12月26~31日
映画「ラスト・サムライ」。面白いとの話なので,休み中に見に行けたらと思っているのですが,この映画の役づくりのためにトム・ クルーズも読んだという新渡戸稲造「武士道」がよく読まれている,と岩波書店が言っています。他社だったら, すぐに写真つき帯で宣伝しているでしょうけれど・・・。2003年もいよいよ終わりです。1年間お付き合い頂きましたみなさま, ありがとうございました。来年も良い年でありますように!
12月24~5日
皆さん,今年のクリスマスはいかがでしたか? 私は,相変わらず仕事で午前様。子供のプレゼント袋に,
オモチャを詰めたくらい。そんな中,赤坂のファミレスに行ったんですよ。一人で。そこの女の子が,メニュー持って来ながら
「このクリスマスディナーがお薦めです・・・でも男性一人のお客さんに勧めるのは酷ですね,スイマセン」だと・・・。
ホントに済まんぞ。そこで,角川文庫の新刊「インド怪人紀行」(ゲッツ板谷,西原理恵子,鴨志田 穣)を読む。今回は
「インドにハマる者は,インドの何にハマるのか?」を体感するための旅。既刊のベトナム,タイと比べても,断然ハードで下品。
駄目駄目男4人連れというのも,滅茶苦茶というだけで,最後まで意図不明。しかし,
この独特のキャラクターには憎めないところあり。面白い。元本はOZマガジンなどでおなじみ,スターツ出版刊。
12月23日
昨日は息子の誕生日パーティがあり,学校の友達がたくさん来て賑やかだったそう。私の子供のとき
(昭和40年頃)は,お誕生会なるものがようやく始まった時期?で,
何となく子供ながら畏まってケーキなど食べていたような気がします。年賀状も作らなければと思いつつ,全然進捗していないので,
例年通り,元旦に届くのは望み薄の状況です。岩波文庫今月の新刊の最後,「一茶 七番日記(下)」を読んでいます。
この一茶の日記には,ご承知の通り,ユニークな点があり,これについてはここに詳しく書かれています。
12月22日
岩波文庫の新刊「日本近代文学評論選 明治・大正篇」を読む。
明治から大正期の主要な文学評論や文学論争のもととなった諸作37篇を収録。逍遥,四迷,花袋,与謝野晶子,菊池 寛,
江戸川乱歩など,学生時代,教科書で習ったような有名な評論をまとめて読むことができるというのは便利ではある。私自身は,
本書の意義は認めつつ,雑駁な感じを受けて,読み流してしまったので,もっと文学論争に的を絞ったものが読みたいなと思った。
昭和篇は3月刊とのこと。
12月19~21日
岩波文庫の新刊「新版 第2集 きけ わだつみのこえ-日本戦没学生の手記」(わだつみ会編集)を読む。
太平洋戦争の後期,学徒動員された学生たちが,戦地で綴った手紙や日記を集めたもの。今回,学徒出陣60年を期して,
旧版を増補し,新たに寄せられた遺稿も収録。本書の「あとがき」で触れられているように,第1集と第2集では,
編集方針に違いがあり,第1集では「過激な日本精神主義的な,ある時には戦争謳歌にも近いような若干の短文までをも,
全部採録するのが公正であると主張したのであるが,現下の社会情勢その他に,
すこしでも悪い影響を与えるようなことがあってはならぬ」という編集方針のもとに収録を見送った手記も,
この第2集では戦争の実相を伝えるということで収録されている。
12月18日
ベーコン晩年の作,岩波文庫「ニュー・アトランティス」を読了。60ページ程度の物語だが,「私」
が漂着した高度な文明を持つ島,そこには優れた倫理観を持つ住民と,王が設立した科学研究機関「ソロモンの家」がある
(ソロモン学院,ソロモン学寮など諸訳があるが,ソロモンの家というのは,ちょっとイメージが湧きにくい)。「ソロモンの家」
では,高度な科学の研究が行われており,その目的とするところは,「事物の諸原因と密かな運動に関する知識であり,
人間帝国の領域を拡大して,可能なあらゆることを成就すること」だという。
このような科学主導の理想的な社会を描き出そうとしたベーコンだが,技術に関する予見的なアイデアは,
アイテムが並べられているだけで,未完のまま終わってしまった。
12月17日
下戸でも酒の本は好き,ということで,光文社新書の新刊「カラー版極上の純米酒ガイド」(上原 浩)
を楽しく読んだ。長年酒造りの指導を行い80歳になった著者は,「良い酒は造り手の覇気から生まれる」といい,
万人受けする酒よりも「どんな酒をつくりたいのか」が飲み手に伝わる酒を愛し,
ここで個性的な日本酒66銘柄176本を選んでいる。著者が純米酒にこだわるわけは,前書「純米酒を極める」に詳しい。
岩波文庫新刊の「ニュー・アトランティス」を読み始める。
12月15~16日
ハルキ文庫の新刊「立原道造詩集」が書店で山積みになっていた。いまどき,この詩集を新たに読む人がそんなにいるのかと不思議に思う (ここを参照) 。私は学生時代に買った全集を大事に抱えているが・・・。乱歩の「悪魔の紋章」を読了。光文社文庫版は,戦前版を底本としているので, 戦後伏字・削除となっていた箇所を読むことが出来る。乱歩曰く,確たる構想もなく1年にわたって連載されていたものなので, かなり行き当たりばったりの感はあるが,おどろおどろしい描写には事欠かず,乱歩らしさ満載で面白く読んだ。
12月13~14日
カミサンの母校へ,演奏会を聴きに行ってきました。音楽大学らしく,
中庭では楽器を抱えた学生がそこここに談笑しているという小綺麗な雰囲気で,私の殺伐とした母校とはえらい違い。
小学1年の子供連れでの演奏会は初めてだったので,演奏中のマナーについて,事前によく言い聞かせておいたのですが,
それは杞憂に終わりました。演奏中ずっと静かに寝ていましたから。この間,江戸川乱歩全集の新刊「悪魔の紋章」を読みました。
収録作品は,少年探偵団,妖怪博士,悪魔の紋章ということで,怪人二十面相がメイン。私も,少年探偵団世代からは,
ずっと遅れてきた乱歩ファンなわけですが,若い人はこのレトロな語り口に新鮮な魅力を感じるのではないでしょうか。
12月10~12日
忘年会やらなにやらで,忙しくなってしまい,岩波文庫の新刊「幕末政治家」や光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊
「悪魔の紋章」(分厚いですな)も積ん読状態が続いています。Yahooで見た西原氏のインタビュー。「出産後は,
とにかく描く時間がなくなってしまって。思うように描けないから,前より落ち込むようになりました。
24時間子どもに拘束されていますからね。トイレに行っただけで「お母さんがいない」と泣き出すような状況で,
子どもを抱えながら描かなきゃいけなかったり,(執筆に没頭している時に)泣かれるとものすごくイライラしたり。
それで"恐いお母さん"になっちゃって,そのたびに反省して……。いつもひどい寝不足で,ごはんを食べると余計に眠くなるから,
朝は飴だけで血糖値を上げる。今もそんな感じでやっています。でも,子どもがいないより,いるほうが全然いい。
漫画描いてるだけじゃ,きっと10年20年あっという間に過ぎちゃうでしょう。残ったのが漫画だけ,
というんじゃ私自身がつまらないですから。だから,子どもがいる分描けなくても仕方がないなあ,と思う。落ち込んだ時には,
よく自分に言い聞かせるんです。「欲しいものは全部手に入れてるじゃないか」。仕事もあるし,子どもも健康だし,
こんないい人生ないじゃん,って。来世に生まれ変わっても,やっぱり女がいい。女は何かをやったら絶対男には負けないし。
愛することと愛されることが,すごく上手。男ってそういうことが下手な生き物ですよね。どんくさくて折れやすくて,
そのくせエバらなきゃいけないし(笑)。女のほうが人生絶対楽しいと思う。だから次も絶対女に生まれたい」
12月9日
もういい加減にやめよう!と思いつつ買ってしまう西原理恵子の新刊「できるかなV3」。今回は,
脱税とキャバレーのホステスに挑戦。高須クリニックの克弥院長も大暴走。というわけで,なかなか楽しめましたが,
あの原色本を電車の中で読むのは,ちと恥ずかしかった(でも離婚しちゃったんだな・・・いま発売中の新潮45+に,
柳美里との離婚対談あり。2人が出会った鳥頭紀行-ジャングル編など読み返すと,泣けるかも)。ついでに,「放浪レディ」
(国井律子)を再読。
12月8日
ちくま文庫の新刊「ホームタウン東京 どこにもない故郷を探す」(片岡義男)を読む。雑誌「Free
& Easy」に連載中の「東京縦画面」をまとめたもの。ここに選ばれた写真は,電信柱と電線と原色の看板が渦巻く,
ありふれた東京の風景が多いのだが,「なぜこれを撮ったのか」を著者は一つ一つ解説してゆく。2枚の写真を見開きで対比させ,
一種の組写真として見せているのも面白い。この2枚の写真は,同時に撮られたものもあるし,
まったく関係のない状況で撮られたものだったりする。その2枚に関する説明文が,写真より先に出てくる構成だから,
読者はまず説明文を読んで,どんな写真だろうとイメージを膨らませてから実際の写真を見ることになる。なかなか巧いやり方だ。
12月4~7日
宮崎へ出張のため,間が空いてしまいました。今回は,2001年に倒産してから,
米国資本を投入して再建が進んでいるシーガイヤの視察。立派なリゾート施設と,
かつての新婚旅行先No.1だった宮崎のレトロな史跡や風景(これはなかなか味がある)とのミスマッチが面白いといえば面白いが,
東京から高額の飛行機代をかけて,果たして観光客が来るのだろうか?人ごとながら心配。我が家の近く,江ノ島・
湘南という人であふれる観光地でも昨年,一番のリゾートホテルが撤退してしまったし,
こんな巨大なリゾート開発など想像するのも難しい。私には場違いな,
サミット首脳会議のためにつくられた豪華な会議室で説明を受けながら,首を捻ることしきり。旅行中,えい文庫
「アタシはバイクで旅に出る」の1と2を再読。
12月3日
