2002年12月31日

2002年12月

12月27~31日

さて,今年もいろいろありましたが,まずは無事に年が越せそうです。休みに入り, 子供と一緒にラジコンのツーリングカーなど組み立てながら,岩波文庫「近世風俗志」の第5巻を読んでいます。この最終巻には,食べ物(みそ, 醤油,酒から天ぷらや菓子まで),食器,傘,履き物(草履や下駄),駕籠,芝居などが収録されており,江戸庶民の生活百科として, あちこち拾い読みしているだけでも面白い。来年もまた良い年でありますように。一年間ありがとうございました。

 

12月26日

角川文庫の新刊「ベトナム怪人紀行」(ゲッツ板谷ほか)を読む。「2年前,オレはベトナムに完敗した・・・」。苦い思い出を胸に, ゲッツ板谷とカメラマン鴨志田,なんとなく弱気な現地コーディネーター鈴木の3人が,ベトナム各地で大暴れ(前作はベトナム乱暴紀行)。 不味い食事とサービスのかけらもないホテル,貧しいが意地っ張りでプライドの高いベトナムの人々。やる気のないだら~んとした空気の中に, なぜか常に漂っている哀愁。同じ民族同士で激しく戦った北ベトナム,南ベトナム,ベトコンの兵士たちも,いまは歳をとり, ともに市中で生活している。しかし,乱暴なインタビューで彼らの重い口を開けさせると, そこにはまだフランス植民地時代からつづく戦争の傷跡が色濃く残っており,いつもは傍若無人なゲッツ板谷も,さすがにシュンとする場面あり。

 

12月25日

角川文庫の新刊「できるかな」(西原理恵子)を読む。ご存じサイバラが,自作検知器を持っての事故後「もんじゅ」訪問, タイにいる旦那の現地マンション購入レポートやそのご近所生活,気持ち悪さ満杯の釣り紀行,過激な岸和田だんじり体験,怪しいロック・ コンサートのライブなどなどを過激マンガで描く。元本は1998年に読んだが,文庫本で二度読みしても笑える本。

 

12月24日

朝日文庫「遁げろ家康」(池宮彰一郎)の記述の一部に,故司馬遼太郎「覇王の家」(新潮社) と類似した部分が複数個所あることが分かり,池宮氏は「家康関係の資料と先輩作家の作品が混ざってしまった」 と司馬さんの遺族に謝罪文を送った。朝日新聞社は25日付で絶版とし,自主回収するとのこと。朝日新聞社によると「今年9月, 類似点が多いとの読者の指摘を受け調査していたが,登場人物の発言や場面の描き方で似ている部分が相当数あった」という。「遁げろ家康」 は97年週刊朝日に連載され,単行本が約9万部,文庫本は約8万部出版されている。

 

12月21~23日

3連休ではありましたが,天気が悪かったこともあり,床屋へ行ったり,写真を現像に出したり,近所の焼き肉屋へ行ったりと, 地味に過ごしていました。クリスマスのケーキはすでに食べてしまったし, プレゼントも用意したし....あとは無事に年が越せることを願うのみ。今年は「討入り」から300年目とのことで,忠臣蔵?という人には, 岩波文庫「元禄快挙録」(全3冊,福本日南)をお薦めします。浅野内匠頭の刃傷から赤穂浪士の吉良邸襲撃・切腹まで, 忠臣蔵事件の全貌をまとめたもので,講談調の忠臣蔵に馴染めない方でも興味を持って読めること請け合いです。

 

12月20日

岩波書店によると,2002年の文庫売り上げベスト10は,(1)「武士道」(新渡戸稲造),(2)「君たちはどう生きるか」 (吉野源三郎),(3)「ハムレット」(シェイクスピア),(4)「子規を語る」(河東碧梧桐),(5)「法然上人絵伝」(上),(6) 「回想 子規・漱石」(高浜虚子),(7)「こころ」(夏目漱石),(8)「ドーミエ諷刺画の世界」,(9)「論語」,(10) 「ヘルダーリン詩集」,とのことです。ちなみに,本年度の私のベストは,(1)「新編 みなかみ紀行」(若山牧水),(2) 「パロマーの巨人望遠鏡」(ウッドベリー),(3)「新編 作家論」(正宗白鳥),(4)「新編 春の海」,(5)は,「回想 子規・漱石」 (高浜虚子)と「子規を語る」(河東碧梧桐)をあわせて,といった感じでしょうか。次点は改版された「怪談 牡丹燈籠」(三遊亭円朝) と刊行途上の「デイヴィッド・コパフィールド」(ディケンズ)ですね。

 

12月19日

今年もあと2週間。たまには書棚の整理を,と思ったのだが,ここのところ旧岩波文庫に巻いてあるパラフィン紙の風化? が急速に進んでいることに気がついた。購入してから20年以上経ったものが,べつに傷を付けたわけでもないのに, そこここに穴があき始めている。この辺が寿命なのか,と思うが,なんとなくうらぶれた感じの書庫になってしまった....。

 

12月17~18日

集英社新書の新刊「天才アラーキー写真ノ時間」(荒木経惟)を読む。最近の作品をライブ(というより咆哮)風に, 撮影状況や狙いをアラーキー自らが解説。「普通は,モノとかにピントを合わせるってよく言うじゃない。 あたしはコトにピントを合わせるって言うけどさ。・・・」,「写真は顔だから,うまいかどうか見るときに,顔を撮らせれば分かりますよ。 顔を撮れてるヤツはほとんどいないだろ。・・・」なにか言い放題ヤリ放題てな感じもするけれど,夫人を亡くして以降, 荒木氏の心境の変化が伺える本。

 

12月16日

岩波文庫「近世風俗志」(守貞漫稿)の第5巻が12月に出て,ようやく完結。6年越しの刊行だったので, この前はいつ出たのか忘れてしまった・・・。第5巻には,80ページをこえる詳細な索引が付いているとのことで, あらためて面白そうな項目を,じっくりと読んでみたいと思います。

 

12月13~15日

日曜日には,子供の友達がたくさん集まって,我が家でクリスマスパーティ。まあ,親も子供もたいへんな騒ぎでありましたが, これも1つの気晴らしにはなりますな。文春新書の新刊「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」(中野 雄)を読みました。この手の本は, 昔から聞き飽きたような話を偉そうに書いてあるだけ,ということが多いので,書店でちょっと躊躇しましたが,これはお薦め。 小澤征爾の音楽監督就任で話題となっているウィーンフィルの歴史や,過去の指揮者達との関係を, 新旧の楽員達からの聞き書きにより描いており,演奏家ならではの示唆に富んだ話が多く,楽しんで読むことができました。

 

12月12日

朝日文庫の新刊「東海林さだおの大宴会」を読む。ご存知「丸かじり」シリーズの傑作選第3弾。 とうぜん中身は読んだことのあるものが多い。それでもまたまた楽しく読めてしまうのが,東海林さんの芸の力。もちろん,丸かじり・・・ を未だ読んだことのない人には,分厚いけれど入門編としてお薦め。

 

12月11日

もう1つ,えい文庫の新刊「あの時代,オーディオへの憧れを今再び 憧れ探求隊編」を読む。 1970~80年代に名器とうたわれたスピーカー,アンプ,ターンテーブルなどを写真入りで解説。JBL4343をはじめ, Mcintosh,Accuphase,Luxmanなど,オーディオ少年のあこがれだった懐かしい機器にご対面。憎いことに, 現在の中古価格も書かれていて,当時夢でも手に入らないと思っていたものが,今ならどうにかなりそうな気にさせてくれる・・・。 衝動買いのクセのある方,ボーナス貰ったばかりの方は,心して読まなければならない。

 

12月10日

えい文庫の新刊「ライカとモノクロの日々」(内田ユキオ)を読む。月刊カメラマン誌に連載していたフォトエッセイをまとめたもの。 デジタルカメラの隆盛で,フィルムカメラ自体の存続が不安な現在,モノクロフィルム(とライカ)で撮ることにこだわる著者が, 自らの写真歴と,モノクロ作業ならではの暗室作業の楽しみを語る。私自身は最近,モノクロを使うことはほとんど無いが,これを読んだら, また撮りたくなってきた。モノクロでのほのぼのとした暖かみのある写真は,眺めるだけでも嬉しい。

 

12月9日

東京は珍しく本格的な雪で,我が家でも子供が小さい雪だるまをいくつか作っていました。そんな中,岩波文庫の新刊「新編  春の海― 宮城道雄随筆集」を読んでほのぼのとした気分に。「水の変態」や「春の海」などの箏曲で知られる宮城道雄氏は,西洋音楽にも造詣が深く, その要素を邦楽に導入することによって,新しい日本音楽の形をつくり,現代邦楽の基礎を築きました。琴の大家,というイメージとは別に, 本書には冗談好きで賑やかなところが好きだったという著者の人柄がよく現れていて,楽しく読むことができました。 戦前の林 芙美子との対談もおさめられています。

 

12月6~8日

週末は箱根の温泉へ。我が家から箱根湯本まで電車で1時間弱,そこから登山電車とロープウェーで桃源台のホテルまで行ったのですが, あいにくの雨模様で,ロープーウェーは文字通り五里霧中。夕方からは雪となり,紅葉に降り積もる雪を眺めながらの露天風呂は, なかなか風情があって良かったです。

 

12月5日

書店で「村山槐多耽美怪奇全集」(学研M文庫)が出ているのを見かけて,その分厚さに驚く。槐多は,放浪と退廃的な生活の末, 1919年22歳で夭折した画家。詩人や伝奇作家としても多くの作品を残した。この一巻本選集には, 津原泰水による槐多の生涯を描いた中編小説も併禄されているのでお薦め。ちなみに槐多の「悪魔の舌」,「殺人行者」は,青空文庫で読むこともできる。

 

12月3~4日

ずっと風邪気味で,読書欲が減退気味。せめて食欲増進に,という訳でもないが,新潮文庫の新刊「東京名物」を読む。団子,たいやき。 佃煮など,江戸情緒を残す東京の名物78点と,東京の社寺の楽しい「縁起物」13点を紹介。映画監督でもある著者・早川 光氏は, 東京土産の安易なカタログではなく,マイナーでも職人のこだわりが感じられる逸品を選んでおり,ちなみに団子では, 羽二重団子でも言問団子でもなく,千住の槍かけだんご,が取り上げられている。

 

12月1~2日

今月岩波文庫で復刊される「アイヴァンホー」。騎士道物語好きな人にとっては,ワクワクする物語です。アイヴァンホーは, ノルマン支配下のイングランドで,サクソン王家の復興を熱望する大地主セドリックの一人息子として生まれた美しい青年騎士。 サクソン王家の血を引くロウィーナ姫と恋仲になったため父に勘当されたアイヴァンホーは,敵のノルマン・リチャード1世(獅子心王) に仕えて十字軍に参加し,数々の武功を立てる。巡礼に身をやつし,何くわぬ顔で父の邸に入ってもてなしを受け, ロウィーナと言葉を交わしたりしていたが,槍試合の日に勝者となったことから正体がばれてしまう。この試合で大けがを受けた彼は, 美しいユダヤ娘レベッカに介抱されるが,ロウィーナへの思いは絶ちがたく,やがて勘当が解かれ, ロウィーナ姫と末永く幸せに暮らしました....というめでたいお話。獅子王リチャードが変装する黒衣の騎士や,ロビンフッドなど, とにかく騎士道精神あふれるカッコいい人ばかり出てくるので,クリスマスに読む本としてもお薦め。

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2002年12月20日

えい文庫

えい文庫の出版元であるえい出版社は,(株)ライダースクラブと(株) 東邦出版社が平成12年に合併してできた新しい会社である。ライダースクラブはその名の通り, バイク関係の専門出版社,東邦出版社は,かつては社会主義的な本も出していたと記憶しているが,合併以降は, 趣味本に専念している。

