも穴埋め企画に思えてしまう)。それでも,相変わらずテンポの良い文章で楽しませてくれる。今となっては懐かしいアイボ購入の顛末や,高橋春男さんとの似顔絵についての対談も面白い。
書名を見ればわかるように,ショージ君て,結局は優しい人なのね・・・ということで,たとえ下ネタ風になっても安心して読める本ですな。
著者(1865-1950)は明治・大正・昭和期の政治家・史論家・評論家。越後生れで,慶応義塾卒。「時事新報」,「国民新聞」などの記者を勤めながら,本書や『二千五百年史』(講談社学術文庫・絶版)などを著わす。雑誌「世界之日本」を発行,1902年政友会に所属し,以後衆議院,貴族院議員にとして活躍した。
本書は,数多くの史料をもとに書かれた幕末明治維新史。一見取っつきにくそうにみえるが,実際はとても読みやすく判りやすい。外国船の来航と幕府の混乱,各藩の動きがジャーナリストらしい(あるいは政治家らしい)迫力のある筆致で描かれていく。
近代史復習のため,オトナの皆さんにお薦め。
前半は,初唐から晩唐まで,各時代の特徴を述べた後,代表的な作品を取り上げ,簡単な語句の説明と作品の背景を詳しく解説。
後半は,唐詩の形式や語法がわかりやすくまとめられているほか,唐詩の助字解説や詩人年表など,高校時代以来,久しぶりに勉強した気分になった。
本書の底本は,岩波書店1958年刊「中国詩人選集一集別巻」。
エイ文庫の新刊「ニコンF3最強伝説」(マニュアルカメラ編集部)を読む。
どこかでみたような内容だな,と思ったら,これまでに出たニコン関係のムックからF3に関するところを再編集して文庫化したものとのこと。
デジタルカメラがあまりに急速に普及したせいもあり,20年にわたって愛され作り続けられたF3のようなカメラは今後現れないだろうし,メカじゃなくて被写体とディスプレイを媒する単なる電子デバイスの一つになり下がってしまったデジタルカメラに,実用以外の興味がなくなった人も多いだろう。カメラファンは,これからどこへいくのか・・・。
本書では誕生の歴史から機種のヴァリエーション,シャッターやファインダーのメカニズムなど,F3について一通りの知識を得ることができる。しかし,今時F3に関心のある人が,あらためてこの本を買うだろうか?
今月のエイ文庫は,面白いものばかりで,どれから手を付けようか迷ったが,とりあえず「鞄が欲しい」から読みはじめることに。
著者はおなじみ,万年筆画伯の古山浩一氏。ホームページ「町工場二階空目薬煙突工房」にも鞄コレクションが紹介されており,本書はその文庫版といえる。
エルメス,ヴィトンといった海外ブランドはもとより,一澤帆布,吉田カバン,銀座タニザワといった日本の老舗,オリジナルデザインの手作り鞄まで,愛用の鞄をイラストで紹介。男性向きではあるが,鞄好きには楽しい本だ。私など,鞄の中身にはこだわりがあるものの,鞄自体は雨に強く,とにかくいっぱい詰め込めるという実用一本槍のナイロンバッグなので,こういうのを眺めていると,やっぱり鞄は革だよなぁと眼福ではあるものの財布の紐がゆるみそうで怖い。
とくに,一澤帆布については,その歴史を詳しく紹介しているので,ファンの方にはお薦め。
1979年9月28日,NECのPC-8001が発売されたのを記念して,9月28日は「パソコンの日」。当時,私は大学生でライバル機MZ-80を使っていたから,パソコンの日というよりマイコンの日と呼んでほしいと思うのだが,マイコンピュータってデスクトップにあるあれね,と言われそうだな。
岩波文庫の新刊「続文楽の研究」(三宅周太郎)を読む。正編も同じだが,これを「文楽」など親しみがないから・・・といって読まないのはもったいない。本書は著者が聞き出した名人の修業時代の思い出話や芸へのこだわり,昨今の(といっても戦前の話だが)文楽界の事情を,研究者というよりジャーナリスト的な筆致で親しみやすく綴ったもので,実際の音がきこえてこないのをもどかしく感じるくらい,巧みにまとめられている。
ランダムハウス講談社文庫創刊。
講談社によると,「より多くの読者に信頼され,喜ばれる本を提供したい。-この思いを形にするため,同文庫では,5つの大陸を網羅するランダムハウスグループのネットワークを活かし,未知の新生作家からベストセラー作家の話題作まで,良質な海外エンターテイメントをいち早くお届けします」とのこと。
ちなみに,株式会社ランダムハウス講談社は,平成15年に設立された講談社とランダムハウス各々50%出資による出版社。
ビジネス系文庫か・・・と思ったら,「ノー・セカンドチャンス」ハーラン・コーベン,「ダージリンは死を招く」ローラ・チャイルズ,「聖骸布血盟」フリア・ナバロ,「黄色い気球」ローリー・ハルツ・アンダーソンといったラインナップで,オシャレ系ミステリ?
「本屋さんへ行こう」(日本書店商業組合連合会)に, 『BOOK CAFE』がオープン。ブックレビュー,フリートーク,テーマトーク(毎月更新),あなたの書評,読書イベント・書店便りなどのコーナーがあります。
今月は「もう一度読んでみたい心の一冊は?」というテーマでコメント募集中です。