1999年12月31日

1999年12月

12月30~31日

本の雑誌増刊で出たばかりの「おすすめ文庫王国」を読んでいます。本の雑誌編集部が選ぶ1999年度文庫ベスト10,文庫編集者対談, 復刊文庫ベスト10,ジュニア文庫への招待,もっと名著を文庫化せよ!,などなど,薄い雑誌なのに結構盛りだくさん。 エンターテイメント本中心で,名著といっても岩波文庫にあるような古典とは,全然関係がないのだけれど....。岩波文庫とちくま学芸文庫, 講談社文芸文庫に注目している週刊文春のライター,坪内祐三さんの文庫日本一トーナメントは,ちょっと面白かったな。

 

12月27~29日

小沢昭一さんが,人を育てるのに大切なことは,と聞かれて,「ほめるしかないんじゃないかと思いますね。 ほめることによってリラックスさせ,リラックスすれば,その人の能力が最大限に出てくるだろうという,これは僕だけの信仰みたいなものかな」 「長所と欠点というのは必ず隣り合わせにある。だから欠点でも何とかほめて,その欠点がもたらす弊害を誰かが堰き止める。」  怒りっぽいカミサンに読ませてやりたいな^^;;。来年はこれでいきましょう!

 

12月26日

あ~,年賀状書いていない^^;;。もういまさらしょうがないから,年が明けてから書くことにしよう。といった調子ですね, この30年間。今年も仕事はあと2日。頑張って締めくくりたいと思います。

 

12月21~25日

クリスマスといっても,息子はまだサンタのプレゼントに「アメが欲しい!」というくらいの歳なので楽。みなさんは, 楽しいクリスマスを過ごしましたか? 噂のWindows2000プレリリース版を入れてみました。 私の旧パソでも結構まともに動くので嬉しい。このまま2000を使い続けてもいいのですが, グラフィック関係のソフトで一部うまく動かないものがあるので,98も併用しています。

「岩波現代文庫」の件,「岩波文庫は基本的に古典です。それに対して,現代文庫は戦後,とくに高度成長期以後の書物で, 私たちがこれからの生き方を考えるために必要な基本書目を収録したいと考えています」 「古典を現代によりよく生かすということも現代文庫の大きな機能のひとつと考えています」 「岩波文庫だと半永久的に読まれることが基準になるでしょうが,現代文庫はそれでは駄目で,賞味期限というか, 射程距離がそれほど長くなくても,時代にチャレンジする本はどんどん入れていかなくては....文庫戦争の時代に,ただいい作品ですよ, おいしいですよといっても,今どうしてもというのがないと,読者はひっぱられない。例えば,藤村の羊羹だって老舗というだけでは, 若い人はやって来ない。うまいものマップがたよりですよ」 佐高信氏と岩波書店・小野氏との対談より。

 

12月20日

さて,いろいろバタバタしていて,やっと買ってきました今月の岩波文庫新刊(のうち2冊)。「罪と罰」(中)と「西洋事物起源」(2) を読んでいます。桑原武夫氏は「読書案内」(岩波書店,1956)の中で,読書に親しむ工夫として, 『自分の読書力についての自信を強めることが第一で,若い諸君であれば面白い長篇小説,たとえば「赤と黒」や「復活」などを読むのがよい』 というようなことをいっていますが,べつに若くなくても,「罪と罰」などを一気に読み終えると,まだ自分にも結構読書力? が残っているなぁ....となんとなくホッとした気持ちになることは確かです。

 

12月17~19日

グリーン車通勤になったので,さぞかし本も読めるだろう,と思っていたのですが,さにあらず。気を抜くと「ギャー!痛てて」 となるので,車内でもウトウトしたりできず,普段よりよほど緊張して通勤しています。

今月は,講談社の文庫が面白くて,「都林泉名勝図会(上)京都の名所名園案内」,「日本文壇史総索引・全24巻総目次総索引」, 「文字の文化史」,「名僧列伝(2)良寛・盤珪・鈴木正三・白隠」といった内容。あとは河出文庫「滞欧日記」(澁澤龍彦),ちくま文庫 「ギボン自伝」などが読みたいところ。正月は出かけようがないので,すこし本の整理などもしたいと思います。

 

12月16日

岩波文庫「鴎外の思い出」のなかに,例のレクラム料理のことが出ています。『明治40年頃観潮楼歌会といわれるのをなすった頃, その御馳走をレクラム料理といいました。会の度ごとに小さなレクラム本を繰返して,今度は何にしようか,と楽しんでいられました』  もっとも鴎外が料理するわけではなく,洋食が一口も食べられない鴎外の母親と著者(妹の喜美子) がその本に忠実に西洋料理を再現したわけですが。

 

12月9~15日

先週来,事故のため通院。月曜日に手術により伸筋腱をつなぎ,骨にはワイヤーが入った状態となっています。 痛みはさほどではないのですが,歩きにくいので不自由しています。年末の忙しい時期に, まったく余計なことをして皆に迷惑をかけてしまいましたが,どうにか仕事に戻れそうです。今年の正月は, とくに予定を立てていなかったからよかったものの,旅行の計画でも入れていたら,カミサンにぶっ飛ばされるところでした^^;;。 皆さんも師走のあわただしい時期,事故には十分ご注意ください。

この間,「文庫本大好き」は,開設以来ほぼ2年半で,のべ50000アクセスを達成いたしました。 いつもお立ち寄りいただいております皆様には,心から感謝いたします。今後ともよろしくお願いいたします。

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1999年12月08日

年賀状の季節

年賀状の季節。私は悪筆なので,手書きの年賀状というのは苦手なんですが,まあ,綺麗な字を書いてくる人がいますね。でも,川上宗薫だったか,悪筆の女性は一風変わった魅力がある....(もっと直截な言葉だったかも^^;;)と言っていましたし,これも個性だと思えばね。

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1999年12月07日

足の筋

すいません,足の筋を切り,手術することになりました。現在,スーツにサンダルという間抜けな格好で通勤中です。ちょっと読書に集中できない気分なので,ご勘弁を。

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1999年12月06日

春うららかな書房

春うららかな書房とは,変な名前の福井県の古書店。文春文庫など大量にあるのですが,岩波文庫が開高健の同時代ライブラリとは,どうなってるの。古本屋さんに行こうよ!では,東京・神奈川古本屋情報メーリングリストをやっています。東京・神奈川を中心とした首都圏の古本屋巡りをする方々のための情報交換所とのこと。とりあえず登録してみました。

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1999年12月05日

俵万智さんのホームページ

俵万智さんのホームページに,林真理子さんとの交友録が追加されました。俵さん曰く,「はっきり言って、私が生まれてからこのかた食べたものを、値段の高い順に並べるとすると、上位ベスト3は、林さんにご馳走になったものでしょう。」とのこと。『これからインタビューにいらっしゃる方のための、基礎知識』なるプロフィールのページもあります。好きな飲み物が,よく冷えたシャンパーニュ,フルボディの赤ワインとは,生意気な^^;;。「面白本舗」を見ると,日本の作家のホームページリンク集がありますので,お好きな作家を捜してみたらいかが。

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1999年12月01日

論語

論語 (岩波文庫)岩波文庫新刊「論語」を読んでいます。久しぶりの改版ですが,前回のをしっかり読んでいなかったので,どこが変わったのかよく分かりません^^;;。しかし,読みやすい訳であることは確かで,原文対照にもなっていますから,電車の中でポツポツ拾い読みするのには向いています。ちょっと風邪気味で調子が出ません。

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1999年11月30日

1999年11月

11月30日

パリ風俗史 (講談社学術文庫)「罪と罰」上巻が読み終わったので,講談社学術文庫の新刊「パリ風俗誌」に手を出しています。本書は, 美術評論家ヴァルノによる中世から1930年までのパリの歴史(風俗史)。豊富な図や写真とともに, 普通のフランス史では表に出てこないファッションや建築物,時代時代の流行など, 王侯から市民に至るまでパリにおけるさまざまな生活を描いています。大革命から世紀末, ベルエポックに至るパリの華やかなりし時代についてはとくに調子が良く,そのいきいきとした書きっぷりが見事。 結びとなる1930年におけるパリの未来都市計画も興味深いところ。

 

11月29日

いや~寒くなりましたが,お元気ですか? やっと書店の店頭で見かけるようになりましたね,岩波現代文庫の見本。 あまり派手な造りじゃなくて,好感は持てます^^。かつては岩波文庫も同時代の作家の作品を入れていたわけですから, あえて現代文庫をつくらずとも,本家岩波文庫の守備範囲を広くすればいいだけだとも思いますが,やはり(読者も含めて)岩波文庫に対する 「思い入れ」が強いのでしょうか。

 

11月26~28日

週末は横浜へ行きましたが,デパートは大変な混雑。グッタリ疲れました。12月1日創刊の集英社新書, 初回10点で創刊というのは,地道というか目立たないというか,予定されている書目もあまりそそられませんね。いまどき新書を出すからには, 文庫本では出せない新しい企画でなければ意味がないと思うのですが....。久しぶりに配信されてきました読書猿96号が, 原子力にまつわる諸本を取り上げています。

 

11月25日

岩波文庫「世界文学のすすめ」で「罪と罰」について語っているのは,五木寛之氏。『ふり返ってみると, 若い頃にドストエフスキイを読みながら,私はいつも誰にも言えない或るうしろめたさを感じつづけていた。それは 「自分にはここまで深く悩むことはできない」という脱力感だった。....いまでも私がひそかに思うことは, 或る真摯な心の病を病んでいる者だけが,ドストエフスキイに本当に深く共感できるのではないか,ということである。』 現代人は 「病んでいることを自覚できない」という病を病んでいる病人であり, この小説がいまだに我々を震撼させる力をもっている理由のひとつはたぶんそこにある,と言っています。

 

11月24日

新刊「罪と罰」を読み始めました。旧版岩波文庫「罪と罰」を読んだのは,20数年前。ずいぶん昔のことのようですが, なにか古い文庫本ばかり漁っていると,2~30年前の岩波文庫など,「最近出た本」のような気がしてしまいますね。でも, 冒頭のマルメラードフの身の上話が,ずいぶん身にしみるようになっただけ大人になったのかも....。とにかく,今回は「じっくり読む」 をテーマに頑張ってみたいと思います。(江川訳,ちょっと漢字が少なくて読みにくい^^;;)

 

11月23日

「踊る地平線」。上巻はあまり熱心に読まなかったのですが,スペイン,ポルトガル,帰国編の下巻は結構楽しみました。 闘牛に熱中するスペインの人々,リスボンに集まる船乗り達の怪しげな生態,日本とヨーロッパを行き交う船の乗客達。昭和初期, つかの間の平和を満喫する古き良き時代を,あの不思議な文体で味わうことができます。

 

11月22日

いまさらなんですが,映画「タイタニック」を見ました。事故自体には大いに興味があるものの,ディカプリオが子供に見えて, 感情移入できない^^;;。まあ,当方が歳だということかしら。新刊「踊る地平線」(下)を読んでいます。

 

11月19~21日

毎年恒例,駅前のツリーの飾り付けなども始まり,はやくもクリスマス気分ですね。 結婚式の日一日だけしかクリスチャンの経験がない私も,なんとなくウキウキ(現実逃避ともいう)。

フィッツジェラルド「バビロンに帰る」は,かつて景気のいいアメリカ人で溢れていたパリ・リッツ・ホテルの, いまは閑散としたバーから物語が始まる。当時,リッツ・ホテルを贔屓にしていた人の中には,プルースト,ヘミングウェイ, そしてフィッツジェラルドがいた。ヘミングウェイを,このホテルのカンボンバーへ最初につれてきたのもフィッツジェラルドだった。そして, 私もリッツ・ホテルを愛する一人....。いや,ヴァンドーム広場の片隅から,そっと覗いただけなのだが。朝日文庫「金のホテル銀のホテル」 は,由緒あるホテルを百ばかり集め,それに纏わるストーリーを楽しむ本。これは読むだけでは済まされない。

 

11月18日

しし座流星群は残念でしたね。当地はそもそも曇っていて,星が一つも見えませんでした。 一応願い事など考えていたのに....あんなことや,こんなこと。まあ,口に出しては言えませんが^^;;。週アスでおなじみ, 「カオスだもんね-DJ編」を読んでいます。

9月21日にパーカーから発売された「パーカー・ミレニアムペンシリーズ」の発売を記念して「20世紀を代表する作家は誰でしょう」 というアンケートを募集中。対象となるのは、今世紀に活躍した国内外の作家。ヘミングウェーやコナン・ ドイルにも愛されたパーカーらしいアンケート企画。 応募方法は、はがきに「20世紀を代表する作家」1人とその理由、住所、氏名、 年齢を明記し、11月20日(当日消印有効)までに〒100―8668 東京中央郵便局私書箱1560号PAパーカー 「20世紀を代表する作家」日刊ゲンダイ係へ。応募者の中から抽選で5人に「ミレニアムソネットマットバーガンディボールペン」 (8000円)などをプレゼント。あ,もう締切だな。

 

11月17日

新顔のザ・テレビジョン文庫。書店で手に取ったとたん,捻挫しそうになりました....あまりに軽くて。本文用紙が白い,軽い, かさばる・・・の三拍子揃った文庫は,どうも読む気がしませんね(集英社文庫程度でも,ちょっと敬遠したい)。まあこの場合は, 内容相応という考えがあったのかもしれませんけど^;;。

 

11月16日

Book MLにいのうえさんから面白い投稿があったので,ちょっと転載。(ご本人の了解は得ていません)『昨日近くの本屋にいくと、 日本書紀の宇治谷さん訳(学術文庫)が全5冊並んでいました。後書きなど、コマメニ調べた後、岩波文庫の日本書紀全5巻と見比べました。 その結果、断然、岩波文庫を選択しました。理由:○読みやすい。 1994年頃の出版なので文字が大きい。右頁に読み下し文、左頁に注、 というスッキリした構成。○ほとんど、総ルビといっていいほどの ルビの多さ(したがって、約半分字数にすれば遥かにそれを上回る分量の注。 この注が又面白い)。○宇治谷さんの訳も、この岩波思想体系本をかなり、参考にしているようだ。○わたしは、 漢字と大和言葉に興味があるので700年以前に出版されたこの本の 読み下しには大いに興味がある。これは大野晋さんの担当。当時、 読み下しは当然大和言葉で為されるわけで、どういうふうなことばが 当時存在したのか、一目瞭然となる。・・・わたしにとっては、 この岩波本はもちろん、史書では断じて無く漢字とやまとことば、のテキストである。しかも、辞書を読むのでなくまとまった、 歴史話でそれが得られると言うのだから、たまらない。。。と、いった調子で たった一頁だけからも得られる文字情報にはすごいものがある。 ために 岩波文庫を買った次第です。ただし、この岩波文庫の日本書紀のツクリはとくに例外的にすぐれているのではないだろうか? 万葉集や、 古事記とかはかなり読みにくいものであった、と記憶する。』 

 

11月12~15日

土曜日。所用でお台場へ行って来たのですが,ものすごい人。お菓子フェアみたいなのをやっていたのですね。ところが, 昼間はあれだけ人であふれていたのに,夜になると,この人工島は,文字通り陸の孤島と化し,歩くのが怖いくらいに寂しい....。 お隣とはいえ,夜も活気あふれる銀座新橋とは別世界です。

それから,ケーブルテレビを導入しました。我が家は海のすぐそば,塩害が酷い地域であるためアンテナがもたないのです。さすがに, 映りは良いようです。将来的にはインターネットの常時接続を目論んでいるのですが,カミサンには内緒。

 

11月11日

中公文庫新刊「フィッツジェラルド バビロンに帰る」(村上春樹訳)は,表題作を含む5つの短編と, 訳者による短いメモからなる嬉しい一冊。バビロン・・・なら岩波文庫にもあるけど,と思って調べたら,「フィッツジェラルド短篇集」 (佐伯泰樹編訳 1992年)は,あっさり品切れとなっておりました。フィッツジェラルドの短篇集は,どれも売れ線だと思っていたので, これは不思議。しかし,何度読んでもこの短編はすばらしいですな....。久しぶりに学生時代に買ったナンシー・ ミルフォードのペーパーバックス版「ゼルダ」なども取り出し,スコットの世界に浸っておりました。

 

11月10日

「入門!美術コレクション」(宝島社新書)は,現在の美術市場の動向と売買の基礎知識を解説したものですが,文字通り入門編であって, 人気作家の名前ばかりズラズラ並べられても....といった感じ。著者の室伏哲郎氏は,美術館長を務める傍ら, 日本パチンコ学会やカジノ学会を主催するヘンな人。宝島社新書のカバーには,本文DTP:××社なる標記があり,なるほど新しい新書 (変な言い方だけど)だなぁと感心。

 

11月9日

角川文庫「本屋でぼくの本を見た」は,人気作家61名が作家としてデビューした頃の想い出話を短くまとめたもの。もちろん, 書店で処女作を見たときの感動,ではなく,その作品を書くまでの経緯を語っているわけですが。名を連ねている作家は, いわゆる今風の選択ではなく,柴田 翔,落合恵子,高橋三千綱,渡辺淳一....といった面々。みな淡々とした語り口で, 読んでいる方がちょっと照れる。もう少し馬鹿話で盛り上げてほしいものです。

 

11月8日

誕生日。これでめでたく大台に。まあ,子供の頃は,自分がオジサンと呼ばれる歳になるなんて,想像もしなかったのですが,実際, なるときにはなるものですね....。我が親も,孫の誕生日は大騒ぎするのに,子供(私)の誕生日は,まったく音沙汰無しです^^。

 

11月6~7日

11月8日に「岩波文庫秋の一括重版」(30冊)があります。ヴェブレン「有閑階級の理論」や荷風「腕くらべ」,「旧事諮問録」, 「音楽と生活」など,あまり古いものではないですが,他の文庫で読めないものばかりです。16日に重版予定の,柳生宗矩「兵法家伝書」 (新陰流兵法指南書)もお薦めです。

 

11月5日

書棚にあったセントジェームズ「人生を複雑にしない100の方法」。私が買ってくるわけがないので,カミサンの本らしいのですが, なかなかいいことも書いてありました。テレビを見ない,雑誌の定期購読をやめる,新聞をとらない(理由は気が滅入るから), 電話が鳴ってもとらない,玄関でベルが鳴っても出ない,クリスマスカードは出さない,時間つぶしの仕事をやめる,よく笑う・・・ さっそく実行しましょう^^;;。