いささか古い本だが,新潮文庫「大阪学」(大谷晃一)を読む。
電車に乗る間際,どうしても読む本が欲しかったので,あまり期待せずにあわてて購入。その後,
シリーズ化される大阪学ものの最初の1冊です。いまでは,吉本やタイガースを通じて,
大阪の情報が東京にもかなり入ってくるようになりましたが,本書は,なぜ現在のようなキャラクターの大阪&
大阪人が生まれたのかを歴史的に解こうとしており,なかなか勉強になりました。不法駐車,お笑い,きつねうどん,スーパー,
好っきゃねん,古代ベイエリア,中世の近代人,都市の誕生,大阪人写実,実証といった内容で,
大阪に縁のある作家も取り上げられています。
12月1~2日
えい文庫の新刊「アタシはバイクで旅に出る 3」(国井律子)を読む。
ハーレーダビッドソンを駆る日本でいま一番有名なバイク乗り?クニイ嬢のツーリングエッセイ第3弾。酒と温泉と出会いを求めて,
今回は,山形,房総,日光,沖縄,浜松,白馬,そしてハーレーの故郷シカゴ&ミルウォーキーに向かう。
ハーレーに乗るようになってから,周りの世界が一変した,という著者によるこの雑誌連載シリーズは,バイクエッセイ,
あるいは旅行記,いずれにしても食い足りない感じはあるけれど,そのノホホンとした持ち味で,読み手をもほのぼのさせる効能あり。
11月28~30日
なんと,11月も終わりです。我が家のプレ忘年会ということで,子供連れで夕飯を食べに行ったのだが, 案内された個室にカラオケが無い。「カラオケ付きの部屋を予約したんですが?」と言ったところ,「ウチの店にカラオケ部屋は無いんですけど? ??」。カミサンが間違えてほかの店に予約していたらしい。というより,案内する前に名前が違うのに気づけよ・・・というわけで, 急遽予約した近くの店に移動し,それから4時間歌いまくり。子供のポケモンの歌を何十回も聴かされて,悪い夢見そうな感じでした。 岩波文庫「虚栄の市 2」がようやく進捗し,次の本を探す余裕が出てきました。
11月26~27日
ハッキリしない天気が続くなか,岡山に出張していました。機中で読もうと思い,光文社の新刊
「田中康夫が訊く食の極み」(田中康夫)を持っていったのですが,よく寝てしまい,
結局行き帰りの電車で読むことに。本書は,フランス料理,イタリア料理,スペイン料理,日本酒,ワイン,焼酎など,
その道の達人23人から,それらを味わう上でのポイントやマナーについて指南を受けるというもの。以前出た
「田中康夫が訊く-どう食べるかどう楽しむか」の続編ですな。今回は知事らしさを前面に出し,
長野県産の食材にとくにこだわった内容となっています。マナーなど,基本的なところも押さえており,意外に実用的。ついでに,
食べ物だけではなく,銀座の高級クラブでの作法,などというのもありました。これだけは,
お値段の点であまり実用的とは言えませんが。
11月25日
将棋の棋士の書いた本には,たとえ将棋自体に興味のない人でも楽しめるものが多い。それは,
棋士の特殊なライフスタイルが覗き見られるということのほかに,天才的な思考マシンのような棋士が対局中,
様々な思いが入り乱れて迷いに迷っているという意外性によるところが大きい。小学館文庫「好機の視点」
(羽生善治)も,そんな将棋好きでなくても楽しめる本の1冊。
著者が初めて名人位についた1992~95年に行われた対局について,自ら印象的なものを取り上げて解説している。当時,
リアルタイムで雑誌に連載された「奮戦日記」であり,名人自身,「今,振り返ってみると恥ずかしい部分も多く,
封印してしまいたい気持ちです」と言う通り,戦いぶりも書きぶりも若々しいが,
自信と不安の間で戦い続ける日々を極めて素直に書いており,好感が持てる。棋譜も充実しているので,将棋に詳しい人なら,
もちろんより楽しめよう。
11月20~24日
3連休いかがお過ごしだったでしょうか。我が家では,
インテリア関係のショップとオモチャ屋に行こうということで横浜へ。子供は,オモチャといえばテレビゲーム,
デュエルマスターズのカードゲーム,ベイブレード,レゴ,とこの辺がメインなのですが,とりあえずクリスマス前だし,
親も好きなレゴなら無難だろうという作戦か?,大きなお城のレゴセットを購入。さすがに一人では組み立てるのが難しく,
もっぱら私が奮闘して,ほぼ完成。ほかに,忘年会用の会場探しや案内状の作成など,早くも年末のような慌ただしい気分でおります。
この間,「虚栄の市 2」を読みました。
「グループほんだな」さんより「「私達は対戦形式の400字書評サイト「ほんだな」を運営しています。 本好きが集まって本と書評を出し合っています。細々と続けて最近ようやく240冊を超えました。ぜひ一度あそびにいらしてください。」 とのご案内をいただきました。対戦・・・というので,同じ本を読み感想を持ち合って戦うのかと思いましたら,そうではなく, 「先手が一冊の本を手にして話しかけたら,後手は別の本を持ってきて返事をします。原則として一人対一人,一冊対一冊の対戦。 勝ち負けはありません。」とのこと。これを毎週続けるのはなかなか大変だろうと思いますが,興味のある方は参加されてはいかがですか?
11月19日
神保町のスターバックスに行こうと,ぶらぶら歩いていたら,老舗の奥野書店が店じまいしていてビックリ。
大正時代から,70年以上続いていたとのこと。岩波文庫の新刊「一茶 七番日記(上)」(丸山一彦校注)を購入。といっても,
まだ「虚栄の市 2」が読み終わらないので,しばらくは塩漬け。帰宅途中,買い忘れていた「コロコロコミック12月号」を購入。
11月17~18日
岩波文庫の新刊,「虚栄の市 2」(サッカリー)と「山の旅 大正・昭和篇」(近藤信行編)を購入。
所用で新宿から東海大学へ行く電車の中で読もうと思ったのだが,「虚栄の市」を50頁ほど読んだところで気力が続かずに挫折。
「山の旅」に持ち替え,槇 有恒による1921年アイガー東山稜初登頂の歴史的な記録などを読む。学生時代,
北海道の山歩きをした程度で,ちょっとしたハイキングでも息切れするこの頃ですが,
我が国登山界のパイオニア達の活躍ぶりにはあらためて感銘を受けました。
11月14~16日
週末は,幕張メッセへ。息子がベイブレード日本一決定戦(の特別予選)に参加するためですが, 強力なHMSの前に8月の大会では結構勝ち抜けたEGベイも惨敗。急遽HMSに乗り換えて出場するも時間切れ。午後の勝ち抜きフリーバトル (大人も参加可能・・・黒づくめの衣装で妖しい雰囲気のオジサンがとても弱っちいのでうけていた)ではそこそこ善戦しましたが, まあ今回は練習・・・ということで。本人も上級生に混じって,結構楽しく遊べたので,納得していたよう。 同時に開催していたデュエルマスターズの試合の方にも興味津々だったので,いずれそちらに参戦,なんていうことになると怖ろしい。
11月13日
江戸川乱歩の続きとえい文庫の新刊「ハッセルブラッドの時間」(藤田一咲)を読んでいます。
「写真とハッセルブラッドをこよなく愛する著者が,ハッセルブラッドの楽しさ,すばらしさを自身の経験を通して軽妙に,
ときには哲学的に語る。ハッセルブラッド愛好家だけでなく,すべての写真好き,カメラ好き,そしてエッセイ好きに贈る,
見て読んで楽しいエッセイ全32編書き下ろし+全未発表作品132点」。ハッセルブラッドとは,中判のスウェーデン製高級カメラ。
プロのファッション写真家などに多く使われています。ライカや国産カメラの文庫本はたくさんありますが,
ハッセルに関する本は珍しく,楽しめました。デジカメの高性能化により,普通の写真はデジカメで充分,と感じつつあるのですが,
中判,大判カメラでじっくりと被写体に向かい合う・・・というのには相変わらず魅力を感じます。
11月11~12日
「戦国史新聞―乱世の激動を伝える天下無双の大号外!」というのを読んだ。戦国時代にもし新聞があったら,
ということで,各地での戦いを新聞形式で報道するというもの。本能寺の変や徳川幕府の成立などは,号外になっている。内容(文章)
はちょっと軽すぎるかなと思えるが,歴史新聞は4冊目とのことなので,好きな人がいるのね。ほかに,
光文社文庫江戸川乱歩全集の新刊「幻影城」を購入。探偵小説の定義と類別,倒叙探偵小説,英米探偵小説界の展望,
探偵作家としてのエドガー・ポー,探偵小説純文学論を評す,怪談入門など,乱歩による「探偵小説評論集」。分厚くて読みでがある。
当分(2,3日?)は電車読書のネタができた。
11月10日
岩波アクティブ新書の新刊「人生に必要な30の腕時計」(ガンダーラ井上)を読む。カメラや時計など,
アナログを愛するフリーライターの著者が,人生の様々な場面にふさわしい時計を紹介。転勤してきた上司の引っ越しを手伝うとき,
友人の結婚式で司会を頼まれてしまったとき,婚約者の父親と初めて顔を合わせるとき,などなど,
私などすべて一つの時計で済ませているので考える余地なしですが,こういうことに気を遣っている人もたくさんいるんだろうな,
ということに感心する本。アナログばかりでなく,懐かしい音叉腕時計,LED表示のデジタル時計などの話題もあります。
11月5~9日
週末,近くのKO附属中・高の学園祭に行ってきました。山の中をよくこれだけ切り開いたな(大学も含めて)
と思う抜群の環境ではありますが,私自身は古くさい学生街が性に合っているので,
なにやら世間から隔離されているようなキャンパスは,もう少し刺激がないと落ち着かないんじゃないかなぁと心配。生徒達は,
一生懸命考えた企画を,少々もてあまし気味でこなしており,好感が持てました。日曜日夕方には選挙へ。雨模様の中,
投票所は結構賑わっており,当地では関心が高かったように思えました。もっとも,単身所帯などほとんどいない街ですから当然かも。
この間,買った本?はといえば,虎ノ門のビジネス書店で見つけたポケモンの4コマコミック集