出版点数は,毎月5~6点で,2002年10月の創刊から,これまでに70点ほどを刊行している。バイク, 自転車を中心に,カメラ,インテリア,グルメなど,いわゆるムックを文庫化したようなビジュアル重視の本作り。 それでも好きこそものの上手なれ,決して有名な執筆者ではないが,ユニークな企画と, 小型化されても読みにくさのない巧い本作りで,売れ行きは好調とのこと。各書店でもマイナーな扱いながら, よい場所を確保しているようだ。

最近,レストランやスクールなど多角経営にも乗り出しているが,この文庫シリーズは長く続けて欲しいもの。

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2002年11月30日

2002年11月

11月28~30日

土曜日,息子のベッドが届く。琵琶湖のほとりに工房を構える金属造形作家・茗荷恭介さんに特注したもので,海外での個展の合間を縫って時間を作って貰い,ようやく完成。感謝。我が家の狭い部屋に置いた感じは,ベッドというより,どんなことをしても壊れない「大きな鉄の造形作品」。立派だが,ちょっと笑える「一生もの」。

デジカメ時代のスナップショット写真術写真家・大西みつぐ氏の新刊「デジカメ時代のスナップショット写真術」(平凡社新書)を読みました。タイトルは,デジカメ時代の・・だが,中身はスナップショットとは何かという考察と基本的な技法です。作者によると,『これはデジタルカメラの使い方についての本ではありません。デジタルカメラで撮る「写真」がなんともスナップショット的で,案外ここに出発点があるのではないか,それでは「スナップショット」とはなにか,さらにスナップショットはなにを映し出してきたのか,そしていったいどのように撮ればいいのか,銀塩,デジタルという垣根を乗り越えて,スナップショットの面白さを解説しました』とのこと。

スナップショットにおけるデジカメの有利さは,第一にコストを気にせずにどんどん撮れるということで,一連の撮影の流れの中で的確なショットを選ぶ,というスナップショット術には適した機材だと考えられています。フィルムカメラの場合はここは何枚も押さえておきたいと思っても,フィルムの残りやコストを考えて,この程度でよいだろう,と思ってしまうことが多いのですね。

11月27日

見仏記4 親孝行篇いとうせいこう・みうらじゅん「見仏記 親孝行篇」(角川書店)を読む。「Hot Wired Japan」のCULTUREコーナーで連載中の「見仏記」がもとになっているが,シリーズ4作目になる本編は,おなじみ仏友二人っきりだけではなく,タイトル通り,親孝行プレイを実践している見仏旅行なども収録されている。このご両親あってこの息子達あり!という感じで,ユニークで楽しい仏像見学の旅。笑っているうちに知らず知らず仏像の知識が身に付く,お役立ち本でもある。

11月25~26日

静岡大学へ出張。出版科学研究所によると,10月の書籍売上は「ハリー・ポッター」の影響で前年同月比18.4%増だという。それは確かにすごいが,全国書店組合の理事会議事録を読むと,『ハリー・ポッター第4巻について,「買切り商品なのに委託と同じ普通正味ではおかしい」という意見があがり,東京組合青年部からも抗議声明が出されたことが紹介された。

下向取引委員長は「静山社から7月に発表があり,この間の日書連理事会は9月だけだった。日書連の中で議論を深めたい」と説明。萬田会長は「買切りでもいいから本を送ってという中小の声もある。流通委員会で責任販売制の議論に入っており,検討を続ける」としたほか,藤原流通改善委員長は「買切りのリスクを負うなら正味安は当然だが,具体的な数字になると意見が別れる。次回までに静山社と取次に経緯を聞いて報告する」と述べた。』とあった。

11月22~24日

週末は寒い中,七五三でまだ賑わっている写真館で記念写真を撮りました。息子は,タキシード姿で相当緊張していたようですが,普段とは違う雰囲気で,なかなか良かったです。結構な出費ではありますが,まあ,何十年かして,多少親の気持ちもわかってくれれば....。一方,親しくしていた叔母が亡くなり,水曜日にお通夜の予定。最近身近でお悔やみをいう機会が多く,なんとなく意気消沈。

11月21日

神田神保町のスターバックスでボケッとしているうちに,コパフィールドを読み終わったので,近くの三省堂で,買い洩れていたカメラジャーナル109号と最新号を入手。寒空のせいもあるが,活気があるのはスポーツ店ばかりで,古書街はなんとなく閑散としているような。

11月20日

電卓を買った。ソーラー式の関数電卓。普通の経理用の電卓なら,いくらでも転がっているのだが,我々電卓第一世代(小学生の時,カシオの3桁電卓に衝撃を受けた世代)にとって,プログラマブルの関数電卓は,夢の電卓なのだ(マイコンが出るまでは....)。私はいまだにそれを引きずっていて,今となってはほとんど用なしの関数にこだわっているわけです。実用的にも,数式通りに計算できる関数電卓の方が,慣れていて使いやすいのですね。

岩波文庫の新刊,ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」(3)を読んでいる。いまは,スペンロー家の令嬢ドーラとの秘密の婚約と,旧友スティアフォースと幼なじみエミリーの駆け落ちの場面。引っかかりのないスムーズな訳なので,200page/h程度ですっ飛ばしていても,充分に感動できる。あ,またあまり早く読んでしまうと,次のが待ちきれないな(第4巻は1月予定)。

11月19日

『東京創元社文庫復刊フェア』 東京創元社の恒例〈文庫復刊フェア〉,今年は,証拠が問題(ジェームズ・アンダースン),ガーデン殺人事件(ヴァン・ダイン),マギル卿最後の旅(クロフツ),動物好きに捧げる殺人読本(パトリシア・ハイスミス),心憑かれて(マーガレット・ミラー),彼方(ユイスマンス)以上推理文庫。地の果てから来た怪物(マレー・ラインスター),未確認原爆投下指令(ユージン・バーディック),究極のSF(E.L.ファーマン編),20億の針(ハル・クレメント),一千億の針(ハル・クレメント)以上SF文庫。ちなみに編集部によると,「今回復刊されたもののうち売れ行きのよかった著者は来年の復刊フェアでまたお目見えする可能性大」とのこと。なんだ!と思うが,この中で私自身の注目は,ユイスマンスかな。

11月18日

新しい通勤靴を買ったのはいいが,やっぱり靴ズレが....。ニフティーはbk1と提携し,オンライン総合書店「@niftyBOOKS(アット・ニフティブックス)」を開設した。12月25日までオープニング記念の送料無料キャンペーン中。特徴は,『国内最大200万タイトルの書誌データベースと2万本を超す独自の書評データベースを備え,約3万タイトル100万冊の在庫を保有する一方,取次5社と在庫データを共有化し,お客さまのご要望にお応えする出荷体制を整えております。コンビニ決済やクレジット決済など,一般的なお支払い方法のほか,@nifty IDとパスワードで支払う「iREGi(アイレジ)」が使えます。すでに@niftyのIDをお持ちの方は,その@nifty IDでお買物ができますので,クレジットカード番号入力の手間も送信の不安もありません。お支払いはアット・ニフティに届けた金融機関からとなり,万が一の不正利用でも最大10万円まで補償もついて二重の安心です。@nifty IDをお持ちでない方は,月額基本料無料の@niftyIDを登録することで利用できます』とのこと。通常1500円以下で250円の送料(Amazonは240円)と在庫量の豊富さとの兼ね合いだが。

11月15~17日

週末は寒かったですね。幼稚園で恒例のバザーがあり,狭い園庭に父母や近所の人が詰めかけ, なかなか盛況でした。我が家では,これにクッキーを出品したため,ここしばらく,おやつは試し焼きのクッキーばかりでした。

「明星」50年601枚の表紙 カラー版集英社新書の新刊「「明星」50年601枚の表紙」を読む。おなじみ,といっても最近は全然見たこともないのですが,月刊「明星」がこの10月号で創刊50周年を迎えたそうで,本書はその表紙601枚をすべて収録したもの。各年代ごとの特徴を,橋本 治氏が解説しているのだが,パラパラと表紙を見ていけば一目瞭然。1950年代映画スターの時代から,テレビ時代,アイドル時代,ふつうの女の子時代を経て,いまはジャニーズの男の子達100%である。我が青春の70年代前半は,篠山紀信氏がインパクトのある表紙写真を撮っていた頃で,山口百恵,桜田淳子,郷ひろみ,とアイドルの黄金時代であった。もちろん,八千草薫,美空ひばり,西郷輝彦,橋 幸夫など,往年のスターの若き日の写真も満載なので,老若男女問わず楽しめる。

11月14日

歌声喫茶「灯」の青春集英社新書の新刊「歌声喫茶灯の青春」(丸山明日果)を読む。歌声喫茶とは何ぞや?という人は,ここへ。著者は,昭和30年,歌声喫茶第1号として開店した「灯」の創立メンバーで歌唱指導者であった丸山里矢さんの娘。本書は,母親の若き日のことを何も知らなかった著者が,ふと見つけた一枚の写真をきっかけに,歌声喫茶界の人気者として雑誌にもしばしば取り上げられていた母親の過去を知るべく,当時の「灯」関係者を訪ね,聞き書きをまとめたもの。当時を知る人にとっては(きっと)懐かしく,私のように縁のない世代にも,歌声喫茶に渦巻いてきた今の若者達とはまったく違う熱気が感じられる楽しい本。

11月13日

岩波文庫の復刊がそろそろ書店に並ぶ頃だと思うが,今回は古いところで,「珊瑚集-仏蘭西近代抒情詩選」(永井荷風訳)や「西東詩集」(ゲーテ),「朝鮮民謡選」(金素雲訳編),「春夫詩抄」(佐藤春夫)など詩歌集が面白い。「珊瑚集」は,ボードレールやヴェルレーヌなどフランス近代詩人の作品を,荷風が美しい日本語で訳出したもの。華麗な上田 敏の「海潮音」や,ハイカラな堀口大學と比べて,着流しの詩人風の粋で優しい文体が心地よい。

11月12日

湘南の暮らしと家―ビーチサイドスタイル   エイ文庫えい文庫の新刊「湘南の暮らしと家」を読む。ビーチ・サイド・スタイルと副題にあるように,海の近くで生活する人々(サーファーやヨットマンが中心だ)の家を,そのライフスタイルとともに取材したもの。ビーチフロントで暮らす,古い家での新しい暮らし,地元建築家・ホームビルダーが建てた家,湘南のドリームハウス,湘南で暮らすということ,の各章から成り,なぜ彼らが海にこだわるのか,決して便利ではない湘南の魅力はどこにあるのか,を解説。

『家よりも外という外向き志向の時代を経て,生活の基礎である家の重要さが見直される時代を迎えている。そして,生活の中心を家と考えるのであれば,周辺の環境も大切にしたいと思うのは当然である。もちろん,それが湘南でなければならないというわけではない。『湘南スタイル』を手にした読者が,「今日は外で飲むのはやめにして早く家に帰ろうかな」と思ったり,「今度の週末は家で家族と一緒に過ごそう」
と感じてくれたらというのが,この企画のもうひとつのテーマなのだ』 皆さんの家はいかがですか?

