12月26~29日
28日で仕事納めとなり,今年もあとわずか。どうにか無事に一年過ごすことができました。 私自身の今年を振り返って....と考えてみたのですが,家族ともども,これといって特別なことはありませんでした (まあ無事がなにより....)。インターネットに関しては,3月にAIRnetにホームページを移し,順次整備してきましたが, 仕事でバタバタしていたせいもあって,目新しい企画が出せず,残念に思っています。来年は書庫が充実する(予定)なので, 資料的にも役立つものを掲載していきたいと考えています。
いつも拙ページにお付き合いいただいております皆様,本当にありがとうございました。来年もまた,よろしくお願いいたします。 皆様にとって,1999年がよりよい年となりますように!
12月25日
きょうはパソコン,インターネット系雑誌の発売日ですね。わたしは昼まで待ちきれず,通勤途中で買ってしまいました。もっとも, 早朝なので普通の書店ではなく,東京駅地下の書店でしたが....。というのも「水滸伝(3)」を読み終わってしまったからなんですね。 その中に出てくる武松が西門慶を殺す話は,どこかで読んだ気がするのですが....金瓶梅だったかな....。
12月23~24日
クリスマスイブに本など読んでいる暇などあるか....とはいっても,特別イベントもないゆえ,「水滸伝(3)」を読んでいます。 一気に全部揃ってから読む方法もあるのでしょうが,水滸伝の場合,べつにストーリーを細かく覚えてなくても, 読み進むことができるのはありがたい。建築中の我が家は,ようやく屋根ができて家らしくなったところ。一応書庫も付いているのですが, パソコン机を入れたら身動き取れそうにないほど狭い....。
<
12月19~21日
岩波文庫12月新刊で最初に読んだのは,フルニエの「グラン・モーヌ」。 よく古書店では古い角川文庫版「モーヌの大将」を見かけるのですが,いままで読んだことがありませんでした。背の高い大人びた友人モーヌと, 私の少年時代の思い出を綴った物語。ヘッセの初期作品とかカロッサなど,青春小説好き^^の私には嬉しい本で,一気に読んでしまいました。
講談社学術文庫「ラ・プラタの博物学者」は,岩波文庫版にはない挿し絵が入っていて楽しめる本。以前取り上げたような気もしますが, 最近重版したのか,書店で平積みになってたりして目に付くので,お薦めします。
12月18日
赤かぶ検事の和久峻三といっても,私はよく知らないのですが,大のカメラ好き,写真好きらしい。光文社文庫新刊 「カメラは病気」は,その和久邸を訪れ,膨大なカメラコレクションを見た写真家・田中長徳との書き下ろし対談集 (実際は長徳氏がインタビュアーのような雰囲気)。
和久氏のカメラや写真に対するアプローチは,いわゆるカメラマニアのそれと全く違って,実利や効率を一番に求めており, あまりの割り切りぶり,徹底ぶりに,ちょっと唖然とする長徳氏。和久氏の小説をよく読んでいる人は, 当たり前と思うことかもしれませんが...。
長徳氏のカメラ本には食傷気味というカメラファンにも,これはお薦め。
12月17日
クリスマスシーズンといえば必ず登場するディケンズですが,ちくま文庫の「クリスマス・ブックス」は落語調で訳したという異色作。 でも読んでみると,読みやすくはあるものの,代わり映えしないのは残念。同じディケンズの「クリスマス・カロル」岩波文庫版は, 戦前に2度出たきりで,60年以上品切れ中^^です。
12月16日
「誤用辞典」を読んでいたら,こんな例がありました。
....この辺は判りますね。ではこれは....
....いかがでしょうか?
12月15日
相変わらず風邪で不調であります。中島さんの「文庫のページ」に名古屋古書会館での即売会のことが載っていました。 名古屋にはたまに出張し,鶴舞にも行ったことがあるのですが,名古屋古書会館は見たことがありません。土日に開催するなど,なかなか良心的? ですね。東京の古書展も日曜日に開いてくれれば,とても便利なのですが,神保町自体,学生と大学関係者(とご老人) のための街になってしまい,日曜日は完全休業。勤め人は相手にしないようですから,これは無理でしょう。
12月14日
たとえ文庫本ばかりであっても,蔵書には違いなく,その管理に苦労している人も多いでしょう。神田古書店連盟による「本を愛する人々へ」は, 本の保存や取扱いについて,教科書的に書かれており,参考になります。ただ,自宅や実家,会社のロッカーや机の下まで, 文庫本で溢れている人間には,なかなか実行し難いようです....。
12月12~13日
週末は仕事でバタバタしている中,夜は横浜ランドマーク近くの遊園地で,10回もチビ電車に乗せられ, すっかり風邪を引いてしまいました。これから,雑誌の年末進行, 忘年会やクリスマスでのんびり読書というわけには行きそうもありません....。
慶応の学生さんのレポートですが,中間報告が出ています。
12月11日
よく学校で「教育映画」なるものを見せられたとき,その多くは文部省や文化庁の提供する岩波映画でした。 岩波書店グループの一員であり,50年近い歴史を持つ同社が,昨日倒産したと聞き,なんとも残念な気持ちです。倒産理由としては, 「芸術志向が高く制作費をはじめとする経費負担が大きいことから、収益性に乏しい経営だった」ということらしいですが, 本体は大丈夫なんでしょうね....。
12月10日
相変わらず意気軒昂な「ふるほん文庫やさん」ですが,今度 「ふるほん文庫やさんの奇跡」(谷口雅男著・ダイヤモンド社刊)なる会長の自伝が出るようです。目次を見る限りでは, なかなか面白そうな本ですけど,紀田順一郎はちょっと誉め過ぎか....。とにかく読んでみることにしましょう。
12月9日
ヒ素事件で思い出したのは,セイヤーズの「疑惑」(創元推理文庫)。急に体の調子が悪くなった男が, 友人から主人を毒殺して逃げている女の話をきき,最近雇い入れた家政婦が,その女ではないかと疑う。 物置の奥にしまってあった除草用のヒ素剤を確かめると,きっちり締めておいたはずの蓋が緩んでいる。心配になって毒物検査をうけると, やはりヒ素中毒に間違いなかった。家に残している病弱な妻のことも気にかかる。そのうち体はますます衰弱し, 家政婦に対する疑いは濃くなるばかり。
そんなある日,かの家政婦が居間に飛び込んできた。「旦那様,たいへんなお話がありますのよ。 あの恐ろしい毒殺女がつかまったんですって。これでもう大丈夫ですわ....」
すべては誤解だったのだ。だが,そうだとしたら,この家のヒ素は? だれがいったいあれを....。彼はぎょっとして妻をふりむいた。 そのときはじめて,彼女の目のなかに,いままで彼が,思ってもみなかったものを見た....。こんな感じの話でした。
12月8日
オンラインジャーナル「本とコンピュータ」 12月号が出ました。紀田順一郎監修の連載"技術と日本語ものがたり"第一回は,日本語活字-成熟した木版文化との別れと題し, アジア各国における活版印刷の始まりを解説。日本のグーテンベルク本木昌造を紹介するほか,明治24年に発刊された「印刷雑誌」 創刊号の全ページを復刻しています。凝った作りですが,ファイルが大きいので電話代にご注意あれ。
12月7日
エンデの「モモ」を一柳慧がオペラ化した公演に行ってきました。子供もいっしょに楽しめる歌やダンス, 本の装丁でもお馴染みの山本容子の舞台デザインも学芸会風で面白く,満足。モモは岩波のドル箱?なのか,他社での文庫化は難しそうですが, もっと手軽に読めるようになると嬉しいなぁ。
12月6日
小学館文庫が創刊1周年を迎えました。光文社よりキンキラな記念帯には吃驚しましたが,この1年で191冊を刊行し,解説目録も発行。 この解説目録,点数が少ないこともあって,詳しい紹介(各冊200字程度)と著者プロフィールが載っていて,なかなか楽しく読めます。
12月5日
小学館ライブラリの新刊「蔵書票の美」は,かつて同社から出たものの再刊で,以前読んだことがあったのですが, 蔵書票の起源や技術の進展,我が国の蔵書票の始まり,現代における蔵書票の意味などを,多くの図表を用いて解説した楽しい本です。 古本屋でも蔵書票を貼ってある文庫本というのは,ほとんど見ることがないと思いますけれど....。
12月4日
岩波文庫新刊「ディキンソン詩集」をパラパラ眺めていたら,懐かしい詩を見つけました。それは"I never saw a Moor - "という短い詩で,中学生の頃愛読していた英詩集に載っていたものです。その頃はなんとなく,寂しい生涯を送った (ブロンテ姉妹のように)女流詩人と思っていたのですが,なぜ彼女がホイットマンと並ぶアメリカを代表する詩人と呼ばれているのか, 本書の詳しい解説を読んで納得しました。所々に挿入されているディキンソンにちなんだ古い写真も,なかなかいい味を出しています。
12月2日
近年発行された書籍を検索するために「書籍検索便利帳」をつくりました。 要は,新刊・既刊・古書等の検索ページリンク集です。普段わたしが使っていて便利だと思うサイトを集めてみました。
12月1日
昭和37年以来,40年近く毎月4点を刊行してきた岩波文庫が,ここにきて毎月5点ずつ刊行しています。 水滸伝が毎月1冊含まれているため,これが定着するのかどうかわかりませんが,今年の岩波文庫の刊行点数は51点となりました。
今月の重版として,福本日南が忠臣蔵事件の全貌を史実に基づいて明らかにしようとした大著「元禄快挙禄」が3分冊で出ます。 十数年前に初版が出たのも確か年末だったはずで,やはりこれは季節物なのでしょうか。もう一点の重版,コレットの「牝猫」は, 新婚の妻が夫の可愛がる牝猫に嫉妬する話。これはクリスマスに関係があったかなぁ....。
古書店でよく見かける角川文庫版「モーヌの大将」。この題名では,なにか子供向けの物語かと思われて,
いままで手に取ったことがありませんでした。今回,岩波文庫版で出たのを機会に読み始めたところ,背の高い大人びた友人モーヌと,
私の少年時代の思い出を綴った素敵な物語で,ヘッセの初期作品やカロッサなど,青春小説好き^^の私にとって嬉しい本であり,