「ポケモン4コマ大百科 ギャグスターズ全2冊」(やましたたかひろ)。もちろんポケモン狂の息子用ですが,一緒に読んでいて,
結構笑えるものもあり楽しめました。
11月4日
出版月報によると,本年7月の文庫本発行点数は619点,発行部数は1041万冊,平均単価は595円で,
前年比1.8%減とのこと。集英社文庫(久しぶりだな)の新刊「文体とパスの精度」(村上龍,中田英寿)を読む。昨年,
単行本で出たものに,新しいメールでのやり取りを少し追加した改訂文庫版。村上龍と中田選手のメール交換を含む対談集だが,
中田選手が極めて率直にサッカーへの思いを語っているので,読んでいて気持ちがよい。
自分の中の柔らかいコアな部分を守るために必要だったので自然に「強さ」が身に付いた,と中田選手自ら語っているが,
並はずれた向上心の強さ,負けず嫌い,責任感,何より子供の頃から自分が何をすべきか,常に考えながらサッカーをしてきたこと,
その積み重ねが,いまの中田選手を作り上げたことがよく分かる。サッカー選手が何を考えてプレーをしているか。
単純な興味から読みはじめても,中田選手の魅力に惹きつけられてしまう本。
11月2~3日
週末は,近所の大学の学園祭に行ったり,海で砂遊び?したり,ボケッとしていました。この間,
書店で前から気になっていた「マイコンヒストリーあるパワーユーザーが体験した,パソコン戦争の軌跡と未来」(高安正明,
ソフトマジック社)を読みました。気になっていた,というのは,大学時代MZ-80を愛用していた私に(私たちの世代に)
ピッタリの本だからで,また,購入を躊躇していたのは,著者が私よりだいぶ年下なので,
時代のズレがあるのではないかと思ったからです(この時期の数年の違いは大きいでしょうから)。読んでみると,
マイコン登場以前の経緯もうまく整理されており,それは杞憂だったわけですが,何よりも,当時の8ビット機や,
NECのシリーズのユーザーにとっては,懐かしい話ばかりで,そうだったんだよねー,と一人納得。大いに楽しませてもらいました。
11月1日
「Yahoo!オススメ」で,コレクションサイトの特集をやるので,本サイトも紹介したいとのこと。それは嬉しいのですが, 私自身はコレクターとは言えそうもないので,文庫本の愛好者が集まる場所,といった感じになれれば良いなと思っています。ともあれ, 今後ともよろしくお願いいたします。
10月30~31日
岩波文庫10月新刊の「山の旅 大正・昭和篇」。どこの本屋に行っても見つからず,結構売れているんだなぁ,と思っていたら, 11月に発売延期とのこと。10月は(って毎月そうなのだが)4冊しか新刊がないんですよ。それもそのうち2冊は改版。もちろん既読。 読むものがないじゃありませんか。それでも岩波書店に苦情殺到,社長はあわててお詫び・・・という話もきかないので, "よくあること"などと思っている岩波文庫ファンは,気の長い人種なのでしょうね。
10月29日
新潮文庫の新刊「第二阿房列車」(内田百間)を買う。1000円近い文庫本も多いこの頃,
400円というのは得した気分。もっとも,書棚にあるはずの旺文社文庫を探すのが面倒だからという理由なので,たとえ損はしても,
もちろん得したわけではない。百間先生は,相変わらず気の向くままにぶらりと汽車の旅。着いた先でも,
名所旧跡などもちろん巡らず,何となくぶらぶらと旅館にこもって酒盛り。とは言っても,有名人の先生のこと,
あちこちで記者に追いかけられ,つまらないインタビューを受け,国鉄のお偉いさんからの接待を受けなければならぬ。
めんどくさいと思いつつも,結構付き合いのよいところを見せ,鉄道マニア臭さを払拭している。昭和28年,戦後の復興が進み,
再び輝きを取り戻しつつあった鉄道の記録として,楽しく,また興味深く読むことができる。
10月28日
「悪魔物語・運命の卵」(ブルガーコフ)読了。「悪魔物語」は,かなり風変わりな小説で, これが当時のソ連当局の官僚主義に対する風刺だということはよく分かるが,正直なところ,本作品が文壇に与えた大きな影響や, 最近になってようやく再評価が進んでいることなど,私の勉強不足であろうが,文学史的な興味以上を感じることはできなかった。「運命の卵」 は,世界的な生物学者が発見した生命増殖の効果を持つ赤色光線に目を付けた男が,鶏と間違って蛇やダチョウの卵を照射してしまい, 巨大化した動物により街がパニックになるという,SF特撮映画によく出てきそうな筋立て。ソ連らしく,寒波によりそれらの動物が死滅し, 助かったという結末なのだが,やはり当局を皮肉った場面があちこちにあり,面白く読むことができた。
10月27日
岩波文庫の新刊「悪魔物語・運命の卵」(ブルガーコフ)を読み始める。読み始めては見たものの,途中で,
これは?と思い読み返すことが多く,なかなか難解だ。感想は後日ということにして,作者紹介。ブルガーコフは,キエフに生まれ,
大学卒業後医師となるが,1920年代に文筆活動を始め,「悪魔物語」,「犬の心臓」
などを書いたが当時のソヴィエト政権から激しく批判され,発表できたものは限られていた。戯曲も多く手がけ,
ロシア革命に反抗し滅び去っていく者達の運命を描いた自伝的長編「白衛軍」を戯曲化した「トゥルビン家の日々」は,
モスクワ芸術座で上演されて大きな成功をおさめたが,その後上演禁止となった。晩年は正当に評価されることなく,
孤独と失意のうちに死んだが,ソ連体制下の文学者の象徴的存在であった。戦後,粛清された作家達が名誉回復される中で,
ブルガーコフの再評価の動きは遅かったが,死後20年以上経ってから出版された長編「巨匠とマルガリータ」
は国内のみならず全世界で出版され絶賛された。
10月23~26日
週末,平家物語(をじっくり読むという計画)があまり進まず,ようやく2巻目が終わったところ。巻五の終わりで,福原遷都,南都焼討, 頼朝の挙兵があり,いよいよ平氏の権勢も危うしといった場面。そんな中,新しいメガネを作りにいったのですが,検査をしながら,「最近, 眼が疲れ気味で,ピントが合いにくいんですよね」と言うと,店長曰く,それは疲れ目と言うより老眼の始まりで, 次に作るときは2焦点にしないと駄目ですよ,とのこと。あぁ,そんな歳になったのか,とちょっとガックリ。 常にパソコンと向き合っての仕事だから,眼を休めたいと思っても難しいし・・・。
10月22日
ポケットブック判のハリーポッター。書店で見かけて買おうかと思いましたが,思いとどまりました。やはり,2回読むほどのことは・・・ という気持ちになったのかも知れません。これがバカ売れするとしたら,ハリーポッターもたいしたもの。苦戦しそうな感じがします。
10月21日
木下順二氏の影響で,「平家物語」(岩波文庫の新版)を取り出してきて,またぞろ読み始めました。本書は, 注が私にとっては過不足無く付けられているので,電車読書には役立ちます。古典に詳しい人なら,ちょっと煩わしいと思うかも知れません。 当地(神奈川県)も,朝夕はめっきり涼しくなり,紅葉と共に読書の秋真っ盛り,と言いたいところですが,ここのところ雨続きで, 私の読書スペースたる通勤の満員電車は,モワーっと蒸し暑く,なかなか快適な読書とはいきません,家に帰れば, 児童書やコロコロコミックを一緒に読ませられるし・・・。そろそろ岩波文庫の新刊に取りかかりたいと思っています。
10月20日
恒例の新橋駅前大古書市が開催中。さっそく文庫本関係の出物は,と探してみたが,古いものでは,とくに珍しくない岩波文庫若干と, 箱入り時代(だけど箱無し)の旺文社文庫があるくらいで,あとは新しい物ばかりだった。趣味系の雑誌は,いろいろ出ているので, サライとか太陽のバックナンバーを探している人はどうぞ。ドカッと置いてあるだけなので,探すのは大変そうだが。
10月19日
岩波現代文庫の新刊「古典を読む 平家物語」(木下順二)を読む。平家物語を,俊寛,文覚,清盛,義仲,義経,
知盛という人物ごとにその生涯を追いつつ,史実や関連する文献を交えて,分かりやすく読み解いてくれるもの。古典音痴,
というかそもそも歴史音痴の私でも,興味を持って読むことができた。平家物語に関するサイトは沢山ありますが,
簡潔にまとめられているのはここ。
10月16~18日
週末は,何度か書店に足を運んだものの,これといった新刊に巡り会うことができませんでした。そんな中,幼稚園の運動会 (息子が卒園生として競技参加)や,鵠沼海岸へサーフィンやビーチバレーの大会を見に行ったり,近場でバタバタしていました。 日本書籍出版協会では,出版社共同企画「期間限定 謝恩価格本フェア」をスタート。「謝恩価格本」の販売は,出版社の判断により,書名・ 期間を決めて定価拘束を外すもので(正式には「時限再販」),今回は出版社がインターネットを利用して,直接販売する方法。販売価格は 「表示定価金額」の50%引きまたは30%引きの2種類。期間終了後は出品図書の多くが定価販売に戻る。詳しくは,バーゲンブック.jpを参照願います。ちなみに,バーゲン品には, 定価表示部分に定価商品とバーゲン価格商品を判別するためにシールを貼って出荷するとのこと。何となくコソコソした感じがいやだが, 興味のある本がありましたら,どうぞ。
10月15日
久しぶりに万年筆のインクを買いに,銀座伊東屋へ行った。パーカーのブルーブラックとブラックのボトルインク。
最近値上がりして1瓶600円。それでもモンブランやイタリアのインクに比べれば割安だ。最近の万年筆のインクは,
水に流れるものがほとんどなので(もっぱら乾燥による詰まり防止のため),公文書には使えなくなってしまったが,
それでも脂ぎったボールペンとは比較にならないと思い,使い続けている。海外では,万年筆のブームが長く続いているのに,
日本ではときどき話題にはなるものの,あっけなく消えてしまうのはなぜだろう。ブランドにこだわる若者など,
もっと注目してくれてもよいと思うが・・・そもそも字を書かないのか?