11月11日

精神科に行こう!新潮文庫の新刊「精神科に行こう!心のカゼは軽~く治そう」(大原広軌,藤臣柊子)を読む。ストレスがたまって,辛くなったとき,どのようにしてそれを解消するか。ある人は飲酒だったり,ある人は暴力!だったり...。雑誌編集者である著者は,27歳の時に突然パニック障害の発作を起こし,その後,針や飲尿などさまざまな治療を試みるが長く効果が続かず,最後に思い切って精神科の門をたたく。そこは,それまで思っていた暗く恐ろしいイメージとは違って,明るく楽しく役立つところだった。パニック・ディスオーダーの体験や治療法など,実用的な情報もあり,「誰にでも役立つ」本なのだが,精神科に集う人々や,患者達のクスリ自慢まど,体験者ならではの話題が豊富。うつ病で同じく精神科に通っている漫画家・藤臣柊子のマンガも楽しい。

11月9~10日

幕張メッセへ行って来ました。子供に大人気のベイブレード・フェスティバル2002。ドラシェルV2が先行販売されるというので,朝早くから出かけ,これも先行販売されたラジコン式のベイブレードが早々と売り切れになるのを横目に,入場待ちの長い列に。

普通の子供向けのイベントだと,母親と子供というのが多いのですが,さすがにこの日はほとんどが父親と一緒で,出場する小学生選手を熱く応援。わが息子は,まだ出場資格もないチビなので,さっそく買ったドラシェルV2を組み立て,会場の内外でところかまわず回しまくり,みんなの迷惑となっていました。ラジコン式のRCベイブレードも体験したのですが,自由自在に加速や逆回転させることができるのには感心しましたが,これはもう「ベーゴマ」じゃないですな。帰りはポケモンセンターにも寄って,ご機嫌で帰宅したところ,カミサンは,テレビゲーム完全クリアの挑戦真っ最中。我が家は,なんなんだ。(写真は我が愛機バーニング・ケルベロス)

11月8日

野球は言葉のスポーツ誕生日,だが一つ歳をとっただけで,何もないのだ。何もないのが無事な証拠か。中公文庫の新刊「野球は言葉のスポーツ」(伊東一雄,馬立 勝)を読む。絶版となっていた新書の文庫化だが,これが野球ファンじゃなくても面白く読める。大リーグの歴史を彩った名選手・迷選手たちの名言をもとに,野球では言葉によるイメージ作りがいかに大事かをわからせてくれる。近年,なにかとサッカーに押され気味の野球だが,まだ球場からの実況中継ができなかった昔,ラジオ局のスタジオに待機したアナウンサーの元に,球場から一球ごとに電報が届けられ,予め録音された球音や歓声ともに放送されていたことなど,サッカーでは真似できないんじゃないかな。ちなみにトラブルで電報が不通になってしまったとき,アナウンサーは,復旧するまで打者にファールを打たせ続けたという....。

11月7日

不肖・宮嶋 踊る大取材線もう一点,宮嶋カメラマンの新刊文庫「不肖・宮嶋 踊る大取材線」(新潮文庫)を紹介。自ら報道カメラマンのためのバイブル?と呼ぶ「踊る大取材線」が文庫化された。子供の頃,初めて撮影した写真,鉄道写真に命をかけていた頃,赤尾 敏に死ぬまで密着し,オウム真理教の信者にはどつかれ,金丸 信は秘書まで追いかけ回し,リクルートの江副社長の得意満面な新入社員歓迎ダンスをスクープ。フォーカスや新聞社の記者やカメラマンとの鬩ぎ合いや連帯感。取材裏話満載の楽しい本。

11月6日

もし僕らのことばがウィスキーであったなら新潮文庫の新刊「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(村上春樹・村上陽子)を読む。以前,平凡社から出たものの文庫化。シングルモルトウィスキーの本場,アイラ島とアイルランドの訪問記である。ウィスキー好きにとって,蘊蓄話としては物足りないだろうが,ボウモアやラフロイグなどよく知られている蒸留所の人々とのふれ合いが興味深い。夫人の撮影による写真からも,厳しくも美しい自然と,ウィスキーとともにある人々の暮らしが感じられる。私のパソコンの横には,いつも封を切られた何本かのウィスキーが置かれている。ゆったりとした時間の感覚を味わえるのは,ウィスキーならではだ。アイラ島については,ここが詳しい

11月5日

「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(静山社)が,11月13日配本分で5刷300万部を超えるとのこと。ええと,3800円×300万部は・・・。恐ろしいことですな。今回,下巻の表紙(ダン・シュレシンジャー画)は,一切公表されていない。ストーリーの重要な部分を描いており,買った人だけのお楽しみ!というわけですが,さて我が家の本で確かめてみようと思ったら,カミサン,まだビニールも破ってないや。

11月1~4日

不肖・宮嶋のネェちゃん撮らせんかい!3連休中,近所の湘南工科大学と東海大学の大学祭に行ってきました。といっても,目的はお勉強ではなく,フリーマーケット。それも遊戯王とポケモンカード...。湘南工科大学では,子供の要らなくなったカードがかなり売られていて,息子はひとりご機嫌でした。この間,いま最も有名な報道カメラマン宮嶋茂樹氏による「不肖・宮嶋のネェちゃん撮らせんかい!」(文春文庫PLUS)を読みました。宮嶋氏の今回の任務は,ボスニアへ赴き,いまだ硝煙けぶる各地で「美女図鑑」の撮影を敢行すること。不謹慎きわまる抱腹絶倒の美女撮影記でありますが,男達は戦争で傷つき,食糧不足に悩みながらも,綺麗に化粧をし,
センスの良い服を着る女性達。ひとけのないホテルのレストランで生演奏と共に出てくる高価なフランス料理。我々の知る戦時下の生活,すなわち太平洋戦争当時の日本からは想像できない現代の都市戦争の姿がここにはあります。宮嶋氏はそれを,腐っても文明国は文明国。カンボジアなどとは違う,と言うのですが。

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2002年10月31日

2002年10月

10月31日

「図書」11月号を読みましたが,巻末に岩波文庫の赤・黄・白帯の在庫一覧が掲載されています。ざっと見たところ, 450点くらいが現役ですか。ロシア文学が28点しかないというのも寂しいですね。「岩波文庫目録」の最新版ができたようですから, 詳しくはそちらをどうぞ。同じ号に収録されている丸谷才一氏による岩波新書創刊にまつわる話も面白い。

 

10月30日

カメラジャーナルBOOKS(6)「GR読本2-21ミリ欧州大決戦編」を買いました。写真撮影に関しては素人である編集長と, 写真評論家の石原 俊氏とがヨーロッパへ行き,GR21というちょっと高級なコンパクトカメラで写真を撮ってみる,という趣向。はたして, ちゃんと撮れるのかどうか。『いつも作例を撮っている田中長徳氏の写真がうまいのは当たり前なので,それを見ても,読者の皆さんは 「いいカメラですねえ」と思うよりも,「さすがプロだ,うまいなあ」と思ってしまうのではないか。つまり,カメラの本当の性能は, プロではなく素人に撮らせてみたほうが分かるのではないか。この仮説を実証すべく,私たちはルフトハンザでヨーロッパに飛んだ。はたして, GR21は「プロにしか使いこなせないカメラ」なのか,「素人でもいい写真が撮れることのあるカメラ」なのか。結果については, 読者諸兄のご判断におまかせする』ということで,それらの写真に対する長徳氏の評価は, 『かなりのちゃんとした写真が撮影できたことには驚愕』。長徳氏による広角レンズを使用する際の注意,は実際的で参考になります。

 

10月29日

やっと買いましたよ,「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」。昨日までの品切れが嘘のように,近所の書店に山積みされていました。 買うときは気が付かなかったけれど,これは不自然な2分冊なんですな。いや,上下に分かれていることは知っていましたが, そもそも定価が2冊セット3800円しか設定されておらず,事実上分売不可なわけです。2冊セットでビニールパックされていて, 下巻のカバーに定価3800円。さすがに強気ですね。岩波文庫だったら,箱入りセット販売のものでも,書店に並ぶと分売されて歯抜け状態, ということが多いですから....。

 

10月28日

高校時代,世界史を選択しなかった私の知識は中学生以下なので,高校の先生が世界史の授業を再現した「世界史講義録」で勉強中です。 実際にこれだけの授業をやるのは大変だろうなぁ,と感心すると同時に,せっかくこれだけの情報量があるのだから, もう少し読みやすいレイアウトなら,なお楽しいのではないかと感じました。

 

10月25~27日

前日準備の際にはちょっと雲行きがあやしかったけれど,27日は快晴に恵まれ,延び延びになっていた運動会が行われました。 去年に比べて,出番は少なかったものの,騎馬戦なんて,二十数年ぶりにやりましたね。バイクやカメラなど趣味のムックで知られる 「えい出版社」より,『趣味の世界を応援する雑誌,ムック,書籍を刊行し続けてきた弊社だからこそ作れる文庫。それが「えい文庫」です。 既存文庫の枠にとらわれないカラー頁をふんだんに使用し趣味に特化した新しい文庫のスタイルを「えい文庫」は提案します』ということで, 新しい文庫シリーズ「えい文庫」創刊(えい=木へんに世)。とりあえず,「絶対ニコン主義!-なぜ僕たちはNikonに魅了されるのか」 を読みましたが,やはりこれは読むのではなくて眺める本ですな。大きなムックを抱えなくてよいので,電車読書には役立ちそうです。 オールグラビアで680円というのも良心的か。

 

10月24日

「デイヴィッド・コパフィールド」(2)を読み終わってしまったので,なにか物足りない気分。かといって, 昔読んだ新潮文庫を探し出すのも癪なので,まあ続刊を待つことにしましょう。気分を変えて,講談社+α文庫の新刊「絵を描きたいあなたへ- 道具の選び方からスケッチ旅行のノウハウまで」(永沢まこと)を読みました。これは,How To本というより, 絵を描くことの楽しさを語ったもので,確かにこんな気分で描ければ楽しいだろうなぁ,と思わせてくれます。

 

10月23日

ハリーポッターの新作。カミサンは,帰りに買ってきてよ!なんて言いましたが,こちらの本屋じゃ, 予約していなけりゃとても手に入りません。しかし,上下合わせて3800円の本が,こんなに売れるとは....。デイビッド(2)は7割方, 読み終わりました。

 

10月22日

「デイヴィッド・コパフィールド」(2)を読んでいます。話はいよいよ面白くなってきましたが,睡魔には勝てず, 電車読書は捗りませんでした。そういえば,話題の「ハリー・ポッター」主役ダニエル・ラドクリフ君。デビュー作はデビッド・ コパフィールドなんですな。DVDも出ています。

 

10月21日

「読書力」お薦め文庫本百選が,岩波書店のホームページにあります。 さすがにメジャーな作品ばかりなので,読んだことのあるものが多いのですが,町田康『くっすん大黒』(文春文庫)は知りませんでした。「・・ ・「腐れ大黒」の置物が出てくるが,どうにもバランスが悪いらしく,何回起こしてもいつの間にか倒れてしまう。 本人はこれが気になってしょうがない。そのうち我慢できなくなって捨てようと思うのだが, さて不燃ゴミなのか粗大ゴミなのかが気になってしまう。そもそもこんなものを捨てて,これを見た者がどう思うかまで考えてしまい、 どうにもうまくいかない・・・」読んでみようかと思います。

きょう発売の週刊アスキー,「ニュースの海を旅する」で後藤弘茂さんが,子連れでゲームショウは死ぬほど疲れる, だけど子供の視点になれるから新鮮な驚きがある....と書いていることに同感。 世の中プレステ全盛だけれど小学生の世界はゲームキューブ中心にまわっているとか,今度のGBAのポケモンは苦戦しそうだとか, 遊戯王って神のカードがゲームについてきたとき終わっちゃたよねとか....なんか私の感覚も小学生まで下がってきていることがよくわかりました。

 

10月18~20日

日曜日は朝方雨模様だったので,運動会も早々と延期となってしまいましたが,その後は夕方まで薄日が差すほどで,ガッカリ。 近所の公園でサッカーをしたり,自転車に乗ったり,のんびりと過ごしました。その間,岩波文庫の「清沢洌評論集」を読んでいて, 戦前の日米関係についていろいろ知ることができました。清沢は,16歳で労働移民として渡米し,当時の米国における日系移民への偏見・ 迫害を体験しながらも,アメリカ社会における理想主義を愛し, 皇室を尊敬する愛国者であるが故に排外主義を批判し国際協調をあくまで主張した国際主義者でした。清沢は,いわゆる円満な人格者ではなく, 独学・独行が育んだ強烈な自負は,狷介や野心的態度に通じ,リベラルであることは協調性の欠如を意味しがちでした。軍国主義に反対し, 経済的合理性と国際協調を重視した清沢の主張は,戦後の日本で実現されましたが, もし清沢が敗戦直前に急逝することなく戦後も活躍していたら,おそらく彼は,非武装中立や経済主義を批判し, 安全保障上の国際協力を強調したでしょう。リベラルであることは「順境にスポイルされないこと」でもあるのです。(北岡伸一『清沢洌― 日米関係への洞察』による)