一気に読んでしまいました。
この本が普通の青春小説と違うのは,ストーリーにいくつかの謎が置かれていることです。転校生モーヌが道に迷い, 潜り込んだ奇妙な城での仮装結婚パーティ。そこで出会った絶世の美女イヴォンヌ。その城への道を見つけることができず, 失意のうちにパリへ旅立つモーヌ。パリでの貧しい少女との出会い。 婚約者に逃げられ旅芸人に姿を変えながら放浪するイヴォンヌの兄....果たしてモーヌは城とイヴォンヌを見つけることができるのか....パリの貧しい少女の正体は....私に残されたモーヌの手記の秘密とは....物語は, あの城でモーヌとその娘を見つめる私の姿で終わります....。
う~ん,あまり読書欲をそそる紹介ではありませんでしたが,青春小説は単調なり....と思われている方にとくにお薦めします。
我が家(平塚市)から見える山といえば,第一に富士山,第二に大山(おおやま)。大山は雨降山とも呼ばれ,古代から信仰の山として崇められてきました。江戸時代には庶民に「大山詣で」が流行し,明治には「神仏分離令」により,阿夫利神社と大山寺とに分離しましたが,国学者の権田直助が神主となり阿夫利神社として確立し,いまでも参拝客や,遠足の小学・中学生で賑わっています。それで,なぜ突然大山なのかというと,この権田直助は,今月岩波文庫より出た「霊の真柱」の著者平田篤胤の弟子なのです。
「霊の真柱」は,古事記や日本書紀などをもとに,真の「世界創世記」を構築しようとした書で,神々の系譜や,宇宙の開闢,天・地・泉の生成を10個の図により説明したもの。学者篤胤曰く,とにかく我が国が世界の中心であり,世界の創造も我が国の神々によりなされたものだから,中国や西洋諸国にあまたある創世記は,その方言に過ぎない。アダムとイヴは,もちろん伊弉諾尊と伊弉冉尊が流れ流れて現地化?したものである....。
現代語訳ではないので,見た目は取っつきにくいですが,篤胤の態度が極めて明解なので,言いたいことは解った!結構面白かったよ,といった感。ついでに,日本の神話に出てくる神々を知るには,日本や西洋の神話を集大成した「神話の門」がお薦めです。
解説によると,「古学の徒は大倭心(やまとごころ)を堅固にもつことが肝要であり,そのためには「霊(たま)の行方の安定(しずまり)」を知る必要があるとして,宇宙の開闢から天・地・泉の生成と形象を,10箇の図と古伝により説明し,その過程を貫いている神々の功業を明らかにして,霊魂の行方を論じた書。篤胤の幽冥観を確立し,国学的宇宙論に新たな展開をもたらした重要著作」とのこと。
11月28~30日
ほとんど20年ぶりに町田に行って来たのですが,ずいぶん様変わりしていてビックリ。いまやパソコン激戦区とかで, とにかく若者が多く,綺麗な街とはお世辞にも言えない....。だいたい古くて活気がないように見えても,品のある街というのはあるもので, そういうところには小さいながら良い古書店があったりします。古書店主の青木正美さんが,神奈川県で良い古書が出るのは,第一に鎌倉, 第二に湘南の東海道線沿線,最後に小田急線沿線,と言っていましたが,別に神奈川県に限らず, 新興住宅地で良い古書が出る可能性は少ないでしょうね。文庫本の山くらいは出るかもしれませんが。あくまで古書の話です。
※先日発売の『実用ホームページ888 Part7』(成美堂出版)
に拙ページが小さく紹介されていました。ありがとうございます。
※日経ネットナビ主催の「ホームページ大王」コンテストが終了しました。ご投票いただいた皆様の豪華?賞品当選を祈っております。
11月27日
サピアの「言語」を読みました。最初のところをパラパラめくったとき,これはダメだ
(ちっともわからん^^)と思ったのですが,これはうれしい誤算で,後半6章以降は,面白く読むことができました。
異なる民族や文化間での言語の相似について,ルーツを同じくするが今は互いに異なる言語が別個に発達するとき,
そこにはある似通った法則が生まれる,という有名な理論はわかったぞ....。あとは聞かないで^^;;。
リンク集にSF,ファンタジー,絵本ファンにお薦めの"二ムの木かげの家"を追加しました。
11月26日
文學のためにできることの電子文學新聞『葉』 12号が届きました。このメールマガジン,文学関連のニュースを幅広く集めていてお薦めです。今月号には,太宰治草稿発見─「斜陽」と 「グッド・バイ」,最古の「猿蓑」自筆草稿発見,三島由紀夫、10代後半の書簡大量発見,アルキメデスの手書き写本が競売へ, サンテグジュペリの遺品発見─マルセイユ沖,などなどの面白い話題と文学賞情報が載っています。「猿蓑」は,20年ほど前, 岩波文庫50周年記念で復刊されたことがあって,この辺が岩波文庫復刊のはしりだったと思うのですが....。40周年のときは, なにか復刊されたのかしら。
11月25日
皇后陛下のご講演が『橋をかける-子供時代の読書の思い出』として,本日発売されたようです。発売元の"すえもりブックス"は, 今までにも皇后陛下訳の絵本「どうぶつたち」や「ふしぎなポケット」を発行したところ。陛下にはほかに,「はじめてのやまのぼり」(至光社) という自作の絵本もあります。
11月21~24日
3連休,カミサンの四姉妹がみな子供を連れて温泉旅行に行くことになっていたので,一人静かに暮らせてラッキー! ....と喜んでいたら,なんと妹の子供が熱を出していけなくなったから,子供はみんな置いていくことに決まった,とのこと。 つまり亭主連は,子守&留守番。勝手に決めるなよ....。
佐賀の季節書房では, 絶版文庫目録第2弾を掲載中。今回は旺文社文庫,改造文庫,アテネ文庫などの特集です。1冊1000円の旺文社文庫には,懐かしい (もう懐かしくなってしまったのか^^;;)タイトルがならんでいますね。渡辺紳一郎の「西洋語源物語」など, 学生の頃結構喜んで読んでいました。
「水滸伝(2)」がやっと書店にならんでいました。先月のストーリーは....覚えているかな^^。
11月20日
11月には,青帯関係の一括重版がありました。ウチの近くの書店は,岩波の復刊があると,平台にズラリと並べてくれる良い店で, 今回も積み上げてはあったのですが,お客さんの関心がいまいち薄いように思いました。魅力のある書目があるかないか, ということももちろんですが,やはり重版と復刊では,だいぶイメージが違うのだと思います。 岩波も別にこだわらずに,稀覯本をドカン! と復刊くらいの大風呂敷を広げてもよいのではないかと....^^;;。
11月19日
昨日,帰る途中で本屋に寄りましたが,「水滸伝(2)」はまだ出ていませんでした。とりあえず,「職工事情(下)」と「言語」 を買ってきましたが,「言語」はかなり難物のようです。
「職工事情(下)」は,上・下の職種別統計資料とは異なり, 明治中期の女工の募集や虐待に関するトラブル事例や,職工・工場主・口入れ業者等のインタビューを,そのまままとめた明治版「女工哀史」。 官製の報告書が,なぜこのようにリアルで悲惨なものになったのか不思議に思えますが,そもそも「職工事情」は,労働者保護の「工場法」 立法を目指す農商務省が,その拠り所として調査・作成したものでした。工場法自体は,業界団体の反対や日露戦争のどさくさにより「骨抜き」 となってしまい,1903年に関係者に配布された本書も,第2次大戦後になって,ようやく公刊されました。
11月18日
インターネットエクスプローラの5.0b。さっそく入れてみましたが,職場のパソコンではパワー不足で動きがぎこちなく (ベータ版のせいもあるかも),あえなく討ち死にしました。複数署名に対応しているのは良かったのですが....。 ここのところ会議が詰まっていて本屋に顔を出せなかったので,きょうは文庫の新刊でも探してみようかと思っています。
11月17日
リンク集に「本の森を旅する」を追加しました。 毎月テーマを決めて,詩,ミステリー,童話などジャンルごとに本紹介。絵本を見ているような雰囲気あるデザインも秀逸です。 ※「文庫本大好き」へは, http://www.tomita.net/でも辿り着けるようになりました。
11月16日
双葉文庫から片岡義男が2冊でましたが,これはかつての角川文庫版を,著者自身が大幅に改訂したものだとのこと。 ちょっと書店で見たところ,著者の改訂の辞?が面白かったので,旧版と読み比べてみるのも面白いかも....。
11月15日
新聞によると,中公文庫から今月発売される「英国101話」(林信吾著)は,文庫化にあたって, 中央公論社が著者に内容の一部書き替えを要求したが,著者がそれでは意味がなくなるとして反発。 結局そのトピック自体を別の話に差し替えて出すという。これは中央公論社が読売新聞社の傘下に入るにあたって,同書の読売・ 渡辺社長を批判した部分を問題にしたらしい。どこかの国じゃあるまいし,体制の改革があるたびに, 過去の作品まで書き換えられてしまうとしたら,ずいぶんな事ですね。もっとも著者自らが環境の変化により自主規制した, という話はときどき聞きますが....。
11月14日
筑摩書房より読書子必携の書,「書物の出現」上下2巻が学芸文庫のシリーズで出ました。 このマルタン(とフェーヴル)により書かれた大部な「本の歴史」は,紙,活字,装丁,造本,印刷工房,書物の取引, など中世の書物に関する広範な問題を扱っており,たとえば,木版画が活字本の前身であるか?等々興味深いテーマを, わかりやすくかつ詳細に解説しています。お勧め本ですが,各巻四百数十ページで1500円という価格にはちょっと吃驚。
11月13日
カフカがちょっと話題になっていましたが,"審判"について興味深いサイトを開いている頭木さんよりメールをいただきました。 内容は,1990年に公開された"審判"の生原稿に関する解説と試訳ですが,これは一見の価値があります。 さっそくリンク集にも追加しました。デザインもなかなか素敵です。
☆10月は,のべ2072名の方にご来場いただきました。ありがとうございました。
11月12日