 

11月4日

養老孟司さんは,「私が岩波文庫をよく利用するのは,翻訳を信用するからである」と言っています。 岩波文庫でしか手に入らない翻訳書もあるから,比較が難しいこともあるけれど,「読み物」としてみるならば, 私はかなりヘンなものもあるような気がしています。「とくに理科系の本では,読んで論理が通らない訳文は,誤訳である可能性が高い」・・・ 文字通り,筋の通らない訳文は文芸書にもありますね。

 

11月3日

戦前の文庫本は,名の知られたものでも,完全な書目リストを把握できない場合が多いようです。青弓社「文庫博覧会」(奥村敏明著) を繙くと,こんな文庫が出ていたのか!という驚きとともに,本書が単に著者が入手した古い珍しい本の紹介に終わることなく, 実物や文献を丹念に当たりながら,それら文庫の生い立ち,行く末をあきらかにしようとしているところに,とくに興味を惹かれます。 奥村氏にしても,まだまだ未調査のものが沢山残されているという絶版文庫の世界。本書により,蒐集・研究に興味を持つ人も多いでしょう。 わたしは,ちょっと他の青弓社文庫関係本と装丁が違うので,書店で迷ってしまいました^^;;。

 

11月2日

古書店に関する本というのもいろいろ出ていますが,読んで面白く,極めて実用的という点で「東京古書店グラフィティ」(池谷伊佐夫・ 東京書籍)をお薦めします。東京の主立った古書店の棚構成や特徴ある在庫本を細かいイラスト(俯瞰図)で描いたもので, 各店の特徴が一目瞭然。馴染みの無かった店にも,行きたくなること請け合いです。

 

11月1日

神田古本まつりも,きょうの大雨で水を差された感じ。それでも三省堂書店内の会場の方には,結構人が集まっていました。そんな中, あの国宝重文級古典籍を取り扱っていた弘文荘の目録「待覃古書目」がCDROM化され発売中です。一番有名な古書目録というわけですが, 12枚+索引のセットで28万円也。欲しいけれど,おまえが買ってどうする???という声も^^;;。

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1999年10月30日

1999年10月

10月28~31日

はやいもので,もう10月も終わり。普段野球に興味のない我が家も,ダイエーが優勝したとあっては, 黙っていられない....いざ東戸塚にできたばかりのダイエー全品2割引へ出動。しかし,何にもなかった東戸塚の駅(横須賀線)が, あれよあれよという間に,にぎやかになってしまいびっくり。わが辻堂など,40年前とどこが変わったのか...という田舎の駅なので, どうにかならないのかと。もっとも暮らしやすさは,また別の問題なのでしょうが,都会の高層マンション生活も, 一度は味わってみたい気がします。神田では,恒例の古本まつりが,3日まで開催中です。ちょっとのぞいて見るつもり。

週末は,たまってしまった雑誌の整理。アスキーや写真雑誌など,いざ捨てようと思うとなかなか捨てられなかったものを, 思い切って処分。どうせ,一年たてばまた同じ特集をやるんだし....。

 

10月27日

完結した「平家物語」。とてもちゃんと読んだとは言えませんが^^;;,壇ノ浦や建礼門院出家の件などを拾い読み。 丁寧な註がつけられているので,"いつか"読み通してやるぞ....。まあ,岩波の黄帯については,ほとんどそう思っているんだけど。

 

10月26日

岩波文庫の新刊,ベックマン「西洋事物起源」については,以前ダイヤモンド社から出たあの大部の書を覚えている人も多いでしょう。 岩波文庫版でも各500頁の4分冊となかなかのボリューム。「発明の歴史についての論文集」という原題が示す通り, よくある語源ウンチク本に比べて,かなり固い内容なのですが,街路照明,図書目録,拡声器,ぶどう酒の混ぜもの,馬車, あぶり出しインク....などなどといっったユニークな(あまり馴染みのない)ものを取り上げていて,なかなか楽しめました。

 

10月25日

GeoCitiesなどの無料ホームページを利用されている方も多いでしょうが,いよいよTripod Japanが29日よりサービス開始とのこと。 すでにフライングで登録が可能になっているようです(27日現在は,アクセス出来なくなっています)。 あえて日本のに登録する意義は....?。

 

10月25日

久しぶりなので,この前はいつ出たんだったか忘れてしまった「近世風俗志(3)」。今回は,女服,娼家, 音曲といった興味深いジャンルを取り上げています。各地の遊廓街の図や娼妓の分類など,実用性はないものの^^;;, 豊富な図とともに詳細に解説されていて,勉強になりました。

 

10月22~24日

新しもの好きの暇人,ということで横浜に新しくできた横浜ジャックモールに行ってきました。しかしこの不況下, 横浜のみなとみらい地区は,まだまだ建築ラッシュが続いており,人も集まってきている。どうなってるんだろう不思議不思議。

岩波文庫の新刊,「新橋の狸先生」(森銑三)を読みました。私の近世畸人伝と副題の付いているように, あまり世間に知られていないユニークな人物を,埋もれた文献を求め,あるときは実地調査も含めて,巧みな筆で紹介した人物論集。 といっても堅苦しいものではなく,調査探求の過程を追っているうちに,これら見知らぬ人物にだんだん親しみを感じてきます。

 

10月21日

運転免許の書き換えに行きます。優良運転者です。まあ,ほとんど運転していないからなんですけど....。 警察署はウチから歩いていけるのですが,ここの交通課の警察官,やたら愛想がいいというのか, いつも満面に笑みを浮かべてハイテンションで喋る変な人で,ちょっと調子が狂ってしまいます。

 

10月20日

新刊「踊る地平線」を読んでいます。上巻ということで解説も緒言もなく,この不思議な本の著者は何なんだ???という方には,室謙二 「踊る地平線―めりけんじゃっぷ,長谷川海太郎伝」(晶文社)がお薦めです。あるいは,現代教養文庫のほうが手っ取り早いかな。

奥村さんからの情報(掲示板)で,「『読書子に寄す』は、創刊の時は岩波書店名義で掲載されましたが、 好評に気をよくした岩波さんが創刊の歳の12月ころから自分の名前を入れるようになりました。その時、文章にちょっと手を入れています。 すなわち「読書子に寄す」には2種類ある。そんなことも「文庫博覧会」にはさりげなくふれてあります。」  文面まで変わったということは知りませんでした。さっそく確かめてみます。

 

10月19日

ということで,岩波文庫の新刊,きょうはさすがに山積みになっていました。今回は5冊なので, とりあえず2冊買って....とも思ったのですが,結局5冊を袋に入れてもらい,帰ってきました。私の場合,2冊まではカバーを付けて貰う, 3冊以上はレジに行列が出来るといけないので袋にまとめて,という方針?をとっていますが,以前, 冊数分のカバーだけ貰って帰るという人を見かけました。それが一番良いようですが,どっちにしろ家に帰ればカバーなどかけないので, まあどうでもいいか....^^。

 

10月18日

いやいや,ほんとに寒いですね。そろそろ今月の新刊が出ているかと思って,帰りに書店をのぞいてみたのですが, 岩波文庫新刊のスペースだけ空けてあり,まだ並んでいませんでした。

 

10月16~17日

どうも気候の変化についていけずに風邪気味です。日曜日のカミサンの祖母の法事も,家で留守番していようかと思ったのですが, 久しぶりに逢う人も多いので,どうにか頑張って行って来ました。いまは,Web噂の真相など眺めながら休養中です。

 

10月15日

いまの大学の新入生がどういう本を読んでいるか....ということには別に関心がないけれど,茨城大学のつくった「教養教育のための100冊」 という小冊子に取り上げられた本は,結構面白い。何が面白いかというと, 読んだことのある本が全然無い....ということなのですね。「茨城大学の学生諸君にこの本をぜひ読んでもらいたいという、 先生方の気持ちだけは受け止めて欲しいと考えます」ということなので,私が茨城大生だったら学生失格ですな....。

 

10月14日

平凡社ライブラリの新刊「はなしか稼業」(三遊亭円之助)。若くして逝った円之助が修業時代や師匠連の想い出話を綴った楽しい読み物。 脳溢血で倒れたあと,リハビリ中に書き続け,亡くなって8年後に公になり話題を呼びました。面白いのは,立川談志の解説で, こういう破天荒な解説というのは,珍しい。

 

10月13日

将棋の文庫本でもう一つ。河口俊彦「将棋界奇々快々」(NHKライブラリ)は,往年の棋士魂を懐かしみ, 次々と出てくる新人類棋士の強さを不思議がるベテラン棋士による将棋界裏話。一般の人々の将棋離れは, 面白い観戦記が読めなくなったことが一因と指摘しているのは同感。最近の新聞の観戦記など単なる記録で, 読んでもちっとも面白くないんですね。かつては棋士と辛辣な記者が大喧嘩,という時代もあったそうですが, いまは棋士の顔色をうかがってばかりで,悪いことや楽屋話は全然書かないんですから。また,強い若手棋士が続々と登場しているのは, 彼らに人を驚かすようなオリジナリティがあるわけではなく,高度な情報処理技術を持っている,すなわち負けにくい...という解釈も。

 

10月12日

夫婦あるいは家族で読書の話をよくしている....という人はどれだけいるでしょうか。以前, ファミリーレストランで食事をしていたら,入ってきた父親,母親,小学生の子供2人という親子連れが,席に着くなり, それぞれ本を取りだして,一心不乱に読んでいる....というのを見て,気持ち悪い感じがしたのですが,考えてみたら, 私自身は子供の頃から両親や兄弟,カミサンと本の話など,ほとんどしたことがありませんでした (べつにみんな本を読まなかったという訳ではないのですが)。読書という極私的行為を,とくに身近な人には覗かれたくない, という気持ちがあるような気もします。夫婦で読書談義をしているページを見て, そういう夫婦もいるのか,と感心した次第。

 

10月7~11日

楽しい3連休ではありましたが,例の核燃料施設事故の影響で先週末はバタバタしていたため,なんとなく落ち着かない感じでした。 それでも東戸塚(横浜)に新しくできたショッピングセンターや,鉄道の日記念SL祭りなどに出かけ,多少リフレッシュすることができたかな。 鉄道と言えば,宮脇俊三さんの講談社文庫「全線開通版・線路のない時刻表」。かつて新潮社から出ていた「線路のない時刻表」を, その後の開通状況などを含めて改版したものですが,こんなマイナーチェンジで出版社を変えて出てくるとは,珍しい。

 

10月6日

将棋や麻雀は飛び抜けて弱いものの,棋士・雀士の話は大好き。というわけで,面白かったのが新刊文庫「戦う将棋指し」 (別冊宝島編集部)。冒頭の谷川浩司や中原 誠へのインタビュー,棋士達に思い出の一手やライバルをきいたアンケート,そして古今の名勝負 (木村義雄・坂田三吉,大山康晴・升田幸三など)と,内容は盛りだくさん。棋譜を一つも使わず,棋士達の心情を明らかにした本書は, 将棋ファンじゃなくても興奮できます。※宝島社文庫は,既刊の別冊宝島を再編集したものばかりでなく,楡 周平やソロー「森の生活」など, ちょっと面白いラインナップで注目しています。。

 

10月5日

古書メールサービス「紫式部」によると,『季節書房』(佐賀県佐賀市)店主の次女, 江頭藍さんがシドニーオリンピック出場権獲得!!・・・ 新体操の第23回世界選手権で日本は団体総合で4位に入りシドニー五輪の出場権を獲得しました。この種目では初の五輪切符。 「これまでで最高の演技が出来ました」と江頭主将。尚、オリンピック出場を記念して季節書房では「10月一杯ご注文分に付き送料サービス (お買いあげ千円以上の方)」を実施しているそうです。

 

10月4日

新橋駅恒例「大古本市」,残念ながら岩波文庫はほとんど見あたりませんでした。魏志倭人伝などが,ポツンと並んでいても....。 それでも,雑書というと言葉は悪いですが,普段見かけないマイナーな本(とくに実用書)がいろいろ出ていたので, 丹念に見れば掘り出し物がありそうです。

 

10月2~3日

横浜みなとみらいに新しくできたワールドポータースに行ってきました。ジェットコースターやシューティングなど, ちょっと遊ぶとすぐにディズニーランド並の出費を強いられます^^;;。土曜日の夜は,たいへんな賑わいで,長蛇の列の観覧車は諦めました。 ※東京・新橋駅恒例「大古本市」が4~6日に行われます。毎回,あまり珍しいものは出ないのですが, 場所柄帰りの電車で読む本を探す人にはピッタリの催しです。月曜日の帰りに覗いて見るつもり。

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1999年09月30日

1999年9月

9月30日

暑い日が続いているので忘れていましたが,もう9月も終わり。いよいよ読書の秋ですね。もっとも最近は, ほかに何もする事がないときに本でも読もうか,という感じなのか,スポーツや行楽で忙しい秋に,みなさん本を読みましょう!という声が, あまり聞こえてきませんが....。

 

9月29日

しかし,岩波文庫に「踊る地平線」(谷 譲次・10月新刊)が登場するというのは,ちょっと意外ですね。彼の 「めりけんじゃっぷ商売往来」,「踊る地平線」,「もだん・でかめろん」や,橘 外男,小栗虫太郎, 香山 滋などを収めた教養文庫のシリーズは,(私もそうですが)集めている人が多いんじゃないかな。プロフィールは, 「1900.1.16(明治33)~1935.6.29(昭和10),小説家。本名は長谷川海太郎、筆名は牧 逸馬・林 不忘・谷 譲次。 新潟県佐渡郡相川町生れの北海道育ち。1918(大正 7)渡米し各地を放浪、オハイオ・ノウザン大学に在学したこともある。 1924(大正13)帰国。心臓麻痺で急死。長谷川四郎の兄」となっています。

 

9月28日

本棚を整理していたら,倉田百三の文庫本が出てきました。これは20数年前,私が高校生の時,外国航路の船乗りだった父が 「これを読め!」と,なぜか突然段ボール箱いっぱいの文庫本を送ってきた内の1冊です。なかには結構面白く読んだものもあったのですが, いわゆるスタンダードな作品ばかりで,「出家とその弟子」など,ちょっと当時の私の関心外,といった感じでした。まあ,今となると, 普段子供に接していない父が,自分で選んだ本を何十冊も送った気持ちも,なんとなくわかるのですね。 そういえば尾崎豊の書棚と称する写真にも,倉田百三や吉本隆明が並んでいたな....なにか, あまりに出来過ぎの感じがしましたけど....。

 

9月26,27日

先日の休日出勤の代休で,3連休。久しぶりに鎌倉へ行ってきました。夏休み中, 我が家から鎌倉駅までの路線バスが運休^^;;になるほど大渋滞する海沿いの道が,この日はスイスイ。残暑は厳しいものの,一日, のほほんと過ごしました。

 

9月25日

復刻版「大戦略IV」を買ってしまった。キューハチでとことんやり込んだゲームなので,涙が出るほど^^;;懐かしい。なんと, Windows版なのに,マニュアルは往年のPC9801用がそのまま付いてきました(手抜きというか,復刻版たる所以か)。加えて, 動きもかつてのDOS版に比べて,スムーズといえないのも残念。でもやめられない....。

 

9月23~24日

この週末,4連休という人も多い我が職場ですが,私はカレンダー通り。今年はショパン没後150年ということで, いろいろCDの特集やポーランド旅行などの企画があるようです。いつもカミサンのあまりに巧い^^;;ショパンに馴らされている私としては, ピアノ曲だけでもちゃんと通して聴こうと,アシュケナージのショパンピアノ曲全集を購入。円高のおかげ?で,13枚組7500円ほどでした。 来週は毎朝,順番に聴いていこうと思っています。うるさい電車の中で聴くには,実際管弦楽よりピアノ曲の方が聞きやすいんですよね。

 

9月22日

荷風の小説を読むと,私自身直接知らないかつての東京の街並みに対して,なぜか郷愁を感じますが,「制作」も, 19世紀パリの街並みを詳しく描いていて,なんとも懐かしい雰囲気を醸し出しています。本書は例のルゴン=マッカール叢書の一つですから, 主人公クロードは,「居酒屋」のジュルヴェーズ・マッカールとオーギュスト・ランティエの子供で,ナナの異父兄ということになるなど, ゾラの諸作品に詳しければ,より物語の背景がよくわかるのでしょう。そうでなくても,セザンヌらをモデルとし,19世紀の後半, パリの芸術家たちの栄光や挫折をダイナミックに描き,印象派勃興期におけるパリの芸術家生活を追体験させてくれる本書は, 美術に関心がある人にとって,興味深い読み物となるに違いありません。

 

9月21日

新刊「制作」(ゾラ)を読み始めました。上巻だけ持って出勤したものの,すぐに読み終わってしまい, 下巻も持ってくるべきだった....と後悔。解説によると高村光太郎の抄訳(1910),井上 勇訳(1922)以来, 邦訳が出ていなかったようで,ゾラの作品の中でもあまり知られていないものですね。海外のサイトもいろいろ調べてみましたが, この作品を詳しく紹介しているところは見つかりませんでした。とても読みやすい訳で,この先が楽しみです。

 

9月20日

新刊「植物巡礼」(キングドン-ウォード)を読みました。植物探検家のスリルに満ちた生涯の記録, なんていうイメージで読み始めるとガッカリしますが,東南アジアにおける珍しい植物を巡るエピソードが盛りだくさん。 英国の植物事情に詳しい人には,面白いんでしょうな....。あと,流行の英国風ガーデニングに凝っている人には, 話題づくりに役立つでしょう。しかし,横書きでも句点に.というのは,やっぱり抵抗がありますね。

 