 

10月17日

11月より,河出書房新社「河出文庫大活字文庫」が刊行されます。第1回配本は「中国故事物語」シリーズ3冊。 判型は従来の文庫本と同様とのこと。ところで,株式会社大活字の大活字文庫(本文22ポイント) というのは知っていますか?(文庫判ではないけれど)

 

10月16日

駅前のひっそりとした古い旅館をみると,なんで営業が続けられるのか,と思っていませんでしたか? 「駅前旅館に泊まる・・・」 を読むと,今でも商人宿としての役割を果たしていることがわかります。廃業するのは,もっぱら後継者難だとか。続いて, 東海林さだお丸かじりシリーズの新刊「ゴハンの丸かじり」を読む。なぜカンピョウ巻きは4つ切りで鉄火巻きは6つ切りなのか, 100円ショップで買った食べ物で定食を揃えてみたらいくらになるか,おせち料理の食べ方作法,我が家だけのニラ丼,など, またまた楽しい食エッセイが満載。丸かじりシリーズは,なんと20巻目。

 

10月15日

ちくま学芸文庫の新刊「駅前旅館に泊まるローカル線の旅」を読む。著者によると,『「駅前旅館」と聞くと,井伏鱒二の小説「駅前旅館」 を思い出す年配の人もいると思います。井伏鱒二が描いたのは,1950年代の東京・上野の駅前旅館です。 旅館の番頭の思い出話の形で描かれたこの小説は,三木のり平,森繁久弥主演の喜劇映画としてヒットしました。1996年に出版された 「駅前旅館は生きている」(本書の元本)は,井伏鱒二以来の駅前旅館の本として(一部で)注目されました。「関東甲信越ローカル列車の旅」 というサブタイトルにあるように,この本は,駅前旅館を訪ねる鉄道旅行記です。ぼくはこの本で新たに「鉄道民俗学」という分野を(勝手に) 確立しました。しかし,今,この本は古本屋でしか見つけることはできません。出版社である「のんぶる舎」が自己破産してしまったからです。 ぼくは,のんぶる舎から,「峠を越えたヤマメはイワナになった」,「サケはシロザケ,ヤマメはサクラ」,「風は僕の案内人 (人と甲州街道と中央本線)」,「クマの村へ行った3年2組」を出版していたのですが,出版社在庫本はすべて流失してしまいました。幸い, 「駅前旅館は生きている」は,加筆分を含めた改訂版を「駅前旅館に泊まるローカル線の旅」 として筑摩書房から文庫本として刊行してもらえることになり,すでに校了,10月12日ごろには書店に並ぶ予定です。』

 

10月11~14日

3連休ということで,町内会の運動会に出場(来週は幼稚園の運動会だ),日曜大工の真似事などバタバタ。 あまり休んだ気がしませんでした。この間,古い文庫本以外で読んだ本といえば,マーカス・フィスターの絵本 「こわくないよ にじいろのさかな」。にじいろのさかなシリーズの最新作で,重病のこぶうおを救うには悪魔の谷の赤い海草が必要。 でも悪魔の谷にはいろんな怪物魚がいて,海で一番怖いところ。にじうおと小さな青い魚は決死の冒険に出発しますが, そこで見たものは....。最近人気の「にじうお」シリーズ,絵は綺麗だけどストーリーは馴染めないとの批判もあるが, 本書はスッキリとしたお話で子供受けも良かったよう。

 

10月10日

講談社は,昨年12月より旧石器捏造問題により刊行をうち切っていた「日本の歴史」01巻の改訂版を11月中旬刊行。 旧版読者には無償交換を実施とのこと。この問題では,内容見本に推薦文を寄せた作家の丸谷才一氏が,毎日新聞で 「01巻の回収を勧告し不明を詫びる」と題した異例の文章を発表し, 「こんなひどい本を含むシリーズを世にすすめた責任は到底のがれようがない」と謝罪した上で,出版社と編集者に対し回収と絶版を求めた。 また,朝日新聞「天声人語」も丸谷氏の文章を取り上げ,「回収と絶版とは,著者,シリーズの編集委員,出版社の責務であり,良心の問題だ」 と記していた。

 

10月9日

岩波文庫別冊「読書のたのしみ」で,漫画家の坂田靖子さんによる「吾輩は猫である」の紹介がとても面白かったので(ほかの人のは, もっぱら自分の読書遍歴の披露ですな),坂田さんのホームページを見に行ってきました。 オフィシャルページにしては,手作り感満載!ですが,なかなか話題豊富で,立原道造や小川未明についてのエッセイも。この人, ホントに紹介上手であります。

 

10月8日

岩波書店ホームページの岩波テーマ館「本を読もう」を眺めていて,岩波文庫「詩を読む人のために」(三好達治)がまだ「生きて」 いることを知った。1952年,52歳の詩人は,若い人々に『詩を読み詩を愛する人はすでにして詩人であります』と語りかけ,藤村,泣菫, 白秋,朔太郎,中也など近代詩人の作品について,丁寧な解説を試みている。本書は優れたアンソロジーであるとともに, 『詩は一本立ちの孤独な心でよむべきものです』という詩人の楽しい「詩の読み方教本」でもある。

 

10月7日

新橋駅前の大古本市では,岩波文庫もいくらか出ていましたが,戦前あるいは★値段表示の古いものは目に付きませんでした。 国立図書館の近代デジタルライブラリーが開館。 画像ファイルなので見づらいものも多いですが,書名だけ知っていてこんな本だったのか,というものもたくさんあって,なかなか楽しいですよ。 版権の関係があり,今のところ明治期のものだけです。

 

10月4~6日

7日~10日に新橋駅前で恒例の大古本市があり準備が進んでいましたが,ここのところ毎回雨に祟られておりますね。 とりあえず文庫本の出品状況はチェックしてきます。

カメラジャーナル114号を読みました。カメラメーカーは,銀塩カメラ(フィルムを使うカメラ) からデジタルカメラへの移行は既に終了したと考えており,あとはいつ生産を止めるかだけだ....ということで, かつてのレコードからCDへの移行と同様,急速に転換が進みそうな感じです。たしかに, 普通のサービスプリントの品質さえ今並みに確保されれば(すでにほとんどクリアされていそうです), 取扱いが面倒なフィルムを使う理由はなく,従来の資産としてのカメラをどうするか,といった問題が残るだけですね。もっとも, デジタルカメラは,デジタルビデオカメラと同様,撮影者が何もできない,という点が,最大のつまらなさではありますが, それは実用性とは関係がない話ですし。

 

10月3日

別冊宝島の新刊「僕たちの好きなガンダム 全キャラクター徹底解析編」を読んでいる。アムロやシャアといった主役級から, たったひと言のセリフしかあてがわれなかったエキストラまで150余名を紹介。「ガンダム」を人間のドラマとして捉え, 「ガンダムが人生の比喩なのではない。人生がガンダムの比喩なのだ」・・・ガンダムへ少しでも思い入れのある方にはお薦め。

 

10月2日

岩波文庫の新刊「西欧紀行 祖国を顧みて」(河上 肇)を読んでいる。およそ90年前の洋行だが, これは紀行文というより西洋文化に対する日本論である。かの地で出会った島崎藤村が「もはや私は自分の皮膚の色も,自分の髪の毛の色も, そんなことは忘れて暮らすようになった」というようにパリの生活に馴染んでいたのに対して,河上には「日本には日本固有のですね, まったくヨーロッパと違った優秀な文明があると考えなければ,私共の立場はなくなります」といった東洋対西洋の意識があらわで,藤村が 「小さな反抗心は捨てようじゃありませんか。もっとヨーロッパをよく知ろうじゃありませんか」と言うと,「愛国心を忘れないでください」 と河上から叱られたという。

 

10月1日

本好きには馴染みのある葦書房でとんだ騒動が。(毎日新聞)『地方出版界の雄として知られる福岡市の「葦書房」社長, 三原浩良氏が社主(前社長の元妻)に社長職を解任され,反発した従業員8人全員が30日限りで退社することになった。新社長は社主が務める。 この混乱で,同社の前途を危ぶむ声もある。同社は有限会社。関係者によると,出資金は前社長の故・久本三多氏から3人の子に譲渡されたが, 久本氏の元妻がこれを譲り受け,法的な社長の選任権は社主である元妻にある。三原氏は8月,社主から一方的に解任を言い渡されたという。 葦書房は久本氏らが70年に創業。ヤマ(炭坑)の絵で知られる故・山本作兵衛画文「筑豊炭坑繪巻」(73年),上野英信ら監修の 「写真万葉録・筑豊」全10巻(84~86年)などを出し,九州の近代史発掘に力を注いだ。94年に久本氏が死去。 親交があった三原氏が社長となってからも,水俣病研究会編「水俣病事件資料集」(96年,毎日出版文化賞),渡辺京二「逝きし世の面影」 (98年,和辻哲郎文化賞)など意欲的な本づくりで地方出版界をリードした。最近は「近世紀行文集成」(全6巻) 刊行を始めるなど年間約50点を刊行。経営は比較的順調だったという。三原氏は「残念な結果になった。 著者や関係者の方にご迷惑をかけないよう,葦書房が続くことを願っています」と話した。一方,社主は「経営が悪化している」と主張。 「来年以降も改善される見通しがないので,私なりに経営改善したい。社員が辞めることについては予想もしない事態で,引き止めようもない」 と話している。』

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2002年09月30日

2002年9月

9月30日

残った夏休みの宿題をやってるような気分で,岩波文庫「回想  子規・漱石」(高浜虚子)を読む。松山の中学生だった高浜虚子が, 当時大学生であった正岡子規や,松山中学に赴任してきた夏目漱石に出会った時の思い出話とその後の交流をまとめたもの。虚子は明治7年, 松山藩士の四男として松山市に生まれる。尋常中学校で同級の碧梧桐を通じて正岡子規に師事し,明治30年創刊の『ホトトギス』に寄稿。 子規の死後は『ホトトギス』を継承した。のちに碧梧桐の「新傾向」に対し,「守旧派」として対抗した。「虚子」とは, 本名の清をつめて子規が命名したもの。子供の健康上の理由で明治43年より鎌倉由比ガ浜に居を構え,寿福寺にお墓がある。

「岩波文庫解説目録」(在庫目録)の2002年版は,9月末に出来上がります(今年からは年1回の発行になります)とのこと。 出来たかな?