掲示板不具合のため,全面的に作り替えました。過去ログは転載してあります。よろしくお願いします。
例の新橋駅前バザーで,カバーのない文庫本がワゴン1台にビッシリと売られていました。どこから持ってきたんだろう....。 内容さえよければカバーなんて,と思ったのですが,内容もいまいち寒かった^^;;。
11月11日
推理小説には疎いのですが,角川文庫ドートマンダーシリーズなどの復刊情報が「ものぐさたろうの書評コーナー」 で紹介されています。
10日,日本書籍出版協会が,会員会社のホームページを66社同時立ち上げ^^;;。リンク集はここにあります。ふつうの出版社リンク集では, まだ取り上げられていないレアな?出版社が多く,なかなかおもしろかったです。
11月10日
新橋駅前恒例のバザーで古本が出ていたので覗いてみました。岩波文庫では,ノヴァーリス「青い花」,ヘッセ「世界文学をどう読むか」 が各100円。あと「南禅寺日記」という白い表紙の変わった文庫本が出ていたのですが,出勤途中で時間がなく正体が分かりませんでした。
11月9日
今月の新刊文庫一覧を見ると, 岩波以外で洋物のクラシックと呼べそうなのは,ちくま学芸文庫の『ギリシア文化史・6巻』(ブルクハルト)と,河出文庫の 『チャペックの犬と猫のお話』(チャペック)くらいでしょうか。とにかく,あまりに少ない。まあ, 世界文学全集なんていうのも新しい企画が出そうにないし,ネタ切れでもありますね。
11月7~8日
近くの慶応大学湘南キャンパスの学園祭に行って来ました。ちょっと町中から外れたところにあるせいで, なかなか環境が良いところでした。まだ人口?が少ないため,生協の本の品揃えなど,今ひとつですが,新書は15%引きでセール中。 なぜかウクレレなど売っているのも,湘南の慶応らしいところでしょうか。
11月6日
東京は今朝方から,かなり冷え込んでいて,12月の気温だそう。最近は寝不足が続いているので, 電車の中でも読書より音楽を聴いている時間が多くなってしまいました。本を読む場合は, 集中してしまえば周囲の雑音など気にならないのですが,音楽ではついつい音が大きくなってしまいます。先日の読書調査でも, 一ヶ月に一冊も本を読まない人が半分以上とか。「読書の秋」という言葉も,あまり聞かれなくなったように思います。
11月5日
文藝春秋より10/20に創刊された『文春新書』。「考える、楽しめる新書」がキャッチフレーズだけれど,創刊ラインナップ (皇位継承,マネー敗戦,史実を歩く,ファースト・コンタクト,孤独について,脳内イメージと映像,二十世紀をどう見るか, 種田山頭火の死生,我輩は猫であるの謎,黄門様と犬公方)をみると,ホントに楽しいのかな??? 記念に一冊買おうか, と書店でパラパラめくっていたのですが,正直欲しいと思う本がありませんでした。いまさら出すからには, ちょっとは新味のあるタイトルが出ないものでしょうか。
11月4日
近くに「石屋」ができたので覗いていたら,蔵書印の篆刻もやるという。いま使っている印がだいぶ古くなり, 文庫本用としてはサイズが大きいため,ひとつ作ろうかなとも思ったのですが,もし作る場合,単に××蔵書や××文庫ではつまらない。 なにかよいネーミングはないか,と考えたが,なかなか難しい。雅号風でもなく,しゃれた印というのはないものかしら。
11月3日
岩波文庫新刊「アガメムノーン」を読みました。いや実際のところ面白かったのです,これが。 戦慄のカッサンドラー狂乱の場や,戦勝の喜びの中,次第に明らかになる陰謀の影。国のため娘を生贄にささげる国王と,復讐に燃える妻。 2000年以上前のドラマの迫力に圧倒されます。アガメムノーンの物語については,「オデュッセイア」 に詳しいので,適宜これを参照しながら読むと一層楽しめます。
11月2日
怪談・怪奇小説や歴史・冒険ものなど,ユニークな書目を取り上げている堂幻幽樂有古をリンク集に追加しました。
11月1日
早大の方がロシア文学文庫本一覧を作られています。 文庫本に限らず,重厚長大のロシア文学は,あまり読まれなくなっているように思いますが,いかがでしょうか。 また最近のロシア文学で文庫化されているようなものはあるのでしょうか。どうもロシアものは過去の名作以外,目に触れないので, どこから取り付いたらいいのか....。
10月31日
もう11月になるというのに,この暖かさはなに?(今日は26度になるらしい) いよいよ,日本もハワイ並に常夏化になるのかしら。
そんな温暖化の影響ではないだろうけど,最近は第2次ウクレレブーム?とかで,この夏に出た「ウクレレパラダイス」 (POPEYE別冊)も,なかなかの売れ行きだったそう。日本にはヴィンテージもののウクレレが結構集まっているんですよ。なにを隠そう, ウクレレ歴30年の小生曰く,小さいけど奥が深い....まるで文庫本のようではありませんか。と,これは強引なこじつけ。
10月30日
昨日から職場のノートパソコンのメモリとハードディスクを入れ替えていました。これで少しは延命を!と思うのですが, 所詮ペンティアム以前の旧パソ,あまり改善されなかったみたい....。
初めて丸善のインターネットショッピングを利用してみたのですが,検索機能はかなり優れていて,ヒット数も多いようです。ただ, ほかの宅配サービスに比べてちょっと時間がかかるようで,注文して一週間ほどで届きました。
10月29日
結局昨夜は「職工事情(2)」を読みながら帰りました。先月出た(1)の紡績工場は,小説等でもよく取り上げられていますが, 今回取り上げられている明治中期の燐寸工場,硝子工場などの様子は,なかなか興味深く,勉強になりました。 とくに学齢期の子供達まで大人に混じって健気に働いている姿が,紋切り型になりがちな官製レポートながら,強く印象に残ります。
10月28日
困ったことになりました! 昨日の帰りの電車で読み始めた「水滸伝(1)」が,今朝の通勤電車中で梁山泊にたどり着き, 読み終わってしまいました。まあ,長距離通勤のおかげですけれど,来月まで間が持たない....。帰りは「新訳アガメムノーン」 を読むしかないか....。
10月23~27日
先週末より,ちょっと休暇を取っていました。今月の新刊「水滸伝(1)」が,岩波文庫にしては珍しく, 近くの書店の平台に山積みされており,しばらく眺めていたところ,中年サラリーマン風男性が結構手に取っていました。 ちなみに前回の岩波文庫「水滸伝」は,1947年から91年まで44年がかりで完結したものです。
10月22日
岩波文庫絶版情報1998年版ができました。 なにか常連絶版本のような書目もありますが,早めに買っておきましょう。
10月21日
新潮社の方より,新潮文庫の専用ページができているとの連絡をいただいたので,リンク集を修正しました。 なかなか新潮のページは読みでがありますね。
オースティンの新刊「説きふせられて」を読みました。べつに派手なストーリーではないのに,最後まで読まされてしまいました^^。 オースティンをシェークスピアに準える人もいますが,高級なハーレクインロマンスだと思って気楽に読んでも怒られないでしょうね....。
10月20日
ハヤカワ・ミステリ発刊45周年記念出版「ハヤカワ・ミステリ総解説目録」を入手しました。 総発行点数は1600点近くになるそう。面白いのは挟み込みの在庫書目一覧で, 分厚い目録に比べ両面刷りペラ1枚で収まってしまう在庫というのが,ちょっと寂しい感じがしました。最後の著者索引に, 簡単な略歴が付いているのは,なかなか便利。
10月18~19日
当地では昨日今日と30度近くまで気温が上がり,夏のような蒸し暑さです。これが, インターネットで寝不足になった体に堪えたとみえて,風邪をひいてしまいました。今月の岩波文庫新刊が書店に並んでいるか, 見てこようと思っていたのですが....。
10月17日
「絶版岩波文庫高額書目」 リストを作り始めました。随時更新していく予定ですが,"こんな本が高かったよ!"というような情報をお持ちの方は, ぜひご連絡ください。
10月16日
本文が横書き(横組)の文庫本というのも珍しくなくなりました。私が岩波文庫で最初に見たのは,ペランの「原子」 だったと思うのですが,最近は自然科学本に限らず,対訳詩集などもあるので,かなり増えているでしょうね。で,詩集など本文が横書き・ 左綴じでも抵抗はないのですが,読み進んで解説に至ったとき突然,「横書き(の解説)というのは,なんとも読みにくいものだ!」 と感じるのです。習慣というか,不思議ですね。
10月15日
昨日出た雑誌「AMUSE」に,毎年恒例ながら神保町の古書店特集が載っています。 これは10月30日からの神田古本まつりに連動した企画なんですが,新書や全集,辞書,芸能など,注目店が紹介されています。まあ, グルメ企画,並んでも買いたい「売切御免」15店の方がためにはなったけど....。
10月14日
Columnに"単行本はどこに?"を追加。
10月13日
「大古本まつり」を見てきたのですが,今回は出品点数も多く,結構賑わっていました。岩波文庫の出品は, 百数十冊といったところでしょうか。そのなか,ヒューズ「トム・ブラウンの学校生活(全2冊)」昭和27年刊が美本だったので, 買ってきました。2冊で千円也。ほかに古い文庫は....と思って探したのですが,新潮や角川のパラフィン装の本があったくらいで, あとは新しいものでした。
10月10~12日
1997年岩波文庫発行書目一覧をつくりました。 「総目録」の続きということで....。12日から新橋駅前で,恒例の「大古本まつり」が始まりました。昼休みにちょっとのぞいてきます。
10月9日
ずいぶん前に話題になった写真集「Yellows」と「Chinese」が文庫本化されて,ぶんか社から出ていたので, ヘエーと思ったのですが,文庫の新刊検索やリストを見ても出ていません。あれは,文庫本と認められていないのでしょうか....。私は, 文庫本スタイルの写真集や画集が好きで,文春のB級グルメシリーズとか,結構読んでいます。
10月8日