9月19日

我が家は,サーフィンのメッカ辻堂海岸にあるのですが,このあたりは,サザン・オールスターズが実にマメに取り上げてくれるので, 嬉しいです。『夜風のオン・ザ・ビーチ』  焼けた素肌で夜風に乗って/辻堂あたりで気取ってようじゃん/アナタさえその気になりすりゃあ/Yeah, yeah, yeah, yeah/I'm a man on the Beach,てな具合で。今日は江ノ島でイルカ・アシカショーを見るべく, 小田急線鵠沼海岸駅まで歩き,一駅だけ電車に乗り,江ノ島水族館へ。水族館といってもいまさら水槽には興味のない我々, すぐにアシカショーの前列に陣取り,アシカの首にワッカを投げる役を狙う....^^;;。首尾良く大役?を果たした後には, 寝てしまった子供を抱えながら,長い長い死のロードが待っているのでした。

 

9月18日

片岡義男作品のデーターベースとなっているぼくのホームページを眺めていたら, いろいろ懐かしいことを思い出しました。片岡さんの作品は,その時々の読者の気分と密接に結びついて, 若い読者が自らのストーリーやライフスタイルを創り出すためのガイドブックともなっていたのですね,当時....。 古い作品を紹介するのは少々気恥ずかしいのですが,ここにある作者自身による自作の解説集はとても面白いので, 片岡作品に馴染みのない方にもお薦めします。

 

9月17日

当地でも,朝夕は多少涼しさを感じるようになりました。我が家の近くのバス停からは,鎌倉行きの路線バスが出ているので, ときどきそれに乗って寺社めぐりなど出かけています。ガイドブックを見ていて気がついたのですが,鎌倉でもっとも雨が多いのは5月, ついで7月,1月,3月,8月なんですね。これはちょっと意外。なんとなく,6月,9月あたりがよく降るかなぁ,などと思っていたのです。 ということで,夏の喧噪が去ったこれからが鎌倉観光の本番ですので,皆さんもぜひ。ついでに江ノ島や湘南海岸を見ていってくださいね。 夏より秋の方が味がありますよ,ほんとに。

 

9月16日

電子本とは,別の話ですが,インタラクティヴ絵本と呼ばれるものがありますね。パソコン上でページをめくり, あちこちに隠されているイベントを探しながらお話を進めるという....。海外物ではリビングブックシリーズなどが,はしりでしょうか。 私も最初,このシリーズの「おばあちゃんとぼくと」とか「うさぎとかめ」などを見たとき,これは子供でも大人でも楽しめる全く新しい手法の 「本」だなぁと嬉しくなったのですが,最近,その手の日本語版をいろいろ買い集めてみてみると,正直あまり面白いものがなく, 子供もすぐに飽きてしまいます。やたらグラフィックが細かかったり,派手なイベントがあっても, 結局シンプルな海外製のものの方が長く楽しめる感じ。日本だったら,優れたアニメをもとに, 優秀なインタラクティヴ絵本をたくさん作れそうですが,やはりセンスの問題か....。

 

9月15日

毎年恒例,講談社「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」が始まりました。特製図書カードや,コメントが月刊誌IN・ POCKETに掲載されたら粗品が貰えます。アンケートは,こちらです。

 

9月14日

はみはみ本のみみは, ミステリーメインの書評や本のウンチク話が充実しているページ。文庫になった名作情報,コテコテ書店日記,本で本を読む, ユニークな出版社や書店紹介など,一風変わったコラムが面白い。本の構造に関する説明もちょっとあって,「本のみみ」 がどこなのかもわかります。

土日出勤の代休ということで,またまたディズニーランドに。3歳児と偽って^^;;,ガジェトのゴーコースターに初搭乗。本人, 涎を垂らさんばかりの喜びようで,ジェットコースター好きの私としては,将来楽しみ楽しみ。

 

9月13日

今日のあなたのキャッチフレーズをやってみたら, いきなり「あいだみつをは「ウォーリーを探せ」といっしょで,やったもん勝ちだよな,とひがむ×××」というのが出た。ま, そりゃそうだが....^^;;。あいだみつおって,灰谷健次郎とともに, 私自身は本屋で見かけてもあまり近寄ることはないのですが,カミサンなら,はまりそうだ....。

 

9月8~12日

日曜日の夜まで,新潟に出張していました。
山崎正和氏によると,「20世紀に入ると,修養は知識を裏付けとする教養に変わる。教養とは即ち知識人であり,読書人であった。・・・・ この流れは1960年ごろまで続いた。出版面では,昭和初年にいわゆる総合雑誌ブームが到来し,昭和2年の岩波文庫を筆頭とする文庫本が, 古典及び基本的な教養書をロングセラーとして発行した。百科辞書もかなり広い市民層にまで普及し,さらに文学全集, 思想全集も大正末期以来の流行であった。この傾向は戦争の波をかいくぐって戦後も続き,1950年代,60年代にも,文学全集,思想全集, 名著全集の類がよく売れ,文庫本の数も増え,総合雑誌も時には数十万という部数を誇ったのである。ところが, 20世紀の後半に至るとこのブームは去り,同時に,知識を身につけた教養人という概念そのものも揺らぎ始める。社会で崇められるのは, たくさんの情報を持った人となった・・・・それらの情報を駆使する能力があるか否かが現代人の資格として問われることになった。 20世紀の前半と後半では,われわれの文明はかなり変質を来したように思われる。」 情報を得て解釈するためには, 教養がますます必要になるようです....。

 

9月6~7日

岩波文庫今月の新刊は,植物巡礼(キングドン-ウォード),制作(上・下)(ゾラ),平家物語(3)の4点 (大洋社の新刊文庫一覧では,「製作」となっておりますな)。「植物巡礼」は,プラント・ハンターの回想という副題が示すとおり, 植物探検家キングドン-ウォードが英国の寒冷な気候に耐える植物を採集すべく,人生の大半を費やした東アジアでの植物調査の記録。 サクラソウ,モクレン,シャクナゲ,ユリ,リンドウ,などとの出会いや様々なエピソードを記したもの。「平家物語(3)」は, いよいよ平家の都落ちと義経入京,さらに一ノ谷の合戦という山場。・・・・ん?岩波のページに「制作」の紹介文がないぞ....。

 

9月4~5日

ドイツ車を買ってきました。以前から貰い物の国産車があったのですが,どうも乗り心地が悪いということで, いろいろ乗り比べてみた結果,ドライバー本人の希望を重視して,シンプル&カラフルで丈夫そうなそれにしました。そもそもその日, 買って帰るとは思わなかったので,電車でエッチラオッチラ運ぶのに苦労しました......そう,2歳の息子の三輪車の話です。

 

9月3日

残暑が厳しいといっても,朝夕の風は,やはり秋の訪れを感じさせますね。我が家の息子も,夏風邪が直ったかと思うと, いきなりパワー全開となり,カミサンは頭を抱えています....。アイコン連載(現在週刊アスキー連載中)の社会派?レポートマンガ, 水口幸広「カオスだもんね」2,3巻を読みました。

 

9月2日

文庫本コレクションに「文庫本を読む-参考書籍・ 雑誌」を追加しました。

 

9月1日

かつて1冊の文庫本でも貴重だった時代,文庫本を自分の手で豪華本に装丁し直そうという記事が,雑誌「文庫」 などにたびたび載っています。私自身は,とくに頻繁に読みボロボロになりそうな文庫本にフィルムカバー(フィルムルックスなど) をかけたことはありますが,せいぜい適当な紙でカバーする程度ですね。 最近はむしろDTPで自作した本の装丁法などを取り上げたら面白いかも。 (装丁芸術の世界)

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1999年08月31日

1999年8月

8月30,31日

高城剛氏によると,CD時代になってから,曲は頭サビが普通になったらしい。CDでは,曲を途中から聴かず, 最初の部分だけをサーチしたりするため,一番の聴きどころを最初に持ってくるようになったということですが,もし電子本が普及したとしたら, やはりそうなるのではないかという予想があります。オンライン書店からダウンロードする場合など,いまの紙の本を書店で品定めするように, この辺が盛り上がりそうだな,とか,最後から読んじゃえ,とかまず解説を....などということがしにくくなるためです。 最初からいきなり盛り上げておいて,一転回想風になるというパターンですかな~。

 

8月29日

また新しい書籍・CDなどの通販サイトJBOOKがオープンしました....と思ったら, これは文教堂書店の運営するものなのですね。迅速な配達と安い手数料が売り物のようです。書籍の検索を試してみましたが, 林真理子で160件余と結構ヒットしました。メールによる情報サービスもあります。

 

8月28日

最近,「ジュニア音楽図書館」なる子供向けの音楽家の伝記本シリーズを読んでいます。ベートーヴェンやモーツアルトは別として, 音楽ファンでもドビュッシーやフォスターの生涯を詳しく知っている人は少ないんじゃないかしら。このシリーズ,松本零士がワーグナー, 砂川しげひさはドヴォルザーク,ほかに江間章子や立原えりか,やなせたかしなど,ヴァラエティーに富んだ執筆陣で楽しめます。 現役で出版中かはわからないんですが....。

 

8月27日

「銀河の世界」は,ハッブルが1935年に大学で行った講義録に補足したもの。宇宙の膨張や変光星, 銀河の分布など高校の授業で取り上げられるような内容ですが,なによりそれらの発見者自ら易しく語ってくれるところが嬉しい。本書には, ウィルソン山天文台の当時世界最大級だった100インチ反射望遠鏡により撮影された写真もいくつか掲載されています。

その後の観測技術の進歩は目覚しく,かつてハッブルが「正しい知識を10億倍に広げた」 と賛美したこのウィルソン山の望遠鏡と同程度の径を持つ宇宙望遠鏡が,1990年にスペースシャトルによって打ち上げられました。 その宇宙望遠鏡の大活躍により,ハッブルの名は現代の我々にも特に親しいものとなっています。

 

8月26日

「なんでも鑑定団」ではないが,明治時代にも玩具の収集に一家言持つ人がいました。「梵雲庵雑話」の著者淡島寒月で,趣味人, 江戸人としての意気を示したこのエッセイ集は,玩具コレクターの正体や,失われてしまった懐かしい江戸の風物, 明治初期の文士らとの交流を生き生きと描いていて,どこからでも楽しく読むことができます。ウクレレ弾いてジャワ土人の踊りを踊ったり, オカリナでスペイン音楽などもたしなむんだそうで....恐れ入りました。

 

8月25日

紀田順一郎氏ひさびさの古書ミステリー「第三閲覧室」(新潮社)がでました。専門の読書論のほかに,「鹿の幻影」, 「古本屋探偵の事件簿」などの創作物がある紀田氏ですが,今回は大学の図書室で,稀覯本をめぐり女性司書が殺されるというストーリー。 他の作家の稀覯本や偽本にかんするミステリー作品は安直すぎる!という著者の意気込みは読みとれます。

 

8月24日

今月の岩波文庫復刊の中に「難波鉦」がありますね。色道諸分,遊女評判記という副題が示すとおり,これは, 江戸初期の大坂を舞台にした「遊び」の指南書です。『難波の鉦(どら)息子が親の目を盗んで遊里へ出かけ,馴染みの遊女に「遊び」 の指南を受ける。遊女達は客の問に応じて,遊里での作法から客と遊女の心理的駆引まで,その手練手管をつぶさに語る』....どうです, 読みたくなったでしょう^^。

 

8月23日

「葛飾北斎伝」を読んでいます。近くの書店の平台でも,新刊4点のうち本書のみほとんど残りがない状況。これまで手に入れにくかった (らしい)本だけに,結構売れているのではないかしら。脚注の入れ方などが黄帯風だし,明治20年代の文章は, 一見読みにくい感じを受けますが,内容は平易に書かれており,たくさんの資料や関係者の話などをもとに, 北斎の生涯を明らかにしていく過程は興味深く,浮世絵史に疎い私でも,どんどん読み進んでしまいました。

 

8月17~22日

ご無沙汰しております。先週後半より夏休みをとり,出かけていました。といっても,東京のホテルに泊まって, 近くの東京ディズニーランドやキャンプ・ディズニーなど,もっぱら子供のお相手です。まあ,ディズニーランドなど日帰りでもいいのですが, この暑さの中では参ってしまいます....。そんな猛暑の中,頑張って14アトラクション/dayという記録を達成いたしました^^;;。 カミサンはもっぱら涼しいショップ内でお買い物。普段の罪滅ぼしだと思って,我慢我慢。

そんなわけで,読んだ文庫本は「四十歳からのバイクライフ」(小学館)。 SF作家の豊田有恒氏が熟年ライダーの心得やツーリングのノウハウを楽しく解説しています。 自分はバイクやクルマ自体には大して関心がないのですが,読むのは好きなんですね。

 

8月16日

インターネットの海外通販でとくにメジャーなAmazon.com。わたしもときどき注文しているのですが,注文や配送, キャンセルの対応など,さすがに良くできていますね。気軽に注文できるので,ついつい買いすぎてしまうのが困りもの....。20年ほど前, 学生時代に書店経由で注文したペーパーバックスの恐ろしい値段を考えると,10数ドルの運賃などかわいいものです^^;;。

 

8月12~15日

ようやく夏休みモードに入った感じですが,とくに遠出する予定もないゆえ,荒俣氏の博物図譜などパラパラめくりながら, のんびりと過ごしています。そんな中,飛び込んできた往年の天才ヴァイオリニスト渡辺茂夫氏の訃報は,大きなショックでした。最近, CDや本で,少年の頃の演奏や記録が取り上げられ,関心が集まっていたところだったのに....。渡辺さんは,父親からヴァイオリンを習い, 7歳でデビューリサイタルを開き話題を集め,54年に来日したハイフェッツにも絶賛され翌年渡米。 ジュリアード音楽院で最年少の奨学生となりましたが,3年後に睡眠薬の飲み過ぎで寝たきりとなり,58年に帰国していました。詳しくは, 「神童」(山本茂著・文芸春秋)を。

リンク集に,岩波文庫の赤帯に関するサイト「Dear Mr. Iwanami...」を追加しました。

 

8月11日

鎌田さとし「トヨタと日産」(講談社文庫)は,「自動車絶望工場」につづく自動車工場ルポですが,その中に,「自動車絶望工場」 が大宅壮一ノンフィクション賞を逃した経緯が書かれていて,選考委員の一人が「・・・絶望の裏に希望がなければ,告発になり, それでは問題解決にならない」と言ったのに対し,鎌田が「会社の広報部に行ってPR記事を書けというのか!」と反発したとのこと。 実際に工場に潜り込んで書き続ける鎌田さんのレポートには,なかなか迫力があります。

 

8月10日

カミサンは林真理子ファンなので,新作をマメに買っています。私自身は,文庫本になったのを時々読む程度。どちらにしても我が家では, イタリアのブティックで棚ごと買い占めるようなマネはできませんが,お金のある人がいろいろ買いまくる話というのは,結構好きです^^;;。 (また新しい Ukulele "PLINZI" made in USA を買ってしまった。 カミサンには6万円だったと言ってあるが....。)

 

8月7~9日

夏休みの宿題として,「文庫本」に関する参考図書一覧を作っています(まだ途中です)。手元にある本を中心に, 書影とコメントをつけて一覧にするつもりですが,ほかにこんな面白い本があるよ!という方は,ぜひ教えて下さい。

 

文庫目録・カタログ
総合文庫目録 総合文庫目録刊行会 1998
便利な文庫の総目録 柿添昭徳編 1996 文庫の会(日本出版販売)
ニッポン文庫大全 紀田順一郎ほか編 1997
岩波文庫解説総目録 岩波文庫編集部編 1997 岩波書店
角川書店図書目録 昭和20-50年 角川書店編 1995 角川書店
文庫本学
雑誌「文庫」 岩波文庫の会 1997(復刻) 岩波書店
文庫本雑学ノート 岡崎武志 1998 ダイヤモンド社
文庫そのすべて 矢口進也 1979 図書新聞
文庫本繁昌記 矢口進也 1984 日本古書通信社(こつう豆本)
文庫の整理学 紀田順一郎 1985 講談社
岩波書店 岩波茂雄 栗田確也編 1968 栗田書店
ブックガイド
絶版文庫交響楽 近藤健児 1999 青弓社
岩波文庫の黄帯と緑帯を読む 門谷建蔵 1998 青弓社
岩波文庫の赤帯を読む 門谷建蔵 1997 青弓社
絶版文庫の漁誌学 すずきゆたか 1988 青弓社
絶版文庫発掘ノート 岩男淳一郎 1983 青弓社
文庫一番煎じ 柿添昭徳 1995 世界文化社
文庫本の快楽 安原顕編 1992 メタローグ
文庫中毒 井狩春男編 1992 ブロンズ
文庫へのみち(正続) 小田切進 1981 東京新聞出版
この文庫が好き! 小説トリッパー編 1998 朝日新聞社
文庫新書で読む日本の書物「古代編」 小山田和夫 1997 笠間書院
ザ★文庫快説001(ゼロゼロワン) 遊工房編 1992 メディアパル
風の文庫談義 百目鬼恭三郎 1991 文藝春秋
活字中毒養成ギプス ぼくらはカルチャー探偵団編 1998 角川書店
ジャンル別文庫本ベスト1000 安原顕編 1995 学研
私の好きな文庫本ベスト5 安原顕編 1994 メタローグ
立川文庫の英雄たち 足立巻一 1987 中央公論社

 

8月6日

文学作品をWeb上で読むためのプロジェクト「青空文庫」に,文学関係のコラム,テーマ別アンソロジー,新登録作品の紹介など, なかなか読みでのある青空文庫読書新聞が開設されました。

 

8月5日

インターネットラジオの中でも,文学系のサイトがあります。インターネットラジオでは,「草枕」など9作品の朗読と 「源氏物語」の講演が。すばる文学カフェでは,作家が自作を朗読する 「自作朗読会」が流されています。

 

8月4日

緑陰読書などと気取ってみても,あまりの暑さでダウンしそうです。やはり, 現代は緑陰ならぬクーラーの下での読書が適当なようで....。いや,一年中空調完備のオフィスで働いていると,昔の人は偉かった! とつくづく思いますね。まあ,ウクレレでも弾いて,気楽にいきましょう。1万円も出せばヤマハのウクレレが買えるし, 数多ある教則本の中では「いつでもどこでもウクレレ弾こうよ」というのが,お薦めです。高木ブーのでもいいけど....。

 

8月3日

新橋駅前で恒例のバザーをやっていましたので,文庫本の箱を眺めたところ,残念ながら古いものはあまりありませんでした (クオヴァディス第2巻のみなんて,なんで出てくるの???)。あいかわらず,ファンタジー系の文庫は,たくさん出ていましたが。いや, ファンタジー・ノベルに読み返す価値のあるものが少ないなんていう気はないんですよ。岩波文庫だって, 二度三度読み返すものは限られてますから....。