 

9月27~29日

週刊アスキー連載「カオスだもんね」の最新刊第8巻を読む。ガンプラ製作から始まって, 自家製ビールやバチンコの秘密など2年位前のネタを収録。このころは,著者水口画伯の家庭問題?,担当編集者アカザー氏の事故など, カオスチーム激動の時期であった。そんなわけで,いまとなってはちょっとツライ話もあるが,再起した画伯に今後も期待。

 

9月26日

岩波書店から「デイヴィッド・コパフィールド」の刊行について,『なにぶん長い小説であり,今回は新訳ですので, 毎月刊行というわけにはなかなかいきません。石塚先生にも頑張っていただいていますが,ひと月おきの刊行が精一杯というのが実情です』 というのは,ずいぶん正直な。『第2冊目では,愛のむずかしさ・すれ違いがテーマのひとつとしてあるようにも思えます。ベッツィ伯母さん, エミリー,マーサ,アニー,ミス・ダートルといった女性登場人物のそれぞれの愛のあり方が, たがいに暗示的に関わり合ってそれを浮かび上がらせているように感じられるのです。それから,ユライア・ヒープ,ミス・モウチャーといった, ひどく印象に残るキャラクターも登場します。ぜひ,ご一読ください』 ぜひ読みましょう。

〈全国書店新聞〉【井狩春男の必殺まるす固め】が面白い。『年に1度のオバケが出る。10月23日発売予定の『ハリー・ ポッターと炎のゴブレット』上・下(静山社)だ。これは,絶対に売れてくれなければ困る。万にひとつ, 半分も売れなかったら業界は大打撃を受ける。書店さんに予約を取るようにお願いし,その分については,部数は満額回答する。買切だけど……。 静山社が考えたこの販売方法は結果オーライだった。200万部も予約が集まったと聞いている。ホントでないにしても, 近い数字であることはマチガイないところだろう。人は,予約することに慣れた。・・・』以下は こちらで。

 

9月25日

「ヨーロッパホラー&ファンタジー・ガイド」を読み終わったのだが, やはり印象に残るのはルードウィッヒ2世とカプチン教会のカタコンベ。有名なロザリア・ ロンバルドの遺体にまつわる話も。新しいズーム(Nikon AF-S24-85)で撮った写真がいくつか出来上がってきましたが, 以前使っていた24-120や28-135(これはSIGMAだ)に比べてハッキリクッキリな写りに満足。

 

9月24日

講談社+α文庫の新刊「ヨーロッパホラー&ファンタジー・ガイド」(荒俣 宏)を読んでいます。青ひげ城,怪物ゴーレム, 狂王ルードウィッヒ,ドラキュラなど,ヨーロッパ各地の「怪しい場所」を巡るかなり実用的な観光案内。写真が豊富で嬉しい。 ちょっと気持ちが悪くなるものもあるが,こんな怪奇ツアーがあったら楽しそうだ。

 

9月20~23日

連休続きで,調子が狂っていますが,21,22日と幕張メッセの東京ゲームショーに行ってきました。いやあ, 土日それぞれ6万人ほどの人出だったようで,人気ブースの前は通り抜けるのも大変といった感じ。私は,子連れのみ入場でき, 比較的空いているキッズコーナーに常駐し,そこからときどきメイン会場へ出撃していました。相変わらずコスプレな人も多数いて, 息子はブラックマジシャンガール(みたいな人)がいた!とか結構面白がっていたようです。私はもう少し, コンパニオンのお姉様方ともお話ししたかったのですが....。3日前から並んでいた人もいて, 会場周辺には討ち死にし路上で眠り込んでいる人多数。お疲れ様でした。

 

9月19日

「どこへ行っても三歩で忘れる鳥頭紀行―くりくり編」(西原理恵子,ゲッツ板谷,鴨志田 穣)について。「サイバラりえぞうが, ゲッツ,カモちゃんを引き連れて,ミャンマーで出家し,九州でタコを釣り,ドイツへハネムーンに飛ぶ!悟りを開いたりえぞうが、 人生相談もしてくれて…。」ということなのだが,「鳥頭紀行ぜんぶ」や「ジャングル編」にくらべて,今ひとつ毒がない。まあ, 結婚式にはある種の?感動はあるが,本書はゲッツに頼りっきり。これからは子供を含めてぜひ家庭内のゴタゴタをふたたび....。

 

9月18日

前から気になっていた「レンズ汎神論」(飯田 鉄,日本カメラ社)を読む(最近,文庫ばかり買っている身には, 税込2940円がちとこたえる)。「カメラに装着されたレンズというのも不思議で,様々な眺めの光は通すが, 通したことの痕跡はレンズには残らない。レンズは幾多の光景を眺めたかもしれないが,目前には大きなレンズの局面があるだけだ。」 なかなかいいことを言いますね。有名なクラッシックレンズから,ジャンクとして売られているようなレンズまで, 豊富な作例と共に記憶に残ったさまざまなレンズを紹介。たしかに,大口径レンズの得も言われぬ輝きを見つめていると, 引き込まれそうになります。最近の枚数ばかり多くてレンズが小さくて何処にあるのかわからないようなズームには, 愛着が湧きませんが....。

 

9月17日

bk1では,村上春樹新刊「海辺のカフカ」刊行記念の 書評コンテストを実施中です。応募は10月3日まで。大賞1名にbk1ポイント10000ポイント,優秀賞2名に5000ポイント, 参加者全員に新潮社特製ブックカバー(革製・文庫用)をプレゼントとのこと。文字数は,600~800字です。「海辺のカフカ」公式サイトもあります。

 

9月12~16日

先週後半より,福島へ出張していました。一人で長時間電車や飛行機に乗る際,何を読むかというのは難しい問題ですね。 なかなか駅構内の書店では読みたいものが見つからないし(さすがに上野駅では岩波文庫も一通り揃っています)。 今回は身軽に行きたかったので,雑誌など数冊抱えてパラパラ眺めていたのですが,この間出た「読書のたのしみ」(岩波文庫編集部) など持っていけばよかったかなと反省。

 

9月11日

チョートク氏といえば,ここ数ヶ月,新橋駅近くの文教堂に,彼が主筆を務める月刊「カメラジャーナル」 のバックナンバーが増えたなぁ,と思っていたのですが,「カメラジャーナル」の書店紹介みたいな企画の中で,ここを取り上げていたのですね。 まあ,入手しやすくなったのは歓迎。

光文社文庫が創刊18周年を迎えた。はじめは,あのギラギラの帯にビックリし,その後もポツポツと出る「趣味本」 を手にしてきた光文社文庫だが,今回イメージキャラクターに「チャールズ・チャップリン」を起用して新たなスタートを切るという。 『光文社文庫の最大の魅力は,なんと言っても,高いエンターテインメント性です。そこで,その魅力を体現するシンボルとして相応しいのは, 「上質なエンターテインメント」の象徴と言えるチャールズ・チャップリンしかないと考えました。堅苦しくなく,でも, 流行りモノのキャラクターとは異なる,時代に媚びない普遍性を持ったシンボル。しかも,身軽で自由気ままなイメージのあるチャップリンは, 光文社文庫にピッタリです。今回のキャンペーンで登場するチャップリンは,必ず光文社文庫を手にして現れ, その豊かな表情の変化を見せてくれます。チャップリンは,かつて「自分の最高傑作は?」と聞かれ,「次回だ」と答えたそうです。残念ながら, 偉大なるチャップリンの次回作が発表されることはもうありませんが,チャップリンも夢中になる(?) 光文社文庫の上質なエンターテインメントが,皆さまにとっての「最高傑作」になれることを願っております。』 まあ,チャップリンが, 迷惑だ,ということももう言えないわけだが....。

 

9月10日

皆さんは,初めて自分で撮った写真を覚えていますか。私は写真好きだった祖父のカメラを, いろいろ小さい頃からいじくりまわしていたのですが,一番古い「作品」として残っているのは, 小学校の遠足で小田原城や同級生などを撮ったもの。もちろん30数年前のこと,モノクロで距離も露出も目測でしたが, 今見てもなかなか良い出来で,あのセンスは何処へいってしまったのだろう....ということはともかくとして,それ以降, つねにカメラは私の傍にありました。現在のスタイルは, オートフォーカスのカメラと超音波モーターの高速ズームレンズという軟弱の極みではありますが,隙あらば這い出そうとする, かつてのマニュアル操作の喜びを,もっぱら経済的な理由で押さえ込んでいるのです。今日読んだ岩波アクティブ新書の新刊「考えるピント」 (田中長徳)は,私のようなカメラファンに,自分でピントを合わせて撮る楽しみ思い出そうと呼びかける本。チョートク本に馴染みの人には, いつもながらの節回しを確認するだけで,あまり役には....。

 

9月9日

岩波文庫新刊「サキャ格言集」。著者サキャ・パンディタのサキャは土地の名で(チベットのラマたちは,自分の出身の寺や屋敷の名前, 地位などを名字のようにして使う習慣がある),本名はクンガ・ゲルツェン。サキャ派(Sa skya)は,クンチョク・ギェルポ (1034~1102)が在家の密教道場として創建したサキャ寺を本拠とする宗派で,クン氏を施主とし,妻帯して後継者を設けた。サキャ・ パンディタは4代目。1182年に生まれ,幼くして顕密の教えを学び,23歳の時進んだ学問を求めてインドに赴いた。 そこで厳しい学習を通じて五明を修得し,学位を得てチベット随一の智者となった。1239年にモンゴル族の元がチベットに侵攻してきた。 元軍は引き上げるに際して,使者をよこすように言い残し,その使者に選ばれたのがサキャであった。サキャは,まだ幼少だった甥のドゴン・ パクパ(5代目)を伴い交渉に赴き,チベットはなんとか持ちこたえることができた。その後,ドゴン・パクパは元朝のフビライの帝師となって, チベット支配を代行することになる。サキャは1251年,金剛杵と金鈴を胸部で交差させた姿で亡くなった,その時, 金色の光が四方に広がり大空には吉兆が現れたという。火葬にした際に煙は渦を巻いて虹と化し, 葬儀に参列した人々は聖なる音楽が鳴り響くのを聴いた。その遺灰は多くの仏舎利となったとされる。昨年,敦煌の莫高窟北区洞窟でバスパ文 「サキャ格言」発見という報があり,それによると,「サキャ格言」は,元代にはすでにモンゴル語訳本が出され,その後, 数種類の言語に訳されて出版されると同時に,バスパ文,回鶻モンゴル古文,タタール・モンゴル古文で印刷されて伝わり, モンゴル民族に多大な影響を与えて広まった。敦煌本「サキャ格言」は厚手の宣紙に印刷されており,幅25cm,現存する長さは17cmで, もとの文献の中ほど部分で,出土した時は形がばらばらの3枚の紙だった。注意深く合わせた結果,印刷された文字が13行あることが判明, うち11行が読み取れた。完璧なのは2行のみで,あとはそれぞれ傷んでいるとのこと。

 

9月6~8日

夏休みも終わったというのに,結局また週末は近所のプールに連れ出され,最後の一泳ぎを楽しんできました。その合間,新宿へ行き, 使わなくなったレンズ数本を売り,新しいコンパクトな標準ズームレンズを購入。ここ20年ほど本は売ったことはありませんが, カメラやレンズは結構売っています。資金さえあれば全部抱え込んでいるところなのですが....。ついでに秋葉原へ行き, ソフト屋でゲームボーイアドヴァンスの「遊戯王」激安品を発見。それまであそこにつれてけ,ここにつれてけと言っていた子供が, これ買ったらもう用がないから電車で家へ帰ろう....だって。

 

9月5日

モーパッサンについて,荷風門下の小門勝二が,「モンソー公園には,荷風の私淑したモーパッサンの石像が建てられていた。 この静かな高級住宅街の中にある公園を,モーパッサンが生前愛したように,荷風もまた好んで散歩をし,有名は「モーパッサンの石像を拝す」 を書いた。・・・わたくしも荷風の教えにしたがって,モンソー公園に朝の散歩をこころみた。そしてそれを繰り返しているうちに, 一つの発見をした。それはモーパッサンの石像が,エッフェル塔にそっぽを向いて建てられていたことだ。 モーパッサンのエッフェル塔ぎらいは有名で,彼はそのためパリから逃げだした。それで設計者は,彼の目にエッフェル塔が映らないように, たとえ石の目とはいえ,心をくだいたにちがいない。へそまがりを,死んだあとまで,へそまがりとして通させるところに, フランス人気質があふれていて,わたくしはそれに感動した。荷風は四十数日間,パリの町を歩きまわったのであったが,その間, いちどもエッフェル塔にはのぼらなかった。モーパッサンの心情を踏襲したからであった。」と書いている。

 

9月4日

岩波文庫新刊「モーパッサン短篇選」を読む。モーパッサンの作品は,岩波文庫創刊の昭和2年に「水の上」が刊行されて以来, 早い時期から多くの短篇,中篇が取り上げられてきた。今回久しぶりの新訳,新編集での登場。当然ながら,爽やかな読後感とはならないが, 一度読み始めると止めることはできない。モーパッサンの執筆活動は1880年代の短い時期であったが,日本ではすぐに翻訳され, 明治期に230点もの翻訳発表があったという。岩波文庫では現在,戦前訳の「脂肪の塊」しか在庫がなく,古書店でも「モントリオル」 がなかなか見つからないと言われている。