私のページは,表示スタイルを揃えるために,Tableタグをたくさん使っていて,そのため表示が遅くなる弊害が出ています。 スタイルシートを使えば,かなり改善されると思うのですが,現在のところ対応ブラウザ(IE4とNN4)で来訪される方が70%ほどなので, 無理に変える必要もないかな,という感じです。なかにはWebTVで来られた方もいました^^。Table対応ではないブラウザの方, 一応こんな感じで作っているんですよ....。
書店で「子供の大科学」(串間努,光文社文庫)を見つけました。懐かしかったのは, 昭和40年代前半にお気に入りだった電子玩具"マイキット"や"電子ブロック"の詳しい説明があったこと。 そうそうこれこれ!と一人ニヤニヤしてしまいました^^。
10月7日
オンライン・ジャーナル「本とコンピュータ」 は,まだ創刊準備号といった体ですが,『本あるいは読書をめぐる世界の変質』(粉川哲夫)など, いくつの興味あるエッセイが掲載されています。読者からの投稿も募集しています。
☆「文庫本大好き」9月は,のべ2523名の方にご来場いただきました。ありがとうございました。
10月6日
ふるほん文庫やさんのページに岩波文庫の復刊・ 重版に関する説明があって,「・・・岩波文庫の総出版数は、約5,000冊と思います。流通している常時在庫1,000冊とした場合、 4,000冊が品切れ状態です。この品切れ4,000冊を、年間128冊の復刊サイクルで、繰り返しています。一回りするには、 31年間かかる事になります。復刊されたばかりの文庫を購入しそこなった場合は、単純計算でいうと、 31年間復刊を待ち続けるという事になります」とありました。ほんとうにすべての書目がそうやって循環してくれれば,30年でも待ちますが, 実際には,復刊されない書目と,しばしば復刊される書目がすでに出ている感じですね。
10月4~5日
i feelの古書レビューで不完全本のことが出ていましたが,高価な古典籍は別として,古書店で文庫本などを買うとき, いちいちページをチェックするわけではないから,たまにページが切り取られているものに出会いますね。私の経験では, 文庫本の奥付が切られているものが数点ありましたが,あれはどういう意味があるのか???です。 まさか検印マニアがいるとか....^^;;。
10月3日
わたしのつたない日本語が,仮にもし私に近い世代の読者に何かを伝え得たとしても, 後の世代の読者には無用となる運命を避けられないことを覚悟しなければならない(訳者・山内久明) ....いやいやご謙遜なさらずとも,時代や世代を超えた名訳はたくさんありますよ。しかしこの訳ならそう思われるのも無理ないかしら。 それとも対訳本だから,詩的な訳でなくてよいのか....。いいかげん定年退官で暇になった学者先生に翻訳させるのは止めたらいかがか。 「ワーズワース詩集」のはなし。
10月2日
岩波文庫10月新刊のジェーン・オースティン「説きふせられて」は, 同じ訳者で50年以上前に出たもののリメイク版だと思うのですが, 河出世界文学全集の阿部知二訳にすごい高値がついてたりするところをみると,卒論研究などでも需要があるのかもしれません。 熊本大の大野龍浩氏のページには,「英国小説翻訳一覧」 があり,比較的入手容易なタイトルが並んでいます。
10月1日
講談社文庫情報誌 「IN・POCKET」のページで,あなたが選ぶ「'98海外翻訳ミステリー・文庫ベスト10」の応募を受付中(10月5日締切) です。ミステリーに興味のある方は,一度のぞいてみてはいかが? 作品は講談社文庫に限りません。岩波文庫からはただ一点,「夢の女・ 恐怖のベッド」(ウィルキー・コリンズ)がノミネートされています。
9月29~30日
出張中。出張先の××大学には立派な図書館はありましたが,周辺に書店が全然なかった。学校周辺の書店密度(とくに古書店密度)は, 個人的にその大学を評価する上での重要な指標だと思っていますので,今回はハズレ....といったところ。
9月26~28日
細井和喜蔵が28歳の若さで著した「女工哀史」(岩波文庫)は,大正期の紡績工場における女子労働者を描いたもの。のちに山本茂美が 「あゝ野麦峠」(角川文庫)で小説化,映画化もされ,影響されやすい私など,すぐに野麦峠訪れ,美しい乗鞍岳を眺めながら, しばし感慨に耽ったものです....。
今月の岩波文庫新刊「職工事情」は,それらの原点を成すもので,官製の報告書でありながら, 文章も平易で,単なるデータ集にとどまらず,明治中期の紡績工場などの苛酷な労働条件に喘ぐ人々の実態をよく描き出しています。 1903年刊の全文を3分冊に収録予定。
明日,明後日は北陸方面へ出張します。
9月25日
文庫本が収録作品を入れ替えたり,分冊を合本化することで,"新版"として出直すことはよくありますが, 今月の新刊ベルクソン「思想と動くもの」は,ちょっと変わっています。 これは同じ訳者で40年ほど前に出た「哲学的直観」,「哲学入門」,「哲学の方法」の3冊を,文庫編集部が現代表記に改め, オリジナル論文の順に並び替えたもので,基本的に中身は同じ。
その理由として岩波書店は,河野与一訳が見事なので捨ててしまうのが惜しく,改訳せずにこの改訂版を出した,と言っています。 畏れ多くて手が出せなかったか,若手研究者が後込みしたか,定かではないけれど,改訳積極推進!を打ち上げたばかりなのに, ちょっとガッカリ。
河野与一は岩波文庫を十数冊訳しており,その博識や語学力に敬服する学者は多いけれど,一方で岩波文庫の「プルターク」や 「クォヴァディス」をつまらなくした張本人とも言われています....。
9月24日
愛読している日経ネットナビ主催「ホームページ大王1999」に参加しています。作者を喜ばせてやろう!という方は, こちらへどうぞ。
9月23日
皇后陛下が21日、インドのニューデリーで開催中の国際児童図書評議会(IBBY)世界大会で、ビデオを通して基調講演をされました。 幼い頃の想い出として,「日本少国民文庫」で読まれた「日本名作選」や「世界名作選」のお話も出てきました。
私自身は,たいへん立派なお話だと思い,かつ感銘を受けました。日本語訳全文はこちらにあります。
9月22日
「艸木虫魚」(薄田泣菫)は「茶話」の姉妹篇みたいなものですから,面白いことは面白いのですが, 解説者もこれには困ったとみえて,もっぱら「茶話」のことばかり書いています。同じ笑いでも,尾崎より泣菫のほうが, 私にはピッタリきますね。話の巧みさや観察の鋭さで,現代版「茶話」作家としては,東海林さだおさんなどいかがでしょうか^^。
9月19~21日
"文庫本を読む"に尾崎一雄「暢気眼鏡・虫のいろいろ」 を追加。
9月18日
岩波文庫(のシェークスピア)に福田恒存が訳したものはありますか?ときかれたので, 「いや中野好夫などが訳しているので無いでしょう。岩波文庫全体でも無いかもしれません」と答えたのですが,これは予断^^;;でした (サロメが福田訳)。しかし,なぜ福田恒存が岩波に....。他社で絶版の「私の国語教室」(新潮文庫)や「作家の態度」(中公文庫) には結構いい値が付いているらしい。まあ,笑いのネタにはなるかな^^。
9月17日
講談社学芸文庫から「東京の三十年」が出ました。これは岩波文庫でも1981年に出ていた田山花袋の名随筆,お薦め本なのですが, 最近の文芸文庫は岩波の絶版本をよく拾っている感じですね^^;;。元本は,博文館(大正6年刊)。3万円ほどで古書店でもよく見かけます。
9月16日
東京は台風一過,猛烈な日差し。9月の岩波文庫新刊が並んでいるか,見に行こうと思ったのですが,あまりの暑さにめげてしまいました。 ....リンク集に少し追加しました。
9月14~15日
アスキーの元社長,西和彦氏が岩波文庫の愛読書を3冊挙げていますが,これが「ナポレオン言行録」,「伊豆の踊り子・温泉宿」, 「死に至る病」だそう....。一代の英雄から,自らを見つめ直す孤独な旅,そして死は絶望の結果であり,絶望は罪と語るキルケゴールへ。 なかなか含蓄のある(勇気を奮い立たせてくれる)選択ですね。
9月11~13日
岩波書店のホームページが変わりましたね。 どこが変わったって? え~,タイトルロゴが^^;;。中身は別に変わっておりませんでした。ところで,岩波文庫9月新刊は,季節柄? 「艸木虫魚」(薄田泣菫),「暢気眼鏡・虫のいろいろ」(尾崎一雄)と虫関係の2冊。ほかに岩波文庫の虫本には「ファーブル昆虫記」 がありますね(原著とおなじ10分冊の完訳)。秋の夜長に久しぶりに読み直してみようかしら....。
9月10日
広辞苑第5版の発売を11月に控えて,岩波書店が「広辞苑ものがたり」 という小冊子を書店で配っています。これは広辞苑にまつわる寿岳章子氏らのエッセイをまとめたものですが,用紙,製本, 挿し絵,校閲など広辞苑の製作にかかわる人たちの話が面白い。青いクロスの背の部分にある浮き出し模様は何をあらわしているのか, 知っていますか? 答えは,今となってはわからない....そうです。
9月9日
「公募ガイド」誌に連載中の高木芙羽「電脳お稽古日記」で, 本ページを紹介していただきました。中年の男性....というのにちょっと引っかかりますが^^;;, ほかにも読書関係のWebがいろいろ紹介されているので,ご覧下さい。
9月8日
久しぶりに文庫本関係のマニア本が出ました。"文庫本コレクション"に「文庫本 雑学ノートを読む」を追加。
9月5~7日
高原書店の絶版文庫在庫目録はなかなか親切にできていて, 出版年と初版,重版,復刊の別が示されているので,最近復刊されたかどうか調べることもできます。 岩波文庫はおなじみのタイトルばかりですが,角川,旺文社,講談社などの絶版文庫もかなり揃えており,これがなかなか面白い (岩波文庫よりこちらの方が高め)。全部持っている中公文庫の川上澄生全集に,1冊1,800円がついているのはちょっと嬉しい^^。 持っていない本に高値がつくと腹が立ち,持っている本の値が上がると....ムフフ。 でも1冊しか持っていない本を売るわけにはいかないから,どうしようもないのですが....。
9月4日
"岩波文庫を読む"に宇野浩二「蔵の中・子を貸し屋」を追加。