 

8月2日

暑い日が続いていますが,お元気ですか? 書評PUNCH!を読むと,将来, 紙の本がすべて電子本に置き換わるような勢いですね。

 

8月1日

岩波文庫8月の新刊は,「葛飾北斎伝」,「ハッブル 銀河の世界」,「平家物語 2」,「梵雲庵雑話」という面白そうな4点。 (紹介文は,いずれも岩波書店による)

  • 「葛飾北斎伝」・・・直接北斎を知る人からの聞書きや北斎自身の書簡などを素材に, 極貧のうちに生きた画狂人の生涯を浮きぼりにした伝記。北斎の日常生活,著作,門人のことなどが詳細に記され,ゴンクール「北斎伝」 にも影響を与えている.北斎にかんする基本文献といわれている貴重な書。
  • 「銀河の世界」・・・ハッブルが一般向けに行なった講座をもとにまとめた,現代宇宙観の典拠とも言える著作。 単位などの基礎的事項から銀河の分類,性質,分布,後にハッブルの法則と呼ばれる, 銀河までの距離とその後退速度との関係について述べられている。ウィルソン山天文台の巨大望遠鏡で撮影の写真を多数収録。
  • 「梵雲庵雑話」・・・西鶴再評価の契機をつくったことで知られる明治の文人淡島寒月の文集。幕末維新期の江戸・東京の回想, 仮名垣魯文・高橋由一・ワーグマン・下岡蓮杖らの人物スケッチ,玩具の収集のことなど, 名利を求めず趣味に生きたといわれる寒月の全貌を伝えてくれる1冊。梵雲庵は寒月の号である。
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1999年07月31日

1999年7月

7月28~31日

人間ドックへ行ってきました。レントゲン写真やらなにやらいろいろ見せられましたが,食道も胃も腸も非常に綺麗である,とのことで, 安心しました。まあ,もともとストレス知らずの身ではありますけど....。それでも,結構検査疲れして,土曜日はグタっとしていました。 先日亡くなられた江藤淳氏について,"BOOK chase!"に藤光 伸氏や田原 晋氏が詳しいコメントを寄せていました。

 

7月27日

ウクレレ界の大御所・牧伸二師匠は,なぜウクレレなのか?と問われて,「ギターでもやったことあるけど,世相風刺の漫談をやると, 暗くなっちゃうんだよね」てなことを言っていました。そう,いつでもどこでも気軽にポロポロやれるウクレレは, 気分を和ませる効果があるのですね。常に真剣味のない私にぴったり^^;;。

RUKAさんから,リンクを張っていただいたとの連絡が。 ありがとうございました。それから,「ふるほん文庫やさん」のページが移転しました

 

7月26日

江戸末期,福井の歌人「橘曙覧全歌集」(岩波文庫新刊)を読みました。身近なことに人生の楽しみを得る達人・橘曙覧。 「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」,「たのしみはそぞろ読みゆく書のなかに我とひとしき人を見し時」 ....クリントン大統領も絶賛!清廉に徹した橘曙覧....なんていう惹句を見たことがあるけれど,晦渋なところのない率直な歌は, なかなか素敵です。

 

7月24~25日

昨夜は江ノ島の花火大会。我が家の周辺も車は大渋滞,海岸は人で埋まり,賑やかでした。最近は,通勤電車も若干空いているので, どうにか電車読書をするスペースを確保できるようになりました(普段は手の上げ下げもできないほど混んでいることが多いのです)。そんな中, 岩波文庫新刊「平家物語」(1)を読みましたが,詳しい註つきで,結構「読んだ気」^^;;にさせてくれました。平家物語に関しては, 「平家物語館」を。

「20世紀アメリカ短篇選」は後半盛り返し,フィリップ・ロスなど面白く読みました。

 

7月23日

我が家の近くの書店は小さな店ですが,岩波文庫はちゃんと揃っていて重宝しています。そこでは,カバーをかけてくれるときに, ハサミを使って非常にいい仕事をしてくれ,なおかつ,そのカバーには,あらかじめ栞ひもが接着されていて,電車読書中, 落ちやすい挟み込みの栞を使わなくて済むので,たいへん便利。まあ,いつ行ってもお客が少ないので,暇なのかも知れませんが....。

「20世紀アメリカ短篇選」(下)を読んでいます。今回は,ナボコフ,サリンジャー,フィリップ・ロスなど, 戦後の作品を収めているのですが,ちょっと私にとってはノリの悪い訳で,苦労しています。ヴァラエティーに富んだ選集なので, もう少し頑張ってみるつもり。

 

7月22日

グレーヴズの「さらば古きものよ」(下)は,英国の詩人による自伝ならびにドイツ戦線従軍記ですが,同時代の高名な作家,詩人, 政治家ら(ウェルズやラッセルなど)の戦争に対する態度や,卑近なゴシップなどについても,いろいろと書き連ねていて, こちらも興味深いところ。グレーヴス自身,なかなか波乱に富んだ生涯を送った人ですが,死屍累々たる戦場をリアルに描きながらも, 悲惨さより,ある種の余裕を感じさせる不思議な本です。

 

7月20~21日

きのう,八景島シーパラダイスで夜遅くまで目一杯遊んでいたため,今朝は月曜日のような気がして,駅の売店で「週刊アスキー」 を見かけたときも,あれ,なんで新しいのが並んでいるんだろう?としばしボーッとしていました^^;;。そんなわけで,グレーヴズの 「さらば古きものよ」(下)を読んでいるのですが,なかなか捗っていません。

 

7月19日

ディズニーの「リトル・マーメイド」すなわち人魚姫は,あのすてきな音楽で大人でも楽しめるアニメとなっていますが,岩波文庫の 「アンデルセン童話集」について,訳者の大畑末吉氏がこんなことを言っています。『戦時中発行した「アンデルセン童話集」の標題が, 第8冊から「お話と物語集」になったのは,当時「アンデルセン童話集」には,童話たるにふさわしくないものがあるという, ある方面からの意見があったのを機会に,デンマーク語の原標題通りにしたのであります。』それにもかかわらず,岩波文庫は戦後ふたたび 「童話集」に復帰し,一般にもそれで通じているという事実は,『アンデルセンのお話や物語はみな童話なのです。「絵のない絵本」はもとより 「即興詩人」ですら,ある意味では童話と言えないこともないように思えます。....彼の生涯そのものがそうだったのです。かれは「自伝」 でこう言っています。「私の生涯は波乱に富んだ幸福な一生であった。それはさながら一篇の美しいお伽噺である」。アンデルセンは, 一生涯若々しい童心を失わなかった人です。この童心こそ「子供にはわからない,子供には向かない」はずの話を,童話に純化するものです。 童心を失った大人が頭の中で作り上げた「教育的童話」くらい,幼い心をゆがめるものはないでしょう。』

 

7月15~18日

金曜日は休暇をとり,久しぶりに東京ディズニーランドへ行ってきましたが,比較的空いていて,あちこち乗り回ることができました。 夜はそのまま東京に泊まり,土曜日のお昼頃に帰宅。最近は,夜まで遊んでしまうと,(電車で1時間ほどなのですが) 帰る気力がないのですね^^;;。

種村季弘は,大磯に住んでいたことがあったそうで,「書国探検記」に隣町,平塚の古書店の思い出を記しています。万葉堂 (駅北口とあるが,実際は南口)と北口の小さな古本屋。ここで俳文,幕末資料などを見つけたといいます。この北口の古本屋は, いまでも営業している「あの店」のことだと思うのですが,そこは今では文庫や雑誌がほとんどのごく普通の古本屋になっています。

 

7月14日

新潮社では来春,現在絶版となっている作品ばかりを選んだ『新潮文庫絶版100』 を,CDROM版にて発売する予定。新潮文庫はこれまで6000タイトルを刊行しましたが, 現在残っているのは約2700タイトルほどで,半分以上が絶版。このCDROMには,徳永 直『太陽のない街』,織田作之助『夫婦善哉』, 横光利一『旅愁』,田村泰次郎『肉体の門』,ソルジェニーツィン『収容所群島』,D.H.ロレンス『恋する女たち』,フロイト 『フロイト自伝』などが含まれています。

CDROMだと1枚に100冊,5000冊でも50枚か....。確かに省スペースにはなるでしょうね。私自身は, ハードに頼ったメディアはコレクションの対象として,どうも情熱が湧かないのです。岩波文庫5000冊を収めたCDROM全集が出たら, みなさんは買いますか?

 

7月13日

ずっと雨が降り続いています。梅雨明けが待ち遠しいですね。科学技術振興事業団から, 日英翻訳ソフトが届いたのでさっそく試してみると....これは元の日本語を相当選ぶソフトですな^^;;。あらかじめ, 直訳調の日本文を作る努力が必要なようです。まあ,論文抄録を訳したりする専用ソフトということなんでしょうが。最近, 論文のデータベース化に関する研究会も盛んで,あちこちから問い合わせやら,お誘いがきています。

 

7月12日

「2000年版全国古本屋地図」発売中。最近,買っていなかったのですが,ずっと前は, ビニールカバーで横長のスタイルだったですよね。今回から古書店のホームページURLも掲載されているというのがポイントです。 いずれCDROM化されるかも。

 

7月8~11日

さて週末はいろいろバタバタと動き回っていました。
まず金曜日の夜は,御茶ノ水のアキオ楽器へ。ウクレレの弦2セットを3千円ほどで購入。アキオ楽器は, 文庫本でいう山陽堂や川村みたいなもので^^;;,その道では有名な店。最近,真面目に練習しているから,弦の消耗が激しいのです。
ついで土曜日。子供と二人で,東海道線の辻堂から大船。モノレールに乗り継ぎ,江ノ島へ。江ノ島は,我が家から歩いてでも行けるのですが, モノレールに乗りたい!という強いご希望で^^ぐるっと一回り。イルカやアシカのショーを見たり,ハンバーガーを食べたり, 海岸をぶらぶらと。よく日焼けしました。夕刻,小田急で藤沢へ戻って,新しくできた楽器店に行くと, 楽器にはめぼしいものがありませんでしたが,ケースでかなり気に入ったものを発見。眠った子供を抱えていなければ, 衝動買いしていたところ....。
日曜日,古いウクレレの弦もついでに張り替えてやろうとギリギリ締め上げていたところ,ネックの根本からボディに水平の裂け目ができ, 思い出深き1960年代ヴィンテージ^^;;Famousがついに崩壊。ショック。ま,これを口実にマーティンでも買うか(無理無理)。 その後,小雨が降っていたので,横浜のマイカル本牧へ。いま,我が家の庭のデザインを考えているので,参考のためアメリカ村 (外国人居住住宅街?)をうろうろ。あまりにデカイ家が多くて,参考にならなかったかもしれません。
そんなわけで,本を読む時間がありませんでした。すいません。

 

7月7日

ケイプラント・田中克幸さんからの手紙....「スタッフの知育を奨励し、クリエイティブチームとしての発展をも期すため、この度、 果敢かつ無謀にも、ケイプラント文庫‐300を設定します。知性と感性と創造力を磨く日常的な訓練として、やはり読書は最善の方法です。」

その選択基準としては,「・・・特に、一般的かつ学術的かつ歴史的かつ芸術的に評価が高く重要な名著名作を、 読破読解の可能性に配慮し厳選」とのこと。志は同じつもりなのですが,読破可能性という点で,私の場合は問題が多そうです^^。

 

7月6日

明日から七夕祭りということで,平塚は大賑わいになるのでしょう。昨年までは,人混みをかき分けて帰宅していたのですが, 今年は観光客の立場^^;;。平塚に観光で行かれる皆様,新本なら駅ビル内「サクラ書店」,古書なら平塚駅西口近くの「萬葉堂」 がお薦めであります。

 

7月5日

いよいよ「平家物語」(全4冊)が刊行されます。平家物語が最初に2巻本の岩波文庫として出たのは1929年。 1939年に改版されたのが最後ですから,60年ぶりの新版登場(新日本古典文学大系の文庫化)となります。今月は, 30冊の一括重版もあり,近代笑話集(全3冊),醒睡笑などの面白本の他,大陸移動説を唱えたウェーゲナー「大陸と海洋の起源」 や中華グルメ本「随園食単」,ギリシャ・グルメ本「食卓の賢人たち」など,夏休みの読書向きの読みやすいタイトルがたくさんあるようです。

 

7月1~4日

あいにくの梅雨空ではありましたが,飛騨高山方面の旅行から戻ってきました。高山に行ったら,由緒ある古書店などあるのではないか, と思っていたのですが,事前の調査不足か,見つけることができませんでした。

メールマガジン「読書猿」より,久しぶりに配信がありました。カンパネッラ「太陽の都」(岩波文庫)や,五木寛之「大河の一滴」 (幻冬舎)などが取り上げられています。興味のある方は,ここまで

ブックレビュー」 が新装開店したというので見に行きました。メールサービスもやっていて,「BOOKREVIEWが厳選した本の書評を、 毎週火曜日と金曜日に無料でお届けするメールマガジンです。読書好きの方に役立つ書籍情報等も満載。どなたでも無料でお申込み頂けますので、 ぜひあなたの読書ライフにご活用下さい」とのこと。

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1999年06月30日

1999年6月

6月30日

午前中は豪雨,午後からは晴れの一日。金曜日から高山に行くので,天候が心配だったのですが,まあまあ大丈夫そうです。SF・ ファンタジー系のページ「書物の帝国」。 そこで知った「TOLLE ET LEGE」の日記ページが面白かった。「ら抜き言葉撲滅委員会」というのもやっていて,『「日本語は美しい!」 これが私たちの出発点であり、基本理念です。あなたは「見られる」を「見レル」、「食べられる」を「食べレル」、「居られる」を「いレル」、 「忘れる」を「忘れレル」といった言葉遣いが美しくていい言葉だと感じますか。私たちにはとてもそうは感じられません。醜く、汚く、 そして愚かさの漂う言葉ですらあるように思えます。ほんの少し前までほとんどの人が「見られる」と云っていたのに、どうしてある日から 「見レル」と云うようになったのでしょうか、そして云うようになれるものなのでしょうか。恐らく、 自分たちが毎日使っている日本語に無関心で自分の使っている言葉の美しさが感じられないのでしょう。 私たちにはそのように思われてなりません。私たちは、まず何より日本語は美しいということを感じられる感性を持っていたい、 そして持ち続けたいと強く願っています。そしてその想いは、ただ私たちのみならず、 日本語に関心を持つすべての方に共有して欲しいと願っています。そこで、私たちは「ら抜き言葉」 に象徴される昨今の美しくない日本語の消滅を図るべく、ら抜き言葉撲滅委員会を発足させることとしました。』という主旨のようです。 わたしは,「私たち」の中には,入らないようです^^;;。

 

6月29日

「BookReview」は,夕刊紙 「日刊ゲンダイ」が開設している書評ページ。厳選された本の書評を見ながら,気に入った本を直接注文することができる。 書評の全文検索も可能だ。毎週話題の本をプレゼントするコーナーのほか,自分の書評を投稿して掲載されると図書券が当たるコーナーもある。 ということで,見てみますと,最近文庫で出た「聖書物語」や新訳「君主論」など岩波文庫や新書も結構取り上げられています。

 

6月28日

「本棚の整理をしておいた」とカミサンが言うので見てみると,判型でバッチリ分類してくれたので,何処になにがあるのか, 全然わからなくなりました。大きさじゃなくて,内容の似たもの同士を集めていたんだよ!と言うと,それじゃ見た目が悪いし, 本が横に積んであるのなんて許せない!!とのこと。本棚の整理については,いろいろな流儀があるようですが,どんなに乱雑に見えても, 本人は結構覚えているものです。

 

6月26~27日

文春文庫新刊の「李陵 山月記 檸檬 愛撫 外十六篇」。中島敦と梶井基次郎の短篇集ですが,なぜこんなジョイント本が出るのか?  思いつくのは,夏休み読書感想文向け作品集,といったものなのですが,いやもっとほかに,ちゃんとした理由があるのかも知れません....。

 

6月25日

鬱陶しい梅雨空が続いています。子供も家の中に閉じ込められて面白くないようで, 値下がりしたので買ってきたドリームキャストのソニック相手にストレス解消しています。近くの図書館も,暇な?子供達でいっぱいのようです。

 

6月24日

・・・子供の本ということで,急に20年ほど前に読んだリンクレター「ほざくなチビッ子」を思い出しました。 文春文庫で出ていた面白い本なのですが,もう書店では見かけないようです。調べてみたら,これを取り上げているサイトがありました。 隠れた人気本なのでしょうか。このインタビュアー,子供に面白い話をさせるきっかけは,「最初に,『ここにくる前に, ママに言っちゃいけないと言われてきたことはなに?』と聞くこと」だって^^;;。

 

6月23日

ミステリー好きにはお馴染みの内容盛りだくさんMystery Best ???の中に, 「子供を読書好きにするにはどうしたらよいか」というコーナーがあります。我が身に引き比べると, 読書好きになることが良いことなのかどうか疑問ですが....^^。『ドリトル先生航海記』が取り上げられているのは嬉しいけれど, 斉藤惇夫氏の一連の諸作など,日本の児童文学っていうのは,どうもピンとこないんですよね。大人が読んでも,あまり面白いと思えないのです。

 

6月22日

まだ上巻しか出ていないグレーヴスの「さらば古きものよ」。"古きイギリス的伝統を痛烈に批判した自伝"という紹介文には, 今ひとつそそるものがありませんが,読みはじめてみれば,自らの家系を辿る冒頭から,波乱に富んだ少年時代, 軍隊生活の悲惨な現実にも皮肉な笑いを絡めつつ,話のテンポの良さで,一気に最後まで読み通してしまいました。

 

6月21日

日立印刷のサイトに, 東京神田ガイドが載っており,飲食店情報もなかなか詳しく出ています。古書店としては,文庫川村も紹介されています。神田は本の街ですが, グルメの街でもありますね。やっとの事で稀覯書を見つけ, 近くの渋い喫茶店でコーヒーなぞ飲みながらパラパラとめくる至福のひととき....というのが理想ですが, 実際は時間に追われてドタバタ....残念です。