モーパッサンの翻訳では,青柳瑞穂が有名。甲州に生まれ,骨董蒐集の楽しさを語った随筆「ささやかな日本発掘」で読売文学賞を受賞。 戦前から戦後にかけては,阿佐ヶ谷にあった青柳の自宅に井伏鱒二,太宰治らが出入りし,「阿佐ヶ谷会」と呼ばれる文壇サロンとなっていた。 夫人と共に裕福な家に生まれ,フランス小説の翻訳や骨董を趣味としていた青柳の仕事は,当時翻訳に対する評価が低かったこともあり, 文学者として正当な評価を得られなかった感がある。しかも,青柳は骨董蒐集の金を稼ぐために, 本来自分の好きでもない作家のものまで翻訳するようになっていた。戦後の翻訳ブームのなかで,印税はどんどん入ってくるが, すべて骨董につぎ込んでしまう。ついに夫人は「もう疲れた」といって自殺。青柳は,若き日の澁澤龍彦と共訳で「怪奇小説傑作集・フランス篇」 を翻訳するなど,怪奇・幻想文学に対する志向があったようで,美しい文体の裏には,モーパッサンと同様の狂気が潜んでいそうだ。

 

9月3日

続けて,中公文庫BIBLIOの新刊「日本の星 星の方言集」(野尻抱影)を読む。 抱影が30年余りかけて各地に伝わる星の和名700種を収集し,その語源を求めたもの。一瞥,普通の星の名もあやしい私にとって, 取っつきにくい本かと思われたが,次第に各地方の生活感あふれるユニークな星の名に惹きつけられ,読み通してしまった。圧倒的に多いのが, 農業や漁業に関わる名前で,星が人々の生活の中に活きていた時代が偲ばれる。

 

9月1~2日

中公文庫BIBLIOの新刊「星三百六十五夜 秋」(野尻抱影)を読む。中公文庫BIBLIOは,「モダンでクール」 と自讃するように,なかなか瀟洒なデザインで,表紙も柔らかく手に馴染むのは好感。野尻抱影(のじり・ほうえい 1885~1977) は横浜に生まれ,早大で同級の相馬御風主宰「白百合」に翻訳を載せたのが文学者としての出発。星に関する夥しい著作がある。 作家の大仏次郎は実弟。本書は9月から11月まで,1日1話の星に関わるエッセイをまとめたもの。 78年初版の中公文庫版を一部改版したものだが,元文庫とは体裁も構成も異なるのに,奥付に初版78年, 改版02年とのみ記されているのはちょっと違和感あり。

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2002年08月31日

2002年8月

8月28~31日

夏休みも最後の連休,私は子供連れで連日プール通い。帰ってきたら肝試し大会(夜,近所の公園や空き地に私が目印を置いてきて, 子供が懐中電灯をもってそれを探して取ってくる遊び?)。さすがに疲れがたまっているなぁと感じてはいますが,ここが頑張りどころ!

新潮文庫の新刊「喜遊曲,鳴りやまず 齋藤秀雄の生涯」(中丸美繪)を読みました。 齋藤さんはサイトウキネンオーケストラや小澤征爾さんの先生としてよく知られていますが,わが国のオーケストラ育ての親の一人で, 指揮法の確立に力を注ぎました。その妥協を許さない一徹さで,オーケストラの楽員たちから敬遠され, 退団を余儀なくされたこともありましたが,子供達への音楽教育の重要さを説き,桐朋学園音楽学部の創設に尽力し, 多くの世界的な演奏家を育て上げました。本書は当時の団員,関係者,学生達からの証言をうまくまとめており, 齋藤さんの異常なほどの音楽に対する情熱とこだわりが読み手に強烈な印象を与えます。 日本でプロのオーケストラの首席チェロ奏者をつとめながら, ドイツで名手フォイアマンの門をたたいたとき子供並みの初級コースで学ばねばならなかった屈辱, 大戦当時ドイツから日本へ亡命したユダヤ人名指揮者ローゼンシュトックの厳しい教え。朝比奈隆氏の,「齋藤秀雄亡き後, 日本には指揮の指導者がいなくなった」との言葉。子供への音楽教育で重要なのは,「一に教師,二に教師,三に親で四に子供」....。 あらためて齋藤氏の果たした大きな役割を痛感するとともに,なにか読んでいるうちに勇気が湧いてくる本でもあります。

 

8月27日

9月号の「図書」は,岩波新書新赤版800点刊行記念号ということで,座談会や過去の注目されるべき書目について, いろいろ書かれている。「新書」という叢書名は,創刊(1938年11月20日)の二ヶ月前に決まったとのこと。以来,赤版101点, 青版1000点,黄版396点,新赤版800点の合わせて2300点が刊行されました。岩波新書については,十方土の資料集に詳しい説明あり。

 

8月26日

小学館文庫の新刊「鬼六の将棋十八番勝負」(団 鬼六)を読む。鬼六先生は,先に出た「真剣士 小池重明」 など一連の将棋書でもおわかりの通り,アマ六段の実力を誇る作家棋士。その鬼六先生が,飛車落ちで羽生善治,大山康晴, 升田幸三らトップ棋士達と戦い,平手で谷川治惠や高橋 和ら女流と五番勝負。その詳しい自戦記なのだが,面白いのは, 棋譜よりも対戦した棋士達を肴にした独自の棋士論。将棋などわからなくても楽しめる。その将棋への情熱には感服。

 

8月23~25日

夏休みもあと一週間。とっくに学校とは縁が切れてしまったこの歳になっても,なんとなくこの時期,焦燥感があります,私の場合。 ゆく夏を惜しむべく,土曜,日曜と海浜公園のプールへ。お盆時期に比べると半分の人出といった感じですが,最後まで頑張るつもり....。。

腕時計の販売が不振だといわれています。携帯電話の普及によるところが大きいのですが,それに反して, 書店では腕時計雑誌やムックの売れ行きは好調です。必要に迫られて腕時計を買うことがほとんどなくなったいま,腕時計を買う意味, こだわりがどこにあるのかを,光文社新書新刊「腕時計一生もの」(並木浩一)は語っています。 『自分だけにふさわしい機械式腕時計をじっくり選ぶ―そんな贅沢を実現するガイドブックの決定版!』ということで,腕時計の歴史, メカニズム(とくに機械式),ブランドイメージなど,ごく初歩的な内容ですが,現在の腕時計事情がよくわかります。高価な時計というと, 宝石で飾られた成金趣味を思い浮かべることが多いですが, ほんとうに高級な時計は高度なメカニズムとそれを実現する職人芸によって造られているのです。

 

8月23日

岩波文庫新訳「デイヴィッド・コパフィールド」を読みました。以前読んだ「旧訳」が出たのは昭和25年だから,50年ぶりの登場。 まだ第一巻しか出ていませんが,この新訳はとても読みやすくなっているので,もう一度読んでみる価値があると思います。ストーリーは, ディケンズ・ フェローシップ日本支部のページに詳しいほか,松岡正剛の千夜千冊にも情報あり。

 

8月22日

みなさん,クーパーの「開拓者たち」は読み終わりましたか? 残暑厳しき中,私は遅々として進んでいません。 これから面白くなるのだろうか....。本書はアメリカの西部開拓時代初期の物語で,舞台はまだ森や湖,そして動物たちと, 大自然にあふれていたニューヨーク州クーパーズタウン。西部劇のハシリみたいな感じで,ドーデの描いた「タルタラン・ド・タラスコン」 は本書を愛読していたらしいです^^;;。野球発祥の地として知られるクーパーズタウンは,その名の通り,著者の父親が開拓したところ。 アメリカのスコットとも呼ばれるジェームズ・フェニモア・クーパーは,大地主の息子だったわけですね。本日現在のクーパーズタウンの様子は, こんな感じ。「レザー・ストッキング物語」 という5部作の第1作目で,映画ラスト・オブ・モヒカンの原作である第2作「モヒカン族の最後」はハヤカワ文庫から出ています。

 

8月21日

終戦直後,長野県立松本深志高校教諭であった古田武彦氏によると,『わたしはその頃,週2時間の「国語(乙)」で, 1年間の大部分を使って「ソクラテスの弁明」(岩波文庫)を教科書代りに使った。戦後,未だ発刊なく,松本市内の印刷所で全版の複製を作り, 教科書代りのみに使用することの許可を岩波書店に求めたところ,直ちに快諾の返書が来て感銘した』とのこと。ちょっといい話....。

 

8月20日

「鳴雪自叙伝」を読み終えたので,新潮文庫「美と共同体と東大闘争」(三島由紀夫,東大全共闘)を読む。 三島由紀夫自決の前年,学生運動真っ盛りの1969年5月13日,東大教養学部で行われた三島由紀夫と東大全共闘の討論会の記録。 そのテーマは,時間と空間,解放区,美と芸術,天皇など雑多で,進行も混沌としているが,「美を現実の中で完結させたい」 という三島に対して,それを醜悪とする全共闘。両者の真摯な姿勢には,一種感銘と隔世の感を覚える。 その伝説の討論本が一昨年30年振りに文庫として復活したのだが,あまり話題にならなかったよう。 当時の雰囲気をよく伝えているものの,私を含み,今の若者がこれを読んでも,まず唖然とした感じを持つのではないか。以下覚書。
○全共闘とは・・・1968年頃から各地で学園紛争が盛んになり,多くの大学でバリケード封鎖やストが起こった。日大, 東大では全学共闘会議(全共闘)が結成され,セクトに属さないが政治的意識を持ったノンセクトラジカルと呼ばれる一般学生らも多く参加した。 1969年1月東大安田講堂での攻防戦を前に, 東大全共闘から主要な建物の死守を任されていた革マル派が機動隊導入前に逃亡するという事態が起こり, もともと他派から煙たがられていた革マル派の孤立は決定的となった。結局「安田城」は落城するが,1969年9月,民青と革マル派を除く, 8派が参加して日比谷野外音楽堂で全国全共闘連合が結成された。これには,逮捕拘留中の山本義隆・東大全共闘議長が議長,秋田明大・ 日大全共闘議長が副議長に選ばれたが,この連合は全く性格の違うセクトが連合した不安定なものであり,翌年には山本議長が辞任し, セクト色が強まったことで,一般学生から離れていき消滅してしまうことになる。
○解放区とは・・・お茶の水駅を中心とする神田地区に解放区が現れたのは1969年1月18日と19日のこと。 ちょうど東大の安田講堂で学生と機動隊の攻防が行われた日である。解放区の主力は地元の日大,中央大,明大の2000人あまりの学生。 彼等は機動隊が東大に集中している隙を狙い,お茶の水駅周辺を制圧した。路上にバリケードを作り,交番を襲う。 明大学生会館において解放区放送も始まった。学生達は解放区の中の無警察状態の中で思うままにデモを行ない,演説をし,集会に拍手を送る。 それまでは機動隊に取り囲まれた中での半ば規制されたデモしかできなかった。そのため解放区の中で学生達は警察権力から解放され, それまでの気分を爆発させた。それは東大攻防戦を終らせた機動隊によって神田解放区が制圧された20日午前0時まで行われた。神田解放区は, また神田カルチェ・ラタン闘争とも言われる。カルチェ・ ラタンとはフランスの学生街の意味で1968年5月にパリ大学を中心に街頭バリケードをくみ,警察との衝突が繰り返し行われていた場所だ。 それを日本でも行おうとしてできたのが解放区だった。

 