9月3日
台北の紀伊国屋書店に行きました。海外のこの手の書店では, いつ発行されたかわからないような古ぼけた日本語の本がよく並んでいるので, ここにも絶版になったような古い文庫本が残っているかもしれない,と思っていたのですが,岩波に限らず全部パリパリの新本ばかり。 パラフィン巻きの岩波文庫どころか,(あまりさわる人がいないせいで)こちらの書店以上に新品美本揃いでした。残念。
9月2日
岩波書店の「図書」9月号に,作家で古書店主の出久根達郎さんが「本の目録」 というエッセイを寄せています。
戦争で高校生の息子を失った老夫婦が,焼けてしまった息子の蔵書を再現するため,彼の作っていた蔵書目録を頼りに本を集め直したいと, 店を訪ねてきた。目録を預かった出久根さんは,自分がその息子さんになったような気持ちでそれらの本を探し出し, 少しずつ老夫婦のもとに送り続けてきた。いつのまにか,その夫婦もなくなり,鎌倉の老夫婦と息子さんのお墓を訪れ,想い出に浸るというお話。
他にも面白い古書目録の話が出ていますので,ぜひ「図書」をご覧下さい。
9月1日
「対訳 英米童謡集」(岩波文庫8月刊) はマザーグースを中心とした英語の童謡や子供向けの詩を集めたもの。マザーグースは日本語訳もいろいろ出ていますが, これは原文とうまく対照できるので便利。最近,偶然子供向けのマザーグースの歌を集めたビデオ(英語教育用)を見たのですが, やはりこれは実際に歌ってみないと面白さがわからないのではないでしょうか。 ついでに楽譜も付けてくれると嬉しかったのですが....あまりに大部な本になってしまいますね^^;;。
"ユーモア"とは,品のよい滑稽・上品な冗談ということらしいですが,あまり耳にしなくなりましたね。尾崎一雄は, 昭和期の代表的なユーモア作家,と評価されていますが,その短編(岩波文庫の新刊「暢気眼鏡」) を読むと,暢気な若い妻や貧乏ネタが,昔流行した漫才を久しぶりにテレビで見たようで,若い人には,面白さがよくわからないのではないか, と思いました。少なくとも師匠の志賀直哉と比べて,同じ私小説といっても,ずいぶんスケールの小さな感じを受けました。 だれか尾崎の偉大さを教えてくれないかなぁ。
尾崎家では,風呂桶を貰ったのに狭い家ゆえ,置き場所がなかった。そこで,玄関に置いていたのだが.... 「うちでは玄関で風呂をたてているよ」ある時井伏鱒二にそういったことがある。 すると彼は目を丸くして,「君とこの玄関は,随分たてつけがいいんだね」といった。これには,こっちがまた目を丸くした。彼は, 玄関をしめ切って,たたきに水をくみ込み湯を沸かすとでも思ったのだろう。呆れた男である。その後,何かというとこれを持ち出し, 彼を閉口させている。
ユーモアですよ....。
解説に,著者の略歴紹介がないので,念のため....
尾崎一雄(1899~1983) 伊勢市に生まれ,小田原市に育つ。神道家の父との確執に悩むが、志賀直哉の『大津順吉』に共鳴。 文学を志し,志賀に師事。37年に発表した「暢気眼鏡」で芥川賞を受賞。私小説作家として知られた。戦後は,「虫のいろいろ」, 「もぐら横町」,」「まぼろしの記」などを発表し,75年には自伝的文壇史「あの日この日」で読売文学賞を受賞。作品は200点を超える。 神奈川近代文学館には尾崎一雄資料室がある。
「文庫本 雑学ノート」(ダイヤモンド社,
1998年9月刊)は,久々に出た文庫本マニアのための蘊蓄本。著者岡崎武志氏は,先に出た「文庫本大全」
の編者をつとめたほか,週刊誌の読書コラムを担当するフリーライター。
自ら文庫王と名乗るマニアックな人だ。
本書は文庫本の歴史に簡単に触れた上で,文庫化されていない名作,文庫本解説のいろいろ,文庫目録を読む, 消えた作家,スピンと栞,文庫本のカバー,文庫本専用本棚など,文庫本についての「雑学」をまとめており, 「文庫本そのすべて」が基本データ集ならば,こちらは応用編というところ。
とくに力を入れているのは,文庫本につきものの解説と新旧各社の解説目録比べで,40ページほどを充てている。 古い解説目録を集めている人は多くないと思うが,絶版・品切リストの載っている目録は少ないので, それを地道に調べるには古い解説目録を手に入れておく必要がある。本書では,かつての売れっ子作家が, あっさり文庫から消されてしまった様子をレポートしている。仁木悦子が一点も残っていないなど,初めて知って驚いた。 昭和5年に出た岩波文庫の最古?の目録もちゃんと載っている。
岩波文庫はあまり多くふれていないが,角川,新潮,朝日ソノラマなど,とくに日本の文学作品には,なかなか詳しく, 絶版文庫や復刊文庫の情報も充実しており,角川のリバイバル復刊のリストもある。書影も豊富で, 懐かしい表紙がいくつかあった。
この手の本では,タイトルばかりずらずら並べてブックガイドと称するつまらないものも多いが, 本書はオリジナルなデータをうまく取り入れて,文庫ファンなら誰でも楽しめるものとなっている。
「同時代の作家たち」(広津和郎)を読むと,宇野浩二が菊池 寛に「僕のが大阪落語なら,君の"恩讐の彼方"は新講談ではないか!」と抗議の葉書を出した,という話が出ています。
これは岩波文庫にも収録されている宇野の「蔵の中」を,菊池が「大阪落語のような....」と評したことによります。この際,大阪落語....というのが非難に当たるかは別として,「蔵の中・子を貸し屋」は宇野の巧い語り口に乗せられてしまいますね。
蔵の中・・・ありとあらゆるものを質入れしてしまう「私」は,質屋の利息だけはきちんと払い,所有権だけは手放さない。金が入ると,それを請け出せばよいものを,結局新しい着物を買ってしまい,これも当然質入れされる。ついに質屋の蔵の中に,「私」の着物専用の箪笥までできる始末。そしてこれを虫干しするために蔵の中に入るわたしだが....。
子を貸し屋・・・ひょんなことから,亡き相棒の子の面倒を見るようになった貧しい団子屋の佐蔵のところへ,近くの銘酒屋の女が,大枚の金を払って,その子を借りにくるようになった。しだいに,他の銘酒屋の女達からも,子貸しを頼まれるようになり,団子屋より子貸しで儲ける佐蔵。その繁盛ぶりを見て,わざわざ子供を連れて売り込みにくる母親まで出る始末。果たして金で子供を借りにくるその訳とは....。
たしかに落語調ですな....。
8月25~31日
30日夜,中華航空の遅れにより,東海道線の終電に滑り込みセーフで帰ってきました。台北は連日35度の暑さでしたが, 美味しい食事には満足満腹しました。もっとも子供は,どこへ行こうが変わりなく,奇声を上げ,走り回り,ほかの子供のおもちゃを奪い, 故宮博物館より台北SOGOデパートの子供広場がお気に入りといった具合。カミサンにとってはともかく, 私にとっては果たして休暇になったのかどうかわかりません....。
8月23~24日
屋上登攀者(岩波文庫8月刊)とは変わった題名ですが, 新聞記者で登山家であった藤木九三の山のエッセイを集めたものです(初版昭和4年)。単なる山行の記録ではなく, 登山の技術や思想の歴史を面白く語っており,「・・・山をめぐるわが国の名著のなかでも,めだった特徴をもっている。多かれ少なかれ, 山の本につきものの抒情が厳しく抑えられている」(池内紀)。それゆえ山の素人にも取っつきやすい本となっています。
☆あしたから一週間,台湾へ行って来ます。しばらくお休みしますが,またよろしくお願いします。
8月22日
学陽文庫の新刊,「古本探偵の冒険」(横田順彌)は,以前本の雑誌社から出た「探書記」を改題したもの。そのもととなったのはやはり 「本の雑誌」の連載だから,都合3回目の登場となるわけですが,買ってしまいました^^。 普通の読書ガイドや古本マニア本では取り上げられない日本の野球史や,本業?のハチャハチャSF本についての楽しいコラムが満載。 お薦めです。
8月21日
岩波文庫に最初「国富論」として入っていたthe wealth of nationsが「諸国民の富」 と名を変えたのは,富国強兵,覇権主義を連想させる書名に抵抗があったからだ,という話を読んだことがあります。 この書名なら同一本だと想像がつくが,今月出たウェーバー「社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」」の旧訳が「社会科学方法論」 だというのは,ちょっと難しい。本に限らず広く知られた邦題をあえて変えるからには,納得できる理由が必要だと思うけど....。
8月20日
朝,教育テレビ"3ヶ月英会話"で,オースティンの「自負と偏見」を取り上げていました。この本,地味なタイトルですが, 岩波文庫の中でも,とくに面白い本の一つです(岩波でのタイトルは「高慢と偏見」)。モームも世界十大小説のなかに入れていなかったかな。 見逃した方は,明日の朝の再放送をどうぞ。
8月19日
ハウフの名をきいて,懐かしい思いのする岩波文庫ファンは多いでしょう。岩波文庫にただ一冊納められた,高橋健二の名訳による童話集 「隊商」は,この夭折したドイツの作家を我が国に広く知らしめました。それから60年近く経ち,ついに(大げさか^^;;) 8月の新刊として彼の童話集「盗賊の森の一夜」(Das Wirtshaus im Spessart)が登場しました。これは珍しくも男っぽい童話です。
1802年シュトッツガッルトに生まれたハウフはチュービンゲンで哲学などを学び, 家庭教師や新聞の編集者を務めたりした後,26年に"Lichtenstein"で作家として初めて成功を収めたが, 彼の名をドイツ文学史に残すことになったのは,1826~28年に刊行された童話集や民謡にもなった詩によってである。彼は1827年, わずか24歳でその生涯を閉じた。ハウフの作品は,例のグーテンベルグプロジェクトで原文を読むことができる。
8月18日
ウェブデザイナーの Kyoko "Bammy" Shimamuraさん^^による, 江戸の怪奇物語などを集めたページ 「読書の横道」ができました。内容もユニークで,デザインもさすがに巧いものです。泉鏡花や怪談好きな人は見に行きましょう!