10月14日
新潮文庫「東電OL症候群」(佐野眞一)を読む。「東電OL殺人事件」(新潮文庫)の続編だが,
この両書は発行以来,東電本社至近という当地の場所柄か,周辺の書店で常に平積み状態であった。前書は,
犯人とされたネパール人被告が第一審で無罪判決を言い渡されたところで終わっていた。その後,ご承知の通り,
控訴審判決で無期懲役が言い渡され,現在は最高裁で争われている。佐野氏は当初より本件は冤罪であるとして取材を続けてきた。
本書には,女性の読者から寄せられたルポもあり,多くの女性が「我が内なる渡辺泰子」に共感して,現場を訪れているという。
気が重くなる本だが,共感できるのは女性ばかりではない。,
10月12~13日
3連休は,急に大雨が降ったり,生暖かい風が吹いたり,変な天気でしたね。平凡社「東洋文庫」のオンデマンド出版が始まりました。興味はあるのですが, 私には高くて手が出そうにもありません。今月の岩波文庫重版は,山の本特集ということで,おなじみ「アルプス登攀記 全2冊」(ウィンパー) ,「日本アルプスの登山と探検」(ウェストン),「新編 山と渓谷」(田部重治),「山の絵本」(尾崎喜八),「新選 山のパンセ」 (串田孫一)が一気に出ます。それは嬉しいとしても,ウィンパーの古典的名著や,この間(97年) 出たばかりのウェストンが品切れになっていたというのも残念な話。
10月11日
珍しく土曜日に九段で会議。その合間に,岩波文庫の新刊・・・といってもだいぶ経ってしまった「山の旅」
を読む。明治から大正にかけて「山の旅」に関する紀行,エッセーをまとめたもの。執筆者は,正岡子規,幸田露伴,夏目漱石,
柳田国男,芥川龍之介,志賀直哉,宇野浩二,など錚々たる面々で,『山岳』など雑誌に寄稿したものが多い。訪れた山も,
尾瀬や穂高,伊豆・箱根はもとより,明治期の欧州アルプスやスイスなどバラエティーに富んでおり,
往年の登山スタイルを窺うことができて楽しい。「日は漸く高く上って全山真白のユングフラウは眼もくるめくばかり,
そのリッジの雲一つなき晴れた空,藍を通り越して殆ど黒ずんで見える空との界は得も言われぬ鮮さである・・・
豪宕の景森厳の気これを味わんとするものはこの時此処に来って立つの外断じて策はないのである。
恍として自己の存在を没却し了した」,クラッシックな文体に男らしさが映える。
10月10日
乱歩「黒蜥蜴」の最後,「石榴」を読む。憎しみ合う2人の男が行方不明になり,残されたのは顔を硫酸で潰された男の死体。 犯人は逃走した。あとは,おきまりの「顔のない死体もの」かと思うと,若干のひねりはある。発表当時の本作は,文芸評論家からは悪評, 作家仲間からは黙殺,若い世代には比較的好評だったとのこと。乱歩というのは,自作の評判をものすごく気にする人なのだ。
10月9日
光文社文庫乱歩全集「黒蜥蜴」より「人間豹」を読む。なぜだか分からないが人間なのに豹のような体を持つ男とその父親が, 若い女性を拐かし,自分の意のままにならないと食い殺してしまう。この事件に首を突っ込んだ明智探偵の妻も誘拐され, 熊の着ぐるみを着せられ,サーカスの檻の中で虎と対決する羽目に。耽美小説(SM小説)と言うべきか,美女が裸にされて獣に襲われ, ボロボロになっていくのを見て面白がるという,ちょっと情けない話だ。乱歩自身も, 『例によって一貫した筋が熟していないまま書き始めたので,全体としてチグハグな感じだし,毎月執筆しているうち, ある月はちょっと面白い筋が浮かんだかと思うと,ある月はひどくつまらないという,例の私のくせが露出している。しかし, 当時の娯楽雑誌はこういう子供らしい読み物をも要求していたので,私の長篇はたいへん需要が多かったのである』などと言っている。
10月8日
エイ出版社の新刊「コンパクトカメラ通信2号」を買ってきた。だいぶ前に出た1号も持っているのだが,
正直このデジカメ主流の時代に,銀塩の高級コンパクトカメラを扱った本の第2弾が出るとは思わなかった。
登場するカメラ自体は前号と大差ない(新しい銀塩コンパクトがあまり出てこないのだから当然だが)ものの,
カールツァイスの撮り比べや,植田正治氏の巻頭撮り下ろしほか,バラエティに富んだ作例が載っていて,眺めているだけでも楽しい。
こういうときは,デジカメじゃなく,以前使っていたT2とかTVSなど,
もう一度手に入れて使ってみようかなぁという気にさせられる(その資金も無いのが残念)。
10月7日
光文社文庫乱歩全集の新刊「黒蜥蜴」より,黒い虹と黒蜥蜴を読む。黒蜥蜴といえば,
三島由紀夫や美輪明宏などの舞台を連想するが,そもそも,長椅子に閉じ込められて運ばれる令嬢,
人間を剥製にして宝石と共に飾る恐怖美術館,ダーク・エンジェルこと黒蜥蜴と名探偵明智小五郎との対決,
その中で生まれる妖しい愛情など,ドラマチックな仕立てに事欠かない作品。斬新なトリックなど無いが,
おどろおどろしい雰囲気だけで十分楽しませてくれる。黒い虹は,合作探偵小説の第1作を乱歩が受け持ったもの(このあと,水谷準,
大下宇陀児,森下雨村,海野十三,甲賀三郎と続いた)。なので,物語の発端しか書かれていないが,
乱歩はそれなりに面白そうな仕立てを用意してはいる。全文は春陽文庫で読めるようだが,私は未読。
10月6日
小学館文庫「教科書から消えた名作」(村上 護)を読む。本書は,小中学校の教科書に取り上げられた「名作」
が,年代をおって変わっていく様子を調べたもの。執筆の動機は,『「ゆとり教育」がはじまって,「国語」
の授業時間が史上最低となった。そしその影響をもろにうけたのが教科書に掲載の「名作」であった。漱石の「坊ちゃん」も鴎外の
「高瀬舟」もほとんどの教科書から消えてしまったのだ。文部省の「ゆとり」とは,内容を少なくして,
効率よく学ばせたいというものだろうが,本当は逆である。残すべきは精神の根幹ともいうべき国民的名作である。
名作が教科書から消えて,文化的損失は計り知れない。』 実際,巻末の年表によると,名作の採用から見た戦後の国語教科書には,
大きく3つの時期があるようで,一つは戦後すぐの古典的名作をたくさん取り上げていた時期。次にやや数は減るものの,
我々に馴染みの深い作品が増える昭和40年代(伊豆の踊子などもこの時期だ),そして,昭和50年代以降の大幅な減少期。「
(教科としての)国語は文芸など含まない」という意図がありありと見えるが,親としてはせいぜい「ゆとり」
を本に親しむ時間にしてあげるしかないか。
10月3~5日
土曜日は小学校の運動会。幸い天気には恵まれて,無事終了。息子は前日まで風邪で不調でしたが, 本番はどうにか元気で頑張っていました。我々の小学生の頃に比べると,町をあげてのお祭りという感じが無くなってしまったので, 盛り上がりには欠けるように思いますが,生徒・先生・保護者ともども気楽な気分でやるのが,今流なんでしょう。もっとも, 私の小学校は生徒数が2000人を超えていたので,その半分しかいない現在の状況では,やや寂しいというところでもあります。
10月2日
出張疲れ?で,なかなか捗らないながらも,「虚栄の市(1)」を読了。だが,次を待つのが辛いな。
10月1日
改訳された岩波文庫新刊「虚栄の市(1)」を読み始める。旧版の6分冊から今回は4分冊になるのだが,
毎度言っているとおり,通勤読書には分冊が細かい方が嬉しいのだ。それでは売りにくいとしても。いずれにしても,
久々に腰を据えて読むことにしよう。訳はなかなかこなれていて,違和感が感じられないのが嬉しい。
9月30日
岩波文庫の新刊「伊豆の踊子・温泉宿 他4篇」(川端康成)を読む。著者の若い頃の作品を集めた短篇集ですが,
岩波文庫の旧版を含め,何度も読んだ「伊豆の踊子」,やはり,読むたびに,爽やかな感動があります。
子供の頃には読み流してしまうところもありますし・・・。とくに,最初主人公が踊り子を性的な対象として見ながら,
あとでそれが間違いであったと気付き笑ってしまったこと,「いいひと」と言われて素直に嬉しくなったことなど,
この歳になって読むと,その気持ちがストレートに分かります。その他の作品では,比較的穏やかな「温泉宿」のほか,
「黒い海青い海」など,横光利一が賞賛したという「新感覚派」としての作風がよく表れていて,興味深いところです。
9月28~29日
帰ってきたと思ったら,また出張。乱歩で残った「白髪鬼」を読みました。本作は,講談社「富士」 昭和6年4月号から7年4月号まで連載したもので,原作はメアリ・コレリの「ヴェンデッタ」。黒岩涙香がこれを「白髪鬼」 として翻訳したのを読み,乱歩は,舞台を日本に移し,原作にない筋もつけ加えて翻案した。掲載当時,涙香と同じ題をつけたので, 乱歩は黒岩家を訪ね,涙香の長男,日出雄氏に会って諒解を得たとのこと。内容は,『九州にあるS市の旧家,大牟田家の主人で子爵の敏清は, 評判の美女瑠璃子を妻とし,美男の親友川村義雄と3人で不自由なく暮らしていた。しかし,瑠璃子と川村の謀により,敏清は殺され, 大牟田家代々の墓所に埋葬された。その棺の中で,敏清は息を吹き返し,恐怖のため黒髪は一瞬のうちに真っ白に。苦難の末, 脱出に成功した敏清は,海賊の宝を手に入れ,別人になりすまし,怖ろしい復讐に乗り出す。』というもの。大時代的な復讐話ですが, 乱歩が気に入って翻案しただけに,筆のノリが良く楽しめる作品です。