8月19日

岩波文庫「鳴雪自叙伝」を読む。著者・内藤鳴雪は,1847年松山藩士の長男として江戸藩邸で生まれた。明治22年常磐会 (旧松山藩主久松家が旧藩子弟の育成のために作った)宿舎の監督になってから,20歳歳下の正岡子規らの文学グループに接し,俳句に熱中。 「馬方の馬に物いふ寒さかな」など,洒脱な句風で知られた。子規からも翁と尊称され,各地の句会にも出かけ親しまれた。本書は,晩年の翁が, 江戸で生まれ,松山・京都での少年時代を回想したもの(実際は維新,子規との出会いまで語っているのだが, まだここまでしか読んでいないのだ)。地方藩のそこそこ名のある家に育った子供の目から見た当時の士族の生活が, 幕末の揺れ動く藩政とも絡んで,とても面白く描かれていて楽しめた。ちなみに明治期に出た大学館の文庫シリーズ俳句入門叢書(鳴雪の 「俳句独習」や「芭蕉俳句評釈」を所収)については,奥村氏の「文庫パノラマ館」に解説あり。

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8月13~18日

夏休みも真っ盛り。私は(ほとんど定期券で行けるほど近いのにもかかわらず)息子と泊まり込みでTDL, お台場方面へと行ってきました(毎年同じパターンのような気もします)。先週,カミサンと息子でTDLに行ったときは,ドナルドの 「スプラッシュ」が強風のため中止でがっかりだったらしいですが,木・金曜日は天気に恵まれ,バッチリ楽しませてもらいました。しかし, あの猛暑の中,国内国外からTDLに集まった皆さん,本当にご苦労さん。そこここに横たわっている討ち死にした?お父さんは, 無事に家に帰れたでしょうか。私も夜ホテルに戻ったら,さすがにグッタリとしていました。それでも, 土曜日は国際展示場の鉄道模型フェアを覗いたあと,お台場内でのんびり。ヴィーナスフォート仮設のエアすべり台などでしばらく遊んでから, ゆりかもめに乗って帰ってきました。我々が子供のころは,せいぜいクレヨンや色鉛筆で描く絵日記くらいしかありませんでしたが, 幼稚園からもらったのは,チケットや写真,シールなどをべたべた貼り込むスクラップブックのようなもの。これは, ずいぶん賑やかになってきました。

 

8月12日

河出書房新社は,9月4日刊行の「河出文庫」から1年間,帯のマークを「とり・みき」書き下ろしの漫画に。 12回で完結するストーリーになるとのこと。とり・みきさんは,1958年熊本県生まれ。79年少年チャンピオン新人マンガ賞入選。 エッセイ的な物や,シリアスなSFマンガも手がけるが,非常にマニアックなネタを使う生粋のギャグ漫画家であり,ギャグの特徴として, ギャグを発したコマがそれまでの時間の流れを一瞬止めてしまい,その連続でマンガが成立するという「微妙にはずした」表現を持ち, スタイルとしては往年の吾妻ひでおにも通ずるセンスをもっている数少ない「理数系ギャグの使い手」の一人である(これは受け売り)。 代表作は,「クルクルくりん」,「るんるんカンパニー」,「吉田さん危機一髪」など。ほかにエッセイ集として,「とりの眼ひとの眼」, 「とり・みきの大雑貨事典」がある。

 

8月8~11日

わたしは子供の頃,親から本を読んでもらった記憶があまりない。それでもいろいろ本がまわりに転がっていたので, 自然に本に親しむようになった気はする。父は昔から,皆に読書家だと思われていたようで,それで私も本好きになったのかな, などと親戚のおばさん達から言われたこともあったが,少し大きくなると,自分の読みたい本と親の持っている本は全然趣味が違う, ということに気付くのだ。だから,読書一代。わたし自身も,いくら本をため込んでいたとしても, 子供がそれを喜んで読むなどとは思っていない。ところが逆に,いま子供に読みきかせてやっている童話や絵本は,とても面白いのだ。 こういう本をなぜ小さい頃に読まなかったのだろう,と残念に思う。たとえば,有名な「いやいやえん」(昨日読んであげたのだ)。 幼稚園で読んでもらって面白かったので,家でも読んで欲しいという。『チューリップ保育園に通うしげるは,なんでも「いやいや」。 いつも我がままを言ってはお母さんを困らせてばかり。赤い車がいや,お姉ちゃんのおさがりの洋服がいや, サンドイッチじゃないおべんとうはいや,そして保育園に行くのもいやいや。そこでお母さんは,しげるを「いやいやえん」 に連れて行くことにする。そこは,嫌なことはしなくてもよいという不思議な保育園なのだが....」。ちょっと教訓的ではあるけれど, 空想と現実がごっちゃになった話は確かに面白い。そして,読んでいて気が付くのは,これがずいぶん前に書かれた話らしいということ。 ご不浄とか,お十時とか,いまでは聞かれないことばがいろいろ出てくる。クルマでお出かけというのもないし, もちろんテレビゲームやパソコンも出てこない。奥付を見ると,1962年初版。ここに書かれている子供の生活は, 私の子供の頃そのものなのだ。そんなお話が,いまの子供にも違和感なく受け入れられているのが,また面白い。

 

8月7日

日本で一番昆布好きなところは,富山と沖縄だという。関東の味付けは鰹節メインで,関西は昆布というのもご承知の通り。ところが, 昆布はほとんど北海道でしかとれない。なんで遠く離れたところで昆布がさかんに使われるのか? といった謎を取り上げているのが, 講談社文庫の新刊「どうころんでも社会科」(清水義範・西原理恵子)。ほかに,知多半島はそんなに田舎か?,リアス式海岸の由来と歴史, ダムとコンビナート,などなどちょっと懐かしい地理や歴史の話題を大人の目であらためて振り返ってみた楽しい本。

 

8月6日

人気殺到で,図書館でも1~2カ月待ちと言われていた菊池寛全集所収「真珠夫人」。最初は,復刊ドットコムで投票が集まり, 新潮社からオンデマンド出版(5500円!)されることになった,という話でしたが,7月に扶桑社(ノベライズ版)とコスモブックス, 8月に文春文庫(当然?)と新潮文庫から立て続けに刊行されてしまいました。放送が終わって2カ月も経つのに,商魂たくましいというか, 岩波にも見習って欲しいというか....。大正期(1920年)の新聞連載小説で,「船成金の荘田は金の力で父親の男爵を借金地獄に陥れ, 真珠のような美貌を誇る瑠璃子を後妻にする。しかしその日から, 他人の前では媚態を振りまいても裏では頑なに処女を守り抜く瑠璃子の復讐が始まった。エゴイズムと奸計, 横恋慕と真情が綾なす男女の復讐劇を,当時の風俗を丹念に取り入れながら描いた人気絶大の大衆小説」といった内容。 この人気には菊池寛もニヤリでしょうね。

 

8月5日

講談社+α文庫の新刊「将棋名勝負の全秘話全実話」(山田史生)を読む。読売新聞の観戦記者として知られる著者が,古くは大山, 升田時代から,最近の羽生へのインタビューまで,棋士たちとの長年の付き合いから得られたエピソードをまとめた書き下ろしの一冊。 とは言っても,その手の「いい話」は,すでに知られているものが多いので,またあれかという感じもするが, 竜王戦誕生の経緯や新聞社間での駆け引きなど,読売記者ならではの興味深い話も多い。同文庫には「名棋士81傑ちょっといい話」もあり。

 

8月2~4日

夏本番ですね。週末は猛暑の中,ポケモンハッピーラリーなるものに参加してきました。これは, 山手線内の駅を巡りながらポケモンカードをゲットし,ゴール駅を見つけるというもの。ま,JRの親子取り込み作戦というわけですな。 我々がスタートした品川駅は比較的空いていましたが,新宿駅や澁谷駅,ポケモンセンタートーキョーは大混雑でした。 帰りはついでに久しぶりに秋葉原をぶらぶら。子供は電気街というのが面白かったらしく,「ゲーム・プレステ・ニンテンドー」 という看板を見つけるたびに,その中に吸い込まれていきました^^;;。

 

8月1日

椎名-東海林対談をもう一つ。文春文庫「シーナとショージの発奮亡食対談」。内容は過去の対談の寄せ集めなのでちょっと古いが, その分シーナさんも十分に若く(ビールのCMに出始めた頃ね),最近の二人とは変わった趣があり楽しい。ここでは, ショージ君得意の丼ものや魚をネタに,しょうもない話を延々と繰り広げる(魚の世界が会社だったら,社長は?,専務は?,支店長は?  興味のある方はぜひ)。旧表題は「人生途中対談」。40代半ばで脳細胞の流失を嘆き,残った人生に何をなすべきか,「真剣に」 考えている....。

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2002年07月31日

2002年7月

7月31日

文春文庫「ビールうぐうぐ対談」(東海林さだお,椎名 誠)を読む。どこに共通点があるのか極めて疑わしいと思っていた二人なのに, 最近いくつか出た対談集を読むと,妙に気があっているのが不思議。今回は,缶ビール,料亭,屋形船,芸者遊びなど「飲む」 に関わる話題がメイン。ゲストとして,おなじみの「よかちん踊り」のヘビ専務,岸田 秀,ワニ眼沢野画伯も登場。結局,うぐうぐ,だかんね, とまとまりのなさが魅力。気楽に読もう。

 

7月30日

残念ながら社会思想社の現代教養文庫の発行が終了することとなりました。以下,社会思想社によるご挨拶。『(株)社会思想社は, 1947(昭和22)年12月24日に東京都千代田区内幸町2の21幸ビル6Fの一室にて,社会思想研究会出版部として事業を開始しました。 社会思想研究会は,戦時下,軍部ファシズムを批判したため東京帝国大学の教壇を追われ,戦後,リベラリストとして再評価された河合榮治郎 (1944年死去)の門下生によって設立され,その思想の啓蒙・普及を目的としたものでした。出版部は,R・ベネディクト『菊と刀』,A・ J・トインビーの『歴史の研究』などの翻訳出版権をGHQのオークションで取得,出版活動の基礎を築きました。 1951年には現代教養文庫を創刊(角川文庫創刊など,第二次文庫ブームの時期)。1962年には,社会思想研究会から独立, 株式会社社会思想社と社名を改め,教養文庫と人文・社会科学を中心とした総合出版社として再出発しました。1977年にはA・ヘイリー 『ルーツ』を,84年からは「ゲームブック」を刊行,前者はテレビ放映とのメディアミックスとして, 後者はコンピュータゲーム登場の先駆けとして,ともにベストセラーとなりました。しかし,文庫創刊ラッシュによる競合の激化や, コンピュータゲーム機の登場による〈アドベンチャー・ゲームブック〉シリーズの陰りなどによって業績が下降し始め, 89年の消費税導入による旧定価本の返品の影響により翌期の売上を大幅に減少させたことがその後に尾を引くこととなり, 1997年からの出版不況のなかさらに厳しい運営を強いられるようになりました。昨年秋には,17000円という高定価本である 『ベトナム戦争全史』が重版となり,一昨年10月より,「日本之下層社会 他」をかわきりに発刊しました『横山源之助全集』 は定期購読受注をじわじわと上乗せし,ニッチを捉えた適正部数設定の「全集もの」の最近の健闘が,「見込み生産」 におちいりがちな出版傾向の転機となるのではないかと見られていただけに,その完結を果たせず誠に残念です。 私どものルーツともいえます河合榮治郎先生が労働問題・社会政策を志されたきっかけは,農商務省刊行の『職工事情』(明治36年) との出合いが大きかったといわれておりますが,その調査に横山源之助がたずさわっていたということに思いをめぐらせば,本全集の刊行は, 弊社出版活動における機縁と言えなくもありませんでした。なお,弊社事業停止が報道されまして以来,連日読者の方々から惜しむ声や, はげましの声をお寄せていただいております。大変ありがたく出版社冥利につきることと感謝しております。お寄せいただいた声のうち, 弊社の本をなんとか入手したいというご希望が多数寄せられており,弊社としましても,お応えする方法を模索しておりました。 書店ルートに載せることができないため,ある程度まとまったご注文には,郵便の代引きによって発送させていただきます。 本ホームページで書名を検索いただき,ご注文は, メールないしファックス(03-3813-9061)で送信いただければ幸いです。 『菊と刀』他のロングセラーを選りすぐった「現代教養文庫の200冊」 というセットもご用意できますので,お問い合わせいただければ,詳細についてご説明申し上げます。なお,現代教養文庫 (既刊約1800点)他を引き継いでいただくための努力は尽くしてまいります。永きにわたる皆様のご厚誼に衷心より御礼を申し上げます。 2002年7月』

 

7月29日

「鳥頭対談」の元ネタ?ということで,文春文庫新刊「ヒヨコの蠅叩き」(群ようこ)を読む。群ようこって, 結婚願望の抜けた林真理子みたいな感じを受けるが,それは,父親に対する感覚の違いが関係しているのかもしれない。 母親に文句をいいつつベッタリなところは,男にはちょっと馴染めないと思うが,男の読者も多いのかな?  内輪話でも下品にならないところはよいが,私にとっての初「群ようこ文庫本」,続けて読むかは?