8月14~17日
岩波書店のホームページは,在庫書籍の検索に関してはよく出来ていると思うのですが,肝心の問い合わせ先や連絡先として, 営業部の電話番号しか載っていないというのはどういうことでしょうか。岩波の営業は電子メールとか使っていないのかな? 総目録だって, 高い値段でCD-ROMを売りつけたりせず,貴重なデータベースとしてオンラインで公開すれば,とっても役立つのに....。最近, たいした復刊文庫本が出ていないので,ストレスがたまりますね^^;;。
8月13日
Windows98を導入しました。ベータ版のときにはコケたので心配でしたが,それほど大きなトラブルもなく, まずは順調に動いています。見た目は全然変わらないので,これとまた数年?付き合うのか,と思うと,ちょっとガッカリ。
ちなみに私のホームページにお立ち寄りいただいた方では,Macが1割くらい。UNIXがごく少数,といった感じで, 圧倒的にWindowsが多いです。Netscapeな方は意外に多くて,半数近く。最近はVer.4が多くなりました。 Windows98でNetscapeの方は,まだ見かけません^^;;。
8月12日
BOOK Chase Boardという本好きな人のための掲示板ができました。ホームページの宣伝やメール仲間の募集など, みなさんのコメントがなかなか面白いです^^。
8月11日
岩波文庫7月の新刊の中で最後に残ったエル・シードの歌をようやく読み終えました。 だいたい中世の叙事詩や伝承は,はじめから興味がわかないか,途中で挫折してしまうのが常ですが,これは丁寧な解説と詳細な注のおかげで, なんとか最後までたどり着けました。アルハンブラ物語(岩波文庫)を先に読んでおくと,当時のイベリア情勢がよくわかります。
☆エル・シードは,幼い頃よりスペインの宮廷に出入りし,サンチョ2世の信任を得て, 彼のもとで軍総帥として活躍。サンチョ2世が暗殺されると,弟のアルフォンソ6世が後を継ぐが,エル・シードは彼に疎まれ, 周囲の謀略にも遭って国外追放の刑を受け,わずかな騎馬を従えて出国。諸国歴戦の末,1094年バレンシアを攻略し,イスラム勢力を一掃。 イベリア半島での国土回復運動(レコンキスタ)における英雄と讃えられるようになった。
8月10日
私が編集担当の雑誌は,毎月10日が校了日なのですが,今月は著者が夏休みで行方不明になってたりして,まだ終わりません^^;;。 焦っています....。最近はフロッピーや電子メールで原稿が送られてくることが多いので,ふつうの校正自体は楽になったのですが, 校正刷りが出てからあと,著者による大幅な修正があるとどちらにしてもお手上げです。この時期,進行表を睨みながら,胃の痛い日が続きます。
8月8~9日
日曜日,新高輪プリンスのキティーちゃんのイベントにいってきました。いやぁ,子供はもちろん,若い女性まで大変な人と熱気。 グッズの販売や,簡単なショー,ゲームなどがあって,私は同じショーに4回つきあわされました^^;;。
帰り道,横浜の高島屋に寄ったら,小籠包で有名な台湾の點心の店鼎泰豊が新しく出来ていました(新宿にもありますが)。ここでは, 野菜餃子が美味しかったです^^。牛肉麺はちょっとしつこい(沖縄のソーキソバと同じ)。食べてたら台湾に行きたくなりましたけど, 台北の書店情報なんていうページはないかしら。 古い岩波文庫をおいている書店などあったら最高なんだけどなぁ。
とりあえず,疲れた日曜日ではありました。
8月7日
学生の皆さんは夏休み真っ最中,社会人の皆さんは夏休み中?あるいはもうすぐ夏休みというところでしょうね。そこで, よけいなお世話ですが,「夏休みにこれだけは読んでおきたい本....渾身の一冊」をお知らせします。とくに若い人はぜひお読み下さい。 いや,違うぞ!というご意見もどうぞ。
ヴォーヴナルグ「不遇なる一天才の手記」(岩波文庫)・・・ヴォーヴナルグ侯爵は1715年, 南仏に生まれ,はじめ士官として各地の戦闘に参加。のちにパリに出て文筆活動に入りましたが,32歳の若さで夭折しました。 貧困と不遇に苦しみながらも,ヴォルテールやミラボゥに愛されたヴォーヴナルグの最期の言葉は『おお,死を決意することは, なんとむつかしいことなんだろう!』でした。
彼にはこういう箴言が1000近くあります。
8月6日
「鉄仮面」といっても若い人は知らないだろうなぁ(私もよく知らないが)。これを書いた黒岩涙香は,「萬朝報」 という明治期の大衆新聞も出していて, そこに載ったFocusばりの各界著名人ゴシップを集めたのが蓄妾の実例(現代教養文庫)。
涙香が,この人身攻撃といえる連載を開始した主旨は,その前文にあげられた,○我国に一夫多妻の蛮風, 今猶お如何の程度まで存するや○その蛮風は如何なる人々がこれを保存するや○この記事は世人にこれらの点を解釈せしめんために掲ぐ....に示されるとおり, 社会改革者としての使命からということになっていますが,実際は発行人である涙香が, 読者の興味をそそるセンセーショナルな紙面づくりの一環として始めたものでしょう。
ここには鴎外を始め,いまでもよく知られている人がたくさん出てきます。たとえば伊藤博文の項.... 『はじめ自宅出入りの土木請負人の長女を妾とし,麻布長坂町に壮麗な邸宅をもたせたが,病気のためこれを失うと,次は次女を手に入れた。 しかしこれも19で死去したため,今度は16歳の三女まで手に入れようと欲したが, さすがに二人まで早逝したことに恐れをなした父親が容易に承諾せず,苛立った博文は莫大な金品を与え,出入りの者を使い交渉中だが, 先月まで話がまとまった様子がない。しかし,今後の進展についてはわかり次第報告する....』
8月5日
素敵なデザインの読書サイト「本の虫茶房」の主人, にしかわさんが英国に新婚旅行に行き,その顛末を連載中です。べつに書店巡りをしているわけではないのですが, ほのぼのとした雰囲気で楽しく読ませていただきました。
8月4日
蔵前仁一氏の文庫本をもう一つ。ホテルアジアの眠れない夜(講談社文庫)。帯には 「椎名誠氏絶賛の旅」と書かれ,大槻ケンヂとの対談がおまけです。
その中に,アジアのトイレ事情が書かれていて,やはり中国のトイレ(中国人民用)は恐ろしいとあります。「なにしろ,そこには扉, 壁などほとんどなく,小さな穴が規則正しく並ぶだけなのだ。そればかりか,あたり一面に彼らの残したモノが散乱していて, 足を踏み入れることさえ出来ない....」
長江下りの船の五等客室では,2,3百人の乗客に対してトイレが2個しかなく, 「朝になるとほとんどの人がトイレに押し寄せるのであるが, この人数で2個となると相当長時間待たなくてはならない....なんと彼らは2個のトイレに続々と押し寄せ, ひとつのトイレで体を寄せ合い3人同時に用を足してしまうのだ」
8月3日
結局品切れでした。サンリオ版の立原道造詩集「夢みたものは」。とりあえず探求書として登録しておきました。残念。 立原道造には最晩年(といっても24歳),恋人水戸部アサイさんとの間に, 全集には載っていない絶唱とも言うべき手紙がたくさん残されていて,これも詩に劣らず感動的なのです。小川和佑の立原道造 忘れがたみ(旺文社文庫・絶版)は,その手紙をもとに道造の最期を詳細に描いたお薦め本です。
8月1~2日
いやいや,蒸し暑い休日でした。夏バテ予防にと焼き肉を食べに行って,その帰り近くの本屋によったのですが,夜9時を過ぎても, 涼んでいる?人でいっぱい。Windows98のパッケージがずらりと並んでいて,結構手にとって眺めている人がいました。ところで, 新しい解説目録は出たのかな?