9月22~27日
ご無沙汰です。静岡はあいにくの雨続きでしたが,仕事の合間に,静岡県立美術館へ行って来ました。
徳川家の特別展(歴代将軍の自筆もの)と,世界で6番目に鋳造されたロダン「地獄の門」を見てきたのですが,規模は小さくとも,
なかなか周囲の雰囲気は良いところでした。この間,読めたのは,「黄金仮面」一編だけでした。黄金仮面・・・
トリックらしいトリックもなく,往年の無声映画ハチャメチャ大活劇の弁士の名調子が聞こえてくる感じ。ルパンに心酔するお嬢様・
不二子が,捕らえられて拷問を受ける自分の姿を想像する真面目な場面で,『恐い顔をした刑事たちに,柱にしばりつけられ,
コチョコチョ,コチョコチョと執拗にわきの下をくすぐられているあさましいわが身の姿が,幻のように浮かんでくる。ああ,
もうだめだ』なにが駄目なんだか,笑わせてくれます。
9月20~21日
光文社文庫乱歩全集「黄金仮面」より,何者と江川蘭子を読む。何者は,いつもの乱歩調ではなく,推理小説らしい推理小説。江川蘭子は, 6人合作の1作目を乱歩が担当したもの。乱歩は,『編集者は,私が予告をした小説さえ書けないような男だから, 後に回して休載などされては困るので合作はいつも第一作を割り当ててくれる』などと言っている。今週は,一週間,静岡へ出張していますので,また戻ってきましたらよろしく。
9月19日
また光文社文庫版乱歩に戻って「猟奇の果」を読む。随分懐かしい作品だ。本作は,乱歩自身が,「前半で止めようと思ったが,出版社 (横溝正史だ)が続けろと頻りに頼むものだから,明智小五郎を引っ張り出し「蜘蛛男」風にしたが,結局支離滅裂になった」 と述懐しているように,SM調のおどろおどろしい雰囲気はあるものの,ストーリーは,さすがに無理があるなぁと感じられるところが多い。 まあ,乱歩らしさは十分に出ていて楽しませてもらった。本書には乱歩自身による通常と異なる結末が収録されているのが面白い。これは, 終戦直後「猟奇の果」を復刊した時,当初の構想どおりに話を前半だけで終わらせるために新たに書き下ろしたものとのこと。
9月18日
エイ文庫の新刊「旅するカメラ」(渡部さとる)を読む。
新聞社のカメラマンからフリーカメラマンとなった著者のコラム集。駆け出しの頃の失敗,
フリーになってからの売り込みとスタジオでの苦労,ライカ,ハッセルブラッド,キヤノン,オリンパスなど愛着のあるカメラの紹介,
暗室作業の楽しみ,デジタルカメラを使ってみて・・・。カメラマンらしくない?力の入らない自然な語り口が心地よい。
ところどころに入れられたモノクロ写真のトーンもなかなか綺麗。著者のサイトはここ。本書出版記念の掲示板もあり,賑わっています。
9月17日
引き続き乱歩「大暗室」を読んでいる。「黄金仮面」も読み始めようと思ったが,来週は一週間出張なので,
その間の読み物として取っておくこととする。今月は,岩波文庫「夢の女」(永井荷風)が復刊される。『身は茫然と,
何か分らぬ冷たい夢の中を彷徨っているような心持であった-貧しい家族のため,女中奉公から商人の妾,娼妓,待合の女将へと,
つぎつぎに変貌をとげる元藩士の娘お浪。境遇に翻弄されながら,新時代の波間を必死に浮きただよう日蔭の花のあわれさを,
にごりのない抒情性をたたえた文体で照らし出す。』 花柳界にいて流されていく女を淡々とした語り口で描いた私の好きな作品だが,
これを書いたのは老成した荷風ではなく,最初の渡米を目前にした24歳の荷風である。
分厚いコロコロコミック10月号を買って帰る。
9月16日
光文社文庫「江戸川乱歩全集」よりもう1冊,乱歩の長篇代表作と言われる「孤島の鬼」を読む。
解説にもあるように,『しかしそうしたトリックさえも小ざかしいとすら思わせるほど印象強烈なのは,
何といっても中盤に登場する手記の無気味さだろう。本全集では初出に近い形を採ったが,
この個所に関しては漢字を減らして舌足らずな感を強めた桃源社版全集での最終改稿版(昭和36年)
のほうに軍配を上げざるをえない。熱心な読者には,桃源社版に基づく創元推理文庫版,
角川ホラー文庫版などとぜひ読み比べていただきたいと思う。』ということで,この光文社版は,
戦前のクラッシックな雰囲気が持ち味。それでも,一度読み始めたら止められない恐ろしさだ。
9月13~15日
3連休は暑かったですね。我が家では,土曜日はサーカス,日曜日,月曜日は最後のプールへ行ってきました。サーカスはもちろん, 空中ブランコが目当て。普通の体操競技を見ても,あまり魅力を感じない私ですが,なんで,サーカスの空中ブランコには, あれほど熱心になれるのか,自分でも分かりません(いや,ほんとは分かっているのですが)。
9月12日
「トーキョー偏差値」を読んだ,という話をしたら,カミサンもとっくに買って読んでいるとのこと。 ウチはこの手のダブりがときどきあるが,たぶん相手も買ってるだろうなぁと思いつつダブってしまうのは, お互い読みたいときに読めないのは許せないという,せっかちでわがままな性格ゆえか。
9月11日
久々に林真理子の新刊を読む。「トーキョー偏差値」(マガジンハウス)。マイ・ドラマティック・デイズ,
恋と美貌のオンナ模様,美人の道は果てしなく,東京美女紀行・・・いつも通りの美食,ダイエット,ブランド,
いいオトコにこだわるエッセイだが,今回は,東京に生息するセレブとはなにか?というところがポイント。真理子女史自身は,
安住の地を見つけてしまい,以前ほど気勢が上がらないのが残念。それでも,これでギョーカイ人の生活に憧れる若い女性は,
また増えるんだろうな。
9月10日
前から気になっていた光文社文庫の新刊「江戸川乱歩全集」。全30巻とのことですが,ようやく読み始めました。
手始めは,第10巻「大暗室」。これは,怪人二十面相と大暗室の2編を収めたもの。乱歩自身の執筆にまつわる思い出話と,初出・
単行本の異同を示した解題は参考になったが,古い地名や物に関する注釈は何のためにあるのか分かりませんでした。
若い人を意識したのかも知れませんが,作品と絡みのない説明を付けられても,この厚い本がますます厚くなるだけ。まあ,
久しぶりに乱歩の作品を楽しんでみたいと思います。江戸川乱歩については,尖端猟奇大パノラマというページに情報があります。
9月8~9日
また,10倍ズームデジカメレビューの記事に惹かれて週刊アスキーを買ってしまった。失敗だった。
創元社双書の新刊「写真の歴史」(クエンティン・バジャック)を読む。1839年にフランスで生まれた写真術は,
誰が真の発明者か?という論争など置き去りにして,その技術はヨーロッパ各地へ恐るべきスピードで伝播し,
つぎつぎと改良が加えられ,瞬く間に建築,美術,報道,科学などの分野で実用的,芸術的な役割を得ることとなった。本書は,
豊富な図版を使って,19世紀後半,写真の最初期の歴史を分かりやすく解説したもの。写真が当時の人々に,
どれだけの衝撃を与えたかは想像に難くないが,デジカメ時代の今から見て,
それがほんの150年ほど前のできごとだったということにも,あらためて驚かされる。電車の中で読む写真史としては,
手頃でお薦め。
9月7日
静山社の松岡祐子社長によると,次作「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」は来夏刊行, 第1巻の新書版と朗読CDを年内発売するとのこと。やはり新書化するんですね。新書なら読んでみよう,という人がどれほどいるか?ですが, 少なくともここに一人います。
9月6日
書店の棚に並んでいる岩波文庫すべてに,「私の好きな岩波文庫100フェア」の帯が付けられていました。このフェアは, 岩波書店創業90周年を記念し,読者から「愛読書3点」のアンケートを求め,その結果をもとに100冊を選び,開催するもの。 それに合わせて,岩波文庫特別版「読書のすすめ」を書店で配布中です。立花 隆,田中優子ら10名による100冊にちなんだエッセイ。 いずれ別冊でまとめられるとは思いますが,早めに確保を。
9月4~5日
土曜日は久々のプール日和となり,例年の夏休みほどの混雑ではないものの,
近所の海浜公園プールは久々の賑わい。少しは夏らしい気分を取り戻しました。ついでに,床屋へも行ったのですが,
これは千円ポッキリのチェーン店。最近,私のアタマは金をかけるようなアタマではない,ということに,ようやく気付いたわけです。
そうかといって,以前,カミサンに切らせて悲惨な目にあったので・・・。
そんなこんなで,優雅な気分には,ほど遠いのですが,「大人のOFF」最新号『最高の京都』特集を購入。 せめて読むだけでもリッチなものをという訳です。
9月2~3日
皆さんは,相対性理論が分かっていますか? 不肖わたくし(物理学科卒)は,全然分かりません。そこで,
「分かりやすい相対性理論」などという本が,書棚に何冊も並ぶといった情けない羽目になっています。昨日も,知恵の森文庫の新刊
「アインシュタインの宿題」(福江 純)を一所懸命読みました。世界でいちばん分かりやすい「アインシュタイン」本!