 

6月18~20日

あたまがボサボサになってしまったので,床屋に行くついでに,岩波文庫の新刊「福沢諭吉家族論集」を買いました。本書は, 諭吉の男女交際論論,女性論,男性論,離婚論などなど,家族に関わる諸作を集めたもの。「女大学」の精神が生きていた時代の平等論, 自由論ですから,当時としては斬新な議論であったろうと思います。読んでみて,なかなか反省すべき点が多かったような....^^;;。 岩波文庫のアタマ(上の部分)が揃っていない(ギザギザである)のに対して,床屋さんから,なぜアタマを刈らないのか! という投書があったという話もあります。

 

6月15~17日

いやいや真夏並の暑さが続いていますね。完結した「水滸伝」のこと。これは,旧版の吉川訳をもとにしたものですが,今回の「解説」 には,その後の研究の進展や,校閲の過程などが詳しく書かれていて興味深く読みました。まあ, とりあえず読み切ってホッとしたところです^^。水滸伝については,面白いページがありました。 水滸伝関係の本を探しているようです。

 

6月14日

岩波文庫7月の新刊が発売になります。「さらば古きものよ」は,現代イギリスを代表する詩人,小説家,ロバート・グレーヴズの自伝。 「戦争詩人」として知られるグレーヴズが,旧弊なイギリス的風習を批判したもの。本邦初訳。「福沢諭吉家族論集」は,さきの「近代思想案内」 でも触れられていた諭吉の"女性問題"を中心とした家族論で,「日本婦人論後編」「男女交際論」「日本男子論」などを収録しています。 「水滸伝」は,近年まれにみる順調さ?で刊行され,今月の(9)(10)で完結。

 

6月11~13日

梅雨だというのに,ちっとも雨が降りません。土曜日は,江ノ島に歩いて行き,江ノ島水族館を見てきました。 イルカのショーなどちゃんと見たのは何十年ぶりだろう^^;;。日曜日には,朝早くから本の整理をした後, また海で砂遊びのつきあい....休日はホントに疲れますね....。

本棚の整理といえば,カミサンの仕事の関係で楽譜が山ほどあるのですが,楽譜の版型は,普通の本棚には中途半端で困りますね。以前は, 専用の書棚を使っていたのですが,今回は私の本と混載?なので,場所取り合戦が大変です。

 

6月10日

「近代日本思想案内」は,岩波文庫別冊の「・・・すすめ」シリーズでは珍しく,共著ではない鹿野政直氏ひとりの執筆です。 幕末から終戦に至る思想史を,各時代の代表的な著作に依ってやさしく解説したもので,たいへん勉強になりました。 戦時下の出版統制にも触れられており,伏せ字によりめちゃくちゃになった岩波文庫「文明論之概略」の, オリジナル文庫本との比較図も掲載されています。戦前の伏せ字文庫本の収集というのを,どなたかやりませんか....^^;;。

 

6月9日

岩波文庫別冊13「近代日本文学のすすめ」は,明治以降の作品(つまり緑帯ですな)より30冊を取り上げ, 作家や研究者が各10頁ほどで紹介するもの。取り上げられているのは,坊ちゃん,夜明け前,或る女など,お馴染みの作品ばかりですが, なかなかヴァラエティに富んだ紹介ぶりで面白い。巻末に写真付きの原作者一覧があるのも親切。ちなみに,候補(90作品) に挙がっていて選外になった作品には,人間失格,野菊の墓,風立ちぬ,五重塔,中原中也詩集などなど。

 

6月8日

本棚を買いに行きました。120cm幅と90cm幅で高さ220cmのを各1本。私の書庫の壁には,気張ってミラ・ ショーンの壁紙^^;;を貼ってあるのですが,全然見えなくなりました....。しかし,本棚の地震倒れ防止金具というのは, ホントに気休めに過ぎませんね。東海大地震の警戒地域にある我が家。本の下敷きになったら本望だ....とは思わないし。

 

6月7日

「ヤフーら4社、 コンビニで受取・支払可能な書籍専門オンラインショップを設立」ということで,書籍をインターネットで注文後、 全国7,700店舗余りのコンビニエンスストアで商品の受取と支払ができるようになるようです。実際,私のような内勤のサラリーマンは, 書店に行く時間が,ホントに無いんですよ。仕事帰りにはとっくに閉まっているし....。こういうシステムは便利ですが, ますます書店から足が遠のいてしまうかも。

 

6月4~6日

丸善に行ったら,創業130周年記念の黄色い万年筆「檸檬」が飾ってあり,梶井基次郎の新潮文庫版「檸檬」 を付けて^^;;28000円だというので,つい買ってしまいそうになりました....。まあ,「檸檬」は丸善に縁の深い作品ですね。 ところで,私が学生の頃はまだ,入学祝いに万年筆を贈るというのは,よくあることだったのに, いまの学生でちょっと良い万年筆を持っている人は,少ないんじゃないかしら。作家の人も,主流はもうワープロでしょうから, いま物故作家の資料館に飾ってある万年筆も,将来は,愛用のNEC PC9821NE3 1992モデルなどに変わるんでしょうか。 かく言う私も,安い事務用のしか使っていないんですよ。

 

6月3日

まもなく「岩波ジュニア新書」が創刊20周年を迎えるとのこと。20年前,すでにジュニアじゃなかった私は, このシリーズをほとんど持っていないのですが,今月刊の「日本古典のすすめ」でも読んで,少し勉強しようかと思います。ところで,「ドン・ キホーテ」の牛島信明による新訳がでますね。6,000円ですが,挿し絵満載とのことで,ちょっと気になります。

 

6月2日

いまさらですが,インターネットラジオというのは,なかなかいいですね。最近は,朝出かけるまでの間, そのラジオを聞いていることが多いのです。音楽番組もたくさんあって,台湾の「Philharmonic Radio Taipei」など, クラッシックの有名どころをたくさん流してくれるので気に入っています。ニッポン放送は, ビートたけしのオールナイトニッポン名作集などという懐かしいものをやっていましたが....。

ある本を注文しようと,いろいろWebブックショップを廻ってみたところ, 書店でよく見かける本なのになかなか検索に引っかかりません。結局,いつもの有隣堂にFAX注文しました。 検索しなければならないような本は,結局うろ覚えなので,うまく検索に引っかからない,という自分の記憶力の悪さを再認識させられた次第。

 

6月1日

ブックレビュー」 が新装開店したというので見に行きました。メールサービスもやっていて,「BOOKREVIEWが厳選した本の書評を、 毎週火曜日と金曜日に無料でお届けするメールマガジンです。読書好きの方に役立つ書籍情報等も満載。どなたでも無料でお申込み頂けますので、 ぜひあなたの読書ライフにご活用下さい」とのこと。

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1999年05月31日

1999年5月

5月29~31日

書庫を改造すべく,本棚のカタログなど見ながら思案中です。ほんとは,文庫本専用の薄いものがよいのですが, 残念ながら壁の空き面積が少ないので,標準的な棚を入れて,また隙間無く詰め込む格好悪いものになりそうです^^;;。

我が家に,新しい電話機がやってきた。今度のは,コードレススキャナーというのが付いていて,なかなか便利。さっそく, 近くのバス停に時刻表をスキャンしに行こうとしたら,カミサンがみっともないからヤメロ!と....。

 

5月28日

サンリオギフトブックの『夢みたものは・・・』立原道造詩集は,21篇の詩を収めているのですが,いちばん有名な(と思う) 「のちのおもひに」(夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に・・・)は,入っていないのです。また,いかにも可愛らしい 「麦藁帽子」も....。でも,全集本や岩波文庫で読むのとは違った楽しさがありますね。 今年は立原が24歳で夭折してから60年目にあたります。

 

5月27日

急に「一房の葡萄」が読みたくなって本棚を探したら,岩波文庫「日本児童文学名作集(下)」がまず見つかったので, 今朝はそれを読みながら来ました。この本には,芥川の「蜘蛛の糸」も収めてあり,そんなのは, 芥川の短篇集で読めばいいじゃないかと思うでしょうが,この「名作集」所収の「蜘蛛の糸」は,鈴木三重吉が手を入れた『赤い鳥』 版なのですね。

 

5月26日

別に危ない人になったわけでもないと思うのですが,最近「独り言」をよく喋っているようで,今朝もバスが揺れたとき 「あぶないですよ~」とボソッ。前の人が怪訝な顔をして振り向いた。聞こえていたのか....^^;;。

ここのところ何回か「週刊アスキー」の"カオスだもんね!"で取り上げられている,書店でのサイン会の話が面白い。 私はサイン会というのに,あまり関心がないのですが,先日地元にオープンしたさる書店に, 名前を聞いたことのないような数人の作家のサイン本が積まれているのを見ました。売れるのかしらね? 荷風のサイン本や献呈本なら (買えないけど)欲しい....。

 

5月25日

千葉のみなさん,申し訳ない。Chiba Walkerという雑誌はできないだろう....などと言ったのですが, 6月8日に創刊だそうです^^;;。ちなみに"夏だ!!千葉だ!!"創刊号の特集は,柏市....。 とりあえず記念に一冊買ってしまいそうです。

 

5月22~24日

土日は暑かったですね。湘南海岸は,水着で日焼けする人たちでいっぱい。子供と砂遊びをしていたのですが,お尻が熱くて, 早々に引き上げてきました。

岩波文庫新刊「明六雑誌」(上)を読みました。個々の論説については,断片的に読んだこともあるのですが, 今回は全文収録ということで,最初から通して読んでみました。よく知られている通り,政教分離,国字改革, 米国を初めとする海外事情の紹介など,当時の知識人動向を知るための基本文献ですが,読みにくいものではないので,馴染みの無かった方には, 一読をお薦めします。(サンリオの立原がさっそく届きました。葉祥明画による,懐かしい「詩とメルヘン」 を文庫化したようなかわいい本でした)

 

5月21日

ふるほん文庫やさんにずいぶん前に頼んでいた『夢みたものは・・・』立原道造詩集(サンリオギフトブック) が入荷したとの連絡がありました。こういうのでも出てくるのですね....。ところで,とある大学生の方から,難しい質問が来たので, このように答えてみました。いかがでしょうか?

☆図書館へ行くと岩波文庫の本を目にすることはあっても借りたことはないのが現状で、 岩波文庫を読んだことのある大学生は少ないのではないかと思います。

★同感です。大学生に限らず,岩波書店の本を読んでいる人は 少ないと思います。岩波書店自体,歴史ある出版社ですが 出版業界では, 「大」出版社ではありませんね。出版点数も 講談社や角川などとは比較になりません。

☆岩波文庫は大学生にどのような価値があると思われますか?

★一つは原典の供給です。大学でたとえば資本論や純粋理性批判を 学んだとして,そのテキストをどこで手に入れればよいでしょうか? 専門家であれば,マルクスやカントの全集,外国語の原典に当たる のでしょうが,学生には岩波文庫が役立つと思います。 経済学や哲学に限らずとも,たとえばドストエフスキーやスタンダールを 読もうとしたとき,他社の文庫はあてになりません(岩波も最近 絶版が多くて役に立たないことが多いですが)。
もう一つは大学生らしい見栄のためです。往時の学生は,岩波文庫を ミカン箱に何箱もっているか!を競ったそうです。いまでも,程度は ともかく,大学生は基本的にインテリ層と思われています。 インテリであることを示すには,マンガではいけません。いや, マンガしか読まないことが格好悪いのであって,バッグの中に 岩波文庫が一冊でも入っていれば,あなたの印象はかなり変わるでしょう。 それが持っているただ1冊の岩波文庫であるとしても,です。

☆現代、岩波文庫はどのような読者層を抱えていらっしゃるのですか? また、現在岩波文庫ではその内容を知らせるような宣伝や 広告活動を行っていたら、それがどんなものが教えてください。

★はっきりとは分かりませんが,機関誌「図書」などを見ると若い人は 少ないようですね。ときどき「若い人に勧める100冊」 みたいな 企画をやっていますが,気づいたことがありますか? わたしは全然 効果が上がっていないと思っています。 せいぜい学校図書館で参考にする 程度でしょう。
想像ですが,若い人で岩波文庫に興味を持っている人は,読書家というより, 文庫本コレクターが多いのではないでしょうか?  インターネットであちこち ウロウロしているとそう感じます。

 

5月20日

今日は30度近くまで気温が上がり,すっかり初夏の陽気になりました。足尾銅山による鉱毒被害で,村ごと強制収用となり, 遊水池に沈んだ村の悲惨な実体を明らかにし,腐敗した明治政府を徹底的に糾弾した岩波文庫の新刊「谷中村滅亡史」を読みました。 本書は荒畑寒村二十歳の時の著作で,公刊後すぐに発禁となりましたが,その迫力ある筆致は,当時の農民の置かれた厳しい状況と, 政府財閥が一体となった弾圧ぶりを余すところ無く伝えています。現在では,足尾銅山跡を使った観光コースもあるのですが, そこでは鉱毒事件の歴史には一切ふれられていません。この問題は,立松和平「毒-風聞・田中正造」にも詳しく描かれています。

公害問題の原点と言われる谷中村については,多くの資料がありますが,足尾銅山谷中村遺跡発掘田中正造などが参考になります。

 

5月19日

ライコスジャパンで,「芸術と人文科学>文学」 カテゴリのお薦めサイトとして,紹介していただきました。ここでは,「ペンネーム図鑑」 というページを見つけ,なかなか勉強かつ笑わせていただきました^^。

 

5月18日

「NHKおかあさんといっしょ」コンサートのビデオを一日何回も見せられるので,つい一人のときでも「公園へ行きましょう!Hi!」 などと口ずさんでしまうこの頃....。今朝は,水口画伯の「カオスだもんねVol.4」 を再読しつつ通勤。とくに面白いのは,パソコンのある家に押しかけ家庭訪問し,妹尾河童ばり^^;;の俯瞰図でレポートする 「パソ家庭訪問」(先週の週刊アスキーでも福岡編集長の部屋をやってましたな)。実際,私は読書関係の雑誌でも,「××氏の本棚」 とか書斎特集など,覗き趣味を満足させる企画が好きなんですね^^。覗いているばかりでは申し訳ないから,私の第一書斎, 第二書斎も近日公開予定です。

 

5月14~17日

香川の矢木さんから 「文庫本で読む文学賞作品」 というホームページの案内をいただきました。さすがにメジャーな文学賞を受賞した作品は, 多くが文庫本化されているようです。あまり読んだ作品はないのですが....^^;;。

今朝は,岩波文庫「ヨーロッパのキリスト教美術-12世紀から18世紀まで(下)」を読みながらきました。キリスト教関係の彫刻, 絵画に現れたイエス,聖母,聖人らの姿の変遷を辿りながら,それぞれの時代における意味を分かりやすく解説したもので, 図や写真がもう少し欲しいものの,楽しく読むことができました。

 

5月13日

Azusaさんより,「国富論」の訳者は水田洋ではないか,とのご指摘がありました。 確かに岩波文庫のリヴァイアサンを訳した水田洋氏のようです。ありがとうございました。引越のおかげで, 古い文庫本がいろいろ目に付くようになり,今朝も「泉麻人の大宴会」を読みながらきました。で,改めてあとがきを読むと, 本書が最初ムックとして88年に出たときには,まったく売れなかったという下りがありました。文庫本になってからは,新刊書店・ 古書店でよく見かけるので,結構売れているのだと思いますが,それは,本書に生き生きと描かれているジュリアナ・ フィーバーをはじめとするバブル期のハチャメチャぶりを知っている世代が,あのころはホント馬鹿馬鹿しいことやってたな,と思いながらも, 最近,詰まらなくなっちゃったな....と感じているせいかも。

 

5月11~12日

私の家の周りでは,書店のおやじさんが,定期購読している家へ婦人月刊誌や少年誌を配達する姿,見かけなくなりました。 私自身も定期購読している雑誌はあるのですが,版元から郵送されてくるものばかりです。だいたい持ちくたびれるような分厚い総合誌・ 婦人誌というのが,無くなってきましたし。

ところで,私がずっと買い続けている雑誌に,「Yokohama Walker」があります。これは同体裁の「Tokyo Walker」の神奈川版なのですが,なんとなく,これはYokohamaだからできる雑誌で,同じ東京周辺の大都市, UrawaとかChibaではできないんじゃないかなと思うのです。というのは, 神奈川県民というのは一般に横浜を文化の中心だと思っているからで,交通にしても買い物にしても,まず横浜が核にあって, 湘南方面では鎌倉や藤沢,横須賀。県央では相模原がぶら下がっているというイメージ....。東京はあくまで横浜の延長線上にあるのですね。 これが埼玉や千葉だと,浦和市や千葉市をそれほど重視せずに,東京志向が強いのではないでしょうか。 生まれ育った神奈川県をこよなく愛する私としては,東京の電車の中で「Yokohama Walker」を読むのが誇らしいのですよ, ホント^^。

 

5月10日

土屋繁子氏が,「外国文学の翻訳では,新しいものほど原作よりになる。子供の頃に読んだ『ああ無情』では, コゼットが小雪という名前に変えられていた。・・・最近では翻訳者と読者の間にさほど知識の量の差はなく, 読者も外国事情を承知しているので,原作寄りに訳しても支障がないようである」と言っていました。岩波文庫でも,明治, 大正期に訳されたようなものの中には,今ではかなり不思議な感じを受ける訳文がかなりあります。一例として,今月重版される「小公子」 (若松賤子訳)などはいかが。

 

5月7~9日

引っ越しにより,通勤電車の時間が変わり,ホームでの待ち時間が長くなってしまいました(座って行こうとしているので^^)。「図書」 に,岩波文庫「国富論」の翻訳中だった杉浦忠平氏逝去のお知らせが出ていました。そのあとは永田洋氏が引き継ぐとのこと。 長編の刊行途中で訳者逝去による交替,というのはときどきありますが,この「国富論」は未完(本年中に刊行予定)。先が長くなりそうです。 もうひとつ「図書」で,岩波新書「言葉の道草」に誤りがあったとのこと。「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」の説明に, 「火の用心や娘への親心はいまでも変わらないが・・・」とあるのに対し,「お仙は,娘ではなく,本田成重の幼名 仙千代である」 との指摘が何件かあったようです。