7月31日
きょうで7月も終わりなのに,まだ梅雨があけたあけないとグズグズ。電車も大雨で止まってグッタリ。どうもノリの悪い月末です。でも, 電車の中で中学生の男の子が,なにやら一所懸命読んでいるので失礼して覗くと,椎名誠の「オババ」でありました。う~ん, まともな中学生もいるんだ,安心安心。
7月30日
「図書」8月号に一括重版の広告が,先月に続いてまた載っていました。売れてないんかな? ところで, 今月発売の岩波文庫にヴェーバーの社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」があります。 このカッコを含み22字の書名は長いですね。岩波文庫の長いタイトルには「イワーン・イワーノヰッチとイワーン・ ニキーフォロヰッチとが喧嘩をした話」(35字)というのがあるけど^^。またランキングでもやってみようかしら。
7月29日
やや殺風景だった掲示板をリニューアルしました。
旧掲示板の書き込みはそのまま残してあります。 よろしくお願いします。
7月28日
高校生の時,英語の先生が「発音のわからない単語は覚えられないので,最初からハッキリ発音を確かめよう!」といっていました。 要は字面だけ覚えようとしても無理だ,ということでしょう。
同様に外国の小説で,登場人物の名前がなかなか覚えられない場合,実際に口に出して呼んでみると少しは効果があるようです。 とくに親しみのない名前が多い東欧の小説は難しい。なぜそんなことを思い出したのかというと, アンジェイェフスキの灰とダイヤモンド(岩波文庫)を読んだからで, このポーランドの小説は著者からして覚えられない^^;;。ストーリー自体は,ヴァイダ監督の映画で親しい人もいるでしょうが (シナリオは共同執筆),第2次世界大戦末期のポーランド情勢をドラマティックに描いたもの。やや強引な展開だと感じるところもありますが, 戦後すぐ,ほぼリアルタイムで書かれただけに,臨場感に溢れ,一気に読んでしまいました。
7月27日
最近登場したHarlequin's Fansは,ハーレクインロマンス(略称HQ)の専門サイトだ^^。HQには,なんとファンクラブまであるらしい。 HQに近づきがたいものを感じる諸兄は,一度覗いてみましょう。楽しいページです。
7月25~26日
週末は子供のお守りで,海へ水遊びに行ってました。辻堂海岸はサーファーや子供連れでいっぱい。ビチャビチャになっては, 家へ戻ってシャワーを浴び,腹ごしらえして,また出撃。一日中大騒ぎして,ぐったり疲れました。
日曜日は書棚の整理。ずっと岩波文庫50周年記念復刊の青い箱を探しているのですが,見つかりません。オレンジ帯の本自体は, まとめて並んでいるのですが,箱はどこかに片づけてしまったようで....。20年以上前になりますが,札幌の書店で買ったこれを担いで, 地下鉄に乗って下宿へ持ち帰ったことを思い出しました。そのなかのいくつかはその後復刊されています。
7月24日
岩波文庫最新刊の薄田泣菫「茶話」をまだ買ってない人はちょっと待った! この本はあまりに面白すぎて,摘録(154篇)の岩波文庫版じゃなく,冨山房百科文庫の「完本茶話」 (811篇....わたしもこれで読んでいました)を読みたくなるのは必至なので,書店でパラパラ読んで気に入ったら, そちらを探しましょう。
泣菫を「あゝ大和にしあらましかば....」などの詩人として記憶している人は多いでしょうが, 新聞社の学芸部長を務めたジャーナリストでもあり,この「茶話」も大阪毎日新聞などに連載された大正期の人気コラムでした。いやいや, 結構キツイことを書いていて笑えます。
7月23日
中国の処世訓にもいろいろありますが,その中でも現代人に受けそうなのが韓非子(岩波文庫) ですね。
韓非は,その現実的かつ法律万能主義の思想で始皇帝を感激させ,秦の宮廷に迎え入れられますが,同門の李斯の卑劣な妨害により自殺。 のちにその李斯が韓非の理論を実践して成功し,始皇帝の宰相になるという悲劇の人です。韓非の非情な人間観は, 現代に於いては大変わかりやすいものですし,ふんだんに出てくる史話も興味深いので,お説教臭い話はゴメンだ,という人にもお薦めします。
7月22日
もう読まれた方も多いと思いますが,絶対音感(最相葉月)をようやく手にしました。 音楽家のインタビューやドキュメント本の中でもユニークな視点のこれは,噂に違わず面白かった。 絶対音感が先天的な資質なのかどうかはわからないようですが,一般の人にはない感覚を持っていることが果たして音楽家として幸せなのか否か, というところにも興味を惹かれます。
私は子供の頃,私の見ている赤や緑の色が,他人の見ている赤や緑の色と同じであるかどうか,疑問に思っていました。もっと一般的に, 私の感覚(五官)が,他人と同じようなものであることを,検証できるのか?ということも。たしか雑誌にも同じような疑問が載っていて, そこには生体のメカニズムが同じもの同士であるから,感覚も同じと思われる....というしごく簡単な答がありました。
7月21日
最近はワインに関する文庫本も目に付くようになりましたが,これはハードカバー。Making Sense of Wine(白水社)はワインライター,マット・クレイマー著の「ワインがわかる」本です。 だいたいワインを解説する本を買うくらいなら,当のワイン自体を買った方がよい,と思っていますが,それはあまたあるワイン本が, 全く代わり映えしないものだからです。どんなワインを買ったらよいか? 保管場所は? 飲み頃は? 料理との相性は? ....一冊読めばみな同じ。でもこれはちょっと違う。
彼はコニサー(目利き)を「好きなものと良いものの区別ができる人」とし,「ワインにおける科学全盛期」である現代においては, 「技術的に上出来なワインと本質的に優れたワインを峻別するという微妙きわまる難題に直面」していると考えます。また, ワインの歴史については,古いワインと現代人が賞でるワインが別物であることに注意し, 普通言われている保存方法は旧弊な樽保存にふさわしいもので,家庭のセラーには相応の注意があるべきだ,としています。
旧来の常識に一つ一つ疑問を投げかけ,ユニークかつ納得できる答えを引き出すこの本は,実用書としても優れ, 一本のワインを我慢しても読む価値があります。
7月17~20日
三連休でゆっくり休もう,と思っていたのですが甘かった。錦糸町,秋葉原,新宿と渡り歩いて,またまた帰りは午前様。 一歳児がこんな夜遊びしてていいのか?とも思いましたが,本人はまだまだパワーが衰えず,昨日も従妹のところへ泊まりにいってしまいました。 というわけで,三日間に読んだ本はインターネットの雑誌を少々とインテリア雑誌数冊....。今週は頑張ります^^;;。
しかし連休中,閑散としていた東京で,秋葉原のあの人混みはなんなのでしょうか^^。Windows98の発売日が楽しみですなー。
7月16日
別冊宝島のシリーズが好きで,別にパソコンを買うわけでもないのに「いっきにわかるパソコンの買い方・ 使い方Windows98スタート編」というのを買ってきました。Macを全く無視しているのは相変わらずですが, ペンティアム300に4.3Gのハードディスクがエントリーマシンとは....。私のペンティアムプロは希少価値がでないかな (いや絶対にでない)。
7月15日
鴎外の日記には啄木の名前が4回出てくるそうですが,その最後に「夜石川啄木来て新聞社の為に宮中撰歌の事を問ふ。答えず」 と書かれています。
これは当時,東京朝日新聞にいた啄木が,宮中新年御歌会の詠進者の選考に情実が絡んでいるという噂について鴎外に取材にいったところ, 鴎外が(陸軍軍医総監の立場としては当然ながら)それには答えられない,と言ったことを示しています。これが両者の訣別となったわけですが, それ以前から啄木には鴎外に対する不満が増していたようです。
「森先生の小説を読むたびに,私は何か別のものが欲しくなる。森先生はあまりに平静である。あまりに公明である。 少なくとも我々年若い者がお手本とするには。」(啄木『昴』)
7月14日
サンリオ文庫から葉祥明のイラスト付きで立原道造詩集「夢みたものは…」が出ていたらしいのですが,見たことがありますか? 私は学生時代(いや今でも),立原道造が好きで,詩集はもとより書簡や日記に至るまで,丹念に読んでいたのですが, この文庫本があったことは不覚にも知りませんでした。立原って誰?という方には,岩波文庫の詩集,あるいはnet上の青空文庫で,詩集 『暁と夕の詩』と『萱草に寄す』が公開されています(エキスパンドブック版も)。
7月13日
最近は小錦の面白いCMや税制見直しで,ウィスキー飲みが増えてきたという話もありますが,さて, 水割りの美味しい割合というのはどれくらいでしょうか? 以前,ウィスキーメーカーのCMで2.5対1がよい,と宣伝していましたが, 古代ギリシャ人もこれには悩んだとみえて....
みんな紀元前5世紀くらいの話ですが,「食卓の賢人たち」(アテナイオス著,岩波文庫)には, 魚狂い人名録抄,マケドニアの結婚祝賀宴,魚奇談,などなど古代ギリシャ人の食をめぐるウンチク話が満載で,大いに笑えます。 (ほかの食の本についてはここをご覧下さい)
7月10~12日
歌人の窪田空穂は,明治28年に早稲田大学の文科に入り,坪内逍遙の薫陶を受けました。その「窪田空穂随筆集」 (岩波文庫6月刊)は,当時の早稲田の学生生活(学生野球事始めみたいな話も)や, 坪内逍遙にまつわる心温まるエピソードが豊富で,なかなか楽しめます。空穂を敬愛していた大岡信は, 結婚式の媒酌人を頼んだり名付け親になってもらったとかで,同人による巻末の解説が, もっぱらそんなプライベートな出来事に終始しているのも面白いところ。雑談調で気楽によめる本です。
7月9日
東京お台場に新しくできたメリディアンホテルのロビーには,なぜかシトロエンが飾ってあり,カップルが覗き込んだりしていましたが, やっぱり今でもフランス車には味がありますな....。そんなおしゃれなフランス車には縁がないと思われる岩波文庫ですが,いえいえ, それがあるんですよ,お嬢さん^^。
日曜日の午後,パリへ向かう高速道路を走る車が, フォンテンブローで渋滞に巻き込まれるところから,この奇妙な物語は始まる。プジョー404,203,2HP,カラヴェル, シムカ....懐かしいフランス車が次々と押し寄せてきて,ついに全く動かなくなった車の中で夜は更けてゆく。・・・渋滞は何日も続き, 水や食料は無くなり,ついには死者まで出る始末。次第に近くの車同士が集まり,乏しい物資をもとにした共同生活が始まる。・・・ そして永遠とも思える日々が過ぎ,ついに車は動き始め,運命共同体を成していたそれぞれの車は,全速力で,再び見知らぬ車の中に, 日々の生活の中に消えてゆく・・・・
現代文明の隙間に生まれたつかの間の原始共同体の夢と,その崩壊の過程を描いたこの小説は,コルサタルの 「南部高速道路」(岩波文庫)。お薦めです(絶版になっちゃったみたいです^^;;)。
7月8日
モーツアルトのオペラ「魔笛」については,台本が支離滅裂だ,というのが決まり文句で (第一幕最後でザラストロが悪役から突然聖人になったりするところね),それゆえストーリーの哲学的意味?については, オペラ読本などの類で,いろいろと想像力豊かな解釈がなされているわけです。
そんな長年の悩みを吹き飛ばしてくれる本がありました。 カミサンがピアノの生徒用に買っておいた全音出版社のピアノ絵本「魔笛」。 各場面の有名なアリアや合唱のピアノ楽譜のついた絵本ですが,子供向きに天真爛漫,虚心坦懐,スッキリと描かれているので,もう安心です。 モーツアルトはやはり,子供の心に戻って楽しむのがよいようで....。
7月7日
岩波文庫を読んでいて一番感じるのは,「ああ,これはこういう本だったんだ!」ということ。つまり,
名前のみ知っていて中身を知らない本が多いのですね。たとえば,朱子学や陽明学など,結局それは何なのか?