 

7月26~28日

週末はお台場とTDLへ。二日続けてのポケモンフェスタ2002はさすがに疲れた。それなのに,グッタリして帰ってくるとすぐに, 仕入れてきた新しいポケモンカード対戦の相手をさせられる。子供のパワーは底なしですな。

朝日文庫「鳥頭対談」(群ようこ・西原理恵子)を読む。私は正直に言うと,群さんの本は一冊もちゃんと読んだことがない....。 ということで,このお互いのファン取り込み作戦にはまった一人な訳ですが,身内の悪口(とくに一日のうちに何百万円も使いまくる群母や, タクシー10日間貸し切りで四国八十八カ所巡りをする西原母など,かつては堅実地味だった母親にいかに稼ぎを吸い取られているか) を元気よく語り合っています。一種爽快な気分の味わえる本。

 

7月25日

角川文庫新刊「タイ怪人紀行」(ゲッツ板谷)を読む。金髪デブ(金角あらためゲッツ板谷)と兵隊ヤクザ(鴨志田氏,サイバラ夫) がタイ一周の旅で大暴れ。美人オカマや裸じゃなかった裸族,死体博物館, 麻薬更生寺などでのタイの怪人たちとの出会いやバトルに大笑いしながらも,そのタフさと強引さに感心。 うんざりするような暑さにめげそうな人には,最適の本。ゲッツ板谷の公式ページというのもつい最近できました。 メール送ってみる? おぉ,1日1冊読む日が続いているな....緑陰読書の季節,爽快爽快。

 

7月24日

「鳥頭紀行-ジャングル編」(西原理恵子)が文庫化されました(角川文庫)。サイバラ,ホモカメラマン・勝ちゃん,変人・ 西田(虫)博士ら酔っぱらい5人が「アマゾンで巨大魚を釣る!」ために集結。サイズの関係で字が読みにくいのが難ですが, とにかくその滅茶苦茶わがままな旅に大笑い。アマゾン川の旅に備えて酒を買い込みすぎ, 酒用に船をもう一艘チャーターするほどの飲みっぷりにも感心。 いまや2人の子持ちとなったサイバラがプロポーズされた記念すべき旅でもありました。

 

7月23日

岩波文庫新刊「パロマーの巨人望遠鏡」(下)を読む。いよいよ巨大反射鏡ができあがり,本体の製作,鉄道での輸送,取り付けなど, 工事も佳境に入る。天文学者の目的は高邁な星空への憧れであるとしても, ここに描かれているのは巨大な鉄やガラスの塊と格闘する技術者たちの姿だ(原題は,The Glass Giant of Palomar) 。前代未聞の巨大で,かつ壊れやすいガラスを鉄道輸送するために,ルートの選定に苦心し,何日も列車とともにその警護にあたる鉄道関係者, その列車が通過する町の学校は休校となり,その科学の偉業に対して賞賛を惜しまない子供や大人たちの姿が感動をよぶ。 それは単に一望遠鏡の技術に留まらず,第2次大戦前のアメリカが,ニュートンやガリレオを始祖とするヨーロッパの観測技術に「借りを返す」 べく,必死に努力する姿だ。このように人々に驚異と喜びもって迎えられる技術の時代は,いまとなっては何とも懐かしい。 アポロ計画の月面着陸以降,科学技術に対する熱狂はなくなってしまったように私は思う。

 

7月22日

講談社文庫「辛口ジャズノート」(寺島靖国)を読む。著者は吉祥寺でジャズ喫茶「メグ」を経営しながら, JAZZエッセイを書き続けており,本書もJAZZのお薦めディスク紹介や試聴記なのだが,面白いのはJAZZ喫茶がらみの話。 JAZZ喫茶のマスターは,我こそ日本最後のJAZZ喫茶店主になりたいという希望を持ち続け,他店が閉店となれば喜び, 命をかけたオーディオを@「音が悪いね」の一言で片づけられては激怒する。単行本が出てから時間が経っているので内容的には若干古く, 著者の主張は「ジャズはテーマで聞け」,「アドリブ無用論」,「ジャケ買い」といったちょっと変わり者路線ですが(マイルス嫌いも含めて), JAZZ通でなくても独特の語り口が楽しめる本。

 

7月17~21日

ちょっと早い夏休みを取っていました。朝から近くのプールへ出かけ,一日遊んでいたのはよいのですが, さすがに日焼けで真っ赤になり息子ともどもヒーヒー言っています。岩波文庫夏の復刊の中で何か一つ,と思ったのですが, 今回はあまりインパクトがなく悩みます。夏らしいところで,吸血鬼譚,ゴーチエの「死霊の恋・ポンペイ夜話」などいかがでしょうか。 吸血鬼の物語といえば,ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」が有名ですが,本書はそれ以前に書かれた女吸血鬼物語で,エリザベス・グレイ 「骸骨伯爵,あるいは女吸血鬼」,ル・ファーニュ「カーミラ」などと並び,『ヨーロッパでもっとも傑れた吸血鬼小説の一つ』 と言われています。教養文庫の「吸血女の恋」がなくなりそうな感じなので,岩波版の復刊は歓迎。

 

7月16日

光文社新書の新刊「昆虫採集の魅惑」(川村俊一)を読む。子供の頃,あれだけ昆虫好きだったのに,大人になるといつのまにか昆虫嫌い, あるいは無関心となってしまう人が多い中で,ずっと昆虫への情熱を失わず,夢を追いかけている人がいる。虫取り少年だった著者も, 学生時代から南洋の珍しい蝶を追い求め,資金難に苦しみながら,次第に採集家として名をあげ,現在では標本商として世界中を飛び回っている 「蝶の狩人」。蝶の生態や東南アジア各地での採集体験談,有名な標本コレクターたちとの交流,人工交配による珍種の創製など, 学術的というより商売がらみであるだけに,リアルで面白い話が多い。珍しい蝶のカラー図版も付いていてお薦め。

 

7月15日

兵藤ゆき「ぶんちんタマすだれ」を読む。旦那の仕事の関係で心ならずもニューヨークに住むこととなった兵藤ゆきのエッセイ。 英語はダメ,日本食オンリーだった著者が,幼稚園児を連れて奮闘。子連れならではの視点が面白い。版元のアップフロントブックスは, 音楽プロの出版部門らしい。これはカミサンに頼まれて買った本。

 

7月13~14日

行ってきました,新しいポケモン映画。公開初日のプレゼントもあり,なかなか賑わっていました。日曜日は,今年初めてのプール。 天気は今ひとつでしたが,子供達はみな元気。はやくも日焼けでヒリヒリしていますが,ようやく夏気分が盛り上がってきました。

 

7月11~12日

図鑑を買ったのです,久しぶりに。小学館の新しいNEOシリーズの昆虫篇。私が子供の頃 (1960年代)の図鑑と比べると,イラストが写真になり,その写真も抜群に綺麗。これで2000円じゃ申し訳ないような気もする。 懐かしくなって,昔の図鑑を実家で探してみたが,1970年頃刊行された学研のシリーズは出てきたものの,それ以前に, ボロボロになるまで愛読していたシリーズが見つからない。天文と気象の図鑑,岩石と鉱物の図鑑,などがあったと思う。 インターネットで探したら小学館らしいが,なぜか記憶が定かでない。

 

7月10日

岩波文庫「パロマーの巨人望遠鏡(上)」を読む。私が子供の頃,一番有名な望遠鏡といえば当然パロマー山の200インチで, 宇宙や天文図鑑には必ずその巨大な姿が描かれていた。本書は,200インチ望遠鏡製作の中心人物であったヘールと,これに関係した天文学者, 技術者,工場の職人など多くの人たちの活躍をまとめたドキュメンタリー。学術的な創造はもちろん, いままでにない巨大な望遠鏡のレンズや反射鏡の製作にチャレンジし,挫折と成功を繰り返してきた技術者たちの苦闘の物語が感動を呼ぶ。 とくに詳細に書かれている新種ガラスの製造に関しては,卓抜なアイデアとそれを実現した職人芸との融合の産物といえる。久し振りに, 下巻が待ち遠しい書。

 

7月9日

集英社新書「超ジャズ入門」を読む。著者・中山康樹氏は元「スイングジャーナル」編集長で「マイルスを聴け!」や「マイルス・ デイヴィス完全入門」,「マイルス・デイビス自叙伝」(訳書)などがある有名なマイルス男。本書は 「ジャズを聴きたい全ての人におくる画期的な入門書」。ジャズファンとしてどこまでいけばいいのか,何から聴いて何を集めればいいのか, などジャズを織り・聴き・集めるプロセスを具体的に語っている。超CDコレクション術(100人の100枚」より「ひとりの100枚」)は, マイルスかブルーノートを100枚集めて聴けば,ジャズの全てがわかるという明快なお話。

 

7月8日

岩波アクティブ新書「高木ブーの楽しくウクレレ」を読む。元ドリフターズというよりマルチなミュージシャン・ 高木ブー氏によるウクレレへのお誘い。コード表や練習曲もちょっと載ってはいるが,教則本ではなく,ウクレレとの楽しい付き合い方や, 製作者・フラダンサーなど,ウクレレにまつわる蘊蓄話がメイン。ブーさんには,別にテレビでウクレレ教室をやったときの教則本があるので, 今回はテクニックについてはさらりと流しているが,それゆえ寄せ集め的で中途半端な印象も。バンド時代の思い出話 (ドリフターズ時代の話も少し出てくる)や,最近のウクレレ奏者としての活動の方が知りたかった。

 

7月7日

今月は,ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」の新訳が岩波文庫から出ます。本書は,サムセット・モームの「世界の十大小説」 にも選ばた,ディケンズの自伝的物語。旧訳を読んだのはずいぶん前になると思いますが,私自身は, あまりディケンズとは相性がよくないようで,ピクウィック・クラブにようなものを除いては,二都物語もオリバー・ ツイストも好印象がありません。今回は心機一転,新たな気持ちで読んでみたいと思っています。

 

7月4~6日

いやはや,一気に真夏の気分ですね。図書館まで自転車で飛ばしていったら,着いたときには大汗でよれよれ。 カメムシやバッタの図鑑を借りて,またヨロヨロと帰ってきました。岩波アクティブ新書の「高木ブーの楽しくウクレレ」 がまだ書店に出ていないので,待ち遠しいなぁと思いつつ,Tea for Twoなどポロポロ弾きながら,はやくも夏休み気分です。 来週からは近くの県立海浜公園プールもオープンするので大変大変。

 

7月3日

岩波文庫「子規を語る」(河東碧梧桐)を読んでいます。河東碧梧桐は,松山市生まれ。中学時代から正岡子規の師事, 同級の高浜虚子らとともに俳句革新運動に加わり,子規の提唱した「写生」を忠実に守り,俳壇の主流を占めました。その後一転して 「新傾向俳句」に走り,それを宣伝するための全国遍歴(俳句行脚)を行うなどして,,「花鳥風詠」の虚子と対立。定型や季題にとらわれない 「自由律」の句を作りはじめ,昭和8年には,「ホトトギス」で俳壇を支配していた虚子に対して, 還暦祝賀会の席上にて自ら俳壇引退を表明しました。本書では,書簡や聞き書きを交え,子規をめぐる人々を生き生きと語っています。

 

7月2日