 

5月6日

岩波文庫5月の新刊は,「北原白秋歌集」,「銀の匙」,「渋江抽斎」,「にごりえ・たけくらべ」という有名どころが改版されるほか, 別冊として,「近代日本思想案内」,「近代日本文学のすすめ」。加えて,森有礼,福沢諭吉らにより発行された明治初期の雑誌「明六雑誌」, 荒畑寒村による足尾鉱毒事件に関わるルポ「上谷中村滅亡史」という,読みごたえのありそうな8点。改版される4点は, すでに読んだものばかりですが,20年以上前,創刊50周年記念復刊で囓っただけの抽斎については, もう一度じっくり読んでみようかと思っています。

 

5月5日

岩波文庫に関する新しいページができました。"Dear Mr. Iwanami..."で, 私のページと違って,お洒落。読書記も丁寧な造りで素敵です。岩波文庫については最近,単行本もいろいろ出てきて,嬉しいですね。・・・ 家の中は,ようやく段ボールが消えてきた感じです。

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1999年04月30日

1999年4月

4月29日~5月4日

30日に引っ越し,その後の荷物整理とバタバタしていましたが,どうにかインターネットできる程度^^;;に片付いてきました。 運んできた本は,とりあえず収めた,という感じで,どこになにがあるやら見当もつかない状態ですが,ボチボチ整理していきたいと思います。 まずは,岩波文庫の蔵書チェックを早急にやらなければ....。

 

4月28日

すでにゴールデンウィークに入っている方も多いかと思いますが,私はカレンダー通り。引越の後始末もあるので, ゆっくり休めそうにありません。あらためて引越荷物を見てみると,数が少ないとはいえ,やはり本や雑誌が, 文字通り大きなウェートを占めています。前回の引越では,蔵書を全部運んだため,手伝いにきてくれた工務店の社長から,腰が抜けました! と言われたのですが,今回はいかに^^;;。

 

4月27日

読書とMacのページ「窈然と・ ・・」を読みました。Macのことは分からないのですが,読書のページは,興味深い文章を引用しつつ, それから浮かぶ様々な印象を綴った一風変わった読書日記。『マルテの手記』,『月と六ペンス』,『中原中也詩集』などを取り上げています。

 

4月25~26日

今月最後の岩波文庫新刊は,ペルシャ王列伝「王書」。だいたい伝承ものは,退屈で読み進むのに難儀するのですが,この勇者の伝説は, 冒険あり,ロマンスありと,アラビアンナイト風のなかなかリアルな書きっぷり。 ペルシャの王統を知ったからどうなるものでもありませんが^^;;,楽しい読み物としてお薦めします。 絶世の美女も登場する色っぽい場面もあるのですが,これは基本的に男の物語ですな....。

 

4月24日

学生時代の教科書(とくに教師が自分の講義のために出した入門書)など,この歳になってなかなか読み返すことは少ないのですが, いまでも時折書棚から取り出しては,こんなこともあったなぁ,と感慨に耽る^^;;数少ない本のなかに,高木貞治の数学関係の諸作, それから朝永振一郎の「量子力学」があります。今回,岩波文庫の新刊ボーア論文集「因果性と相補性」を前に, 興味を持つことと理解することは別の次元にある,ということを思い知らされる私自身の冴えない頭に失望しつつも, いまでは大学の新入生に当たり前のように教えられている「量子力学」を作り上げた初期の科学者たちの情熱に導かれて, 最後まで読み通すことができました。解説も充実しており,最も興味ある問題であるボーアとアインシュタインの論争に焦点をあて, そのいきさつを詳しく述べています。たとえ高校生でも,物理に興味を持つ人であれば,一読を薦めます。

 

4月23日

新刊「文化史上より見たる日本の数学」を読みました。同じく岩波文庫に入っている「塵劫記」のような和算書と違って, これはあくまで歴史の本。和算の流派や,その相互関係について書かれた部分は興味深く読めたのですが,より理解をすすめるために, 校註でもう少し具体的な事例を解説してくれればとも思いました。もともとそういう主旨の本ではないといえば,それまでですが。

 

4月22日

「水滸伝(8)」を読み終えました。本巻は,梁山泊の面々が政府軍を散々打ち破り,奸臣を征伐し,赦しを得て皇帝に招喚されるまで。 とにかく合戦のたびに,たくさんの将軍の出で立ちをいちいち説明するものだから,大変大変^^;;。逆にそれと漢詩の部分をかっ飛ばして, 物語の筋だけ追えば,あっという間に読み終わってしまう....。まあ,完走間近ということで,じっくり読むことにしましょう。

 

4月21日

4月から始まった新潮文庫"Yonda?CLUB"のプレゼント。今後2年間に買った新潮文庫の応募マークを集めると, マウスパッドやレターセット,文豪リストウォッチ,文豪カップ&ソーサーなどがもれなく貰えるというもの。賞品はなかなかユニークですが, たとえ2年間といえども,新潮文庫を100冊も買うだろうか?と考えると,ちょっと無理そうです。せいぜい5冊で貰えるカンバッジかな。 岩波文庫なら,100冊くらいいけそうですが....。応募用紙は各書店にあります。

 

4月20日

新刊「水滸伝(7)」を読み終わったところです。第7巻は,ようやく梁山泊に豪傑が勢揃いするところまで。いつもなら, 来月まで間がもたなくて困った,というところですが,今月は第8巻も一緒に出ているので,帰りにはそれを読むことにします^^。しかし, この辺りになると人集めに急で,敵の豪傑があまりにも簡単に帰順してしまうので,なんだかなぁといった感じも^^;;。

 

4月16~19日

引越の荷造りに息子(と私)が邪魔だ!ということで,週末から実家に泊まり込んでいました。それで,岩波文庫の「銀河鉄道の夜」 (新版)をあらためて読んでみたのですが,あとがきで「旧版」に対して,原稿の順序を入れ替えたとの記述がありました。新版とはいえ, すでに古いものなので,現在はこの「新版」で行われた改編が標準になっていると思われるのですが, 他社の文庫本など比べてみると面白そうです(というより,既に詳細な研究がなされているのでしょうが....)。原稿の欠落や順序を巡って, いろいろ謎の多いお話ですが,そのあたりに詳しいホームページはあるかしら?

 

4月15日

Linuxブームということで,そのソフト販売を巡り,いろいろ議論がなされています。たとえば,最近発売されたredhat Linux日本語版。Linuxとしては,メジャーなパッケージですが,これの「日本語化」や付属マニュアルがお粗末であるとの意見があり, 私自身もそれが原因で,せっかくLinuxに興味を持った人たちがガッカリして去っていく....ということにならなければよいが, と思っています。かつて初期のパソコンを経験した人たちの中には,そもそもOSの「日本語化」なんてそんなものだ, という気持ちもあるでしょうが,一般のWindowsやMacOSに親しんだ人が, 極めて不自由な日本語環境とネット上に流れているフリーソフトや文書をてきとうに集めただけで,1万円もする「日本語版」 として売っていいのか,と怒るのも当然ではないでしょうか。それがLinux文化だ,というのなら別ですが。

 

4月14日

久しぶりにYahoo!の書評カテゴリーに新しいサイト「わいんぶれいく」が登録されたので, 行ってみました^^。そこで,宮沢賢治と森鴎外の「秘密」というのを見ていたら,急に「銀河鉄道の夜」が読みたくなり,「青空文庫」 のエキスパンドブックでパラパラやったりしていました(賢治のテキストは,かなりオンライン化されています)。帰りに書店で, 畑山博「銀河鉄道の夜探検ブック」(文春文庫)も探してみたのですが,置いてありません(絶版になったのかな?)。

 

4月13日

また新橋駅前のバザーに文庫本が多数出品されていましたが,今回は古い文庫本にめぼしいものが無く,残念。岩波文庫も, 日本文学と人文科学系が数点のみでした。最近は駅の構内で捨てられた雑誌を集め,駅頭で再販売するという一種のリサイクルビジネス? が盛んですが,不要な文庫本についても燃えるゴミではなく,電車の中に~そっと~置いてくれると再利用が進むのでは^^;;。そういえば, 我が地元の駅でも不要になった本を置いておくとだれか欲しい人が持っていく,というリサイクルボックスを駅に置いたことがありましたが, いつのまにか消えてしまいました。やはり提供者がいなかったのか....。

 

4月10~12日

古書店「緑風舎」 の日記に,古本を再度売るときに値札を剥がさない方がよい,という話がありました。私自身は, 記録として古書店で買った文庫本に値札が付いている場合(鉛筆書きの方が多いけれど)は,そのままにしていますが,それを売るときには, 丁寧に剥がしていたような気がします。実際,買った店に売るということは少ないかもしれませんが,「貸本屋的感覚」というのは, ちょっと面白いなと思いました。古書店では珍しいオリジナル書皮のことも出ているから,欲しがる人がいるんじゃないかしら^^。

 

4月9日

選挙戦も終盤となり,朝から街頭は候補者の連呼で大騒ぎ。いまも近くの駅頭で桝添要一氏が演説中です。 新橋の駅にはさまざまな候補者がやってきて,なかにはジャンピングシューズを履いたドクター中松なんていう場合もありますが, なかなか面白い。翻って,文庫本で演説集と名の付くものがどれだけあるかというと,岩波文庫でお馴染みの「リンカーン演説集」くらいで, 意外にないようです。※ちくま学芸文庫の新刊「新訂 都名所図会」。江戸時代後期のこの本が, いまだに京都観光のガイドブックとして使えるというのは,なんとも嬉しいことです。

 

4月8日

さて,私は久しぶりに藤沢市民に復帰するわけですが,江ノ島,辻堂と聞いてもピンとこない方は,地元紹介のホームページをご覧下さい。 田舎ですが,なかなか楽しいところなんですよ^^。先の事情で,蔵書の大部分は近くの実家の書庫に置いたままとし, 新刊やレファレンスブックをこちらの書斎に置くことにします。荷風全集を揃えて置きたいとも思うのですが, それだけで書棚がいっぱいになりそうです....。どちらにしてもサボっていた文庫本の棚卸しをしなければなりません。

 

4月7日

さて,ほぼ新築成った我が家ですが,一応小さいながら書庫があります。私のイメージとしては,壁面を本棚で埋め尽くし, 地震で本の下敷きになって成仏しても本望!という気持ちだったのですが(実家の書庫は事実そうなっています),今回の家は,カミサンの 「地中海風」?という訳の分からないコンセプトによって,狭いながらもあくまでおしゃれな書庫にしなくてはいけないという厳命があり, 書棚はあくまで小さく,椅子と机はあくまで大きく,という"岩波文庫"にはまったく似つかわしくない部屋になりつつあります。

実際,カミサンのよく読むインテリア雑誌に載っているような書庫・書斎は,本を読むというより, 親父の威厳を保つための高級な部屋というのが普通で,居眠りには向いていても,私のあこがれる古書店の倉庫風であろうはずがありません。

私自身,いわゆる実用書には本としての価値をほとんど認めたくないという気持ちですが(あくまで価値の問題で, 読まないということではありません),往々にして装飾的な書斎には実用的な本が並び, 実用的で殺風景な書斎には味のある本が並んでいるというというのも不思議なことです。

どうもこの辺の感じを,本好きな人以外に理解してもらうのは難しいようですね。

 

4月6日

「図書」4月号に「新版で読む岩波文庫(1)外国文学」というページがあり,23点が紹介されています。面白いのは, 一々旧版と新版の発行年が記してあることで,それによると旧版から新版までいちばん時間がかかっているのが「陶淵明全集」で62年, 短い方では「イソップ寓話集」が25年など。なかには「水滸伝」のように,旧版の完結まで40年以上かかり, 完結したと思ったらすぐに新版で刊行が始まったものもあります。一般に新版の方が質・量ともに充実していると思うのですが, 国文系の諸作品のように旧字体のほうがぴったりくるものもありますね。

 

4月3~5日

ようやく桜も満開,風邪も全快となり,本を読む気力が戻ってきました^^。ほかの地方では売っているかわからないのですが,有隣新書 「フランス人の幕末維新」を読みました。近くの書店で「外国人の目」と題するフェアをやっていたのですね。有隣堂は横浜という場所柄, 幕末から維新前後の外国人による日本見聞記を多く出版しており,これもそのうちの一つ。「フシギの国ニッポン」 を面白おかしく書いたものはたくさんありますが,この有隣新書シリーズには,外交官や記者より,ビジネスマンや商売人 (あるいは外交官でもあまり偉くない人)の手記が多いせいもあり,日常生活における彼我の生活の違いを興味深く, かつ詳細に観察しているものが多く,いつも感心しながら読んでいます。※ あしたからNHKで始まる高木ブーのウクレレ教室の教本もついでに買ってしまった^^;;。

 

4月2日

新しい「図書」が届いたので見てみたら,今月の新刊に水滸伝が2点ありました。 次が待ちきれない私のためにサービスしてくれたのかも知れませんが,嬉しいことです^^。ほかにボーアの量子力学に関する論文集, 日本数学史,古代ペルシア伝説「王書」(抄訳らしい)が載っていました。物理学科劣等生としては, 畏れ多いけどボーアをじっくり読ませていただきましょう。重版再開にも「長谷川如是閑評論集」,ゾラの「テレーズ・ラカン」,「オランダ・ ベルギー絵画紀行」など楽しい読み物があります。

 

4月1日

Linux Magazine見たのですが,ちょっと期待はずれ。これだけnet上に情報があると,紙媒体の雑誌は, かなり濃く整理されたものじゃないと,わざわざ買う気がしませんね。正文堂のホームページで古書相場のデータベースが検索できるというので見てきました。 う~ん,これはヒットするような書名を見つけるのに知識がいりそうですね^^;;。

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1999年03月31日

1999年3月

3月31日

今日で3月も終わり。ようやく天候も回復しつつあります。Linux Magazineの第一号が本日発売というので, 近くの書店に行ってみたのですが,まだ置いてありませんでした。Netscapeの動きなど,Linux環境の方が軽快に感じるので, 最近よく使っているのです。小さい息子のキーボード乱打攻撃!にも耐性があるし....^^;;。

 

3月30日

また冬に戻ってしまったような寒い日が続いていますね。服部四郎「日本語の系統」を読んでいますが, 各論には興味の湧くところがあるものの,なにせ大部なのでなかなか先が進まず,厳しいです。正直なところ,言語学関係の諸本は, よく違いが分からないのですね^^;;。

 

3月29日

新刊「イソップ寓話集」を読みました。電車の中で読むのには手頃なのですが,のぞかれたら,ちょっと恥ずかしいかな^^。 岩波文庫には旧版のほか,「伊曾保物語」もありますね。

ついでにイソップの勉強をしようかと思ったのですが,関係のサイトは意外と少なくて,国内ではイソップワールドが, 簡単な歴史や,なぜ物語が日本風に翻案歪曲されたのか,などを考察しています。また海外ではAesop's Fablesが, 絵とReal Audio付きで楽しいところです。

 

3月28日

風邪ひきのため,きょうは家で留守番です。新刊「水滸伝(6)」を読み始めたのですが,止まらなくなりそうなので, 適当なところで切り上げ,近くの書店へ。母校(高校)の春休み課題図書というのが置いてある。20数年前,私が入学したときもそうだったが, 新入生は何冊かの課題図書を読み,入学早々,感想文を提出しなければならないという鉄の掟があるのだ。しかし,そのタイトルたるや....。 もうすこし新しい本は選べないのだろうか(><)。まあ,同じ本を30年読ませて何万かの感想文を集めるというのも, 壮大な試みか^^;;。

 

3月27日

窪田空穂「わが文学体験」に,明治時代の我が国におけるロシア文学事情がわかる一節があります。ツルゲーネフの「猟人日誌」 を柳田国男が手に入れ,田山花袋がそれを借りて一読感嘆し,小諸で教師をしていた藤村に送り,藤村からはその感想文が送られてきたこと。 そのころは外国文学といえば英文学で,ロシア文学では内田魯庵訳「罪と罰」,花袋訳トルストイ「コサック」などしかなく, なかでツルゲーネフは比較的よく読まれていたこと。それは,「扱われている世界は遠く離れているが,作中の人物は, 話をすれば通じるような気のする人が多かった」という親しみがあったからだろう,としています。全体としては, 国文学畑の話が多い自伝的エッセイですが,女子美の教師や編集長など多彩な経歴を持つ空穂が,90歳近くにして, これだけ生き生きと楽しげに細やかに書いていることに,ただただ感服しました。

 

3月26日

風邪気味で絶不調なり~,といいながらも,新刊「20世紀アメリカ短篇選(上)」を読んでいます。 本書は我々にも親しい20世紀前半の作家(O・ヘンリー,フィッツジェラルド,ヘミングウェイ,フォークナー,スタインベックなど) の短編を1篇ずつ集めたもの。おもしろいのは,岩波文庫の翻訳中絶本で必ず名前のあがるパソスの連作「USA」の最後の作品「メアリー・ フレンチ」が訳されていることで,これは戦前のアメリカ共産主義者の生活が描かれている興味深い作品です。

 

3月25日

名古屋の古書店,人人堂の主宰する「古本長屋」 をときどき読んでいます。古書目録のほか,名古屋を中心とした古書店主たちのエッセイ,ボヤキなども載っていて,楽しめます。 近藤さんの本にも出てきましたが,名古屋もなかなか良い古書店が多いようですね。私自身は,各地に出張にした折り, 努めて古書店をのぞこうと思っているのですが,最近は時間に追われて実現できないのが残念です。

 

3月21~24日

昨夜遅くに広島から戻ってきました。近藤健児さんの「絶版文庫交響楽」,我が家の近くの書店にはまだ置いていないうえ, 他の書店を回る時間もなく悔しい思いをしていましたが,たまたま出張先の広島大学生協売店で平積みにされているのを発見。 いままでの青弓社の渋い文庫本シリーズに対して,明るく親しみやすい装丁で,いいじゃないですか^^。さっそく購入し, 帰りの機内で読み始めました。ということで,まだ内容云々というほど読み込んでいないのですが,著者が実に丁寧にデータ (実際の文庫本もですが)を集め,分かりやすく整理していることに感心しました。私の知らない文庫本もたくさんあり (というより岩波文庫以外,知らないものばかりだったのですが),海外文学作品を文庫本で読もうとするとき, 絶版文庫を渉猟せざるを得ない現在,本書は文庫本ファンにとって貴重なガイドになると思います。詳しくは,また....。