と喧伝しているだけあって,相対性理論,ブラックホール,量子力学,宇宙論を中心に,とくにミンコフスキー時空については,
よく説明されていると思いました(なんか情けない)。高校生にもお勧めします。
9月1日
久しぶりに「週刊アスキー」を買ったのだが,やはり読むところがなかった。カオスも盛り上がらず,残念。さて, 9月の岩波文庫の新刊ですが,「伊豆の踊子・温泉宿 他四篇」(川端康成),「山の旅 明治・大正篇」(近藤信行),「虚栄の市(1)」 (サッカレー,新訳),「トニオ・クレエゲル」(トオマス・マン)というラインナップ。「伊豆の踊子」が岩波文庫に入ったのは,昭和27年。 同時期に,新潮文庫(25年)や角川文庫(26年)からも文庫化されています。「伊豆の踊子」といえば,(1) 学校の教科書に取り上げられているが,その際ふさわしくない部分はカットされている。それはどこか?,(2)最後の感動的な場面, 『はしけはひどく揺れた。踊子はやはり唇をきつと閉ぢたまま一方を見つめてゐた。私が縄梯子に捉まらうとして振り返つた時, さよならを言はうとしたが,それも止して,もう一ぺんただうなづいて見せた。はしけが帰つて行つた。 栄吉はさつき私がやつたばかりの鳥打帽をしきりに振つてゐた。ずつと遠ざかつてから踊子が白いものを振り始めた。』 ここで, 『さよならを言はうとしたが,それも止して,もう一ぺんただうなづいて見せた。』のは誰か? という二つの問題。後者には, 著者自身のコメントもあります。
8月28~31日
夏休み最後の土日。息子のベイブレードの試合(こればっかりだな)につき合って,幕張メッセへ。9時開場なので, 8時過ぎには到着したのだが,すでにエントリー番号は155番。1stステージの試合は12時までなのに, こりゃ順番待ちですぐに終わってしまいそうだ。結果,最初の勝負はシュートミスで自爆し,ショボンとしていたが, 気を取り直して再チャレンジ。幸い連勝して2nd,3rdステージと勝ち進む。この調子で決勝トーナメントへと意気込むが, さすがに1年生ではここまでといった感じで,連勝ならず,時間切れ終了。本人もまずまず納得の結果でホッとしました。
8月27日
帰宅の電車が止まってしまい,またまた午前様。おかげで岩波現代文庫「写真論集成」(多木浩二)
をじっくり読むことができた。本書は,写真雑誌「プロヴォーク」の理論的支柱であった著者の30年にわたる写真論を集成したもの。
写真家論,科学写真論,メディア論,モード,ファッション写真論には興味を持てたが,最初の写真の形而上学的考察,
なかなか難関だった。
8月26日
岩波文庫新刊,ヴィトゲンシュタインの「論理哲学論考」を読みました。・・・この「有名な本」を読んだ,
という満足感は得られましたが,そこから何か掴んだ,というヨロコビまでは,とても。それでも知的興奮には違いないですよね。
考えてみれば岩波文庫の青帯は,私にとってみんなそうなのかも。岩波によると,『今回の野矢茂樹先生の翻訳は,日本語として
「読める」訳にすることはもちろん,訳注も詳しく付して,この哲学書の魅力を十二分に味わえるように配慮されています。
野矢先生が少し前に書かれた『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房2002年刊)
と合わせて読むと理解がいっそう深まるのではないかと思います。』とのこと。
8月25日
岩波文庫新刊「夜明け前 第二部」(島崎藤村)を読みました。本書は,
木曽路の庄屋である青山家当主の二代にわたる生涯を,維新前後の激しく揺れ動く世相を背景に描いたもの。旧世代,
すなわち封建制の中でそれなりに秩序ある安定した生活を送っていた父と,新世代,
新たな時代の到来とともに民衆のために立ち上がろうとしたが理想と現実との間で苦しむ息子。そんな世代間の対比と,
次第に濃くなる焦燥感に,いたたまれない気になるものの,一読陰惨な感じを与えず,
常に読者に一筋の希望を持たせることができるのは,主人公半蔵の純粋一徹な気持ちに,同じ息子世代として,
大きな共感を得られるからでしょう。
8月22~24日
夏休みも残すところ僅か。やっと夏らしい猛暑の週末となりました。土曜日は金沢八景の花火大会へ。
例年にも増して,大変な人出でしたが,広い砂浜に座って,間近で上がる花火の迫力に大満足。終わってからも,
子供達はみな砂堀に夢中で,なかなか帰ろうとしませんでした。
岩波文庫の新刊「アラン定義集」を読みました。アンリ4世等のリセで65歳まで教育に携わったアランは,授業の中で, 様々な言葉の定義を試み,議論の中で練り上げていきました。ここには,アランのカードケースに用意された500語余りのうち, 実際に定義が与えられている264語がすべて収録されています。未定義語のリストも掲載されていますので, アランの哲学的な関心がどの辺にあったのか,とくに興味を惹かれました。訳文は,私のような素人には, なかなかスッキリと頭に入ってこない感じなのが残念。
8月18~21日
3日間,夏期休暇を取っていました。火曜日は午後から,久しぶりに息子のサッカークラブの練習を見学。
以前は滅茶苦茶だったゲームもそれなりに形になってきたようで感心。水曜日は,ポケモン映画(結構泣ける)
と近くの江ノ島ボウルでボーリング。木曜日は少しは夏らしい暑さになったので,一日これも近くの海浜公園プールへ,ということで,
当初は温泉へ行こうという目論見もあったのですが,ごく近場で済ませてしまいました。この間,読んだ本といえば,子供向きの
「ゾロリシリーズ」数冊(面白かったが)と,BRUTUS最新号(内外の雑誌特集)など。今月の岩波文庫は,
アランとヴィトゲンシュタインなので,頑張って読まねばと思っているのですが・・・。
8月14~17日
雨が降り続いています。3連休にした週末は,結局どこにも出かけず仕舞い。日曜日の夕方から, ホームセンターへ板やペンキを買いに行って,焼き肉を食べて帰ってきたのが,唯一の外出でした・・・あ,ボウリングもしましたね, 150程度と,私にしては上出来。涼しくて,わが国では停電の恐れは無くなったようですが,今年の夏は, このまま終わってしまうのでしょうか?
8月13日
幻冬舎文庫の新刊,「封印サイトは詩的私的手記」(森 博嗣)を読む。おなじみ日記シリーズの第3弾。
研究者として,作家として,趣味人として,日々の生活がリアルに語られており,
これまで森氏の著作に縁がなかった人でも十分楽しめる(この分厚さなので,途中で息切れしてくるが)。とくに,模型関係,
Mac関係に興味のある方にお薦め。公式サイトはこちら。
8月12日
遅ればせながら,「東京古本とコーヒー巡り」(交通新聞社)を読みました。神保町,早稲田,
中央線沿線の個性的な古書店40件と,読書にふさわしい隠れ家的喫茶店30件の紹介。神保町古書店マップ付き。書店,
出版社など本の仕事に携わる人たちへ,「自分にとって本が読める場所」や「理想の古書店散歩」などを訊いたインタビューが面白い。
マニアックな情報は無いけれど,装幀も含めレトロな雰囲気がなかなか良いです。
8月11日
さて,「星の王子さま」をじっくり読みました(新たに岩波のオリジナル版を買ってきたのだ)。難しい。 考えれば考えるほど深みにはまってしまいそうなので,子供のころに戻って・・・と思いましたが,所詮大人の考える子供の気持ちなど, まやかしでしかないようです。この物語は,当時の世相(戦争)と結びつけた解釈や,宗教的な解釈など,さまざまな読み方がなされていますが, 大人になった私には,真実の愛を求める物語だと感じられました。
8月7~10日
週末は台風で大荒れでしたが,日曜日は台風一過,猛暑の中,「ポケモンフェスティバル2003」へ行ってきました。 お台場や幕張でのイベントが多い中,横浜開催だったので,今回は近くて助かったのですが,結局大汗をかきました。
今月,ちくま文庫より「高慢と偏見」(ジェイン・オースティン)が中野康司訳で出ましたが,せっかくですから,書名は「新しさ」 を出しても良かったような気がします。「高慢と偏見」だと,なかなか本書の面白さが伝わらないのが残念です。いずれにしてもお薦め (文庫本のための新訳です)。
8月6日
岩波書店では,「星の王子さま」日本語版刊行50年・600万部を記念して,「私の好きなワン・フレーズ」
を募集しています。「星の王子さま」のなかの大好きな一節,忘れられない一節,考えさせられた一節などを選び(50字程度),
その理由とともに応募すると「オリジナル日記」,「ポストカード・ブック」が当たるとのこと。すぐ思い浮かぶのは,
「心で見なくちゃ,ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは,目に見えないんだよ。」,
「砂漠が美しいのはどこかに井戸を隠しているからだよ・・・」,「新しくできた友だちの話をするとき,
おとなの人はかんじんかなめのことはききません。・・・」から始まる一節などなど。私自身,サン・テグジュペリの作品としては
「夜間飛行」や「人間の土地」,「戦う操縦士」などの方が親しいのですが,久しぶりに「王子さま」
を書棚から取り出して読んでみたいと思います。
8月5日
いま,グルメの話題は,都心の裏道にひっそりと佇む知る人ぞ知る一軒家のフレンチ,でもなければ,
怪しげなマスターが怪しげな食材を使ってあくまでチープ感メインの無国籍料理,でもなく,ズバリ,デパ地下,そう,
デパートの地下食品売り場! かねてそう思っていた私だが,同じようなことをみな考えているらしく,
最近情報誌でもデパ地下の人気は高い。そんななか,この手の食を語らせたら現在日本一,東海林さだお氏の新刊
「某飲某食デパ地下絵日記」(文春文庫)を読むと,デパ地下ファン垂涎の逸品がこれでもかと並んでいて,
いてもたってもいられない気分になってくる(我が職場は銀座のデパートからちょっと離れているのだ)。
本書はいつものようなエッセイ+絵ではなく,絵本・カタログスタイルなので,私自身はちょっと食い足りなかったが
(もともと小田急デパートの新聞広告だったのだから当然か),今後発表されるであろう詳しい報告にも期待したい。
8月1~4日
ようやく梅雨も明け,一気に猛暑がやってきました。そんななか,夏休み旅行第2弾として,箱根に行って来ました。近場なので, いつもは日帰りで行くことも多い箱根ですが,今回は渋めの宿を巡る露天風呂の旅,ということで,よく歩き,かつよくお湯に浸かってきました。 さすがに3日目ともなると,子供の方はかなり疲れ気味でしたが,それでも頑張って山道を歩いている姿に,大きくなったなぁと感心。 我々親の方は,早々と息切れし,歳を感じた次第。
なんとなく梅雨が明けぬまま,7月を越すというのもすっきりしませんが,週末からの夏空に期待しましょう。
7月30日
引き続き「夜明け前」の続き。『地方にあって, 若者らしい理想と地元の人々のために尽くさねばならない責任との間で揺れ動く主人公の姿を, 激動する幕末の世相を背景に描いた藤村畢生の大作』というまとめになるのだろう。しかし,読み続けていると, ポイントを押さえて歴史の動きを巧く捉えているところにまず感心するものの, 主人公の心理的な葛藤が今ひとつリアルに感じられない。私自身が歳をとって,若いときの血気盛んな, しかし青臭い気分にもう馴染めないせいかも知れないが・・・。とりあえず,先に進もう。
7月29日