高校の授業で名前だけ覚えていても,さっぱりわかりませんでした(頭悪かっただけか?)。でも,最近出た
「大学・中庸」には丁寧な解説が付けられていて,朱子学の歴史と意義が私にもわかりました。
本文も平易な現代語訳で読みやすいのですが,あまりスッキリしてしまうと有難みがなくなってしまうかもしれませんね^^。
こんなことしか言っていなかったのか,という....。とりあえず,受験勉強にも役立つ岩波文庫。
7月6日
貧乏旅行といってもいろいろランクがあって,日本人の貧乏なんてのは所詮「外国旅行者」
レベルでの貧乏である....ということで,アジア,アフリカ各国を旅しているイラストレーター蔵前仁一さんの
「旅ときどき沈没」が講談社で文庫化されました。
蔵前さんは「ゴーゴー・アジア」や「ゴーゴー・インド」など,自由気ままな一人旅(のちに奥さんを連れての二人旅) の絵入りエッセイで人気ですが,移動移動に明け暮れる旅では見ることのできない人々の生活や,そこで出会ったユニークな旅人を「沈没する」 (気に入った場所に長く留まって動かない)ことにより発見しようという旅の記録です。笑えるイラスト満載で, 普通の旅にしか縁のない人にも大いに得るところ大です(文庫版をまだ見ていないので,単行本と同じだったら....ですが)。
7月3~5日
週末は平塚七夕祭りで,我が家の周りも大混雑。まともに歩くこともできない....というわけで,お台場に脱出していました。 こちらもなかなかの人出でしたが,さすがに昼間は暑すぎて,夕方頃からようやく人が溢れてくる,といった感じ。しかし, 書店や古本屋がなければ暮らしてゆけぬ?本好きの人にとって,こういう新開地は魅力がないでしょうね。 その土地の文化度を書店や古書店の数で量るならば,この辺りよりも地方都市のほうにずっと豊かな町がありそうです。 平塚にも東京の古書市によく出品していた老舗古書店,萬葉堂がありますが,最近様子を見に行っていないので....。
7月2日
以前,啄木の「ローマ字日記」の問題部分が雑誌に掲載されて, 当局より警告処分を受けたことがありました。そのとき,もともとその部分も載っている岩波文庫版が大丈夫なのになぜ?と問題にもなりました。 興味本位の抄出と「芸術作品」との違いである....というようなことなのでしょうが,岩波文庫を「一般の人」が読むようなものではない, と思っている人がいるのだとしたら,面白いことです^^;;。ローマ字日記自体は,公表を前提にして書かれたわけではないでしょうし, 私自身,どうしても覗き趣味的にしか読めないので,気が滅入るものだという印象があります。
7月1日
澤木四方吉「美術の都」(岩波文庫)を読みました。 大正初期にフランスやイタリアの美術探訪の旅に出た著者の日記や書簡を集めた紀行文集で,イタリアの観光美術案内としても役立つ本です。 (これを簡略化した昭和版が松永伍一「私のフィレンツェ」ですな)
『芸術創造力や文化にとって王者と貴族の存在がなければならず,民衆的傾向はこれを弱めるものである。 フランス革命は人道的功績を残したかもしれないが,群雄割拠の病的近代思想を産んだ。英国は王国にして王政がないところに弱点があり, フランスは共和制でありながら王国の残影をとどめるところの希望がある。』....「第三の男」かな,これは^^;;。
文中しばしば引き合いに出されるブルクハルト「伊太利文芸復興期の文化」と森鴎外「即興詩人」(ともに岩波文庫) も合わせて読むと一層楽しめるでしょう。ほかに著者が直接見聞きしたカンデンスキーについての小論も興味深いところです。
大正初期にフランスやイタリアの美術探訪の旅に出た澤木四方吉の日記や書簡を集めた紀行文集.で, イタリアの観光美術案内としても役立つ本です。(これを簡略化した昭和版が松永伍一「私のフィレンツェ」ですな)
『芸術創造力や文化にとって王者と貴族の存在がなければならず,民衆的傾向はこれを弱めるものである。 フランス革命は人道的功績を残したかもしれないが,群雄割拠の病的近代思想を産んだ。英国は王国にして王政がないところに弱点があり, フランスは共和制でありながら王国の残影をとどめるところの希望がある。』....「第三の男」かな,これは^^;;。
文中しばしば引き合いに出されるブルクハルト「伊太利文芸復興期の文化」と森鴎外「即興詩人」(ともに岩波文庫) も合わせて読むと一層楽しめるでしょう。ほかに著者が直接見聞きしたカンデンスキーについての小論も興味深いところです。
6月30日
7月7日に岩波文庫の一括重版があります。今回は比較的最近の書目ばかりで,めぼしいものがないのは残念ですが,メリメの 「怪奇小説選」,サンドの「フランス田園伝説集」など楽しい読み物が多いので,緑陰読書には結構かと思います。
6月29日
書店で「'98角川文庫の名作150」の小冊子を貰いましたが,なかなか面白いですね。名作とは言いながら, 普段岩波文庫ばかり読んでいる人だったら,ほとんど読んだことのない作品ばかりでしょう^^;;。勉強になりました。
ところでその冊子に「文庫による読書感想文コンクール」募集というのが出ていたのですが,なんと各中学・ 高校での校内審査や学校推薦による県コンクールを経ての全国大会だとか....。これじゃ,審査員に林真理子がいようと誰がいようと, 「中学・高等学校の先生」感想文コンクールだわな。このインターネット時代に,なんかとんでもない時代遅れに見えますが。
6月26~28日
いやー,週末はものすごく暑かったですね。渡部昇一が,我が国の夏の読書や執筆において, 当時あまり一般的でなかったクーラーの効用を取り上げ,それでやっと欧米並みの生活ができる,と言ったことがありましたが, たしかに仕事でも家庭でもクーラーなしの生活は考えられなくなってしまいました....。だいたい, 最近のオフィスビルは窓が開きませんものね。
"本と遊ぶ・ 本いろいろ"というページでは,珍しい文庫本や奇怪な?本など,ちょっと変わった本を取り上げています。 まだできたばかりのようなのですが....。
6月25日
「野上弥生子短篇集」(岩波文庫)の"或る女の話"は,一人の女がさまざまな男に翻弄され,流されていく話ですが,これを読んで, 「裁かれる大正の女たち」(中公新書)を思い出しました。
女性解放運動勃興期における世間一般の女性のおかれていた立場を,主に新聞記事や身の上相談の回答などから調べた本書には, 「新しい女」に対する政治家や小説家の評価,とりわけ同じ女性からの徹底した避難が集められています。生田長江の 「婦人の最も良くないものは,男子の最も良くないものより悪い」とか,夫の浮気や蓄妾に対して離婚したいという女性に, 「ほとんどすべての女性が結婚して同じ経験にあいます。男性の世界が腐敗しているからです。しかし,そうさせているのは女性です。 あなたの清い愛の力で夫を導いていき,自分が悪かったと悟るようになさるしかありません....」などなど。いやはや。
6月24日
岩波文庫の自然科学書の中で,私のお薦めは「植物の育成」(全8冊)です。植物の品種改良に関する古典的な本で, メンデルの法則に沿った選択交配による種無し果物や,巨大いもなどの創製を,そのパイオニアであったバーバングが記録したもので, 現在のようなホルモン調整や遺伝子操作に依らないプリミティブな手法による努力の過程が語られていて面白い読み物となっています。
でも内容より面白いのは,その異様な訳文で,直訳調というレベルを飛び越えて,判じ物というか原文推測パズルというか, すごいものです....。今月出たマキャベリなど,最近改訳が進んでいる岩波文庫ですが,こういう過去の遺物にも一度, 挑戦されることをお薦めします?!
6月23日
幻冬舎文庫が売れ行き不調との話をよく聞きます。我が家の近くの書店では,結構場所をとって並べてあるのですが....。(以下転載)
今回の「ダディ」の出版は同社にとって大博打だった。 というのも初版50万部は出版界では異例を通り越して不可能に近い数字だからだ。出版関係者は「200万部以上売った松本人志のエッセー集 『遺書』でさえ初版は5万部だったと聞いていますし、 ノンフィクションになると初版を6000部か8000部かで営業と編集が応酬を展開するほど。ですから初版50万部というのは、 異常な出来事というしかありません」
そんな冒険をしても「売れる」と決断したのが社長の見城氏だ。広告代理店関係者も 「郷が離婚を告白しただけの本ならこんなに売れなかった。しかし、 他の女性との関係や友里恵前夫人との暴力沙汰まで告白しているためスポーツ紙やワイドショーが取り上げ抜群の宣伝効果を上げた。 見城氏の古巣の角川書店は活字、映像、広告を総動員したメディアミックスに熱心でしたが、見城氏もそのノウハウを熟知している」
ただ、戦略を練れば売