 

3月20日

昨夜,仕事帰りに,久しぶりに秋葉原へ行きましたが,3連休前とあって,雨にも関わらず,かなりの人で賑わっていました。神田, 神保町は,古書の町というより,最近ではスポーツ店,楽器店の町になったせいもあり, "いかにも文学青年"というのは見かけなくなりましたが,秋葉原は相変わらず"いかにもパソコン青年"?が群をなしていて,なんとも心強い。 わたしはあくまで傍観者だと思っているのですが,RedHat5.2を発売日当日に買い込み,電車の中でマニュアル (ちょっとひどい出来だが)を読みふける姿は,結構・・・にみられているかもしれません....^^;;。※このマニュアル, 日本語化を急いだせいで, <<ここにフォント見本を貼り付ける>>とか<<適当な紹介文を入れる>>とか, あちこちに書いてある。ソフトは正式版でも,マニュアルはベータ版だったわけね^^。連休中にもかかわらず,あしたから, しばらく広島に出張してきます。

 

3月18~19日

きのうは引越準備のための手続きがいろいろあり,休暇をとっていました。さて,なんとなく手に取ったマルクス「哲学の貧困」。 読んでみてわかったのは哲学が貧困なのではなくて,プルードンの経済学書「貧困の哲学」に対する批判書なんですね (いまさらわかったといのもなんですが...)。そういう体裁の本ですから,私のような門外漢でも, 興味を持って読み進めることができました。マルクスはプルードンのあいまいな点を一つ一つ厳しく指摘し, その根拠として多くの経済学書を引用しているので,具体的なイメージが湧きやすくなっています。 本書はマルクスのまとまった経済学書としては,最初のものだそうです。

 

3月17日

今月復刊された「利根川図志」は,江戸時代の一医師が利根川流域の様々な風物を描いたもので,文章自体は少し難しいものの, 豊富な挿し絵を眺めているだけで楽しい本。お薦めです。ほかに「北越雪譜」や「日本風景論」など, 岩波文庫の地誌関係本は興味深いものばかりですが,絶版と復刊を繰り返しているため,なかなか見つからないのが難ですね。

 

3月16日

さて,文庫本日記も細々とではありますが,ようやく丸一年を迎えることになりました(大げさかしら^^;;)。考えてみれば, 生まれてこの方,一年も続けて日記を書いたというのは,初めてです。以前,PCVANに出入りしていたときにも,かなり書き込んでいたので, それをまとめてプリントアウトしてあるのですが,すでに十年近くたった書き込みは,とても懐かしく,また役に立っています。ともあれ, 読書の対象は尽きないのですから,これからもできる限り続けていきたいと思います。こんごともよろしくお願いいたします。※さいきん, 読書が捗っていないのは,満員電車の蒸し暑さのせいでもあります....。

 

3月12~15日

きょうから3日間,新橋駅前で恒例の「大古本まつり」が開かれます。今朝ほど通りがかったところ,すでに準備が始まっていましたが, 夕刻から大雨との予報。大丈夫でしょうか....。

きのうは,半袖の人もかなり見かけるほどの暖かい一日でした。茅ヶ崎から辻堂まで海岸沿いをぶらぶらと散歩しているうちに, パシフィックホテル跡地に建ったリゾートマンションがモデルルームを公開していたので,見てきました (べつにマンションを買うわけではないのですが....)。高級リゾートということでしたので期待していましたが, 造りはごく普通のマンションで,ただ海を一望できる環境はなかなかすばらしい。かつてのパシフィックホテルは, 加山雄三らとともに湘南のシンボル的存在でしたから,これがなくなるときには結構惜しまれたのですが, またこういうひとつの綺麗な街ができると,それはそれで楽しみではあります。

 

3月11日

朝の電車に座って,さて昨日買った「週刊アスキー」を読もうか....と思ったところ, 隣の男の人がおもむろに鞄から同じものを....。ああいうときは,「いやぁ,同じご趣味で^^;;」と言うわけにもいかないし, なんとなくばつが悪い感じがしますね。ついでに,アスキーから復刊?された「カオスだもんね」第1巻も買ってしまいました。 しかし懐かしいね,EYE-COM。岩波文庫では,シラー「フィスコの叛乱」を読んでいます。

 

3月10日

Kayakさんから昼夜積読乱読文学リンク! に載せていただいたとの連絡をいただきました。さっそく訪問してみると,読書関係のリンク,とくに作家別のリンク集が充実していて, いろいろ楽しいページを見つけることができました。ということで,私のページのお薦めリンク集にも追加しました。

 

3月9日

妻に愛想を尽かされた男が,未練タラタラに愚痴り続けるような小説を読みたいと思うでしょうか? 近松秋江「別れたる妻に与える手紙」 は,貧しい作家が,細々と本を売ったりして金を作り,馴染みの私娼との愛欲に溺れていく,そんな陰々滅々たる物語。しかし, これがなかなか読ませるのです。

岩波文庫版の解説は,かの宇野浩二が書いていて,「別れたる・・・」は,「泣き事とは知りながらも,妙な魅力に,引きつけられる・・・ ・実に不思議な,ある意味で無茶な小説」であるとし,「主人公は,独りよがりで,自分勝手である・・・秋江は,人と話をしていても, 自分の話だけして,人の話を「ふむ,ふむ」と云いながら,少しも聞かない,というような人であった」と秋江自身の人柄にもふれています。 一方,「秋江は情景を描くのにも,特殊の腕を持っていた。小説があまりに特殊すぎたために,損をしているところも,大へんあったように思う」 とその表現力を高く評価してもいます。

ちなみに明治43年に出た初版は,伏せ字の多いものでしたが,戦後秋江の草稿などをもとに,復元が試みられ,岩波文庫版では, ほぼ原型に復されています。

 

3月6~8日

いやいや週末は暖かかったですね。家の近くの海浜公園に遊びに行ったのですが, 早くもパンツ一枚でビショビショになって水遊びをしている子ども達がいました。この休み中に読んだ本は,Linux関係と,子どもの童話集。 どちらもホントに理解するのには,難しい^^;;本でした。

昨夜はテレビで映画「DNA」をやっていました。この原作は,岩波文庫でも出ているウェルズ「モロー博士の島」ですね(別名 「改造人間の島」)。ただし,人間を改造するのではなく,猿や牛を人間に改造するという....。

 

3月5日

めでたくハードディスクの増設に成功。合わせて18GBだ~。最初にNEC98を買ったときは,100MBを増設するのに, 清水の舞台から飛び降りる気分でしたが....今回は飛び降りなくて済んだし。安くなったものですね。 3年目を迎えたゲートウェイのパソコンも,だいぶ原型をとどめなくなってきました。BIOSもアップデートし,バリバリ行くぞ・・・・ おっとっと,肝心な本を読んでいませんでした。すいません。

 

3月4日

新刊で後回しになってしまった「ザ・フェデラリスト」は,政治学の教科書ではなく,1787年に起草された連邦憲法案を巡って, 連合か独立か,アメリカ各州の世論が二分されていた時期,連邦制の優位を説き,憲法案を承認させるべく,新聞紙上に若き日のハミルトン (のちに合衆国初代財務長官),ジェイ(イギリス講和条約交渉使節のメンバー),マディソン(のちに第四代大統領) が書き送った論説を集めたもの。まさに合衆国が生まれんとする瞬間。読み手にも高揚した気分が伝わってきます。これは勉強になりました。

 

3月3日

アリストテレスの「動物誌」をどうにか読み終えました....前半ちょっと退屈だったのですが,各動物の生態を論じた後半は, とてもわかりやすく,盛り返しました^^。解剖学的所見ばかりでなく,「羊飼いは,強い羊と弱い羊を判別するのに, 冬になって霜をかぶっているものは強く,かぶっていないものはそうでない,といっている。なぜか?・・・ 病弱なものは体を動かして霜を振り落とすから」てなことも書いてあります。

アリストテレスの全著作中では,動物学書が1/5を占めるそうで,哲学的論文の理解のためには,彼の生物学を知ることが不可欠, とのこと。短い解説も,要領よくまとまっており,お薦めです。

 

3月2日

きょうの東京は,すっかり春の陽気。ポカポカのオフィスから眺める銀座方面の空も,やや霞んで見えます。 増設用のハードディスクを買ったのですが,家に帰ると時間がなくて,作業できず残念。

近藤健児さんの「絶版文庫交響楽」がいよいよ 出版間近とのこと。どんな話題が飛び出すか,楽しみですね。

 

3月1日

昨日は天気も良く,久しぶりに一日,江ノ島で遊んでいました。藤沢の我が家からは歩いていける距離なのですが, なかなか島内までは行かないのです。

高校入試対策のページで, こんな記述がありました。「文学史は知識ですから、ちょうど社会の歴史分野のように、主な作品・作者・時代などの記憶量によって出来・ 不出来が決まります。読んでもいない作品を暗記するのは空しいことですが、憶えるだけで答が出せるわけですから、 考えようによっては国語の中では比較的得点しやすい部分であるともいえます。」 なかなかいいことを言ってますね^^;;。

そんなページを探したのも,岩波文庫の新刊「明治文学回想集(下)」中の,丸岡九華「硯友社の文学活動」を読んだからで, ここには紅葉や美妙らによる硯友社創立当時の思い出話が,詳しくかつ面白く語られています。硯友社や尾崎紅葉について,前期の受験ページで, 「(紅葉は)明治時代の小説家。本名は尾崎徳太郎(おざき・とくたろう)。山田美妙(やまだ・ びみょう)とともに硯友社(けんゆうしゃ)を創立し、雑誌「我楽多文庫(がらくたぶんこ)」を発行した。硯友社からは、泉鏡花(いずみ・ きょうか)・徳田秋声(とくだ・しゅうせい)など明治時代の重要な作家が輩出している。「金色夜叉(こんじきやしゃ)」は、 金がないためにフィアンセを奪われた主人公が高利貸しになって金の力で復讐するという内容で、「読売新聞」「新小説」 に連載されてベストセラーになった作品。」とうまくまとめられていたのです。しかし,これらの作品に全くなじみのない中学生が, ここまでいちいち覚えるとなるとご苦労なことです。

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1999年02月28日

1999年2月

2月26日

カロッサの作品は,昭和30~40年代にかけて,よく文庫化されており,今回岩波から復刊された「幼年時代」も, かつて角川文庫から出ていたことがあります。「美しき惑いの年」や新潮文庫の「青春時代」に親しんだ人はご承知の通り, 淡い初恋の物語などが語られているものの,いわゆるドイツ教養小説の典型で,面白おかしいストーリーを求める人にとっては, 退屈なものでしょう。残念ですが,絶版になった多くのカロッサの文庫本が復活する機会は当面,なさそうです。

 

2月25日

岩波文庫には「不如帰」から始まって,徳冨健次郎の作品が9点入っています。今回復刊された「新春」は,蘆花の (健次郎のとは言いにくいので)日常生活を描いた随想で,たびたび訪れた伊香保温泉の思い出や作品執筆の裏話が楽しい随筆集。

その中でとくに興味深いのは,明治39年のパレスチナ巡礼の旅と,トルストイ訪問記。 長い船旅の末辿り着いたエルサレムの雑踏やユダヤ人社会への熱き思いを語った"パレスチナの回顧"。 日露戦争終結当時のロシアの日本人に対する感情や,トルストイ邸に逗留し, 夫人を始め周囲の人々との交流をも描いた"ヤスナポリアナの回想"は,迫力のある筆致で綴られた貴重な記録です。

 

2月24日

「舞踏会の手帳」という懐かしい映画がありましたね。夫を失った女性がある日,16歳の時に踊った舞踏会の手帳を見つけ, そこに書かれている一緒に踊った男達を探して訪ねて歩く,というお話。

今回復刊された「グライフェン湖の代官」は,スイス・グライフェン湖地方の功成り名を遂げた代官が, 若き日の実らなかった5つの恋物語を回想し,懐かしい思い出話を長々と語ったのちに,自分の館にかつての恋人5人を招待するという,ある種, 男の夢?を描いたストーリー。そこで女たちが一悶着,と当然期待するのですが,なぜか皆さん,ほのぼのムード。 そこがケラーらしいところといえば,それまでですが....。まあ健全な物語ということでお薦め^^;;。

 

2月23日

講談社+α文庫フェアの栞は,二つ折りにして表紙に引っかけるという面倒なもの。さぞかし書店が棚に並べるのに不自由だろう, と思ったら,全部平積みしてありました。それでも外れた栞があっちゃこっちゃに散らばって散々....。

中公文庫新刊「宝島」。童話風のやさしい訳で買おうかな,と考えましたが,文字サイズと行間のバランスがなじめず, なんとなく読みにくかったのでやめることに。わたしは現在の岩波文庫の文字組が,いちばん読みやすく, 他社文庫で文字がちょっと大きかったり,コントラストの弱いのっぺりした組だったりすると,やや拒否反応が出ます^^;;。

 

2月20~22日

通勤途上で,ワイルドの戯曲「嘘から出た誠」を読み終えました。原題は,"The Importance of Being Earnest"。アーネストという名前が好きなふたりの女性に気に入られようと,偽名を名乗る男たちのドタバタ劇。ウィット(死語か?) の利いたせりふがあちこちに仕掛けられており,古い訳でも結構楽しめます。今回復刊されていたのを書店でパラパラ読み, 面白そうだったので本棚から引っぱり出してきた次第。近くの書店の平台に並んでいた復刊本のうち,芭蕉文集のみ品切れになっていました。

 

2月19日

今回の新版「水滸伝」。基本的には,旧版を踏襲しているのですが,旧版では訳されなかった部分で, 新たに加えられているところがあります。たとえば第5巻では,李逵が李鬼の首を斬って飯を食う場面....李逵,飯を盛り, しばらく食べてから,ひとりで笑いながら,「ぼんやりしていた。よい肉が目の前にあるのに,食べようとせぬなんて。」 腰刀を抜くと, 李鬼の腿から肉を二切れ切り取り,水で洗ってから,かまどで炭をかき起こして焼きます。焼きながら食べて....といった感じで。

 

2月18日

電車の中の読書は集中できてよいのですが,涙が溢れたり鼻がタラタラしたときに,みっともないことになるので困ります (涙もろいということ^^;;)。先日読んだ「われらの海」など,見え見えのストーリーであっても, ドイツ潜行艇の攻撃で息子を失った場面や,船と運命を共にするラストシーンなど,やはり泣かせていただきました....。 恋愛ものよりも"男の仕事"にロマンを感じていたのですね,子供の頃から。

ということで,きょうは「水滸伝5」を読みました。毎月1冊ずつ,やっと半ばまでたどり着いた感じです。 この本なら涙の心配はないものの,読みのテンポがよすぎるので,ページをめくるのが容易でない満員電車では,また別の苦労があります。

 

2月17日

最近,古書店(というか新刊書店にもだけど)に行く時間がとれないので,せめてWeb上でヴァーチャル古書店巡りでも, と「古本屋ロード」 「古本屋さんに行こうよ!」を眺めています。いやいや,羨ましいです....。

今月の岩波文庫新刊のうち,改版された茂吉「赤光」。書店でパラパラめくっていて,さして旧版と違わないなと感じ,買いませんでした (改選版と初版,初句索引が付いているそう。もしかしたら全然違うのかも知れません...帰って確かめます)。 あとの4点はとりあえず購入済みです。

 

2月16日

最近,バスによく乗るようになりました。仕事帰りにときどき都バスで六本木や渋谷に繰り出すこともあるのですが, やはりのどかなローカルバスの旅というのが良いですね。ちなみにこの新橋~六本木~渋谷コースの「都01」バスは, 一日300本近く走る運行本数第一位のバスだそう....。そういえば,いつバス停に行っても,いるなぁ。

「東京路線バスの旅」は,作家やタレント24人が自分の好きなバスに乗って,その沿線風景を綴ったもの。普段着のバスということで, 著者も東京人ばかり。土地勘のない人間には,どこを走っているのかピンとこないけれど,のんびり走る伊豆大島のバス, 一日2本の青梅御岳山のバス,夜のはとバス,など面白いものも多く,楽しめます。

2月13~15日

週末はずっと新宿方面にいたのですが,最近,渋谷,新宿といった騒々しい街には近づかなかったので,ちょっと頭が痛い^^;;。 調子を整えるべく,けさは,イバニエスの「われらの海(上)」を読みました。後付を見ると,私が生まれる前に初版が出て (私がいままで読んでいたのは,このバッチイ本),今回の復刊が第2刷。第一次大戦を舞台にした,反独海洋冒険&恋愛小説といった感のある, かなりロマンティックな話です。

2月12日

朝から「聖書物語」を読みながら出勤してきたので,なにやら一仕事済ませてしまった気分に....。戦前の旧カナゆえ, 翻訳の趣旨とは異なり,子供向きと言えないのが残念ですが,本書は旧約聖書の単なるやさしい解説書でなく, その中に描かれているユダヤ民族の歴史を総攬しようとするもの。煩雑になりがちな旧約聖書のエピソードを,その線に結びつけているので, とてもすっきりしていて,わかりやすい。いまさら聖書なんて....という方にも,あらたな発見があることと思います。

2月11日

マッキントッシュにはほとんど触れたこともない私ですが,Mac本はかなり持っていて,少なくとも解説書以外のパソコン書については, Windows陣営はMacに遠く及ばないと考えています....。そんなMac本の中でも出色の一冊が,最近出た「林檎かわいや」。 これは有名無名に関わらず,古くからMacを愛してきた人たちが, AppleIIからClassicIIまでの主に80年代Macへの思い出を語ったもの。懐かしい機影とともに,  Macの歴史を知る本でもあります。装丁もMacらしい清楚でセンスの良いもので, これもWindowsユーザーとしては羨ましいところです。

2月10日

昨年から活動を続けていた,慶応大学の文庫本調査班による最終報告が出ました。 出版関係の資料もよく揃えており,文庫本に興味のある方にお薦めします。私自身は,読書・蔵書に占める文庫本の割合が非常に大きいのですが, これを見ると,世間一般で書籍界?における文庫本の役割は,1割内外かと....。