「夜明け前」を読んでいます。結構丹念に読み進んで,第1部の前半がようやく終わるところ。ちなみに, 島崎藤村の作品は1993年12月31日で著作権が切れているので,「夜明け前」を始め, 主要な作品は青空文庫等で電子化が進んでいます。
7月28日
岩波文庫の新刊「夜明け前 第1部」(島崎藤村)を読んでいる。改版ものだが,
こういう作品を再び読む機会を与えてくれたことに,感謝すべきだろうか。しかし,学生時代,
初めて読んだときにも感じたとおり,ほかの(藤村を含む)明治期の文豪小説と違い,「夜明け前」
には近づきがたい雰囲気があり,なかなか手を出すのに勇気が必要だった。20年前は,
それほど精読したと思えない本書,新たな発見がありそうだ・・・。
7月25~27日
まだ梅雨明け宣言がなく,東北地方では地震が頻発。夏らしいスカッとした気分にはなかなかなれませんね。 集英社が文庫創刊25周年の記念企画として今年から刊行している「ヘリテージシリーズ」。そろそろ半年が過ぎて, どんな具合か調べようと思ったが,神曲以外に何が出ているのか分からなかった。ユリシーズも文庫化するという話だったが・・ ・。このままフェードアウトしてしまわないことを願う。
7月24日
「朝鮮民芸論集」をようやく読了。何で時間がかかったかというと,意外に面白く,じっくり読んでしまったから。 前半の解説部分も勉強になるが,後半の朝鮮各地の窯あとを訪ねる旅がよい。地名からあたりをつけ,古い窯あとを探しだし, 茶碗のかけらを掘り起こす。一日が終わると,同行の者とそのかけらを吟味し分け合う。学術調査というより, マニアックな気分漂う発掘の旅。大正末期の朝鮮の地方の人々の生活も興味深い。
7月23日
まだ「朝鮮民芸論集」の途中。ラピタ8月号を読む。特集は,鉄道旅の完全ガイド。
各地の珍しい鉄道,マニアを紹介。私は鉄道の旅が大好きなので,なんとか飛行機や車ではなく,
鉄道を使ってやろうと画策するのだが,乗り放題状態だった学生時代と異なり,
なにかと時間に制約のある家族持ちの中年の身では,なかなか思い通りにならず,歯がゆい思いをしている。
我が家から近い面白い鉄道といえば,おなじみ人家を縫って走る江ノ島電鉄。これからの季節,
延々と続く海沿いの国道の渋滞を眺めながら,のんびりと揺られていくのは,なかなかよい気分で,
これぞ湘南の風物詩だと思っている。
7月22日
まだ鬱陶しい梅雨が続いています。平凡社新書「クラシックカメラ便利帖」(馬渕 勇)を読む。
マニアックな話ではなく,クラシックカメラの情報を整理したもので,主だったカメラのシャッターの形式や,
レンズの互換性など基本的なスペックを解説。作例などはほとんど無い。
AFカメラとの比較やデジタルカメラの今後など,著者の独断によるところも多いが,
シルバー向けに書いたというだけあって,分かりやすさはマル。
7月18~21日
夏休み最初の3連休。さっそく,越後湯沢の温泉に行って来ました。越後湯沢といえば,川端康成,雪国ですが, 爽やかな夏も良い感じ。幸い天気もまずまずで,何よりも東京から1時間半という近さが,子供連れには助かります。 あまり文学的な旅ではありませんでしたが,温泉は十分堪能しました。
前に揃えた荒木経惟写真集(双葉社)の崩壊が激しい。というのは,綴じが脆くて, 頁をめくるたびに1枚ずつ剥がれてしまう。バラバラにして飾って下さい・・・というわけでも無かろうに。 最近は相当分厚く高価な本でも,無線綴じですませているようですが,かつては岩波文庫も糸かがりだったですよね。
7月16~17日
なかなか梅雨が明けませんね。「ナジャ」を読了。随所に出てくる当時のパリの街角の写真が気分。今月の新刊, 「夜明け前」と「出家とその弟子」は改版だから後回しにして,「朝鮮民芸論集」(浅川 巧)を読む。 美術館のカタログみたいな体裁で,写真がたくさん入っているので楽しいが,文章の方は, すんなりと理解出来るという感じではなく,なかなか骨が折れそうだ。
7月15日
1983年7月15日。何の日?と思ったら,20年前,任天堂の「ファミリーコンピュータ」
が発売された日だという。スーパーファミコンと合わせて1億1000万台を超えた国民的ゲーム機。
最近は小学生の標準機ゲームボーイアドバンスしか稼働していない我が家だが,ファミコン,
スーファミともに大切にとってある。いろいろと批判もあるけれど,この20年間,
子供の遊びを変えた影響力の大きさではダントツだろう。
岩波文庫の新刊「ナジャ」(ブルトン)を読んでいる。350頁のうち半分が訳注と解説・・・。編集部によると, 『これはブルトンにとっても特別な作品であったらしく,初版刊行から34年後に,表題に「著者による全面改訂版」 と付記した新版を発表しており,本書はその改訂版にもとづくものである。本書の訳者は, 33年振りに新たな訳を発表するにいたったわけだが,今回の「解説」原稿執筆中に, ブルトンの大コレクションを含む遺品が競売にかけられるという知らせとコレクションのカタログが届くというハプニングがあり, それまで以上に特別な作品となったことと思う。この本を手にとられた方にとっても特別な一冊となりますように。』 「それまで以上に特別な作品」というからには,そのコレクション買うんだろうな,ていうのは余計なお世話だ。
7月14日

次号で終刊となる「カメラジャーナル」7月号を読みました。今回の特集?は,
田中長徳カメラ本全著書完全目録-48点に及ぶ田中長徳のカメラ本の書誌データ完全収録ということで,
面白かったのは,それぞれの本が重版や改版の際に判型や帯のデザインなど,
体裁が変わった点を細かく記しているところ。現役の作家の著作リストというのはよくありますが,
田中長徳氏のように,その本が何刷まででているとか,途中で版元が変わった事情とかは,「企業秘密」
に当たるのか,普通書いていませんね。ファンが知りたいのは,そこだと思うのですが・・・。
7月11~13日
今年は梅雨らしい梅雨で,なかなか明けませんね。生活人新書の新刊「デジカメ時代の写真術」
(森枝卓士)を読みました。『人に見せて恥ずかしくない,あげて喜ばれる写真はこう撮る!
今日からあなたの写真がグンと垢抜けるコツが満載』とのことで,
相変わらず垢抜けない写真ばかり撮っている私としては,少し勉強しようかと。デジカメの良さは,
その場で失敗作の反省ができること。田中長徳氏は,
フィルムカメラは現像するまでみんな傑作を撮ったといい気分になっていられたのに,
デジカメではそれができなくなった,と言っています。確かに。
7月10日
カメラ,ということで,寺田寅彦氏の随筆「カメラをさげて」。 『このごろ時々写真機をさげて新東京風景断片の採集に出かける。・・・写真をとろうという気で町を歩いていると, 今までは少しも気のつかずにいたいろいろの現象や事実が急に目に立って見えて来る。つまり写真機を持って歩くのは, 生来持ち合わせている二つの目のほかに,もう一つ別な新しい目を持って歩くということになるのである。』 レンズは第三の目,というのは,いまでもよく言われることだが,そんな目で覗いた東京の町は, 古きものと新しきものが一見無秩序に混在しているものの, 『こういうものに長い間慣らされて来たわれわれはもはやそれらから不調和とか矛盾とかを感ずる代わりに, かえってその間に新しい一種の興趣らしいものを感じさせられるのであろう。・・・現代人にとって, 調和の美しさはもはや眠けを誘うだけである』と語っている。現代の東京でも,新しい高層ビルの谷間にあって感じるのは, 相変わらずの無秩序さ,不調和からくる,ある種の安心感なのである。
7月9日
新しいデジカメを買った。IXY400。いままで,
FinePix6800しか使ったことがなかったのだが,携帯性重視ということで決めた。考えてみれば,
キャノンのカメラ(デジカメをカメラと呼ぶのであれば)を使うのは,中学生の頃,父親の一眼レフを借りて以来,
ほとんど30年振りだ(この前,まだ使っていることを知ったけれど)。
ますます出番がなくなってきた銀塩の一眼レフとコンパクトカメラだが,これも捨てられずに持っている。
銀塩に比べれると,デジカメはどうも頼りないし,撮ったという実感に乏しいんですよね。
7月8日
鉄道模型というのは,男の子の永遠の憧れですな。我が家も,息子が小さいときには,
部屋が埋まるほどのプラレールを揃えていましたが,今となっては大変な場所ふさぎ・・・でも捨てられません。
まあ,もう少し資力と家の広さがあれば,小さくても良いから家の中に鉄道をひいてみたい,
という気持ちはあります。それなのに,家の中では飽きたらず,庭一面に鉄道をひき,「私鉄」
を開業してしまった人が。他ならぬ作家の森 博嗣さんで,その名も「欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線」。
この手作り鉄道の製作記が,中公新書ラクレの新刊「ミニチュア庭園鉄道 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の昼下がり」
にまとめられています。一読,羨ましい限り。1年かけて自分だけで土木工事をし,
最初のうちはときどき脱線騒ぎを起こしたけれど,最近はコーヒーを飲みながら運転出来るようになったそう。
お金のことは出ていないのだけれど,それを訊くのは野暮なんでしょうね。
7月4~7日
ぼやぼやしているうちに,7月の新刊が出てしまいそうです。今月は藤村の改版などがあるものの,アンドレ・ ブルトンの「ナジャ」(巌谷國士訳)が目新しいところ(白水社で以前読んだものですけれど・・・)。 シュルレアリスム運動の最盛期に発表され,不思議な女性ナジャとの出会いと愛と狂気を, 斬新な手法で描いたブルトンの代表作。「私とは誰か? ここでとくにひとつの諺を信じるなら,要するに私が誰と 「つきあっている」かを知りさえすればよい,ということになるはずではないか?」
7月2~3日
珍しく多忙につき,とくに意味はないのですが,岩波文庫の広告で勘弁して下さい。よく見ると面付けの説明もあります。

7月1日
カメラ付携帯電話記事撮影はお断り-『カメラ付き携帯電話で雑誌記事をチャッカリいただき, という若者が増えているが,7月1日から始まった雑誌愛読月間で「マガ人は,マナーを守る」と, タレントの吉岡美穂さんが書店店頭の読者マナー向上を呼びかけている。ひと昔前なら, 時刻表を隠れてメモするぐらいが関の山だったが,最近はカメラ付き携帯電話の普及で, 雑誌の立ち読み中気に入った料理レシピを堂々と撮影する読者が出現しているため, 読者のマナー向上を呼びかけることにしたもの。雑協ではこの呼びかけと並行して,携帯電話の事業者団体にも, カタログなどを通じたマナー向上を働きかけることにしている。』 インターネットの普及によって,我々の周囲には, タダの情報が氾濫しているので,情報の価値,コストに鈍感になってきたということは言えそうですね。しかし,マガ人・・・ というセンスにはなんとも・・・。
6月30日
岩波書店のホームページで「図書」のバックナンバーの目次と一部の記事が読めるようになっていたけれど,これは前からありましたか? まあ,図書もよいのですが,著者番号順既刊リストを整備して掲載してくれれば,大いに役立つのに・・・。
6月27~29日