2月9日

今回のリクエスト復刊で何を注文しようかと,リストと在庫目録^^;;を照らし合わせながら考えています。 ないものは当然注文しますが,あってもボロボロだったり,新たな気分で読んでみたい,というものについては,やはり買うことにしています。 「われらの海」や「聖書物語」が後者になるかな....。とりあえず,帰りに書店をのぞいてみるつもり。

2月5~8日

「ふるほん文庫やさんの奇跡」をようやく入手。ふるほん文庫やさん開業までの経緯が詳しく書かれており,興味深く読みました。 谷口会長の浪花節調半生記でもあるわけですが,その商売にかける情熱と馬力は,やはり大したものです。私自身は,絶版稀少文庫本以外が, どのようにして商売になるのか不思議でしたけれど,この人ならべつに文庫本じゃなくても,なんでも売りまくってしまうでしょうね....。

2月4日

先頃話題になった皇后陛下の読まれた名作児童文学選集が,なんと復刊されました^^;;。「世界名作選上・下」 (山本有三編,新潮社・各1,600円)。初版は昭和11年刊。私は,青山ブックセンターの新刊案内で知りました。 このページ,"おしゃれな本"を紹介しているだけに,なかなかデザインも凝っていて綺麗なんですが, 重くて息切れしてしまう....。

2月3日

95年洋泉社刊の「トンデモ本の世界」(と学会編)が,宝島社で文庫化された。本書は,古今東西の怪しげな本,眉唾本をあつめ, そのめちゃくちゃぶりを紹介したもの。テーマは,UFO・宇宙人,宗教,オカルト,国際陰謀,予言,古代史,小説,実用などさまざま。 ノストラダムスの大予言や矢追純一など有名本もあるが,大部分はいかにも怪しい無名本....。

ちなみに,小説部門で取り上げられているのは,門田泰明(黒豹シリーズ),志茂田景樹,ピーター・アルバーノ,南沢十七の面々。 アダムスキーやシオンの議定書についての解説,大槻教授をはじめとするトンデモ人物列伝もある。ブックガイドとしては異例な, 元本を読む気力を見事に萎えさせる本。

2月2日

河出文庫が創刊されたとき,その第一弾で出たのが宮脇俊三の「時刻表2万キロ」。 当時の国鉄全線完乗の記録を綴ったこの本,学生時代にとくに愛読し,2万キロには及ばずとも, 何日も夜行列車を乗り継いで旅した頃を懐かしく思い出しました。というのは,最近書店の平台に,立派な角川書店「宮脇俊三鉄道紀行全集」 シリーズを見つけたからで,1冊4900円という値段にかかわらず,つい買ってしまいそうになったのです....引っ越し前だし, 収録した作品はみんな繰り返し読んだものばかりなので,かろうじて踏みとどまりましたが^^;;。鉄道旅行の好きな人にとっては, たまらない作品集なのです。

宮脇さんは有名出版社の雑誌編集長をつとめていた人で,そのサラリーマンとしての本務の合間をぬって, あくまで趣味として全線完乗を果たしたことに,本書の第一の意味があります。決して鉄道マニアの若者が暇に任せて乗りまくったわけではなく, 紀行作家がこういう本にまとめるために乗り始めたわけでもないのです。あるときは出張のわずかの隙をねらっての乗り潰し, あるときは家族から冷たい目で見られつつ連休を利用しての乗りまくり,と涙ぐましい努力を続ける様は, 鉄道に限らず何らかの趣味を持つ勤め人なら,共感せざるをえないところでしょう。上品でありながら, 随所で思わずにやりとさせられる巧みな筆運びにも感心させられます。 鉄道マニアなんて怪しいものには近づきたくない....という健全な皆さんに,とくにお薦めします。

2月1日

「図書」2月号に,岩波文庫「きけ わだつみのこえ」をめぐる訴訟に関する経緯が載っていて,興味深く読みました。旧版の「わだつみ」 に,オリジナルの手紙に対して,かなりの改変があるということは,以前から指摘されていましたが, 今回(1995年)新版を発行するにあたって,わだつみかい元理事長に原文の提供を求めたところ,拒否されたとのこと。 その辺りのいざこざが訴訟の原因となっています。私自身は, 高校生の頃読んだ旧版では戦争の犠牲者としての悲しみを訴えた手紙に目がいきましたが, 新版ではむしろ学生達がなぜ戦争に駆り立てられたのかということに関心がいきました。それが編集のせいかはわかりませんが....。

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1999年01月31日

1999年1月

1月29~31日

2月9日に,久々の岩波文庫リクエスト復刊があります。なかでも,幻住庵記や西行像讃,座右銘など100篇近くを収めた昭和15年刊 「芭蕉文集」は,戦後初めての復刊とのこと。ほかにあまり目新しいものはない,とはいっても,魯庵の「社会百面相」や「サイキス・タスク」 など,前回の復刊から20年以上経ったものは,手に入れにくくなっているので,ここで押さえておきたいですね。坪内逍遥, 小杉天外や徳富健次郎など,明治文学のスタンダードでも,いざ読もうとすると手ごろな本がないので,これも必要。鴎外訳アンデルセン 「即興詩人」,「泣菫詩抄」などの古典的な名文も味わっておきたい....ということで,欲しい本ばかりですが, みなさんはどれを買いますか?

1月28日

辞書が少々古くなってきたので,辞書売場をぶらぶらしていたら,三省堂のハイブリッド「新辞林」というのが目に付いた。 ふむCDROM付きか....とめくってみると,これが国語辞書なのに横書きなんですね。しかも3段組。 たしかにパソコンで使うことを考えると,横書きになってしまうのかもしれないけれど,縦書き文化というのは, もうなくなりかけているのかしら。私自身,最近縦書きで文章を書いたのは....思い出せない^^;;。

 

1月27日

1月の新刊で残ったのは「木下順二戯曲選(4)」。これには帯がついていて,2月に新国立劇場で本書所収の「子午線の祀り」 を上演するという宣伝だ。最近,岩波文庫でも,映画や舞台とタイアップした帯がときどきあるが, 発行から一ヶ月で舞台が終わってしまうのでは,読み終わって,よし行こう!と思った人にとっては,なかなか忙しい。まあ, 出張販売でかなり捌けるとの読みか。もとは存命中の著者の作品は入れないといっていた岩波文庫にも,最近は内外を問わず, 戦後の作品がいくつかある。それらの中でも,これは1977年の発表だから,とびきり新しい。

 

1月26日

柴田宵曲「俳諧博物誌」は,ルナアルの「博物誌」を引き合いに出し,動植物の「観察」 という観点で俳句を集めてみたら....というエッセイ集。取り上げられているのは,鳶,龍,鯉,河童,狸,金魚,蒲公英,コスモスなど, ちょっと癖のある動植物たち。しかも,博物的収集であるから,必ずしも秀句ばかりとは限らないというのも面白い。

宵曲は散文と俳諧の観察を比較して,ルナアル的観察は俳諧においては擬人,見立と片づけられやすいとし, ルナアルの成功は散文の世界にああいう観察と,短い表現を持ち込んだ点にあるので,そこに若干の智的分子を伴うだけ, 俳句のような詩では純粋な作を得難いとしている。

これを読んでいて当然考えるのは,今なら季語などで分類された俳句データベースがあるのではないか,ということ。 奥本大三郎の解説では,そのことにも触れられていて,「情報を集めるのに便利なコンピュータは文学研究にはなじまない。 鑑賞眼もへったくれもないセレクションは,学問的であり趣味的でないので文学的ではない」といっている。 そもそもコンピュータで情報をただ分類しただけでは,文学でなくても十分学問的でありえない,と思うのだが....。

 

1月25日

岩波文庫新刊「水滸伝(4)」を読んでいるのですが,たまたま本棚の整理をしていて,旧版吉川幸次郎訳「水滸伝」が目に付いたので, 同じ個所をめくってみました。50年前の旧訳より,やはり私には新訳の方がしっくりくるようです。この本, 巻末に登場人物索引が載っているのですが,これが文字通りの索引で,登場ページ数が並んでいるだけ。物覚えの悪い私としては, 簡単なプロフィールも書いてあるとありがたいのですが。

 

1月22~24日

「講談社が文庫を回収、絶版盗用の抗議受け」ということで,プラスアルファ文庫の日本社著「誰もが『あっ』 と思いあたる間違いことばの本」の回収,絶版を決めたとのこと。同書の内容が,奥秋義信「敬語の誤典」(自由国民社刊) とそっくりで盗用と判断したため。

「間違いことばの本」は,85年に日本社から出版された「間違いことばのカンどころ読本」を改題,文庫化したものなので, 講談社側の不注意,ということなのでしょう。もとの日本社版の取扱いについては,なにも言及されていませんが, こういう場合の著作権上の責任は,どのようになるのでしょうか?

 

1月21日

若干の危惧を持ってコンラッド「西欧人の眼に(下)」を読み始めたところ, さいわい一ヶ月のブランクにも関わらずストーリーはよく覚えていました。 上巻で空白となっていたハルディン処刑後のラズーモフの足取りがようやくはっきりしたと思ったとたんに, 革命家のなかで英雄視されていたラズーモフの真実の告白により,あれよあれよという間に幕は閉じます。ラズーモフ自らがたびたび「神意」 と唱えるように,自らの運命をロシアに弄ばれた男の苦悩の前には,ハルディンの妹に対する感情も,ロシア民衆に対する同情も, たいした問題にはなりえなかったようです。そしてそのロシアに対する嫌悪には,コンラッド自身の出自も大きく関わっています。

コンラッドはイギリスの作家と見られていますが,もとはウクライナに生まれた裕福なポーランド人であり, その父親はポーランド独立運動の闘士として,反ロシア運動の中で亡くなりました。本書はロシアの特殊事情と革命家達を, 西欧人の眼を通して不可解なものとして描いていますが,その奥にあるコンラッドの眼はもっと厳しいものです。 本書はそれまでのコンラッドの作品とは違う世界を扱い,発売当初は一般に不人気だったといわれています。

1月20日

さてメンデルが遺伝学の研究(ワイン改良のため)に使ったブドウの子孫が,東京・小石川植物園に保存されているという。 メンデルのエンドウは知っているが,ブドウは知らんよ....という人(わたしのこと)は,「雑種植物の研究」 の解説に詳しく書かれているので読んでみましょう。本書も小石川にある原書からの新訳です。1928年に出た岩波文庫の旧版は, 長く日本語訳の定本として読まれてきましたが,今回の新訳は,たしかにとても読みやすくなっており,学生時代に戻った気分で楽しめました。

1月19日

今月の岩波文庫新刊は,「水滸伝」,「西欧人の眼に」,「木下順二戯曲選」が続き物,「俳諧博物誌」 が柴田宵曲による動植物を詠んだ俳諧をテーマにした随想,メンデル「雑種植物の研究」が70年ぶりの改訳と, なかなか読みやすいタイトルばかりで嬉しいですね。いまさら気が付くのは何なのですが,70周年の総目録には, 発行当時の価格が載っていないので不便です(60周年の目録には載っていたはず)。 最近は発行後10年ほどで復刊として出される場合があるので(今月復刊の「20世紀イギリス短篇選」など), どのくらい値上げしたかな....という意地悪な興味も^^;;。

1月15~18日

いよいよ受験シーズン。かなり昔となった学生時代を思い返すと,試験勉強をしなければいけないと思うときに限って, 本を読みたくなったものですが,みなさんはいかがですか。実際,暇なら本が読めるか....というと必ずしもそうではなく, 読むのにエネルギーの必要な本(長編,大作)は,むしろ忙中閑ありという状況の方が捗る気がします。 単なる現実逃避かもしれませんけれど^^;;。そんなわけで最近,閑ばかりの私の読書は,一向に捗っていません...。

1月14日

短い文章で本の紹介をするのは難しいですね。それでも各社文庫の解説目録を眺めると, ときどき巧く約しているなぁと思うことがあります。で,ユニークな書き込みが多い掲示板「あめぞうBOOKS」 ではいま,第一回「失われた時を求めて」要約大会!をやっています。 これは難問....ですが面白い企画ですね。この調子で,戦争と平和や罪と罰,赤と黒などなど古今の名作要約大会なんてやったら面白そう。 そういうページがすでにあるかもしれないけれど....。 

1月13日

毎号読んでいる「週刊アスキー」が今週から水曜日発売になりました。木曜日発行の時は,駅で買うたびに,今週ももう少しだ,頑張ろう! という気持ちだったのに,水曜日ではどうも中途半端でいけません....。西和彦氏はようやく博士論文を発表したよう。相変わらず, 何処へ顔出しても美人が気になるのね,この人。

1月12日

アリストテレス「動物誌(上)」を読んでいますが,漫然と読めば「アリストテレス編動物百科」 となってしまう本書の意義がどこにあるのか,参考資料を探してみました。そこでみつけたのが,アリストテレスとダーウィンの生物観を対比させたページ。 それによると,『「博物学」対「進化論」。 これは対戦型哲学史であって生物学史でないというなら、「種」(エイドス)は、アリストテレスにとって、 生物学的概念であり論理学的概念であったことを思い出しておくとよい(そんな訳で、ラテンな中世論理学では種を「スペキエス」といい、 同じくラテン語命名法を保持してる生物分類学は種を「スペキエス」と呼ぶ)。というよりむしろ、アリストテレスは生物(分類) の原理から存在の原理を引き出したのである。彼は「種」の同一性を、次のような「生物の観察」から引き出す。 ナスビのつるにヘチマはならない、蛙の子は蛙。犬が生むのは犬であり、人が生むのは人である。AはAを生む。AはAである。「種」 の同一性は、種の再生産性、反復性による』とのこと。

ここは,哲学者をいろいろな問題について対決させた「PHILOFIGHT」というページで,読み応えはあるのですが, 誰がどんな目的で作ったのか,正体不明....。

1月10,11日

慶応大学の文庫本チームより,岩波書店発行の 情報紙「よむ」の 92年4月増刊号 (文庫・新書の記念特集号)がありますか? ということなのですが,残念ながら持っていませんでした。内容をご存じの方はいませんか。出版社系の文庫関係の情報誌は,古くは岩波書店の 「文庫」あたりからいろいろあったのでしょうが,なかなか探そうと思っても難しいですね。

1月9日

逢坂 剛さんのコラム「米国で調査された20世紀傑作英米文学のランキング」(雑誌テレパル)によると,ペーバーバックス 「モダンライブラリ」編集委員が選んだベストテンは,ユリシーズ,偉大なるギャツビー,若き日の芸術家の肖像,ロリータ,すばらしい新世界, 響きと怒り,キャッチ=22,真昼の暗黒,息子と恋人,怒りの葡萄,だという。それ以下では,日はまた昇る(45位),武器よさらば (74位),荒野の呼び声(88位)など。アーウィン・ショーは100位までに入っていない。 100位までに4冊入っている作家はコンラッドのみ。一方,読者を対象にしたアンケートでは,日本でなじみのない作家ばかりだったようで, 指輪物語(4位),オーウェルの1984年(6位)がようやくベストテン入りしたくらい。さて,20世紀日本文学ベスト10を選ぶとしたら, あなたは何を選びますか? 鴎外,漱石,有島,鏡花,荷風,芥川,谷崎,太宰,川端,三島....あぁもう10人か。

1月8日

リンク集にDAS KABINETT DES YAMANAKAを追加しました。読書日誌のほか,古書の猟書日誌(古書店巡りや目録の話題など)が充実。 頻繁に古書展にも顔を出しているようです。内容は三島,澁澤,谷崎....といえば雰囲気がわかってもらえるかしら。

久々に出た岩波文庫のコンラッド,「西欧人の眼に(上)」を読み始め....あっと言う間に読み終わりました。 物語の内容を想像しにくい題名ですが,恐怖政治時代のロシアを舞台に, 図らずも革命運動に巻き込まれた一大学生の運命を描いたもののようです....というのは,さる英国人が, その大学生の手記をもとに事件と後日談を語る形になっているので,上巻では肝心なところが隠されているのです。これも続きが楽しみな本です。

 

1月7日

東海道線平塚駅の近く,我が家から10分ほどのところに「升水記念図書館」という個人の家でもなさそうで,公共図書館でもない, なかなか立派な建物があります。前を通るたびに,これは何なんだろう?と思っていたのですが, 古書スーパー源氏のページのバナーリンクに それを発見し,長年の疑問が氷解しました^^;;。京大教授で仏教哲学者・久松眞一(抱石)を顕彰するため, 個人で作った資料館だったのですね。久松関係の資料を高価買取しているから,古書ページで宣伝しているのかしら....。

セコムの関連会社から「勉強がインターネットを変える!」 というインターネットを利用した学習システムのダイレクトe-mailがきましたけど,勉強がインターネットを変えちゃうんだろうか^^。 逆じゃないの....。

 

1月6日

「明治文学回想集」の続きです。本書で興味深いのは,初期の新聞小説に関する思い出話。担当記者が毎日出社後1時間で書き上げたとか, 挿し絵に時間がかかるため,あらかじめ想定した場面の挿し絵を作っておくのだが,小説の進み具合によっては適当な挿し絵が無くなってしまい, 画家を急病にしてしまったりなどなど,当時の新聞のハチャメチャぶりが楽しいです。既製の挿し絵を使うのは小説以外の社会面でも同じで, 白昼の事件が挿し絵によって夜中になったり,時には挿し絵にあわせて事件を捏造したりなんてこともあったようです。 岩波文庫でも親しい仮名垣魯文の人柄については,関係者による詳しい証言があります。

Yahooでweb-mailのサービスが始まりました。基本的にはいままで取得したYahoo-IDでアドレスが決まるので, ゴロのいいアドレスはもう取れないようですね。

 

1月5日

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今日から仕事始め。さっそく賀詞交換会へ行って帰ってきたところです。正月三が日は,実家での新年会があったくらいで, ほとんど寝正月状態でした。みなさんはいかがでしたか? たいした読書はできなかったのですが,気軽なところで岩波文庫の「明治文学回想集 (上)」を読んでみました。大正末期の「早稲田文学」から抄出された明治初期文学界の回顧文集なのですが, 新聞小説を中心にバラエティーに富んだ内容で続きが楽しみです。

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