日曜日には,市民センターへ岩手県水沢市製作の映画「アテルイ」を見に行った。子供には理解しにくい内容かなと危惧していたが, 結構興味を持って見ていたようだ。無味乾燥な教育映画ではなく,古代東北地方の族長アテルイが, 大和朝廷の征伐隊と戦う姿を迫力あるアニメで描いた歴史物だが,大友康平やグレート・サスケ,あんべ光俊が声優として出ているのには驚いた。
岩波アクティブ新書の新刊「ベトナム町並み観光ガイド」(友田博通)を読む。いま,ベトナム観光が人気急上昇中とのこと。 たしかにフランス統治下につくられた町並みやオペラ座,王宮や遺跡など,見所はいっぱいなのだろうが,1950年代生まれの日本人としては, 他の東南アジアの国々と比べて,大はしゃぎで観光することに後ろめたさを感じるのも事実。本書は, ベトナムの歴史をわかりやすく解説しながら,その歴史の名残を,いまの町並みから建築家の目で淡々と読みとろうとしており,好感が持てる。
6月25~26日
ここ数日,書店へ行っても読みたい新刊文庫が目につきません。「蟹工船」は旧版で読んでいるし。プロレタリア文学, ときいただけで読む気をなくす人もいるかと思いますが,この小林多喜二の代表作は,若々しい感性にあふれており, 現代の若者にも大きな衝撃を与える問題作だと思います。治安維持法違反で逮捕された多喜二は昭和8年, 31歳の時築地警察署で獄死しましたが,警察は死因を「心臓麻痺」と発表。死体解剖も行われませんでした。翌日, 阿佐ヶ谷の自宅に運ばれた多喜二の体には,無数の拷問のあとがあり,その無惨な遺骸を抱いて,年老いた母は「それ,もう一度立たねか, みんなのためもう一度立たねか」と声を浴びせたということです。
6月23~24日
雨の日が続いていますね。平凡社新書の新刊「カメラ至上主義!」(赤城耕一)を読む。
筆者がこだわりをもつカメラを使った被写体別撮影術。コンタックスRTSIII妻を撮る,リコーGR1V駅までのイメージ,
ニコンF100子供を撮る,ペンタックスMZ3街を撮る,ニコンF5カメラを撮る,キヤノンEOS-1V動物を撮る,
ライカMP交差点に立つ,といった内容で,ほかにデジタルカメラの実体,クラッシックカメラの未来といった章がある。結局のところ,
お手軽なデジタルカメラの普及により,メカニカルなクラッシックカメラは,趣味性の追究が生き残りの道・・・
というありきたりな結論にならざるを得ないが,本書の焦点がカメラと写真のどちらにあるのかハッキリせず,
田中長徳氏のような独特な節回しも無いので,今ひとつ乗りきれない感じ。
6月20~22日
週末は30度を超える暑さの中,息子の付き合いで幕張メッセへ。GBAのジラーチをゲットしたあと, ベイブレードの小学生勝抜戦で5連勝してBBAチームのステッカーを貰ったという,関心のない人には全然訳の分からないイベントですが, とにかく疲れました。
岩波文庫の新刊,林芙美子の「下駄で歩いた巴里」を読む。昭和5年「放浪記」で人気作家となった著者がその翌年,
シベリア経由でパリを訪れ,1年余りを過ごしたときの記録に,やはり昭和初期の中国,北海道への旅行記を併載したもの。
政府による派遣ではなく,良家の子女の留学でもなく,この時代に自ら稼いだ印税をもとに,
新たな経験をもとめて若い女性が単身欧州へ貧乏旅行(今風で言うバックパッカースタイルである)を決行したことに,まず驚かされる。
たとえ外国語が達者じゃなくても,なんとかなるさと,旺盛な好奇心,取材意欲を発揮しており,
とくに各地の女性達に対するさりげない観察眼には,さすがだと思わされる。林芙美子の日記や放浪記,このパリ滞在記など,
ノンフィクションのように生き生きと書かれながら,実際は相当に脚色されていると最近は考えられているようだが,
二つの大戦の間のつかの間の平和を享受するパリの姿はとても魅力的だ。
6月19日
文藝春秋の新刊「もっとコロッケな日本語を」(東海林さだお)を読む。相変わらずB級グルメや(夜の)クラブ活動など,爆笑話が満載。
そんな中でとくに興味深かったのが,
雑誌にエッセイを連載することとなった高橋春男さんが達人東海林氏に上手なエッセイの書き方の教えを請うという「文章の書き方,教えます」。
無手勝流で気楽に書き流しているように思える東海林氏だが,まず,ネタ垂れ流し状態で下書きをどんどん書き,1,2日寝かせてから,
濃縮したり削ったり入れ替えたりして,くどいところや書き足りないところを整理し,それを3回ほど繰り返して,
ようやく清書するというのにはビックリ。また,雑誌連載だけでなく,本になったときのことも考えて,
話の展開がワンパターンにならないように気を付ける,メモをとるときには時間を必ず入れる,声に出して読んでもリズムの良い文章を心がける,
出だしは短く1行でまとめる,思い切って激しいタイトルをつける,などなど達人としての心得を開示していて感心させられる。
6月18日
続いて岩波文庫の新刊「故郷」(パヴェーゼ)を読む。イタリア・ネオ・リアリズム文学の嚆矢たるこの作品。明快なストーリー,
イタリアの暑くけだるい空気,田舎の荒くれ者たちとそれを取り巻く女たち,血と藁のにおい・・・・と,
読んでいるこちらまで喉の渇きを覚えてくるほど。こういう小説は,白水社の世界の文学や全集版で力を入れて読むよりも,
岩波文庫で気楽に読む方が自分には向いているようだ(白水社本て,格好良いなぁと思っていろいろ買ったわりには,
身に付いていない気がするので)。
6月17日
今月の岩波文庫新刊は読むものが多くて嬉しい。ということで,まず「デイジー・ミラー ねじの回転」(ヘンリー・ジェイムズ)を。 ヘンリー・ジェイムスとデイジー・ミラーとヘンリー・ミラーは尻取りみたいだ・・・という話は前にも書いたので省略し,岩波文庫では, 昭和11年と15年に別々に出て以来,久しぶりの改訳合体版。帰りの電車でデイジー,朝の電車でねじの回転, と一気に通勤時間内で読み通したが,このジェイムズ代表作2点は,止まらない面白さだ。さまざまに解釈されているという「ねじの回転」では, かつての従僕に教えられた男色のために少年は放校され,その従僕と前の家庭教師との淫らな関係に引きずり込まれた少女, それを見て見ぬふりの家政婦。従僕と家庭教師がともに死んだ後,新たにやってきた家庭教師が異常な家庭に精神を病んで亡霊を見た・・・ というのが私の印象。最初にしつこく語られる子供達の異様なかわいさ・・・ということからも,やはり同性愛のイメージは強い。「デイジー・・ ・」は整理番号313-9。ジェイムズが9点もあったか?と調べてみると,(2)国際エピソード<復刊>,(4)短篇集, (5~7)ある夫人の肖像,(8)アスパンの恋文,は出ているので,(1)と(3) はデイジーとねじの回転のための予約席だったのかなと思ったりして。
6月16日
BRUTUS最新号「自分のためにアートを買いたい!」を読む。現代アートを「買う」ための特集。たくさんのギャラリスト! (つまり画廊の経営者,プロデューサね)により紹介されるアーティストは,奈良美智,村上隆などを除いて私の知らない人ばかりだが, いまこんなモノがこんな値段で売られているんだということを知るだけでも十分に楽しめる。美術館で眺める芸術ではなく,時計や洋服のように, 身近なアートを手に入れて,自分の部屋に飾る。これは精神的に大きな癒しとなりそうだ。ちなみに我が家にある現代アートは, 関西の金属造形作家によるオリジナル作品「息子のベッド」(カミサンが使用中)くらい・・・。
6月15日
ビックリした田中長徳責任編集「カメラジャーナル 終刊のお知らせ」。アルファベータ社によると,『突然ですが,124号をもって, 本誌は幕を閉じることにしました。8頁・100円時代から10年と4か月,リニューアルしてからは丸2年での終幕となります。 これまでのご購読,ありがとうございました。そして,執筆者の皆さん,販売していただいている書店,カメラ店のみなさんにも, 深く感謝いたします。やめることにした理由は,もちろん1つではありません。単純に考えれば,「売れなくなった」からだろう, と思う方は多いでしょう。確かに,最もよく売れていた時期と比較すれば,部数は少なくはなっていますが,リニューアル前とその後とでは, 号によっては,リニューアル後のほうが多いぐらいで,さほどの差はありません。経営的には無理をすれば続けられるという範囲ではあります。 しかし,その無理をする理由が,どうも見出せなくなってきたので,終刊と決めました。10年,という区切りがついた時点で, 楽しみにしていただいている多くの読者の方には申し訳ありませんが,このあたりが潮時であろう,と感じた次第です。・・・ 最後の号となる次号のための投稿のテーマは,「田中長徳によろしく!」です。たくさんのおハガキ,お待ちしています。』 なんとなく, 昔のBOOKMAN終刊の時を思い出しました。
6月12~14日
梅雨の合間,海で子供と一日サッカーや穴掘りをやっていたら,真っ赤に日焼けしてしまいました。来週末は, 幕張メッセのワールドホビーフェアに出撃するので,この休み中にやらなければならないこともあったのですが,気力が充実せず, サボりを決め込んでいました。ちくま文庫の新刊「内田百間集成9 ノラや」について。 『そもそも私は猫好きと云ふ一般の部類には這入らないだらう』という百間ですが,昭和31年の春,可愛がっていた野良の子猫「ノラ」 がいなくなった日から,ずっと涙が止まらず,ノラを思い出すからと好物の鮨も止め,新聞広告を出し,区役所に頼みこんで, 死んだ猫を掘り返させて貰ったりもしています。なぜそれほどまでにノラにこだわったのか・・・読み進むうちに,百間の悲しみは, 単なる猫好きのそれに留まらない,少々怖ろしさを感じさせるようなものだと思えてきます。「岩波日本語使い方考え方辞典」が欲しいけれど, ここのところ貧乏なので,思案中。
6月11日
本格的な梅雨入り。知恵の森文庫の新刊「カメラ悪魔の辞典」(田中長徳)を読む。古今東西の名機,写真用語に関する800語を解説。 「悪魔」とはいうものの,別に毒があるわけではなく,いつも通りのチョートク節を,相変わらずだなぁ・・・とあらためて確認する, ファンのための本。とにかく,これだけの項目を考え出した地道な努力に感心。
6月10日
「トーキョー・リアルライフ 42人の消費生活」(実業之日本社)が発売早々4刷決定とのこと。私もさっそく読みましたが,
これは面白い。主に東京近郊に住む42人の若者(10~30代)に,ひとり1ヵ月ずつ,毎日の消費行動を詳しく記録してもらい,
まとめたもので,学生,フリーター,OL,サラリーマン,自営業と,登場する人の職業はさまざま。しかし,
皆がその職業からイメージされる生活を送っているとは限りません。むしろ,消費行動は,
それとは別の個人的な資質によるところが大きいと感じました。共通しているのは,収入の多寡によらない可処分所得の多さ。もっとも,
これは子持ち40男の僻みかもしれません。
6月9日
日経ビジネス文庫の新刊「ビジネス文章術」(坂井尚)を読む。何事も反省しない小生らしくない,と思われるかもしれないが, 日頃なんとなく自分流にやってしまっていることが,細かく例をあげて解説されており,なかなか便利。 日頃気になるビジネス電子メールの作成方法については,今回の文庫化で追記された程度であるが, 何かと便利な電子メールばかりとなったビジネス文書のやりとりに関して,旧来の文書の有用性を考え直してみるのは大切なことだと思う。
6月5~8日
ちくま文庫で刊行が始まった「現代民話考」(松谷みよ子,全12巻)。かつて立風